Month: December 2010

「ジョーホンダレーシングピクトリアル #01: ロータス 97T」

毎年のレギュレーション変更によりいくつも枷を受けているにも関わらず、F1マシンが日々最速のレコードを塗り替えているのは衆目一致するところかと思います。最も速いF1は、いまのF1である。 では、最も美しいF1は? 答えは千差万別でしょう。複雑な曲面を構成するいまのF1が最も美しいと思う人もいるでしょうし、葉巻型がいちばんだとする人もいるでしょう。どちらの価値観も、自分は尊重します。自分自身はまた、違うのですけれど・・・ しかし、最も美しいロータスF1は? と聞かれたら少なくともこれは譲れない。最も美しいロータスF1はJPSロータス時代のマシンである。 モデルファクトリーヒロ初の出版物はジョー・ホンダ氏の長年にわたる活動から生まれたアーカイブから選りすぐられたモノグラフ写真集、第一弾はロータス97Tをフィーチャーし、1985年開催のグランプリからブラジル、ポルトガル、サン・マリノ、モナコ、ベルギー、オーストリア、オーストラリアの計7戦を様子がセレクトされています。ちなみにベルギーGPは路面状況が劣悪で予選のみ強行→延期再戦なんてアクシデントが起きていて、たしか今年の韓国GPがらみで引き合いに出されていた…ような? アイルトン・セナ初優勝のマシンとしても知られる97T、いわゆるターボF1に属する時代のマシンですね。F1レースとしては残念ながらリアルタイムでは見ていないのですけれど(自分がF1を認識しだしたのはセナがマクラーレン・ホンダに移籍してからです)、この漆黒と金線のカラーリングにはタミヤのプラモデルで親しんでました。本書ではセナ初優勝のポルトガルGPからも多数の写真が収録されています。ウェットコンディションで真っ黒なマシンが高速走行というのは考えてみるとおっかないですw 絶賛発売中のフジミ製ロータス97T製作資料として重宝するのはもちろんで、予選と本選でエンジン乗せ換えてたって初めて知りました。やはり現行とはいろいろレギュレーションも違うものですね。ちかしいろいろ違うと言えば、F1グランプリそのものの空気感が今とは随分違ってるような気がします。写真のセレクトの所為かも知れないのですが良い意味で垢抜けてない、コマーシャリズムよりもエンスージアストな時代のモータースポーツで、チーフスタッフも観客もどこか地味です。レースクイーンとかいません。 ちぇ 考えてみれば1985年ってまだまだバブル景気の足音も聞こえてこなかった時期ですから、世界も日本もそれなりにいい時代だったろうと、思います。 でもモナコGP市街地コースが狭苦しいのは今も昔も変わらないw F1好きな方々には面白くないグランプリの代表例みたいに言われることも多いモナコですけれど、ブラックビューティの面目躍如するような美しさ。がおかねもちのあしもとでしにそうにがんばるー やはり個人的にはこの構図こそF1だ!と、思うわけです。異論は認める。 そして黒いボディにブラジリアンカラーのセナのヘルメットがまた栄えること。 いまと違ってドライバーのバストアップがほぼ露出するようなデザインは、確かセナの事故以後変更になったんだよなーと、そんなことを考えてると、いろいろフラッシュがバックすることもありますねえ。 なお本体の営業スケジュールにともない当ブログも年内の更新はここまでとなります。開設以来ほぼ一年間、手さぐり足ぶみ、ご不満な点も多かったかと存じますが、来年以降もご愛顧戴ければ幸いです。 新年もまた痒い所に手を伸ばさない重爆の隅はつつかないをモットーに それでは、エンジョイ・モデリング!(AMのフィル調)←一度やってみたかった

エアフィックス「ボーイズブック オブ エアフィックス」

由緒正しき英国式模型メーカーエアフィックス社の歴史を綴る、フルカラー印刷、ハードカバー・糸綴じの豪華本。丁寧な装幀からは模型文化に与えられる一定の社会的地位と敬意が込められているかのような印象さえ受けます。 1939年に始まるエアフィックスの歴史を、設立者 Nicholas Kove 氏の簡単な評伝から発展と進歩、現在にまで至る長い道のりと紆余曲折の全てを数多の美しいボックスアートと共に歩んでいく、そんな一冊。 輸入プラモデルが「高価な舶来品」だった時代を覚えている方にはある種の懐かしさを感じられることも多いでしょう。模型業界の未知の英国面に初めて分け入る探求者もいらっしゃるかも知れません。当ブログでこれまで紹介してきた雑誌や写真集とは違って本文記事を楽しむにはある程度英語の読解力が必要とされますが、冬の長い夜にティーセットを携え暖炉の前のウィングチェアに腰を下ろしてページを手繰るに相応しい内容です。斯様な読書に勤しむ際にはネクタイと靴下を身につけるのが紳士の嗜み。 書評者の嗜好からついミリタリー系ばかり画像を貼ってしまいますが、無論のことエアフィックスの製品は豊富なラインナップを誇り、やはり日本の模型メーカーとはひと味もふた味も異なる歴史的伝統をもつ文化の薫陶に酔い痴れる思い。そりゃこどものころからフェアリー・ロートダインのプラモデル作ってれば英国人の美的感覚が 異常な方向性を帯びる 我々とは違う種類に作られていくのも当然ですね。 そして今、まさにこの時、この偉大な模型メーカーの歴史の1ページにストラトス・フォー版TSR-2、いわゆる萌えフィックスが名を連ねるのです。胸が熱くなります!なんだかミルクティーで大福食べてる気分!!(それはただの胸やけだ) ※こちらは第50回東京ホビーショーで撮影した試作品です ※コックピット周りよりもバンダイのアクションベース使ってんのが気になるw(製品には付属しません) 古きよき英国式伝統模型ソロジーを愛して病まない紳士のなかには、このように日本の萌え思想が模型の英国面を侵していく様子に眉をひそめる向きもいらっしゃることと存じます。それはむしろ自然な成り行きです。しかしこの一冊「ボーイズブック オブ エアフィックス」を通読すれば疑念も氷解! エアフィックスの長い歴史の中には、結構ヘンな製品もある。 だって、パンジャンドラムの国だもの。 ※本書とは一切関係がありません

