Month: March 2012

青空モデル「1/144 U.S. MODERN ARMAMENT VEHICLE (2両セット)」

これまでSF系の航空機を中心に製品リリースを行ってきた青空モデル初の純スケールモデルは同時に初の陸物アイテムでもありました。権利関係上名称の方はアレですけれど、誰もが知ってるアメリカ陸軍汎用車両、まだまだ現役です。 ところで昔「俺がハマーだ!」ってTVドラマがありましてってそーゆー話はいいですかそうですか。 今回からはキャラメルタイプの光沢化粧箱、側面にはバーコードも印刷済みで一般流通に乗せ易くなってます。裏面にはパーツ原寸図が記載されていて、例えば店頭で初見の方でも開封することなくキット内容を把握できるデザイン。 2両セットの製品内容、これが1両分です。1枚ランナー、付属品ひと袋。組み立て説明書には本製品の開発コンセプトが書かれているのでそのまま引用してみましょう。  ・基本肉厚を限界まで攻める  ・スライドを使用する  ・金属素材としてスプリングを使用する  ・実車に近いパーツ構成にする  ・ハブリダクションの再現  ・インテリアの再現 …設計って攻めだったんですね。作るほーは受けなんですかね(そーゆー話じゃないよ) 青空モデルの従来製品と比較しても一段と細かいパーツ構成へと進化した、一般の大手模型メーカーの製品にもまったくひけを取らない素晴らしいプラモデル。個人の企画で始めて短期間でこの階梯まで向上するのには惜しみない拍手を。なんかもースゴイの、言葉もないくらいに。 金型製作は知るひとぞ知る秋東精工。古くはモデルカステンの連結可動履帯で世界中から絶賛され、最近ではスカイツリーからギョーザまで、日本の模型事情を影で支える業界有数の金型メーカーです。 フロントグリルとボンネット上部のスリットはスライド金型を使用して1パーツで彫刻。 はじめて見たとき変な笑いが込み上げてきたサスペンション用の極細スプリング。危うく正気度チェックに失敗するとこでしたよいやはや。 1/144スケールのAFVモデルは海洋堂の初代WTM以来これまで10年近く様々なメーカーやディーラーさんたちの製品を目にしてきましたが、その中でも本キットはなにかひとつ図抜けた、画期的なブレイクスルーが起きる瞬間を目撃したかのよう。はじめてSWEETのマッキMC.200を見たときのような気分と似ているでしょうか、1/144スケールでここまで出来るんだなぁ…と驚く気持ち、興奮する気分は。 組み立てに関しては説明書の方に    組み立てには流し込み接着剤の筆さばきが重要となります。  多過ぎず、少なすぎずビンのへりをうまく使って塗布量を調整してください。  また、パーツが非常に小さいのでなくさないよう慎重に作業をしてください。 と、注意書きが成された上で拡大鏡とピンセットの使用が推奨されています。その方がよいだろうと思いますが、いちおう無しでもなんとかなりました。アートナイフの刃先最強ですねい。でもヘッドルーペなどの新規導入を考えていて且つためらいが残ってるような方には、購入を決意する為にぴったりの模型だと思います。 何故なら、パーツ加工の精度や勘合の具合が非常に良好でこんな小さなサイズなのに個々の部品はきちんとはまる、あたりまえだけど実に大事な「ちゃんと組み立てる事が出来る」優れたプラモデルになっているからです。新しい道具・工具に慣れるためにはそういう製品が良いだろうと考えます。実際、極小サイズの部品組み立てが続く工程でもあまりストレスを感じません。 指先や目元に集中力は要求されますが、よく切れるニッパーと新しい刃先のカッターさえあれば、思いのほか組み立てに対してのハードルが低い製品だろうと感じます。設計、パーツの精度が高まっても「組み立て易さ」は変わらずの青空モデルスタンダードと言えましょうか。 先に全体像とサイズを見せてから「実はインテリアも再現されてるんだよ」とか、 「シャーシーも分割成形だったり」と細かな点を見せていけば面白いかな―と、思います。そのほうがインパクト大とか何とか。 最初は一体どうなることやらと半信半疑だったスプリングも、内径とプラパーツの軸径が見事に合致して吸いつくようにハマり、瞬着など使わなくともテンションだけで保持できるとゆー、いやすごいよホント。モールドするのと比べてどちらに加工コストが掛るのかは存じませんが、見た目と組み立て過程のオモシロ加減は金属スプリング使った方が遥かに高いものですね。 このハンヴィーという車種(あ、書いちゃったよ)を選択されたのも、立体化のし易さや認知度合いの高さなど戦略的な視点――簡単に形になり、誰もが認識する――あってのことだろうと思いますけれど、でもそういうの抜きで純粋にユニークな、そしてマーべラスなプラモです。 既にワンフェス等のイベントでは本キット用のレジン製改造パーツなど、関連となるアイテムがいくつか販売されています(青空モデルさんのサイトに前回ワンフェスの時の情報あります)。よくできたプラモデルはそれだけでひとつの素材であり、可能性を広げることが出来る…と、いうわけでしょうか。 手元にあった同じく青空モデルのトーイングカー。二つ並べると技術的進捗度合いが観察できますね。 1/144スケールということでこちらの関係とコラボレーションしても良いかもしれませんね。お台場にまたガンダム戻って来てますし、今年もまたガンプラ世界大会やるんでしたよねー。ああ、むしろ麦わら海賊団を侍らすべきか… そしてやっぱり「でかい100円玉」画像を撮影せずにはいられない(w  そんなこんなで個人的にも大絶賛なアイテムですが、ひとつだけ不安…というか心配なことがあります。それは (;゙゚’ω゚’).。oO(青空モデルさんはこの先いったいどこに向かって進んで行くんだろう??) いやワリと真剣に。

