Month: March 2011

ヤマシタホビー「1/700 8インチE型 砲塔セット」

1/700スケール日本海軍重巡洋艦用の砲塔アップデートパーツの紹介です。新進メーカーヤマシタホビーは元々大手模型メーカー(仮にA社としておきましょう)艦船担当の方が独立・起業なされたものであり、経験と蓄積を思う存分に奮い、真に作りたいものを作る。そういったところだと聞き及んでいます。 ウォーターラインシリーズをはじめとする1/700艦船模型は10年ほど前でしたか、エッチングパーツの大規模投入により明らかに以前とは一線を画した「底上げ」が成されたように感じます。是非はともかく素組のままでは明らかに遜色がある。その時代が過ぎ、いまや時代はFM社のナノドレッドをはじめとしたプラスチック製アップデートパーツの潮流に変わりつつあり、そんな潮目に乗るかのように現れた製品。 太平洋戦争中あらゆる海域で奮戦した日本海軍重巡洋艦の主砲塔をインジェクションパーツで再現しています。WLシリーズではタミヤの最上型四隻、アオシマの高雄型四隻には無改造、ハセガワの古鷹型二隻とアオシマの利根型二隻には一部改造の上使用可能と指示があり、計6個の砲塔を5つの形式から選択して作ることが可能となります。 基本は同型のランナーが3枚入っているもので、巧みなパーツ配置により大変に作り易いものとなっています。この辺り一隻のフネ全体でベターを配分するのではなく、当初から砲塔のみに絞ってベストを考える設計思想が感じられます。 砲身は実際の外径を正確にスケールダウンした金属砲身いらずの精度。ゲートを完成後には見えなくなる砲身基部の一か所のみに絞っているのはうれしい配慮ですね。 参考までに、こちらはとあるメーカー(仮にA社としておきましょう)の重巡洋艦主砲砲身パーツ。成型不良を避けるためにゲートは三か所設定されています。切り出し・加工ともそれなりに苦労します。 前述のように五種類選べるA~Eタイプのバリエーションから、6メートル測距儀を備えたEタイプを組んでみました(実際の形式名もE型連装砲なのでいろいろややこしい・笑)スライド金型を利用した砲塔表面のディティールは素晴らしいの一言です。 これまで、このサイズの艦船模型でここまで精緻な砲塔パーツを備えたものが果たしてあったでしょうか?技術的というよりも開発規模と価格設定のハードルにより、このグレードの「部品」を入れるのは難儀だろうと考えます。ではそこだけを抜き出して「製品」として完結させればよいのだと、そんな発想の転換か。 後部もしっかり凹モールドが施されています。1/350スケールではいざ知らず、1/700スケールでこの処理を施した砲塔を見られるとは思いませんでした。 で、実際の使い勝手はどうだろうってことでとあるメーカー(仮にA社としておきましょう)の摩耶を用意してみました。三番砲塔を撤去し高角機銃を増設したマリアナ沖海戦仕様で随所にアオシマらしさの感じられるあ書いちった えーまーその、アオシマWLシリーズより「1/700 日本海軍 重巡洋艦 摩耶 マリアナ沖海戦」を、用意してみました。 ヤマシタの砲塔セットでは摩耶に使用するのはAとCのタイプ指示がされているのですが、アオシマの仕様を参考にDタイプも用意します。 あくまで参考、アオシマの砲塔パーツ。う~んやっぱり違いますね。底上げというか解像度が高まるというか、「知恵の実」食べるってこういうことかとw 乗せてみるとこの通り。回転軸はピタリとはまって全く問題ありません。砲塔って艦船模型では目を惹く、視線を誘導するポイントの一つですからこの部分に手を加えるのはかなりの効果を得られるものと考えます。プラ製で製作加工が容易なことはやっぱりおすすめのポイントで、金属素材で満艦飾に飾り立てられた製作途中写真をみていろいろくじける方でもこれなら安心だいじょぶです。俺だよ俺、オレオレ。 やはり巡洋艦はいい、こころにしみる歌のようだ… 複数隻を建造するなら別なのですが、単艦で考えた場合最大でも砲塔は五基が限度、かならずひとつは余剰が出る筈。ここは無駄と考えずになにか活用法を考えたいところですね。架空艦を作るもよいが… いざやってみるとこーゆーのにはセンスが必要だなぁとか、反省する。指紋が見苦しいよ指紋がorz