イタレリ「特殊潜航艇 マイアーレ」

メリークリスマス!人間魚雷のプラモデルを作ってみました!! いますごくヘンな日本語を書いたような気がするが気にしない。そんなわけで「兵員の数に反比例して士気も戦果も高くなる」イタリア海軍にあって不動のNo.2の地位を占める特殊潜航艇いやいや人間魚雷、ひゅーまんとぅーぴーどーぅな1/35スケール・マイアーレの素組レビューですよ。 ちなみにイタリア海軍No.1といえばもちろんこいつです。競艇場で客寄せに走らせるべきなのです。 組み立て前にちょっと変わったパッケージなのです。ハコの片端が開いて塗装説明になる、でもこれハコ裏に描いてあるものと同じじゃなイカ?? と思ったらこのようにススーと抜き出せます。抜き出してどうするかと言えばイラストを飾って楽しむもののらしい。アニメDVDに「映像特典」で入ってるノンテロップ・ノークレジットのOP/ED映像みたいなものかー。うれしいけど、それほどでもない。って程度にはアニメDVDの映像特典みたいな感じですかね。 ちなみに塗装説明図の方はミシン目が入ってて、切り離してボックスアートだけ展示することも可です。そ、存在意義のわからないヤツめ… ランナーは本体/フィギュアで2枚入り。構造自体はシンプルなものですが、バリエーション展開もちょっと考え付かないこんなユニークな物をよくぞ商品化してくれました。全世界の人間魚雷モデラーが泣いて喜びもうヘタリアなんて呼ばせないのだぜ? その他一式。エッチング、デカールに加えて透明シートが入ってますが、エッチングの隣に置いたのに全然見えにゃい(´・ω・`)そして付属品の大本命、資料写真集です。 小さな版型ながら特殊潜航艇マイアーレの開発史、運用の実態、はては現存する艇体のクローズアップ写真までもが本文キャプション全英語で読み物によし、ディティールアップの参考によしでまったくイタレリのキットはいたれりつくせりですね! …いやはやちょっと寒くなってきましたな。うわー、雪だー、みたいなー ほんでゲシゲシ作り上げてゆくのです。計器盤はプラパーツにデカール、そこに透明シートとエッチングの多層構造になってまして。親切にもインストに切り抜き用の実寸サイズが描かれてて、これに合わせて透明シート(プラというよりポリカボ素材みたいな感じです)をチョキチョキ切り出していけばあ~ら不思議で 全 然 合 わ ね え 。 結局現物合わせになった。世の中なんて嘘と罠ばっかりだ。 弾頭は長短二種が選べるので好きな方で漢(ヲトコ)らしくいきましょい。 フィギュアは太いダボが設定されていて、その気になれば接着剤無しのスナップフィットでもイケそうな気がします。ちょっと香港ダストの製品を思い出したりして、あまりイタレリのフィギュアらしくは無いかな。でもごっついブーツ(潜水靴)のおかげで自立までしちゃうのでこれはこれで実によし。 作ってるとホントにこれただの魚雷にさまざまな操船装置を後から外付けしてるのが見えてきて面白いものです。関係ないけどジャック・ヒギンズの「鷲は舞い降りた」って冒険小説でやってた「めかじき作戦」は、またがるだけでどうやって魚雷を操縦してたのかは。 信管部分ってことになるのかな?イタリアの「人間魚雷」は日本のそれとは違って泊地に破壊工作員を隠密侵入させる水中スクーターみたいな役割を果たします。侵入後は敵艦船底部分に魚雷弾頭のみを磁器吸着→本体は脱出するとかで、だから長弾頭なんかあるのか。 参考図版:イカロス出版「イタリア軍入門」より 「特攻兵器」ではないけれど、じゃあそれが「人命尊重」なのかと言われるとそれもまた疑問。複雑… なことは考えずにどーにも溶接工マスクみたいな「顔」を空目してニヤけてしまう。なんだっけな「フクロウ男爵」だったかこんな顔してたのは… 艇尾のガード部分はエッチングパーツに治具をつかって円錐状に曲げたうえで十字に伸びる操舵に合わせる折れ線が折れる折れる。円形になるハズがならないッ>< …ああそうともさ、あからさまに失敗したさ! 結局4か所ある6PHのパーツは接着出来んかったし 資料写真で細部まるわかりだし iii OTL iii  おまけにフットペダルのところは接写も出来ないほど拙者恥じ入っております。 懸架台にプレート貼って一応完成。当初のもくろみとは違ってかなーり残念な結果になっちまったけどそれでもいいの。 なぜなら、今回はフィギュアがメインだからである。 イタリア海軍特殊潜航艇「マイアーレ」を運用したなかでも最も名高いのは第10駆潜艇(デチマ・マス)戦隊でしょう。のちに規模拡大され陸戦師団にまでなったこの部隊は略称を XMAS戦隊 といって実にメリー!クリスマス!!なひとたちでしてってのはあとで気がついた。 そんな名称とは無関係に、ただこうしてみるだけで実に今日のこの日、クリスマスイブにふさわしい恰好じゃないですか。 いやサンタクロースじゃなくてしっと団の人たちですよ?