新紀元社「スケールモデルファン Vol.4 」

新紀元社より好評発売中のスケールモデル総合模型誌「スケールモデルファン」第四号、巻頭特集は「ドイツ軍パンター戦車VSアメリカ軍アニマル・ハンターズ」と題して第二次大戦後半の米独AFVにスポットを当てています。 とりわけ目を引くのは試作戦車VK3002(BD)のフルスクラッチ作品でしょう。いわゆる「T-34ショック」の直接的な影響として生まれたダイムラー・ベンツ社製のこの戦車は「ドイツ版T-34」といっていいほど酷似したものでした。そうはいっても車体側面の円形ハッチなどには同時代のドイツ軍試作車両(ポルシェティーガーやI号戦車F型など)と似通った点もあり、面白い車両です。 実物はモックアップが製作されただけでMAN社の案が後のパンター戦車として採用されるのですが、作例では各部にパンターのパーツを流用して実感の溢れる仕上がりとなっています。後部に起動輪を配した設計は従来のドイツ軍戦車にない構造で、万が一こちらが採用されていたら「前から見ればパンテルも立派なT-34だ」どころじゃないほどのソックリ加減に誤認・誤射が多発したろうなあ… ドラゴン/サイバーホビー製品を使用してパンターA,G,Fの各形式が製作されています。どれもエッチングを多用した徹底ディティールアップの王道的な作例記事です。 F型はトランペッター製E50の主砲パーツを用いた8.8cmkwk43砲搭載仕様。ここ数年で末期ドイツ軍のif車両もずいぶん地位が向上したものです。 パンター関連がほぼドラゴン勢で占められていたのに対し、米軍側はタミヤ、タスカそしてAFVクラブと多彩なメーカーからのラインナップです。タスカのジャンボにタミヤのスーパーパーシングはニューキットレビューのスタイルを執っていますが(パーシング関連はカラーイラストによるディティールガイドを収録) AFVクラブのM36駆逐戦車を模型誌で見るのはなんだか久しぶりな気が。毎月の新製品ラッシュに追われて「旬」を過ぎると棚に埋もれてしまうキットも多いですけれど、こうして記事になればそこから広がる何かもあるかと思われます。 その他AFV関連では「パンツァーレックス」Vol.10に写真のあるIV号戦車C型改修長砲身仕様、十川俊一郎氏による古いモーターライズキットのゴム履帯レストア記事が掲載されています。 第二特集「フォッケウルフFw190開発史」はエデュアルドD-9の機体パーツドラゴンTa-152からエンジンカウリングを移植するニコイチのD-15、大胆に主翼をカットして前縁角度を変更するV20など工作度合いの高い内容。陸物も空物も、ドイツ軍アイテムはどんどん濃ゆい方に向かってる気がしますね。参考資料として博物館に現存するD-9実機やダイムラーベンツDB603エンジンのフォトも掲載されています。 航空機関連ではトランペッター1/32A-4スカイホークが70年代ハイビジ塗装も鮮やかな仕上がりですが、なんといっても英国モデル・デザイン・コンストラクション社製1/32三式戦闘機飛燕の記事が必見でしょう。大型フルレジンキットの美しいディティールもさることながら、キットの素材を活かして適切に用いられたディティールアップパーツにため息出そう。そしてやっぱり海外モデラーの独特な色遣いは日本のそれとは異なる風味で興味深い。同一機種がインジェクションで入手できる際にレジンで作る人は少ないかもしれません。しかし敢えてそこに手の伸ばすだけの価値はあるのだなと思う、そんな記事です。 海ものとしてタミヤ新1/350戦艦大和は波濤も高い水面パーツを製作したフルハル且つウォーターラインの面白い形態で製作されてます。実にカッチョイイ作例ですがいかんせん写真がページ見開きにまたがってるんで、どうスキャンしてもカッコ悪くなってしまう…