Wizzard Publications「NATO タイガーミート写真集」

NATO所属各国の中から「虎」の愛称を持つ、虎の記章をシンボルとする航空部隊(陸軍ヘリコプター部隊・海軍航空隊を含む)が一堂に会するイベント、「タイガーミート」に参加した航空機の写真集です。主に2007年以降、近年の機体を題材にとり、昨年開催タイガーミート2010参加機の写真も含まれます。 日本では航空雑誌などで毎年採り上げられる有名なイベントではありますが、纏まった形で一冊の本になったのを見た覚えがありません。やっぱり欧州機主体のイベントだからでしょうか?本書では冒頭、冷戦時代に始まったこの類まれなエアショーの歴史と現状を簡潔にまとめつつ本文は各国参加部隊別にページを割り振った編集となっています。模型としてはこれまでたま~にプラモデルが発売されることもありましたけれど、最近では完成品・デスクトップモデル向きの題材かな?昔は本当にただ機体にトラ縞模様を描いていた飛行機ばかりだったような気がしますが近年はどんどんスタイリッシュなペイントが増えているようでして、 背面にイラストを配してバンクをうって初めて「観客」の目に映るようなペイントや、デジタルパターンのタイガーストライプなどビジュアル面がどんどん洗練されています。トラに関係する模様という一種の縛りがあるのでフツーのトラ縞だとだんだん飽きてくるんじゃあるまいか(苦笑) 近年ではNATOの東方拡大に合わせてチェコ空軍所属のハインドやグリペンなども加わり、一段と華やかさを増したイベントとなっているタイガーミート。スウェーデンもロシアも原産国は未加盟ながらも、こうして機体は見られるわけで羨ましいかぎりだ… この角度・このカラーでラファールをみるとなんだか宇宙戦艦ヤマトのブラックタイガーみたいでカコイイ。ユーロファイター・タイフーンもいつかは参加するのかな?ちょっと部隊配属先とか、よう知らんのですけれど。 新鋭機ばかりではなくベテランの機体も混在するのはヨーロッパならではで、こちらスペイン空軍所属ののミラージュF1とギリシア空軍A-7Eであります。ベトナム“三毛猫”迷彩のコルセアIIが絶滅せずにまだ飛んでただなんて欧州の航空事情は複雑怪奇。その驚きに比べれば垂直尾翼にちょっとトラ縞描いただけの手抜き加減もまったく気になりません! そう、意外に国ごと、部隊ごとにスペシャル塗装へのちからの入れ具合や温度差が見えるのは一冊にまとまっているからこそですね。 キャビンに旗広げただけのUH-1って手抜き過ぎにも程があるだろイタリア空軍。 さすがにそれだけじゃマズいだろうと、判断はされたようですけどw …実を言うと昔からイベントの存在は知っていましたけれどそんなに詳しいわけでもない。だもんでちょろっとネットで「タイガーミート」検索してみたらかなりの数で「タイガーミートハンマー」なる調理器具がヒットしてなにその強そうな武器。 どうも紹介記事としては薄い内容だなぁと思いまして、急遽関連キットを探してみました。あるもんですねぇ、ドイツレベル製1/100トーネードIDS。 塗装済み半完成品の「イージーキット」シリーズ製品です。 当該の機体がまさに本書に掲載されていました。ドイツ空軍51AG、タイガーミート2006参加機体とのこと。 プラモデルとしては古い設計のものなんだろうと思われますが、特徴的な垂直尾翼のマーキングは綺麗に印刷されています。キャノピー枠も塗装済み。 主翼取り付け基部の構造はなんだかみてるとじわじわ来ますw なんでわざわざダボをふたつにするかなー。 そんなわけで可変後退翼のギミックは漢らしく省略されてるとはいえ、組み立ててみれば素直な飛行機の形してますね。塗膜が厚いので一部ペーパーなどかけた方が宜しいのですが、ビッグワンガムにも通じるある種の懐かしさを、そのまま楽しみもよし。 主翼下面の兵装パイロン取り付け基部を見てもはしたない悲鳴を上げたりないのは紳士のたしなみ。 むしろドロップタンクのスペシャルペイントが再現されてることを誉め称えてあげたい! 完成したらパイロンなんて見えないのです。下からのぞき込む輩はセクハラ犯罪なのです。 また、一部どころか全部のゲートはごく普通の設計なので当然ながら切り出しあとが目立ちます。けどメッキモデルちゅーわけでもないので修正は容易いものです。 むかしから可変翼・双発・複座の各要素に加えて垂直尾翼の大きさからなんとなく大柄な飛行機だとイメージしてましたが、実際形にしてみると小さな飛行機ですね。このキットは1/100スケールですけどサイズ的には1/144のF-15とそんなに変わらない。F-15の方が巨大なだけだろーと言われればそれまでですが(^^; ドイツレベルのイージーキットには他にもいくつかタイガーミート参加機体がラインナップされています。イベント開催の現地で販売してたらつい手を延ばしたくなる楽しさがある、そんなプラモデル。スペシャルマークは塗るのも貼るのも大変そうですからして印刷処理で大変に結構。ロゴ切れてるじゃん!なんて言ってくる輩にはもれなくタイガーミートハンマーです。