海洋堂「REVOLTECH:ラドン」

特撮リボルテック翼竜型怪獣第二弾、東宝映画「空の大怪獣ラドン」よりラドンのレビューです。BGMは「ラドン追跡せよ」一択です。 箱を開けると巨大な翼にシビれますね。メーサー車のメカニカルさとはまったく対照的に軟質素材を多用したナマモノ感溢れる出来で、製品ラインナップの多様さではリボルテック3系統の中でも特撮リボがいちばんかも知れません。 とはいえ直に置いちゃうとなんだか標本採集されたコウモリにしか見えない訳だが(w; 造形は素晴らしいのひとことで実にこの、東宝怪獣1・2を争うほどに人相の悪い初代ラドンのあの顔が見事に再現されています。二代目ラドンとはまるで違うぜ。造作よりも目つきの悪さだけで、ヒトでもウシでもバリバリ食っちまうような恐ろしさを感じさせる。「怪獣」って本来怖いものなのです… あ、でもこーゆー顔したひとって結構見かけます。イナズマイレブンの染岡さんとか。 胸は鳩胸って書こうと思ったらそれはあんまり良い言葉ではないそうなのでグラマ(・∀・)ラス!!としておきましょう。この部分の荒々しさも、初代ラドンの持つ魅力の一つ…というかですね、ワタクシ結構な年齢になるまで二代目ラドンのあんまりなアレを知らなかったもので、かなりなトラウマになっているのですよ…まゼットン2代目よりはましか。 翼の付け根はリボルテック独自解釈で、なんだかF-14戦闘機の可変翼基部みたいな構造です(そんな説明で分かってもらえるんだろうか) 可動範囲は予想外に広く、以前モスラを取り上げた際の印象を十分払拭してくれます。たしか旧オーロラ社のプラモデルがこんな感じのポージングでしたねぇ…。ところでどうしてアメリカ人はラドンのことを「RODAN」と呼ぶのだろうか。考える人だろうか。 単体でなんとか自立も可能ですが、一歩でもあるいた瞬間コケそうでナニでございますな。翼端が接地しちゃうのは気にするな!どうせ本物の翼竜だって地上では前肢使って四足歩行してたんだから!! こちらが台座となる「岩田屋デパート」。この映画だけで全世界に末永く記憶されるお店になりました…か? ふと検索してみて公式Webサイトを発見、ささやかに感動する今日この頃です。いまでは三越グループなのかー。 もっとも怪獣に踏み台にされたビルというのは…当事者としては心中穏やかでないかも知れませんね… しかし絵になる構図です。その辺はさすが円谷監督の冴えでありましょうか。 しかしこの台座芸が細かいのです。天井部分を外すと軸受のみならずジョイントが二つ仕込まれていましてラドンの恐るべき巨体が天井を踏みぬいたり、 あまつさえ「ズコー」とコケたようなポージングも!出来る!!そんなに力説せんでもエエか。中心には回転軸が入ってて、ひび割れ部分で角度を変えられ…南斗水鳥拳の犠牲者みたいに?なる。うん、撮影してる時はそこんとこ気がつかなかったんで回してない(´・ω・`) 岩田屋デパートとならんでラドンのオマケとしてはド定番のミニサイズ飛行ラドン。遠景にするもよし、子供ラドンと考えるもよし、1/700あたりのセイバーと絡めるもよし。 裏返して寝転がすとやはり標本テイストに見える。だれぞガラス箱に入れてディスプレイする猛者はおらぬか。 製品一同。今回付属品の数が少ないようにも思えますが、それを補って余りあるボリュームの本体からはいろいろ夢が広がります。えーとほら。あのひとですよあのひと。キンキラでアタマがたくさんあって大抵連戦連敗してる…アレなんかいけそうだよなー、とか。 思い起こせばガレージキット黎明期にブームを牽引していたのは美少女フィギュアでもメカでもなくて怪獣でした。その中にあって初めて自分が「ガレージキットってすごいんだな」と感じたものこそ原型製作・圓句昭浩の30cmラドンだったのです。腕前的にも金銭的にも、当時到底手を出さなかった物にきわめて近い存在を、いまこうして手にすることができるとは21世紀まで長生きするもんだなーと、しみじみ思いました。 …しかしあの30cmラドンってボークス製品だったから、この文脈で出してものかどうかはビミョン。 なお明日12月23日から新年1月17日までの期間、東京渋谷はパルコパート1内6F PARCO FACTORY に於いて特撮リボルテック展が開催されます。年末年始のお忙しい最中にも、ご興味関心ある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。 そんでもって例によって予告編を貼ってみる。九州で炭鉱掘っていたら怪獣が出てきました。って話が映画として成立出来てた時代がうらやましいなあとか、思う。

メディアワークス「小説版ガンパレード・マーチファンブック ビジュアル&ノベルズ」

そもそも「ガンパレード・マーチ」というコンテンツは2000年9月に発売されたプレイステーション用ゲームソフト「高機動幻想ガンパレード・マーチ」に端を発します。もう10年になるんですね。 ゲーム自体当初はマイナーな位置づけだったものが当時のインターネット環境の広がりと相まって口コミ的に人気が広まり、いろいろあって(実際色々あり過ぎるので全部端折りますw)現在またPSP/PS3用にダウンロードサービスで販売され、その際電撃プレイステーション誌が新作ゲームでもないのに結構なボリュームで記事を載せたとかで話題になった息の長いソフトなのです。 いまちょっと公式サイト見てきたら不具合の説明と回避方法が詳細に解説されててニヤけてしまう。昔からバグと噂話が付いて回るゲームだなー。 なにかと電撃と縁の深いガンパレなもので、ノベライズ作品も電撃ゲーム文庫のレーベルで出版されました。いまでこそ下火ですがゲームソフトのノベル化って昔はそれなりに在ったものです。更にめんどもとい複雑なことに同じガンパレードマーチのノベライズでも著者が二人居まして、まずは広崎悠意による「高機動幻想ガンパレードマーチ」が出版されました。この「広崎版」はウォー・シミュレーションとしてのゲーム全体の流れを一冊の小説とする至極まっとうな形の内容で、この1巻で完結しています。しかしブームが続いていたからかまだまだ売れると踏んでのことか、その後執筆者を榊涼介に代えあらためて仕切り直した「ガンパレードマーチ 5121小隊の日常」が刊行。こちらはストーリー的にはゲームのほんの一部を切り取って個々のキャラクターにスポットを当てた小品だったのですが、オリジナルのゲームに在った高い自由度や複雑な人物関係を再現する内容と筆致で好評を博し、以後「榊版」として知られる長寿シリーズとなっていったのです。  本書はそんな榊版ガンパレシリーズを補完する「小説の解説書」であり、主に九州撤退以後の山口防衛戦と九州への再侵攻・休戦までを描いたいわゆる第二期小説群についての記述がなされていますってほーらもうゲームとは全然違うぞ(笑) ん?アニメ??なに言ってんですかあなた、あんまり変なこと言うと交通事故に遭いますよ? 「ビジュアル」の副題が示す通り大量のカラーページを使って大量のビジュアルイメージが投入されているのだけれど、もっとも情報量の多いのは地図と戦闘詳報だったりします。小説本編は九州・中国地方の実在の地名、道路や鉄道線路がいくつも出てくる内容で、これが実際の戦記文学などであれば地図や図版を用いて記述を補助するものですけれど、いかんせんシリーズの性格上なかなかそうもいかなくて、刊行当時にイラストよりも地図よこせって読者層に言われたライトノベルなんて榊ガンパレぐらいのものですな。 もちろんそれを良しとするほどに、榊版ガンパレはライトノベルとしては他になかなか例を見ないほどハードでヘビーな戦争物だった訳です。九州奪還で第三師団と戦車第三師団のふたつが長途侵攻するのは旧日本軍の大陸打通作戦を元ネタにしているからなんだな。学徒動員がテーマなことはゲーム以来の設定ですが、東北の兵隊は頑強とか大阪の兵隊は賢いとか郷土連隊の色合いがキャラの設定や著述の細部に反映されたりで個人的な話をしてしまうとそこらへんの凡百な「架空戦記」より余程おもしれー本土決戦小説ですよ? むろん地図ばかりでは本が売れるものでもない訳で、登場人物のイラストも多数収録。ゲームの段階で人物の多い作品だったのにシリーズ長期化につれ小説オリジナルキャラクターが多数登場するのも榊版の特徴で、5121小隊のメンバーがどんどん凄腕揃いのチート集団になっていくなかこれら一般の、普通の人々が戦争の泥臭さや下部構造を担っていたことが本シリーズを末長く愛されるものにした理由の一つかと。 5121小隊メンバーのイラストは本編でも着用するエピソードのあったコスプレで、ああそういえば古参兵で大陸帰還組で鬼軍曹な若宮くんはまだ生後6年のクローン培養体だったよなーとこの世界の暗部を思い出して激しく腹筋が痛む。 シリーズ後半では一新される人型戦車、元々は「ガンパレード・オーケストラ」に登場する栄光号や光輝号がガンオケのカラフルなのとは違って迷彩塗装が施されてて実にイイ感じだ。(同著者によるガンオケの小説も刊行されていますが、本書では扱いません) ゲームのオープニングムービーでちらっとだけ映り、以後あらゆるメディアでまったく触れられてこなかった士魂号各機のパーソナルマークがしっかり描かれていて、そこは大変にうれしいところであります。 そして「&ノベルズ」ともあるように短編小説が都合7本書下ろしで収録されてます。これらは文庫化されてないんでここだけのもの、内容はまあ良くも悪くも番外編なのですが、 実はこのファンブックが出た後もシリーズは続いたので、橋渡し的には読んでおいたほうが何かと都合がよい。 どちらかというと10年続いたシリーズ読者へ向けての御褒美的な内容ですが、PSPのDLではじめてガンパレ知って、じゃあノベライズにも手を出して見ようとする方々へのガイドブックとしても機能するかも知れません。 もっとも、いま現在このシリーズを初巻から手に入れることができるのか、それはよく知らない…