タミヤ「1/48 ソビエト重戦車 JS-2 1944年型 ChKZ」

Здравствуйте! タミヤ1/48MMシリーズ新製品、ソ連軍重戦車スターリン2型です。ヨンパチMMでタミヤ純正の製品としてはヤクトティーガー以来になるのかな? 製品の性格としては1/35のスケールダウンということになるのでしょうが、一体化されたパーツなどもあり、単純にダウンサイジングされている訳ではありません。 車体下部は安心のプラ製です。このシリーズ最初からこーしておけばよかったのになと、思わざるを得ない… 35では2体あったフィギュアは車長のみになっています。 足周り関連がずいぶん色々入ってるように見えますが、実はAランナーが4枚にPランナーが2枚と同型のパーツが複数入ってる構成です。 デカールはベルリン戦に参加した部隊を中心に4パターン、ワイヤーロープは糸素材でこのあたりは35のスケールダウンですが、ヨンパチならではの金属製ウェイトが4本今回は円柱型で入ってます。 各所にロシア戦車特有の鋳造肌が表現されています。ちょっとお上品に見えなくもないモールドなので、溶きパテなどを塗ってもっと荒々しいテクスチャーを加えるのも定番でしょう。スケール感を考えると35と48で同じ表現方法のままで良いのか疑念もわきますけれど、サイズを基準にして小さいモデルにこそ派手な表現が効果的かも知れません。この辺は好みの問題かもしれませんが、いろいろ思案するところです。 でもね、車体上部のこの部分、鋳造肌と鋼板表面の違いや金網部分も含めてメリハリの効いたモールド見てたらこのままキットの素姓を活かして作るのが一番だなーと。エンジン吸気口の金網がモールドされたのは本シリーズ初かな?このサイズならばこの表現で十分満足いくものです。 キャタピラは48のフォーマット通り部分連結インジェクション。ちょっとした1/35スケールの軽戦車よりデカイ部品なので組み立ても簡単なサイズ。タミヤ1/35のJS-2の時にはベルト式と連結式の2種類入ってたのは、考えてみれば豪勢な構成でしたな。 例によってちまちま組み立てて行きます。 さて本製品最大の特徴はこのウェイト搭載方法でしょう。金属パーツの前後にプラのキャップ状パーツをはめ込み、プラパーツ同士を接着して車体に固定するユニークな仕掛け。まるで乾電池のようでアリマス。実に面白い設計で、プラモデルに重量を与えたい人には必須。 箱組みした車体にサスペンションアームを接着して進めて行きます。ウェイト積んでないようにみえるのはキノセイデスヨ(棒)いえね最近左手が痺れ気味でしてね… 車体側面後端部には装甲板の切削断面が表現されています。こういうとこよいなあ。 車体前面にはライトとホーンを取りつけるために裏側から0.8mm径で開口するよう指示されています。ポーランド軍仕様にしたかったんで右側をどりらんど。ついでに省略されてる車体固定機銃も0.5mm径でカリカリして置きました。この部分さすがに成形の限界だししゃーないとは思いますが、だからってスペック表記まで「7.62mmDT機関銃×2」にしちゃうのはー、いかがなものかなー(本当は3丁装備してるのです) キャタピラの弛みも自然に素敵な具合となります。 チェリャビンスク・キーロフスキー工場製の一体型鋳造シャーシー(ウラル工場製は鋼板溶接構造)JS-21944年型の特徴的な傾斜した前面部分は「ローマ人の鼻」と呼ばれてるそうです。ロシア人のネーミングセンスは時に意味不明です。 ちょいと解り難いのですがホーン自体はナイフなど使って開口しました。そしてなぜライト部分は取り付け穴だけ開けて肝心のライトがないのかとゆーと、それはパーツを失くしたからです。 il||li _| ̄|○ il||li カスタマーサービスに注文するか、基部だけでもテキトーなプラ材から自作するか、さてどうしよう… 車体後部の円筒形燃料タンクはダメージを加えたり接着線を「溶接痕」として残したりとアクセント付けてみましたよ。 残すといえば砲塔パーツ上下の接着ラインはそのまま鋳造型のパーティングラインとなるので、削り落さずに残す方向で行きましょう。 D-25T122ミリ戦車砲でけぇΣ(゚д゚lll) ここしばらく軽戦車とか旧日本軍車両とか小さいのばっか作っていたのでヨンパチとはいえこのサイズは驚異的である。 キットの指定では車長ハッチは横方向で開くようになってますが、この部分回転機構が備わってるので閉じると同時に向きも変えちゃいました。ペリスコープが前向きのほうがらしいよなと感じたイメージ優先。 結果フィギュアは手持無沙汰となる…。どうせならもっと派手目なポージングだと小さなフィギュアでも見栄えがするのになー。昔の1/35KV-2に入ってたガッツポーズ戦車兵みたいなプロパガンダ風のヤツとか、小さなサイズならではのケレン味が欲しいところです。 予備キャタピラとか牽引ワイヤーとか載せてませんけど、とりあえずカタチになりましたおおぅ大迫力でアリマス。JS-2はサイズこそドイツ軍のパンターやティーガーに比べて小さいのですが、装甲厚は最大120mmと当時としては破格な存在でした。外見が小さくても中はみっしりの「細マッチョ」戦車である。当然しわ寄せは乗員に来ますがなにか? 分離装弾式の122ミリ主砲は次弾装填の間隔が長く、口径の割には初速も低いので第二次大戦後半のドイツの戦車群と比べてスペック的には多少見劣りがします。しかしながらJこの砲の「欠点」の多くは対戦車戦闘を行う際の欠点であって、その当時のソ連軍が必要としていた陣地の攻略、国土回復と再征服については大型の榴弾を発射できる122ミリ砲が不可欠でした。対戦車戦闘よりも陣地攻撃を重要視する設計思想は、それ自体では誤りでは無いのですな。 だからみんなもっとチハたんをばんじゃいしようず。 ゴツイ車体にデカイ砲塔乗っけてデカイ大砲積んで「戦車ってこういうものだ」となにか基本に立ち返ったような姿は広く万人にお勧めしたいものですが「名前が嫌い」ってひと多いでしょうね… 第二次大戦後半のソ連戦車って組み立ても塗装もシンプルで癒し系なのです。「ソ連戦車はリハビリ」と、よく言われます。写真はキットにデカールも入ってる第88独立親衛重戦車連隊13号車、この 雑過ぎる 力強い白帯こそベルリン戦JS-2の魅力ですねえ。 プレステの「パンツァーフロント」ベルリンステージでわらわら出てきたJS-2は実におっかない戦車でありました。何もかも皆懐かしい……