ファインモールド「1/12 デッケル FP1 万能フライス盤」

ファインモールド「オトナの社会科見学シリーズ」第二弾はドイツ製工作機械の1/12スケールモデルです。 このシリーズで初めて立体マシニングセンタが発表された時には相当驚かされたものですが、その後どこかで聞いたFM社鈴木社長インタビューでの「五式中戦車を知っている日本人の数より、立体マシニングセンタを知っている日本人の数の方が多い」という談話に成程なーと納得。自分の身の周りでもプラモデルに縁が無くても金型工作機械には縁がある知り合いとか、思いのほかに存在したり。 それを受けての第二弾は実にアナログな切削加工機械です。プラランナー三枚にABSがひとつ。加えてデカールではなくシールが付属します。ある種のレトロ、クラシックな機械でアナクロニズムな嗜好も満たすかな?組み立て説明書に併記されている実物解説は例によって読み応えの有る内容で工作機械の歴史と発展が語られています。やっぱり「熟練工の不足しているアメリカ社会」が大規模製造・大量生産を生み出すカギなのだなー、ふーむ(勉強中) ベベルギア等可動部分の伝達機構はABS樹脂で成形されています。これらの部分は敢えて「塗装しない」指示が明記されてまして、それだけ精度の高い部品設計になってます。この辺りはナノドレッドシリーズで培った技術でもあるのかな?尚本製品は国の「平成21年度ものづくり中小企業製品開発等支援事業」に採択されて補助金を受けた製品開発でありまして、いま一覧表みたら第一回採択だけでも1657件の事業支援が行われてたんですねぇ。この先社会はいろいろ大変だけど、こういう事業は続けてほしいものですはい。 明確にそうだと記されてるわけではないのですが、ほとんどのパーツは接着剤いらずのスナップフイットで組めます。この辺マニアではなく一般ユーザーに向けての設計思想ということなのかな?しかしながらはめ込みピンの中にはかなり太いものもあって、実際のところ一部では切り飛ばしたり受け穴広げたりといった加工が必要だったことを、明確に記しておきます(苦笑) さすがに普段まったく縁のない世界、手を出したことのないジャンルなのでひとつひとつのパートが不思議なカタチをしていて、組んで行く過程そのものに未知の世界に踏み込む楽しさがあるような。中央の集合体がなんだか「ドリドリキャス子さん」に思えて懐かしいのは何かの病気だと思います… 組み立て工程でいうとSTEP8から9あたりがいちばんのヤマ場かな?完成すると見えなくなる内部の構造・動力伝達機構もちゃんと再現されていて、模型には立体教材としての側面もあると改めて思わされる。 チェーンとベルトを介してモーターから動力が抽出される機構もこの通り。 完成すれば機能美然とした姿を表します。傾斜こそしないものの工作テーブルは上下左右に移動が可能でフライスヘッドも前後に動く。その際にハンドルを回せばギアを介してスムーズに繰り出されていく実物同様の動き方は、これは実際に手にとってみないとわからない楽しさです。動画でもちょっと伝わりそうもない、ものづくりの面白さか。 ただ一点だけ難を言えばシールを自分で切り出していくのは相当の難物です。厚みもありコシのある用紙なんで全然余白を取れない上、真円を切り出し凹部に貼るって指示があって正直ムリです全部は貼ってません>< 思うに接着剤とデカールを使用するってそんなに忌避される行為なんだろうか?例えプラモデル初心者であっても、綺麗に仕上げようと思ったらそれらを使った方がより満足のいく結果をもたらすんじゃないか、それが後々の広がりにつながるんじゃないだろうかと、まあ考えるだけならタダでラクなもんです(汗 実際に製造現場で実物に携わった方々なら思い入れは多々あるでしょう。そうでない向きでも独特の形状や構造に面白みを感じ取れるユニークなプラモデルだと思われます。あとまー、あんまり大きな声で言っていいのかわからないんですけどひとつひとつのパーツ形状がやっぱその、おもしろいんで、ハセガワのクレルジュエンジン的な、使い方が…あの新パッケージは…… 1/12スケールということなのでお手持ちの1/12フィギュアを製造工として こき使う 労働にいそしむのがいちばん楽しい遊び方かも知れませんね。 自分にはあいにく手持ちが無いので、 G30ガンダムの出番だ。 ビームライフル職人の朝は早い… 「ジオン驚異の科学力」でやればよかったなと気がついてもア=バオア=クーのまつり。