バンダイ「ROBOT魂 ゼーガペイン・フリスベルグ」

フリスベルグは北欧神話に登場する世界樹を守る大鷲の名、ROBOT魂SIDE-HL第三弾ゼーガペイン・フリスベルグが遂に登場でようやく3機揃い踏みできる時が来ました!夢じゃないかしら。 ※ただし、今回自分がとんでもないヘマをしでかしたので商品レビューとしてはいささか体裁の悪いこととなっております。何卒その点、ご了承戴ければ幸いに存じます。 いつものように商品内容。各種兵装と平手2種が付属と基本フォーマットは同じですけど、フリスベルグは劇中ホロボルトを使用していないので、付属はしていません。設定的には他の2機に倍するエネルギー量・火力を備えているのであってもおかしかないのですけど。それ言うならゼーガタンク最強論がまあいいか。 その代わりに(?)アルティール・ガルダでは一体成型だったホロニック・ウイングがデザイン上の違いからフリスベルグでは6枚別々になってます。若干価格が違っているのはその為かなー。 本編映像では光装甲の輝きから「黄色」の印象を受けるのですが、こうしてみると各所にダークグリーンを配した極めてミリタリーテイストの強い機体だとわかります。俺によしですw アルティールから派生したデザインとしてガルダは鋭角的でしたがフリスベルグは固そうなイメージ。背中のデザインが好きだって話をよく聞きます。自分は足元のカタチがゴツくてカッコエエ。軍用ブーツのようである。 頭部、目元は一文字にスリットの入る無機的なフェイス。この中にツインアイが存在するのだけれど流石に再現はムリでしょう。ゼーガペイン各機の細かいデザインの違いはようやく再版相成りました新紀元社刊「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」に線画の設定資料が載ってますのでご興味ある方はどうぞ。いい本ですよ~。 本来ここで各部可動範囲を紹介する流れなんですけど、流石に3回目だとやることがない(笑)アルティールやガルダを参考にして、フリスベルグはシルエットの異なる様を捉えようとまずは光子翼付けてみましょー と、その時にだ。 6枚ある光子翼の内左肩後部の小翼がちーともはまらない。 部位でいうとここんとこです。 ボールジョイント受けの径が狭いのかはたまた広くて抑えが効かないのか、いっくらなんとかどうこうやっても中尾隆聖の声でしゃべるネズミのようにぽろりぽろりと外れまくる。だんだん腕に力が入ってあーいかんこのままではパーツ割りかねないとウイングからジョイントを外して。指も痛くなってきたんで何かで挟もうでもジョイント潰しちゃまずいからおおリボプライヤーがあるぢゃないかこれでつまんでぐりぐりっとな ぱちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!かん、かん、かん・・・ ロストしましたOTL いや…なんつーかこー、ね…週末潰していささか気の早い大掃除まで初めて部屋中ひっくり返しても出てこないんだこれが(泣)流石に凹んでもうセーヌ川に飛び込んで死ぬしか。などと陰鬱としていましたら通りすがりの方から使えるのもはなんでも使えとアドバイスをうけて、 手頃なポリキャップのランナー切り出してマスキングテープ噛ましてジョイントを自作。これが幻体修復プログラムなんですね、ありがとうございますシマ司令!! 「色即是空、この世に存在する色形あるものは、すべて束の間。空即是色、しかし、ついさっきまで存在したものが滅び去った瞬間、またぞろ様々な色が生じてくる」 #24のセリフってこーゆーことだったんだぁ!!余りの実体験に目からQL。複雑だ… 正面から見る分には遜色なくて、なんとかリカバリーできました。いやホント、一時はどうなることかと泡食ってたんでアドバイスには有難い限りです… さて気を取り直してレビュー再開。フリスベルグの主力兵装は二連装銃身のホロニック・ライフルを二門、両腕に装備するのが基本です。ええ、どこからどうみてもガン○ムヘ○ーアー○ズです、わかります。 でもブレードモードに移行するとあまり見ないシルエットになると思うんだ。あんまりつかってないけど。両腕装備してた記憶がないけど。 ところでこのホロニックライフルのブレードはアルティールのホロニックランチャー同様銃身を外して交換する方式になっています。構造は同様でもサイズが若干小さくなってこれまたぽろぽろ外れやすい。 オマケに四つもある。 …白状すると、ちょっとだけ、イラッ(-.-#)としました。 でもここは良かった!ホロニックウイングにモールドされてるスピードマイン。てっきりこういうところはスジボリ処理で済ますだろうとか思ってたんで立体感溢れる仕上がりに歓喜が喚起される。一見すると地味な部分ですがフリスベルグ特有の装備であるしそれになりより「アークの遺してくれた、置き土産です」 この武装があればこそガルズオルムの北極基幹サーバーの位置が判明したので結構な功績なのです。プロジェクト・リザレクションに於いて復元者のスペアボディが保全されている通称「繭の間」を殲滅したのもフリスベルグだし月面基地ジフェイタスの中枢を破壊した件といい、なんだか人類再生の真の立役者はこの機体とガンナーであるクリスのような気がしてきた。いざって時に頼りになるひとだー! 「ゼーガペイン ファイルサルベージ」にはクリスのラフスケッチに添えて「次元の若いころか?」とイメージ指示があります。なるほどそういうキャラなのか。 そんでもっていつものように魂STAGEにセットする。製品ひとつに3セット入ってるんでゼーガ的にはこれでぴったり。クロシオ機の事はあとで考えよう(w; 他の2機とは違って独特の構造をもつフリスベルグの光子翼。6枚の翼はシールドも兼務していて、本編では多彩な動きを見せていました。ちょっとガンダム00のシールドビットを先取りしたような…なんて言うとフカし気味だけど、デュナメスをデザインした柳瀬敬之の名前もスタッフにはあるのであるいは本当にそうかも知れないのです。 まー流石に製品ではそこまで動きやせんのですが。 なんだかこういうカットが多かったような気がする。基本シューティングなフリスベルグはどっか無機的・航空機的に描写されていたイメージ、あくまでイメージであって初登場時にはコブラルに傍若無人なケリを入れたりゼロ距離射撃をかましたりと派手な動きもあったのですが、まー全体として。雰囲気ですね… そんなフリスベルグが本編随一の見栄を切る場面が#14「滅びの記憶」でオケアノスを背後に置いてライフル構えるところ、を再現しよーとコマ送りで見てみたけれど、あんまり上手くは決まらないんだな、これが。なんだか全般的に関節部分がユルめであるのも確かなんだけど、これは個体差かなー。 #14といえばやはりいちばんのツッコミどころは「なんでKV-1なんだよッ!」だと思うので懐かしの海洋堂チョコタンクから同車を並べてみる。ちなみにスケール対比はまるで合ってない(藁 しかしなんでKV-1なんかが出てきたんだろう?スタッフにソ連軍ファンでもいたんだろうか?? こうして見るとウィングガンダムのようでもあるなぁ。傘型のシルエットというものも、近年のアニメロボットには稀に見ますね。 いやしかし、こうして3機が揃うと喜びもひとしお。地味な作品と言われながらもファンいや信者をやっててよかったなぁと思うんですよ。傍から見ればオモチャのロボットが3つ並んでるだけに見えるかもしれないけれど、これはかなりの感動だ。感動の多い人生は素敵だ。フレームに収まらないほどの喜びがここにある!舞浜の空は青いぞ!! …クロシオ機の事はあとで考えよう(w;