ハセガワ「1/72 しんかい 6500」

ハセガワサイエンスワールドシリーズ第1弾、日本が世界に誇る有人潜水調査船「しんかい6500」の1/72スケールキットです。 小松左京のSFや日本海溝を身近に控えることもあってか、日本に於ける深海調査は昔から活発です。しんかい6500は日本の潜水調査船としては「しんかい」「しんかい2000」に続く三代目の存在で1990年に運用が開始された文字通り海面下6500mまで潜航可能な、調査船としては世界最高の性能を持つ潜水艇です。20年以上運用されているだけに以前から立体化されることもあったように記憶していますが、昨年ハセガワ及びバンダイからスケール違いで相次いでリリースされ、ちょっとした話題になりました。内部再現や発光ギミック盛りだくさんのバンダイ1/48スケールに比べて、このハセガワの1/72スケールは気軽に作れるデスクトップモデル感覚と言えましょうか。 基本の船体は上下二分割で再現。小さいながらもパネルラインやリベットのモールドなどはハセガワスタンダードの精密なディティールが施されています。 組み立てにはプラモデル用接着剤が必要なごく普通のスケールモデルですが、成形色を活かすためのパーツ分割は最近話題になった「学校の机と椅子」と同じような設計思想を感じます。無塗装でもそれなりにカタチになるプラモです。 デカールシート、揺れる波濤のマークはしんかい6500を運行する海洋開発機構(JAMSTEC)のシンボルマーク。どことなく「富士山」のような曲線だなーと思ったらどうも葛飾北斎っぽいのですな、雰囲気が。 宇宙関係と違って特にミッションごとに特殊なマーキングを施すことは無いでしょうし取り立ててバリエーションってのも無いだろうと思われますが、ちと毛色の変わったところではTV番組「飛び出せ!科学くん」撮影に使用されたときに、船体に番組ロゴとマスコットキャラ「科学くん」をあしらったステッカーが貼られていました。詳しくは中川翔子さんのオフィシャルブログをどうぞ。 いや~、この番組のおかげだと思うんですよね、しんかい6500に注目が集まって2社で同時に新作キットリリースなんてお祭り騒ぎになったのは。 また本キットにはしんかい6500各部の機能や運用シークエンスについてフルカラーで解説したデータカードが付属します。ハセガワらしからぬ(失礼!)ユーザーフレンドリーな製品パッケージは近年マシーネンクリーガーやアイドルマスター航空機など「ハセガワらしくない」製品群を積極的にリリースしてきた蓄積が反映されているのでしょう。実際刷り物一枚あるだけでずいぶん楽しくモデリング出来るものです。 ひとつひとつのパーツは小さなものですが、形状・ディティール共にキレのよい出来映えです。マニュピレータよいわぁ( ^ω^) 組み立てていくと(あたりまえなんですが)やっぱり「船」なんだなーと、あらためて思わされる。 垂直/水平スラスター内部のスクリュープロペラもばっちり再現。タイトな作りですが吸いつくようにパーツがはまる。ところでしんかい6500、垂直スラスターは左右両舷にあるのですが水平スラスターは船首部分だけで後部にはないんですね。海中ではどのように動くのか、そんなことを考えながら組み立てるのも楽しい作業です。 楽しんでいるとあっという間に完成。これはヽ(・∀・ )ノイイ! プラモデルですねー。ストレスを感じることなく適度な作業時間で文句ない立体が手に入ります。 ホワイトとオレンジのカラーリングは成形色のまま(撮影を考慮してつや消しクリアは吹いてます)ですけど、船首付近を中心にちょこちょこ色を乗せてみました。アーム基部とか投光器とか塗ってないとこもありますが、チョイ足しでも実感マシマシ。 上甲板(と、言うのだろうか…)デカール貼りにはちょっと慄いたのですが、軟化剤も定着剤も無しでちゃんと曲面に追随し、表面に凸モールドがあってもビクともしません。近年だとこの種の一般(?)向けアイテムではステッカー処理になりがちなものですが、ここは老舗の矜持というものか。 主推進機は左右に可動します。この部分のスクリューは未接着のままですので、息吹きかければグルグル回ります。ドライヤーを利用してギュンギュン回転する様を撮ろうかと思ったけれど、冷静に考えたらそんなに高速推進する機械じゃないよな。 船底にはウェイト4つ。スタンドに飾ると見え難いものですが、ちょっとしたアクセントになります。この4つのウェイトって潜航する度に使い捨てるんですねえ。遠い将来、海が干上がった後の地球にやってきた人たちがきっとこの正体不明の鉄のカタマリ見つけて悩むんだぜ、きっと。 バトルダメージもあるまいと特に汚しはやらなかったんですが、運用中の実機写真なんかみてるとパネルラインはくっきり目視できますね。組んだ後で見るもんじゃないですね(w; まー、以前にお台場の日本科学未来館でみた実物大模型が綺麗だったんで、その辺の印象で…。科学未来館のレプリカは耐圧殻内部にも乗り込めてなかなか楽しい展示物でした、都内近郊お住まいの方、オススメですよん。 ちょっと前に流行った海洋堂原型の深海生物ボトルコレクションなどがあれば、サイズの違いは無視してでも「水の無い水族館」を作れるかも知れません。大王イカのアクションフィギュアでもあれば深海の大決闘をディスプレイ出来るのだが……あ、 あ る じ ゃ な イカ 。 と、いうわけで科学の世界に勤しむお子様方から触手好きな紳士諸兄にまでひろくオススメできる優れた教材・玩具として、実によくできた製品なのです。購入された方が謎と神秘に満ちた深海に興味を持ったり、海洋学研究の道に踏み込んだりするきっかけになったら良いでしょうなあ… おつかいいてきたー ε=ε=ε=( ゚∀゚)ノ いや、ホントはこんなアップトリムで浮上するフネじゃないんですけど。 いあ、ツッコむところはそこじゃないだろうってわかっていますけれど。