パンツァーレックス「パンツァーレックス11:ノルマンディー2」

ミリタリーモデラーにはもうすっかりおなじみドイツ軍遺棄車両写真集パンツァーレックス第11号、サブタイトル通りノルマンディー戦域の車両を扱っていて8号の続きとなる体裁です。大判モノクロ写真はとかく美しいものが満載で、ダメージ表現のみならず各ページにモデリングのヒントとなる要素がたっぷり。 発売以来しばらく日時が経っちゃいましたけど、このシリーズの良さは既に皆様ご理解得ているものでありましょうし、正直ドイツ軍ものって余程知識情報持ち合わせていないと迂闊なことを書いて馬脚をあらわす恐れが無きにしも非ずなもので、まあほとぼりが冷めた頃合いでひっそり紹介しようかなーと。 個人的な思いを書いてしまいますと(いつもそうじゃんってツッコミは無しで)戦車模型趣味の冥府魔道に足を踏み入れた頃、大日本絵画の「パンツァーズ・イン・ノルマンディー」と「D-DAYタンクバトルズ」を舐めるように読んでたのでなにか懐かしい気分になります。あのころと比べると写真の解像度・情報量も増えました。アームズ・アンド・アーマーの本なんて記録映画から抜き出したピンボケなのとかネガポジが反転してる写真とか平気で入ってましたからね… ドイツ軍では新旧とりまぜいろんな車両が投入されたノルマンディーでしたから、それを反映して様々な車種の写真が収録されています。ティガーIは連続写真でトランスポーターに積載される様子が記録され、ポルシェ砲塔ティーガーIIは被弾と火災によるコーティングの剥がれ具合もよくわかる。どちらもコンテスト向きな光景だよなぁとか変に邪推しそう。決して後世のモデラーのために戦争があったわけじゃないのですけど。 「Puma Country」と題してパンター戦車とプーマ装甲車が多めのボリュームで取り上げられています。砲塔を6時方向に指向したまま後部を撃ち抜かれて擱座したプーマは、果たして回り込まれた結果なのか戦闘時にエンジンブロックを防御に使っていたのか、「それ以前」を想像するのも遺棄車両写真集を楽しむ方法かも知れません。 泥汚れ、ゴムの焼け落ちた灰、砕けた装甲板の縁などダメージ表現の参考になることこの上なし。それは今更書くまでも無いことですけど、やはり書いてしまうなあ。「パンクしたゴムタイヤ」なんて模型じゃなかなか見かけない表現ですけど、この時代のゴムタイヤは被弾すればまーパンクしますね。 そしてやっぱりある珍車両の貴重な写真。車両そのものは特に珍しくないですけど、この時期・この場所にあればやっぱり珍しいII号戦車F型とフランス製ユニック・ケグレスP107ハーフトラックに2cm機関砲積んだ対空車両。どちらも「最貧」好きにはたまらない御馳走です(笑)キャプションでは実際にこれらの車両が撮影された事情も記されていて、なかなかにドラマチックです。なかにいたひとはドラマどころじゃねーと思います。 そんな貴重な写真がたっぷりで、挙げていくとキリが無いので、ともかく自信を持ってお勧め出来る内容です。 いつ見てもゴリアテとアメリカ兵の組み合わせは遊んでるよーにしか見えないのは何故であろうか。 しかしやっぱり、廃墟の瓦礫や遺棄車両の写真を見ると、これまでとは違った種類の感情を持たざるを得ない。16年前にはそれをどうやって乗り越えることが出来たのか、経験者からの知識を得たいものです。