タミヤ「1/350 日本海軍重巡洋艦 利根」(その4)

当ブログでたびたび主張していることですが、プラモデル作るのとお料理ってよく似ていると思います。同じ材料を使い同じ説明を受けても、作る人が違えば出来あがるのは違うもの。たとえビギナーが作った粗い仕上がりでも、自分が作った物ならば、自分なりの愛着が湧いてそれを消化する義務と責任があるところ。 「どなたも簡単に作れます」とプロが言ってることを容易に鵜呑みにしてはいけないというところも、よく似ている… TVで料理番組が多く放送されているように、プラモデル番組ももっともっと放送されると良いですね。言うだけならタダですね。 や、若干前置きが長くなりましたが年末特別連続企画「利根つくるお」も本日が最終回。これまで組み立て説明書通りに順を追って第一回、二回、三回とやってきましたがいよいよラストでこの踏ん張りどころが俺の捷一号作戦だ!!(負け戦だよそれ) 工程31の搭載艇群。カッターとかランチとか「ないかてい」とか「うちびてい」とかいろいろです。いろいろ有るには理由がって例えば「カッター」は紙を切るのに使う はい、すいませんいまちょっと寒い風が吹き抜けましたね温暖化防止政策ですね… いろいろあっても沈没時に全員を救命できるほどの数は無いんでしょうねー、むー。 前回先走って取り付けた高角砲と特に干渉することもなく、だんだんと艦上風景が密度の高いものになってきました。どーでもいいすけど高角砲の間で単装機銃撃つ係りってレゾンデートルを維持するのに苦労しそうな気が。いや近接防御に必要だってわかっていても両隣がこれだぜ?? 利根型重巡真の主力兵装艦載機は零式水上偵察機が5機搭載されています。キットには不要パーツ含めて都合8機分、また九四式水偵?も付いてるんでなにかと遊びではありそう。ただしエッチングパーツのプロペラは搭載機に必要な数しか付属しないので、何かやるならばその辺は各自で対処が必要ですね。 ホビーショーでの展示を見たときから気に掛っていたカタパルト。桁の部分はインジェクションで力強く、滑走面はエッチングでシャープにと、ラージスケールならではの魅力で見せる部分です。 ひとくちに「巡洋艦」といっても各国別にその存在理由や果たすべき任務は多様なのですが、こと旧日本海軍の一等巡洋艦に与えられていたのは艦隊決戦に於いて主力艦を補助する艦隊勢力としての任務でした。そして補佐するべき「主力艦」が戦艦から航空母艦へと変化していった時代を現すかのように重巡洋艦は砲戦重視の設計から航空兵装に重きを置くようになっていきます。利根型は「機動部隊の眼」として働く為にロンドン軍縮条約終了を見越して建造され、まさしく艦隊決戦を航空兵力で制するべく戦われたミッドウェー海戦に於いて偵察任務に就き航空母艦を補助しました。「利根二番機」がその任を果たせたか否か、しばしば取りざたされるのは皮肉なことではありますが… このレビューでは一機歪んで接着しちゃったヤツが「利根二番機」だとゆーことにしておく!ぜんぶおまえのせいだー! カタパルトはポリキャップ内蔵で旋回できますが、ご覧のように全期搭載するとキツキツで動かせません。利根型の飛行甲板は決して使い勝手の良いものではなかったって話も納得で、航空巡洋艦改装以後の「最上」かあるいは軽巡洋艦「大淀」ぐらいが日本海軍巡洋艦の完成形と言えるのか。 ひと通り組み立て終わったのでこれまでやってなかった主砲砲身に仰角掛けた状態をパチリ。おおお利根三角形!!砲塔を前甲板に集中配置した分、艦体の歪みから来る照準誤差が減少されて利根型の命中精度は高まったとか聞きましたが、しかし実際どうなんでしょ?小難しいこと考えずに格好良ければそれでいいか。 不思議なもので昔はこんなふうに主砲が左右いろいろな方向向いてるのが格好良かったのに、今ではちっとも良く見えない。古代進仕事汁って感じでヤマトもガンダムも正面で撃ち合いしかやらなかったのは…あれは…   #ところで後年、OVA作品「MS IGLOO」にて初めてガンダム世界の宇宙艦隊が同航戦で撃ち合ってるの見ました。ものすごく変な映像でした。 今回利根を作っててやたらと記憶が過去に溯上して行く。真上から見た軍艦の構図が好きなのはたぶん小学生だかそれ以前だかともかく幼少時に見た「ウルトラマンA」で超獣ルナチクスと護衛艦が戦う場面が強烈に刷り込まれているからだ。うん、あれは子供心にカッチョエエものでしたな。 あーちなみにそれTVじゃなくて蛭田充のコミック版の話なんでってどうしてそんな時期からマイナー指向なんだ、おれは。 菊の御紋はガンダムマーカーのゴールド使ってちゃちゃっと魂を入れる。なんて安直な魂ィッ! さて、ここまでで大体のところは組み立てが終わりました。このあと利根を塗装ブースに放り込んで弱色でコトコト塗り込んで行けば完成なのですが… (ここで料理番組的展開) 今日は出来あがったものをこちらに用意してありますので こころゆくまで存分に味わってください。 いやあ~~~~、やっぱりプラモデルとお料理って似てますねえ。最近はやりのなぞかけ風に言えばこうだな。ととのいました! 「プラモデルと掛けてお料理と解きます」 「そのこころは?」 「どちらも他人が作ったものの方がウマいんです」 そんな〆で終わるます。 でもねー、実際作り始めた時のどーしましょー感に比べて作ってる最中は色々と楽しく、例え色塗らずとも出来あがってみれば色々愛着もわきました。今度ケース買ってちゃんと飾ろう。 結局ここしか置き場所無いんだけどな!