ホビージャパン「大日本帝国の軍用銃」

旧日本陸軍の代表的な小火器を、実銃/トイガンふたつの側面から解説した内容で、研究サイドからゲームファンまでひろく楽しめる一冊です。 記事のボリュームは実銃の方に重きが置かれています。三八式歩兵銃を始めとして、21世紀の現在まで無事に保存された貴重なコレクションの数々が美しい大判の写真や細部へのクローズアップで様々な角度から解説されます。 四四式騎銃の折り畳み式銃剣部分の詳細などは、イラストを描かれる方には十分に資料として役立つものでしょう。マンガ「朝霧の巫女」では大活躍だぜ。 取り上げられている銃はすべて機構が可動、野戦分解が可能な状態を維持しているものばかりですが、やはり製造から長い時代を経ていることもあって傷や痛みを生じているものも見られます。クラシック・ガンを維持することの難しさを感じる一方で、戦争末期に製造された銃の方が初期のものより痛みが激しいのは粗製乱造の実態を示すようで興味深い。 アメリカのシューティングレンジで実際に射撃を行ったレポートは読み応の多い記事です。銃身の長い三八式歩兵銃も重量バランスがよく取れていて片手でもっても安定すること、三八式短小銃の身構えやすさ、意外にも集弾性の高い二式テラ銃など、カタログデータや1/35スケールのプラモデルでは解らないことばかり(笑) アメリカではいまでも多くのコレクターによって旧日本軍の銃器が愛好され、良いコンディションに保たれて使用可能な弾薬も販売され、実際に射撃も行われています。銃規制の厳しい日本社会では到底無理な話なので、このままアメリカに在った方が銃にとっては幸福なのかもしれませんね。フロームマイコールド・デッドハーンズでヘストンワールドからやってきたマジカルレヴィちゃんです。なにいってんだ俺。 うん、まあ、↑の画像見てちょっとだけ「ガンダム0083」のゲイリー少尉みたいな気分になったのもホントなんだけどね。 日本では射撃はなかなか手の出し難い趣味ですけれど(最近では軍用銃かどうかの判別を「見た目」でやってるとか聞くしな)ちょっと海を渡ってみれば、貴重な銃を射撃する機会を得るのも決して不可能ではない、というガイドブック的な側面もあるのかな。こんなすてきなメガレ(メガネレディ)が射場に勤めてるんだからやっぱアメリカ最高ですね。(^^v ライター諸氏が愛好家の集いに日本兵のコスプレして行ったら大人気で引っ張りだこなんて話も載っていますが、ちゃんとTPOをわきまえているから通るのだと、そこは強調しておくべきなんだろうな…や、昔ちょっとね。 小銃だけではなく機関銃や拳銃についても解説されています。 南部九四式拳銃の設計の拙さはシアーが露出しているだけに限らないこと、二十六年式拳銃の機構には不具合が多いことなど実際の射撃を通じて得られる知見が冷静な筆致で記述されています。旧軍関係って稀に感情的になる文章も見受けられますが、その点は心配無用です。 後半はトイガンの解説で、タナカ・KTW・CAW・ハートフォード・マルシン各社の製品がモデルガン/エアソフトガン各種紹介されています。トイガン製品の中でもお値段の張る物が多いラインナップですが、それに見合った素晴らしい完成度を誇る逸品揃いでもある。タナカの「九七式狙撃銃ヴィンテージブルーフィニッシュ」はモデルガンの域を大幅に越えてベッドで添い寝したくなるような!!!(待て変態 より実銃に近い製品を挙げていく編集内容なので、みなが一度はお世話になったマルイのエアコキ十四年式が載ってないのは仕方が無いか。それだけちと残念なのですが、いろんな読み方のできる面白い本だと思われます。