青空モデル「F-21S ライノ シェルタイプ」

先日「東京とびもの学会 2011」というイベントにお邪魔してきました。 そらをとぶもの、飛翔体を主題としたアマチュア向け即売会で、以前TV朝日の「タモリ倶楽部」で取り上げられたこともあるイベントです。 会場では航空宇宙関連の同人誌販売を中心に映像発表も行われ、 「おたから展示」のコーナーではペンシルロケットを始め貴重なアイテムが目白押し。アポロ計画当時の雑誌や撮影禁止の図面類なんてものまであってテレビ番組で言えば「なんでも鑑定団」が来てもおかしくない(笑) 会場は小スペースながらもディーラー/一般参加問わずひとつの方向性で集う方々の情熱・熱気は大変なもので、たぶん会場内でコンビニ袋を逆さに放ればそのまま熱気球になったことでしょう! …まその、節電対策でエアコン切ってあったとか、そーゆーゲンジツ的な話はこちらに置いといてです。震災被害のこともあり、参加を見あわされた方もいらっしゃったことと存じますが、開催されてよかったなぁと、思います。口を開き耳を傾ければ悲しい話題ばかりのいま、あの場所に居合わせた人々の楽しさ、表情、どれをとっても大変重要で、貴重なことです。ああ飛行機には夢があっていいなあと、一戦車ファンは思うw 特に個人的にこれがお目当て!だった「青空モデル」様のブース。「タモリ倶楽部」にも登場した、個人によるインジェクション・プラスチックキットを企画開発販売しているディーラーさんです。番組内ではごくフラットに扱われていたけど、見ていたこっちは「ガレージキットでプラモデル!?」などと深夜にも関わらず声を上げて驚いたものです… ガレージキットから始まってインジェクションプラを発売するメーカーも、今更珍しくは無い。けれどもそういうことではなく、個人でここまで立ち上げることが出来る時代なんだと、そういうことでありましょうか。ともかくその時以来、是非手に取ってみたい一品だったのです。 余談。パンフレットには「タモリ倶楽部」撮影当時の裏話的な記事が掲載されてました。なんで屋上でやってたのか実に不思議だったんですけど、あれは ヤラs 撮影上の演出だったのかー。 オリジナルデザインの架空機などがラインナップされている中から、「F-21S ライノ シェルタイプ」を購入してきました。スホーイSu-47ベルクトにも似た前進翼機です。敢えてこの「シェルタイプ」とゆーの選んだのはキャノピー枠を塗らなくても良さそうだというのが主な理由だったりする(苦笑) しかし、キャノピー自体はクリアパーツで入っていました。基本パーツは1ランナーでまとめられ、バリもヒケも認められない美しい成型です。もしも東欧簡易インジェクション辺りを想像してたらよい意味で裏切られますよ? デカールも美しい印刷で一般の製品に少しもひけをとらないもの。 