「AMマガジンキット 八九式戦車乙型(その参)足周り編」

三か月連続特別企画もいよいよ大団円、ファインモールド製1/35八九式中戦車乙型をつくる、最終回です。 第一回車体編、第二回砲塔編と併せてご覧戴ければさいわいでアリマス!∠(゚Д゚ 今回の内容物一覧。Hランナー×2、Gランナー×1に加えて履帯が2本。側面装甲板を形成するGランナーにまで入りこんでる程、転輪関連のパーツが大勢を占めます。 普段ドイツ軍戦車を作ろうかって時にも四号よりは三号系列、主に転輪的な意味で!なんて言ってる者にとっては結構なしんどいもの、でも実物を製造運用してた人たちはもっと大変だったろうなぁとか思いを馳せていればそれほど苦にはならない!例え画像が地味であっても… 横から見ればそれなりにキュートな外観。確か日本陸軍の「装甲作業器」がこれと準同形?な足周りだったけど…けど、それだけ。 連載として最後に足周りを作らせる構成は正しいと思いました。大抵戦車模型ってまずはここから作らせるけど、正直あんまり楽しくない。楽しくないものを先にやるのは全部纏まってるからの話で、分割するなら楽しいとこから始めたいものです。サスペンション基部が車体にモールドされてる関係上、この順番になるのも当然っちゃ当然か。 でもこうして分割レビューしてる身の上としては最終回に変わり映えしない画像が続くのは地味に辛いぞ(笑) 側面装甲板を付けると急に戦車らしくなりますねぇ。とでも言っておかないと間が持たないッ!! そしてベルト式履帯です。僕ぁ別に「少年モデラー大河」の間庭君とは違って連結可動キャタピラじゃなければ作りませんひとではないのでこれで全然大丈夫。そうでなくとも最近のは接着も塗装も出来るのでこれで随分楽に… 「履帯の接着にはプライマー付き瞬間接着剤が最適です」 いやおれそんなの持ってないしΣ (゚Д゚;) あれ?ファインモールドのベルトキャタってそもそもプラセメントで接着可能じゃなかったかしら?かしら??と不思議に思い手持ちのキットを出してみる。いや積んどくもんだなー。 上が今回の八九式キャタピラ。下はファインモールド従来製品(三式砲戦車)のベルトキャタピラ。 …違う材質じゃん!これこのままでは多分塗料が乗らないぞ。 えー、環太平洋戦略的経済協定のことを略してTPPと申しましてー(^o^)丿 …すいませんすいません全然関係なかったですね。いえちょっと河原まで走ってって喇叭でも吹きたいような衝動に駆られたものですから… 気を取り直して四面図。こうしてみるとある種の武骨さが感じられ、厳めしくて格好良いものです。現代の我々であればこの戦車の限界も欠点も見えようものですが、当時の人にはもっともっと、ずっと力強く頼もしく思えたのだろうなあ。 歴代の日本戦車の中ではもっとも全高のあるプロポーションはあおりの構図によく栄えます。状景やるときにはそれを活かすような方向だといいかもなーとか無責任に考える。「線路を越える」シチュエーションはあまり中国大陸向きじゃないからやっぱり土手?あるいは市街地か…考えるだけならなんて自由なんだ! この先塗装・仕上げとなっていく訳ですが「キットレビュー」としてはここまでにさせていただきます。ここから先は「紹介」ではなく個人の「作業」の範疇か。美しく丁寧に仕上げられたプロモデラーの作品ならばまだしも、自分あたりのアレなヤツでは却って気勢を削ぐものですけん。 やりたい方向だけ書いておくと錨の徽章を使って海軍陸戦隊仕様にするつもり。缶スプレーでイケるとこです(藁  そして敢えて!軍艦色で塗りたいと思う。本誌記事にもある通り実際の海軍陸戦隊使用車両はグリーン系の塗装だったとほぼ間違いなく、自分もそのように思います。でも… その方がカッコいいからだ!!(ギャキィ 参考画像はAM誌2007年10月号Vol.96掲載記事。いやこれ見た当時は「グレーで塗るのは特二式内火艇とかの塗装パターンであって、ミグは何か勘違いしてるんじゃないだろうか」と思った。 けど、けどやっぱかっけーです!考証はこう…しょうがないなーと… さてここからはおまけのコーナーで、ホビーリンクジャパンオリジナル・3号連続セットを購入されるともれなく付属するマスターボックス社製日本海軍陸戦隊セットの紹介でアリマス∠(゚Д゚ ボックスアートはMBスタンダードな美麗且つ迫力のあるもの。「1943年」とありますが、南方戦線の陸戦隊としては普遍的に使用できるものでしょう。 下士官1体兵3体の突撃シーンを再現しています。撃たれてるひとが混じっているという構成は、国内メーカーではなかなか難しいシチュエーションだと愚行する次第で。 キット内容も通常のMB製品のグレードそのまま、まあちと前の製品でもあるのですが。 三八式小銃の槓桿が別パーツ化されているのも、日ごろ変わらぬMBスタンダードですね。 このキットの売りはやっぱり日の丸デカールかな。6種付属で本キット以外にも様々なシチュエーションで応用が可能。ウクライナ製のプラモデルなのにちゃんと読める日本語が書かれてることにいささかの感動を覚える(オーバー) 個人的にはやはり表情!なので鉄帽被せないでフェイス部アップで撮ってみる。歯を食いしばったり苦痛を浮かべたり、容易に感情を想起することが出来て正直複雑な気持ちにもなる…けれど、感情が動かされるということはそれだけ秀でた造形であることの証でもあり、なにより「スキップする藤山○美」などとは比べ物にもならないッ!! やー、あったんですよそーゆーのが。むかしに。 用法としてはこのようにするべきか。フィギュア配置してみるとやっぱり大きく見えますね。太平洋戦争当時南方で海軍陸戦隊が八九式中戦車と歩戦共同で突撃…したかどうかはよくわからないが、カッコよければそれでエエ! 「陸軍ってことにすればいーじゃん」とお思いの方、それは考証以前に制服ものとして正しくない態度です。仮にA女子高とB女学院がともにセーラー服だからといって双方を混同するようなことがあれば、それは人間としていかがなものかと考える。 三回連続企画もこれにて終了。いろいろと八九式について得られる知見も多くて、個人的には為になった期間でした。 長々しい記事にお付き合いくださった方々、ご拝読いただきまことにバンザイ!アリガトウ!!ございました~(なんでハインラインなんだ