トランペッター「1/72 ドイツ III号突撃砲 C/D型」

トラペのミニスケール、三突C/D型です。このサイズのインジェクションキットとしては古くはフジミからも出てましたが、現行では本製品だけかな?精力的に72を展開しているドラゴンからは発売されていないハズ。もっともドラゴンが「何を出していないか」を調べるのは「悪魔の証明」じみた作業で(w このサイズの戦車模型としてはオーソドックスな構成で、取り立てて何か奇をてらったような設計がされている訳ではありません。元々三号突撃砲のC型とD型は外観上区別がつかない(車内通話装置が異なっている)ため、どこのメーカーのあらゆるスケールの模型でも「C/D型」として一括された製品となるのが常ですが、このトランペッター製1/72シリーズでは同一ランナーの枠内にE型の戦闘室上部パーツまで入ってます。奇をてらうというよりはコストの抑制なんですけど、結果としてこのC/D型とE型のキットはパッケージ以外まったく同じ内容だったりする。 ですからして「いますぐE型を作らないと直ちに健康に影響を及ぼすが目の前にはC/D型しかないッ!!」とゆーよーな方でも、慌てず騒がずC/D型を入手するべきなのです。 ちなみにデカールの方はB型含めて3種類の製品で共用する仕様。 オーソドックスとはいえそこは現代のプラモデル、上部転輪にスライド金型を使用することで巧みに一体化を図ってます。指の太いモデラークラスタには朗報です。 多少のバリは出てますが、組み立ては実に簡単である。車体下部に存在する太い支柱のような部位が、パーツの接合にはなんの機能も果たしてないのは、多分これ塗装済み完成品用の機構なんだろうな。 ああ、ここだけは注意が必要になります。アンテナケース部分、D2とD3は左右の指定が逆になってます。そして三号突撃砲でもC/D型はアンテナ一本のみ装備なので、本製品をC/D型として組む場合は車体左側にD2を接着するのが正しいです。この辺E型と共通させてる影響で、結果として右側のエンジン吸気口に無用な取り付け穴が残ってしまうのは若干いただけない… ベルト式履帯は例によってのトラペ材質。日ごろミニスケールをスタンダードでやってる方々は、どう対処しているんだろう?? 手すり部分や省略されたボルト類などに手を入れる余地はありますが、基本的なプロポーションやディティールはこのサイズの模型ならば十分及第点でしょう。 やっぱりキャタピラ浮き気味なのが気になるかなー。 底面のパネル類もしっかりモールドされています。もっとも、ひっくり返すとキャタピラよりもシャーシーと一体化されたサスペンションアームの方が気になって夜も眠れない。 防御能力を高めるために戦闘室前面の直接照準孔を塞いで砲の照準をペリスコープ式に改めたのがC/D型の最大の変更点ですから、照準器を自作するのは効果的なディティールUPのポイントとなるでしょう。キットのままだとポンキッキのムックの口元のようにぽっかりと開いた暗黒の入り口である。 1/72スケールの戦車模型ってメーカーお膝元の中国じゃどういう位置づけなんでしょうね?リーズナブルなんで初心者・入門者に向いてるように思われがちですけれど、個人的にはもう少し大きめなサイズの方が戦車模型のセンスオブワンダー(何)を感じ取れるような気がするんだよな。 短砲身型の三突自体は、実に可愛らしい戦闘車両でありますので、一家に一台、小さなお子様にもどうぞ!と夜店でゼニガメやカラーひよこを売ってるかのごとくにオススメ物件です。