詳しい設定などを存じ上げないので機体解説などの詳細は青空モデルさんのサイトをご覧ください。イラストのタッチからなんとはなしに古き良き時代の国産SFの香りがしてきますね。まだ横山イラストだったころの「戦闘妖精雪風」とか荒巻義雄の要塞シリーズとか、そんな感覚。 パーツの細部を見ていけば、繊細なモールド・スジボリが姿を現します。 ウェポンベイや脚柱の成型具合もステキ。 機体部分のパーツはアンダーゲートを処理して上下貼り合わせとその点しごく真っ当な設計なのですが、外縁部分に工夫が成されて側面からは接着線が見えない作りになっています。ここはちょっと驚いた。 架空機だからこそ完成状態から逆算して、モデルに合わせた処理がし易いと言えるかもしれません。しかしそこを差し引いても実に細かいところに注意の行き届いた構造・設計が成されていまして、これは技術というよりセンスの領分になるのかな? イモ付けのパーツなどひとつもない、小さな部品のひとつひとつに至るまでほんのちょっとの工夫で接着位置にぴたりとはまる。ようになっている。最初から。 なにも気にせず、ただダボをはめ込んだだけで主翼の下半角がバッチリ決まるのには最早脱帽であります… かくて一応の完成を見ます。このサイズで架空の飛行機と言えばB社マクロス7のシリーズを思い出したのですが、あれと同じくらいに簡単な組み立て過程にも関わらず、ずっと繊細な作りとなっていて唸る。思うに「対象年齢」を設定する必要のない強みって有るんだろうな。 ノズル内部にエンジンを感じさせるディティールがあれば言うこと無しですが、そんな瑕疵はキャノピー透明度の高さの前には一点の曇りにもなりません。実にすばらしい出来栄えです。ええ、まあ、塗っちゃうんですけれども!! そんな製品を個人ベースの活動でリリースできる、むろん誰にでも出来るということではないでしょう。しかし技術とセンスとやる気があれば出来る、可能である。この小さな飛行機模型が主張するのはつまりそういうことなのでしょうね。空は飛べるものです。 最後にスジボリ具合をもちっと明らかにするために、ランナー刻印にエナメル黒流してみました。メーカーロゴのアンダーラインがちゃんと矢印 → になっているのにご注目。 ランナーで足作ってネームプレート風にしてみる。 飛行機モデラーの方々なら、もっと様々な情報・印象を引き出せると思われます。その点自分はどうも門外漢の気が抜けなくていささか申し訳ない。何度も言ってますけれど、個人でここまでクオリティのプラモデルを創りだせる時代になったんだと言う事実にそもそも圧倒されますわぁ… きっといずれは後に続く人も出るでしょう。技術とはそういうものだ。 そして未来には「東京はいずりもの学会」で個人ディーラーによる戦車プラモが発売される日も…