学研「大人の科学マガジンVol.L30付録 テオ・ヤンセンのミニビースト」

年の瀬も近付いてなにかと忙しい今日この頃ですが、鬼が笑う来年の発売予定アイテムをひとあしお先に…という訳での「大人の科学マガジン」次号Vol.30の付録模型のレビューです。このように一般販売前のレビューって大抵の場合はメーカーさんからサンプル戴いてのパターンが多いのですが、今回のブツは既に販売されていて、どなたにでも入手可能なアイテムだったりします。 実はお台場の日本科学未来館で催行されている『「テオ・ヤンセン展~生命の創造~」物理と芸術が生み出した新しい可能性』に週末出かけて来まして、そこで買ってきたおみやげのレビュー(笑)を、企画展のレポートともどもにお送りいたします~ まずはじめに一点注意しておきたいのですが、今回自分が作成したのは企画展の会場内で行われている一般参加者によるワークショップ用の教材で、実際に製品化されるものとは若干異なる点があります。本誌が無いのは当然ながら本来12本ある脚部が半分の6本、また動力源となる「風車」のパーツも付属していません。構造を理解するにはこれだけでも十分ですが、より深く楽しむには製品版を待つ… ことはなくて製品版と同様の12足・風車付属バージョンも科学未来館内のショップで売ってます。あとから気がついた… テオ・ヤンセンのミニビースト、正式には「アニマリス・オルディス・バルヴィス」という固有の種名がある疑似生命なのですが、そもそもテオ・ヤンセンって誰よとゆーはなし。えーとすごくざっくり言ってしまうと現代美術のひとです。ざっくりし過ぎだよ! たぶん「大人の科学マガジン」本誌にはもうちょっと丁寧な解説が載るんだろうと思われますが、オランダ出身のアーティストでプラスチックチューブを主な素材として再生可能エネルギーを動力源に用いた「生命の進化」をテーマにしたその作品は日本のTV番組なんかでもたま~に取り上げられたりしますね。クリーンなエネルギーを用いることからエコロジーの文脈で紹介されることが多いように感じられますが、それについてはあとでまた。 ところでよく「現代美術は難解でわからない」なんていいますけど、自分自身は「面白けりゃそれだけでええねん」と思います。南海よりは西武ファンだしね! リーフレットには明記されてなかったんですがキットの材質はABS素材のようで組み立てはすべてハメコミ式。ランナーに刻印されてる学研マークに郷愁がそそられるのはなるほどこれが三丁目の夕日感覚というものか。いろいろやりましたよ俺も。「名探偵荒馬宗介」とか、もうねぇ。 三角形を基礎とするパーツ二種、接地側には「ゴム足」(×6となっていましたが、一本の長い棒状のものをカットラインに沿って切りだす体のパーツでした)をはめ、上部には「コンロッド」を大小それぞれ切り欠きを合わせてはめこんでいって… 上下をつないでパンタグラフ状の構造を作ります。すごくシンプルな作りなのだけれども、その「シンプル」を求めることはすごく大変。 この設計を生みだすための数値計算が工学的に面白いものなんだろうと想像するのですけれど、それを「聖数(ホーリーナンバー)」とかいっちゃうあたりがちょっとイタタでゲージツ家のゲージツ家たるゆえんかな?? でも計算につかったこのアタリ社のパーソナルコンピューターを見て急にそれらしく思えてくるのは不思議だ。こんな古式ゆかしい機械でも最適解ははじき出せる、まさに聖杯(ホーリーグレイル)というやつで価値観はあとからついてくるんでアートってゆうのです(ゆわないのです) 組み立てに戻るとやはりまた三角状のフレームをクランクシャフトにはめこんで、それを基盤に左右の足を「ワンタッチロッド」でクランク部分と接続して… この時、はめ込んでいく順番通りにワンタッチロッドが手前に重なっていくように注意。ここんところちゃんとやらないと動きません。よっぽどうっかりしてないと間違えないとは思いますが、似たような形状の部品・接続部分が多いので説明書をよく読んで作りましょう。大丈夫、1セットやればすぐ慣れます。 取り付けた上から新しいフレームをはめることによって左右の足は固定されます。イカこの繰り返しで都合3セット6本(製品版では6セット12本)分組み立てて… 前後の軸穴を止め具でふさいで輪ゴムを掛けたら完成です。そんなドメスティックな方法で大丈夫か!? いちばんいい輪ゴムを頼む。 前述のようにこのバージョンのキットには動力源となる風車が付いてきません。代わりに人の手で動かすための「回転シャフト」がありまして、それをつないで動かすとガチャガチャ歩いてまー楽しいこと。でもなんだか「あらびき団」のメグちゃんみたいにガチャガチャし過ぎじゃね?な動画しか撮影できなかったので公式youtube動画を貼ってみる。 …公式が改造してるw ブロック玩具のようにいろいろ増殖させたり組み換えたりできるとは知ってましたが、太陽電池乗せてモーター駆動させてるのはこのサイズならではのことで、オリジナルの大きさでは多分、かなり難しい。本来一点ものであったアート作品が大量消費のマスプロ製品に還元されていく方向性でも「進化」はしていくのだなーと、これは大変に興味深い映像なんです。 企画展のほうではこの足構造を基盤に「進化」していった作品群が展示され、帆をはったりそこからビニールチューブを伸ばしてペットボトルに圧縮空気を貯蔵して「筋肉」のように動作させたりとか、 なかには発展性が見られず「絶滅」した種もあったりで面白いもんです。この木製のヤツが動いてるさまはなんだかパンジャンドラム風味で、それはそれでよいのですが… ちょっと変わった骨格標本のようにも見えるので恐竜化石好きの人にはイイかも知んない。(俺だよ俺) それと一点透視法フェチとかにもだ!(俺俺) 会場内では巨大な作品を実際に目の前で動かしてくれるデモンストレーションなんかもやってていろいろ楽しめるのですが、やっぱり本来はビーチアニマルの名の通り屋外で動的展示する作品です。若干会場の手狭さを感じてその点いささか不満無きにしも非ず。そして構造的・工学的には楽しいし発展もすれば進化もする、デモやってた作品では触覚センサーを備えて前進/後進を切り替えたりと多彩な動きを楽しめる。でもこれを「生命です(キリッ」と断言しちゃうのはどうなんだろーなー。とか、いろいろ考えさせられるのは面白いイベントでした。ご興味のある方は来年2月14日まで東京お台場「日本科学未来館」で開催中です。常設展でも「しんかい6500」原寸大模型のコックピットに搭乗出来たり「インターネット物理モデル」などいろいろ楽しいのが目白押しなとこ。 そんでもって風力エネルギーで動くからって「エコにいいですね^^」とは限らない。なにせ原材料はプラスチックだし実用性は全然ない。おまけに生態系にはなんら寄与していないのでそもそもエコロジーでもなんでもない… でもねー、そこがいいのですよ。 モノの価値って artificialなものではないかと、そんなふうに考える訳でして。