ブロンコモデル「1/35 米英・女性後方支援補助兵士4体」

近年アイテム数が増加している1/35スケール女性フィギュア、ブロンコモデルの本製品は女性の社会進出や権利進捗に大きな影響を与えた第二次世界大戦当時の女性兵士をモデル化しています。 米軍2体、英軍2体の4点セット。すべてジャケットにスカート姿の勤務服での立体化です。ストッキングのカラーが米軍英軍で異なる質感なのは、当時の両国の服飾事情を反映しているのかな?絹の布地が軍用に供出されて(火砲の装薬に用いられた)、その結果ナイロン・ストッキングが広く普及したのがたしかこの時期だったかと…思うのですが……しかしファッションについてはファッショほど詳しくないので深く追及しない! ランナーはそれぞれ完全に独立しています。例の人民解放軍パレードのシリーズと同じような構成で、どのフィギュアも歩行ポーズではあるので複数製作すればパレードさせるのも不可能ではないかな?女性軍人だけでぞろぞろ並んでいるのはあんまり米英っぽくはないですし、第一みんな同じ顔ではとんだクローン軍団ですがな。 トルソー部分の造型は非常に優れていると申しあげられましょう。大戦勃発直後に米英で女性の動員が開始された当初は、被服ひとつとっても男性用の物がそのまま支給されたりといった苦労が多かったようですが、それらは暫時改善されて行きました。 スカートの裾を翻して「颯爽」と前に進むようなイメージの、ある種の理想的な造型かもしれない。 頭部は1/35スケールにあっては標準的なつくりかと思われます。現実を見よう。 こちら米軍ユニフォーム、ちょっと大艦巨砲主義的(か?) 英軍の方はポケットフラップなどデザインが違うのはもちろんなのですが、シワの質感なども米軍とは異なった造型が成されているように見えますね。 しかしどちらの制服とも、日本のマンガやアニメを見慣れているとジャケットの裾部分がそのままスカート丈に見えて困りますね。 「US Women’s Army Corps, 1944」 陸軍婦人部隊(WAC)と呼ばれた女性部隊の兵士です。設立当初は「陸軍婦人補助部隊」でありましたが、1943年に正式にアメリカ軍に所属する地位を得ました。陸軍内部で非戦闘任務に従事し、終戦時には240種以上の専門職に就いた女性兵士が巨大なアメリカ軍を後方で支えていたのです。 「US Women’s Auxiliary Volunteer Service, 1942」 アメリカ志願兵補助員、WACの前身となった組織の所属員。欧米ではすでに第一次世界大戦当時に女性を軍務に重用した過去があったのですが、それでも第二次世界大戦にあたって再度の組織化を行う際には反対意見、誹謗中傷も少なからず存在しました。 「Leading Aircraft Women, RAF, 1940」 国防義勇軍補助部隊(ATS)として早くから女性が登用されていたイギリスでは、1939年に空軍婦人補助部隊(WAAF)が独立組織として移管されました。空軍婦人部隊には75種類の職種が存在しましたが、特にこのフィギュアは地図位置表示やレーダー標識など、航空司令部で航空機の誘導を行う隊員を想定したものです。映画「空軍大戦略」を見よう! 「British ATS, Royal Artillery, 1940」 ATSはその前身を救急看護医療団や婦人軍(どちらも民間で設立された軍務支援団体)の自動車輸送部門に根ざしていたこともあって、早くから機械操作任務にも従事していました。特にバトル・オブ・ブリテンの時期には男女混成対空砲兵隊が数多く編成され、探照灯など攻撃兵器以外の操作を担当して本土防衛に努めました。 イギリス女性兵2体はどちらも帽子と頭部が一体成形ですが、ショルダーバックが別パーツ化されています。「谷間に負い紐」フェチな紳士諸兄にはこちらを勧めるものであります。 四体並べると似通っているようで違う服装、同じようで異なる歩幅がまるで「Gメン75」のよーである(メンじゃねー) それぞれの状況に応じてディオラマに彩りを与えるような使い方をするのが正解なんでしょうが、いっそプロパガンダポスターみたいな割り切りで戦車に乗っけてもそれはそれで面白いかもしれません。あるいは ⊥ な形をしたステージ作って周囲に歓声を挙げる兵士を山ほどならべて第二次大戦ガールズコレクション …さすがに書いてて無理があるぞな(´・ω・`) なお今回の記事にあたっては大日本絵画刊、オスプレイ「世界の軍装と戦術」シリーズ「第二次大戦の連合軍婦人部隊」を大幅に参考としました。直接に本製品とは関係ない諸国の事情(例えばインド軍とか)の記述も多く、なかなか面白い一冊。