大日本絵画「アムトラック 米軍水陸両用強襲車両」

単独の車両を紹介することが多いオスプレイ・ミリタリーシリーズのなかにも、複数の車種を扱った内容の本はいくつもあります。その中でもとりわけ本書は一冊の内容で記述される年代が幅広い一冊。 フロリダの沼沢地用救難車両から始まって朝鮮・ベトナム戦争を経てLVT-7にまでいたる劇的ビフォーアフター(笑)な変遷が簡潔にまとめられています。尚原著は1999年発行表記がありますが、本文内容は1980年代初頭まで。1991年の湾岸戦争や2003年のイラク戦争に於けるLVTP-7(もしくはAAVP-7A1)の活躍は記憶に新しいところですが、残念ながら記述されてはいません。砂漠を長駆進撃する様は「スターウォーズ」のサンドクローラーにも似て、非現実的な光景を見せていたのですが… 一番のウェイトを占めているのはやはり第二次世界大戦に於けるアムトラックの開発と発展、戦歴と進化の様相です。特に太平洋戦域での島嶼戦はアムトラック/アムタンクの主戦場であり、攻略作戦ごとに新兵器を投入すると言われたアメリカ軍の進捗ぶりには目を見張るものがあるでしょう。また同様に防御する側の日本軍も島ごとに新しい防衛手段を講じてはいて、そちらの詳細は「太平洋戦争の日本軍防御陣地」に詳しいです。併読推奨なのです。 水陸両用戦車という存在は果たして船なのか車両なのか、どちらに重点を置くべきなのかは開発ドクトリン・設計思想によって異なるものでしょう。火力支援型アムタンクの運用に関しては米軍もジレンマに襲われたようで戦場の現場で発生したいくつもの混乱が明らかにされています。しかし本質的にこの車両は「大きくて積載能力の高い便利なトラック」なので現場では大変便利に使われる。現地改修されてP-39エアコブラ戦闘機(!)の37ミリ機関砲を搭載した火力支援型 LVT(A)-2には何やら凄みが感じられますし「イモ掘り機械」と称された工兵用LVTE-1はサンダーバード2号の中から出てきても驚かないぞ。半世紀以上に渡って海兵隊の行くところ何処でも現れるイメージのあるアムトラック。でもWW2当時は陸軍の方が部隊数も配備車両も多かったとかで、それはオドロキ… カラーの塗装解説図も若干古い時代のものにとどまっているので例えばホビーボスのAAVP-7の製作資料に使うなんてのは、ちょっと荷が重い。しかしイタリア海兵隊仕様やアルゼンチン軍がフォークランド島上陸に使用した(初の実戦投入だった)LVTP-7などの珍しい図版が掲載されているのです。 まぁ…「珍しい」がイコール「面白い」とは、限らないのですが(^^; アリゲーターから始まってシードラゴンに至る水陸両用強襲車両の一族は、常に最前線にあって激務に投入されてきました。タラワに屍を晒したLVT-1やベトナムで被害の続出したLVT-5など、それらの歴史は決して安寧なものではなく、むしろ損害の多いものです。なぜそうなるのか、本書では簡潔かつ明確に指摘が成されているのです。曰く―― すでに海兵隊の戦術家たちの間から、LVT(X)を疑問視する声が上がっていたが、それも当然だった。そもそも水中ですぐれた性能を発揮するのと、陸上において陸軍の歩兵戦闘車なみに活躍するのとは、まったく違う世界のことであって、それを同時に成立させようと考える点に無理があった。もっとはっきり言うと、LVT(X)は陸上では歩兵戦闘車にかなわないのだ。 この文章は1980年代末期に開発計画が頓挫したLVT(X)についてのことなのですが、最近でも海兵隊向け新型強襲車両ってキャンセルされてたよなァ…とか思わされたものでして、含蓄に富んだことです。海千山千、二兎を追うのは大変なのです。 そんなわけでこの先も当分はAAV-7が上陸作戦の主力を占めるのは間違いなし、スティーブン・ザロガ先生には是非とも湾岸・イラクを含んだLVT-7/AAV-7本を、ひとつものしてほしいところですな。 その際には是非ともこのフリーダム過ぎる試作車両の詳細もですね、 左はM551シェリダン軽戦車砲塔に105ミリ無反動砲を搭載(ってどんな砲尾構造なんだ)した試作車で、右は陸軍の中出力レーザー対空防御システムの試験車両なんですと。