タミヤ「1/350日本海軍重巡洋艦 利根」(その3)

今ではすっかりひとつの落ち着いたムーブメントとなっている声優ブームですが、その端緒はちょうど自分が学生の頃でした。へきる星人がどーのとかマリ姉がこーのとか、いろいろ聞かされたもんです。聞かされるだけでなく尋ねてくるのがマニア気質というもので、よく質問されましたねえ、 「好きな声優は誰ですか?」みたいなことを。そんなとき大抵答えてたのは… 「CVなら翔鶴が好き。」 …むかしの自分はそんなヤツでしたが、いまの自分はもっとそんなヤツであります。 そんなこんなで週刊「重巡利根を作る」第三回であります。例によって前回はこちらに。 今回は主に工程23から30にかけての作業となります。 前回気力が尽きた所で止めてた(笑)エッチング折り曲げ作業の連続する水偵用補修部品ラック。ふだんから使ってるラジオペンチでまー一応のカタチにはなりました。でも精度出そうと思ったら専用のエッチングべンダーとか、直角を出すための治具とか有るに越したことはないでしようねぇ。ところで「ジオラマ」の発音表記にこだわる人は「ラジオペンチ」の発音表記に拘ったりはしないのだろうか。 110cm探照灯はクリアーパーツ使用で実感を高めます。電飾の腕前がある方なら夜戦の情景とか出来るんだろうなー。自分はそんなことは当然出来る訳もないので全部脳内で済ませる。脳内俺最強。 メインマストは艦形のシルエットを形作る大事な要素のひとつです。こうしてみると正面から見た「利根」の姿のみならずなんだかだんだん人間のように思えてくるのは自分がいろいろヤンデル\(^o^)/ことの証か… 組み付けるとこうなりますと。あんまり…アップで迫れない…のは…パーツ成形が歪んでたことより例によって手順を勘違いして接着順番間違えたとか… みんなー!説明書はちゃんと読もうねー(棒 そして重巡洋艦の主力兵装、20.3cm連装砲塔×四基。やろうども楽しい砲戦ですよ?砲身はポリキャップを介して水平時と仰角を掛けた状態とのコンパチになっていますが、とりあえずは水平のままで。さすがに砲口は開いてないので気になる方はピンバイスなど(このサイズならアートナイフでイケるかも知れません)で開口するか、もしくは金属素材に置き換えるのも人目を引いて良いかと思われます。ちょうどピットロードから新製品が入荷したところなので、ちと便乗(w 今でこそ慣れはしましたけれど、はじめて利根型の主砲配置を知った時はそれなりに不安を覚えたものでした。本当にこれでいいのか。実際乗り組んでたひとたちはどうだったんでしょ?誰か一人ぐらいは試しにぶっ放してみようとか、思わなかったのかなー。 太平洋戦争末期の状態を再現して、甲板上には単装機銃が林立しています。おそらくは後日発売されるであろう筑摩は初期の仕様になるんだろなー、そっちの方が楽だろなーとか思いながら植えてゆくのです。ゆくのです。そんでもって機銃一門につき二個の割合で弾薬箱(Y2パーツ)を接着していくのですが、これがまた細かい部品に取り付け位置は自由らしくて 自由なら、やんなくても自由だよね(´・ω・`) などと自分の中のヤンナイ派自由主義者がもにょもにょし始めた。だが、ちょっと待ってほしい。 20cm砲の直下で何の防護もないままグラマンの12.7ミリ×6をいっぱいいっぱいと撃ち合わなきゃいけないとゆーどんなブラック企業もハダシで逃げ出す労働環境下に於いて、弾倉ひとつ打ち尽くした時背後を振り返ってなんにもないと… …哀戦士過ぎにも程があるよね(´・ω・`) そんな気持ちになったので全部貼りつけた。接着剤がハミだしても全然気にならない!支援はないよりもあった方がずっとよいのだ。 しかしこうして後部飛行甲板まで機銃だらけなのを見るとレイテ海戦のときに偵察機全部降ろしちゃったって話もなんとなくわかります。水偵積んでたら対空砲火の一斉射で全部う穴だらけになっちゃいそう。でもそれが果たして良い選択だったのかは、意見の分かれるところでありましょうが… 本来まだ乗せる段階じゃないんですが、工程29で組んだ広角砲をつい乗せてしまうのは人情というものか。こーゆーことしてると順番勘違いするんで本当はあんまりやんない方がいいんですけどね。 さて今回はここまでで、恐らく次回で完結予定です。