モデルファクトリーヒロ「ジョーホンダレーシングピクトリアル#03 マクラーレンMP4/4 1988」

シリーズ好評発売中、ジョー・ホンダレーシングピクトリアル第三弾はいよいよ「あの」マクラーレンMP4/4ホンダが登場です! ターボF1最後の年となる1988年、ホンダエンジンのジャパン・パワーと二人の天才アラン・プロストとアイルトン・セナのドライビングによって見事に前人未到の16戦中15勝、ポールポジション獲得回数15回という空前の記録をF1史上に残した名車MP4/4。本書は現代の神話とでもいうべきこのマシンの軌跡を追った一冊です。 ここから始まる数年間が最もF1に入れ込んでた時期なので、個人的にも嬉しい内容。空力付加物も少なく直線構成の多い同車は立体化にも向いたカタチで、当時からキットが愛されてきましたね。低く構えられたノーズ、フラットなタイヤなど、改めてみれば大幅に現代のF1とは異なっているその姿は、現代のF1ファンの皆様には却って新鮮なスタイルに映るかも知れません。 「セナプロ対決」に代表されるように、ドライバー同士の人間関係が今よりも濃いものとして扱われていたのも時代性かも知れません。“プロフエッサー”アラン・プロストの落ち着いたドライビングと未だ若き“音速の貴公子”アイルトン・セナの攻撃的な走りは対照的で…とかいったらフジテレビ色が強過ぎるかな。でもまあ、見ている立場としては80年代末~90年代初頭のF1GPってそういうものでした。 ホントはロベルト・モレノとかフォンドメタルチームとかそーゆーのが好きなんすけど、それはこっちに置いといてww 特にセナ人気の高さと言ったらすごかったですよ。アイルトン・セナとマクラーレンのマシンにホンダエンジン、この三つは三種の神器のように崇め奉られたものですが、しかしこの時期のマクラーレンが日本で大人気だった理由の一つは頼みもしないのに日本のナショナル・カラーだったマルボロのカラーリングのおかげだったことを忘れてはいけない。配色のバランス、巧みな分割線、どこからみても様になるマシンなのです。 しかしマクラーレンに限らずこの時代のF1マシンは美しいですね。外形のトレンドや大手スポンサーによる統一されたカラーリングとか、そうと感じる理由はいろいろあるのですが、ともかくレイトンハウスの格好よさは理屈じゃないんです。日本社会がまさしくバブルへGO!!だったこの時代、紅白ツートーンのマシンが世界を制覇していく様は心強く映ったものです。翌年からのターボ禁止も16戦中15勝の結果を受けての「ズルい決定」じゃんか!と、学生だった当時の自分と身の回りの友人はナショナルちっくにフンガイしてたものでした。モータースポーツ全体を広く見れば、それは当然の帰結なのだと、いまとなってはわかりますけど。 それでもこのマクラーレンMP4/4ホンダが最強だった事実は誰にも消せません。その心臓たるホンダRA168Eエンジンの姿も、本書は詳細に捉えています。贅沢に見開きを使った大判のフォトは模型製作資料としても逸品のもの。ターボチャンバーの質感や配管の取り回しには艶やかささえも感じられてうん、セクシーな機械なんだなこれは。 本書には巻末特別付録としてツインリンクもてぎに展示保管されているMP4/4実車のディティールフォトが掲載されています(モデルファクトリーヒロ独自取材による) 現代のF1マシンにくらべてあまりにもシンプルな車両の実態からは、当時の「ハイテク」を駆使したこのマシンが、やはり人間の力と技で御せられるものなんだということに改めて気付かされます。 あのころの日本はがんばってました。 これからの日本もがんばっていこう。 そんなふうに感じるいま、この瞬間を忘れない。 末尾ながらこの度の東北地方太平洋沖地震の被害に遭われた方々に追悼を奉げ、お見舞いを申し上げます。信越・東海地方にまで震源域は広がりまだまだ予断を許さない状況です。幸いにして人的被害を免れた方でも、模型的被害を被った状況も多々あるかと存じます。 正直自分も、結構ヘコんだ。 それでも、負けずに行きましょうよ! 被災に遭われた皆様の一日も早い復旧をお祈りいたします。

業務再開について

業務再開についてです。 土日にかけて商品の整理を行い、本日3/14(月曜日)から通常業務を再開いたしました。 ただご存じの通り、物流の混乱、計画停電、取引先様の状況など不明瞭なことも多々ございます。 特に東北方面、茨城に関してはヤマト様、佐川様ともに出荷できない状態になっております。 上記以外にお住まいのお客様にも荷物着の遅延など多少なりとも影響がでると予想されます。 ひきつづきご迷惑をおかけいたしますが何とぞご理解お願い申し上げます。

地震に伴う業務について

弊社の地震に伴う業務についてです。 地震直後から電話がつながりにくくなり、取引様からもご心配をおかけしてしまいご迷惑をおかけいたしました。 商品が散乱した程度で済み、スタッフが無事で何よりでした。その後も余震が続き、当日の業務はほとんど手つかずの状態になり 翌日の土曜日から社内の整理を行っております。通常業務もおそらく火曜日からになるかと思われます。 お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ございませんが何とぞご理解お願い申し上げます。