ガリレオ出版「第2次大戦 イギリス 機甲部隊」

グランドパワー誌2001年1月~3月号掲載記事を単行本化した内容です。元になった連載記事は版元がまだデルタ出版だった頃の時代で当該号も既に絶版、日本ではまだ数少ないイギリス戦車研究本としては貴重な一冊でありましょう。 編成と運用を中心に、師団・旅団レベルのすべての部隊戦歴を網羅した辞書的な内容を中核にしています。第2次世界大戦当時イギリス陸軍の戦車大系が巡航戦車と歩兵戦車の2本立てであったことはつとに知られていますが、機甲旅団(Armoured Brigade)と戦車旅団(Tank Brigade)を勘違いしないためにも有用です。時々間違えます。 地味な書籍ではありますが、イギリス軍の戦車運用に対する独特の感性は窺い知れる一冊です。宗主国以外の英連邦諸国の事情を知りたくなるのは贅沢かな? 機動戦の主力となった機甲旅団が戦況に合わせて流動的に改編されていく様を見て取れる、これらの編成表が掲載されているのが本書いちばんの収穫でしょうか。ことドイツ軍では何年型装甲師団の編成が云々なんて昔から言われてますけれど、英軍ではあんまり取り沙汰されない話題なもので… 「表がイチバンです!」というのも大声で主張しにくい感想ではありますが。 本書後半は各戦線ごとにまとめられたイギリス機甲部隊写真集となっています。よく見るものから見覚えないものまで様々ですが、車体マーキングによる部隊解説などのキャプション含めて情景製作の手引きに向いた編集がされています。 とはいえ、 全ページモノクロ印刷で手に汗握ったり血涙を振り絞るような記述内容の本ではありませんから、余程のイギリス軍好きでない限りは学校で退屈な授業を聞かされるような気分で睡魔に襲われる危険があります。注意が必要です。 ですから、 本書の精読にあたっては快適な読書環境を用意し濃い目に入れた紅茶を欠かさず、出来れば執事のひとりでも侍らせておくことが肝心だと思う訳ですぞ紳士(語尾)

トミーテック「1/144 航空自衛隊 CH-47J」

塗装済み半完成品「技MIX」シリーズから航空自衛隊春日基地所属、春日ヘリコプター空輸隊仕様のCH-47です。 さて、レビューの前にちょっとひとこと。普段このブログは一応これでも宣伝であるとか営業であるとか売上であるとかキャピタリズム的観点に基づいて運営されています(ホントですよ)。出来ればここをご覧になった読者の皆様が一人でも多く、タイトルのリンクを伝って商品をご購入戴ければ、それこそ望外の幸せであります。日々は是全てマーケティングで、最近ではラーメン屋に入るたびに余分にギョーザをひと皿たのんで「ステマステマ」と呪文のように唱えて …すいません、今のはちょっとウソです。 まーともかく普通はそんなこんなで売り物を紹介しているのですけれど、今回はリンクをたどっても在庫切れ、そしてちょっとワケアリ…と言うか一部パーツが欠品したものをご紹介いたします。事情はゴニョゴニョ……年度末だしいろいろあるんですよ!そういうこと!! CH-47“チヌーク”は陸上/航空自衛隊の主力輸送ヘリコプターです。我が国においては長らくKV-107“バートル”が現役であったため他の使用国に比べて遅れた導入となりましたが、その分完成度の高いD型相当の機体を配備でき、現在もなお調達と改良は進められています。本製品は特に航空自衛隊仕様として、陸自の機体よりも明るいカラーリングによる迷彩塗装が特徴です。 塗装済みランナー。 大直径のタンデムローターは破損防止対策済みで封入されています。 小パーツ群そのいち。 小パーツ群そのに、そしてデカールは機体No.を4機分。 そして本来ですとこのように機体側面の丸窓パーツ(Bランナー)が内部のベルトハーネスまでも塗装で再現してるのですが、今回紹介する個体ではこのパーツが欠品状態です、念のため。 迷彩パターンの塗り分けやコーションマークの印刷は例によって素晴らしいのひとことです。 キャノピーは透明パーツで一体化した上にフレームなどを描き込みしたもの。 ではパチパチ組み立てていきます。機体底面のアンテナや吊り下げフックもきっちり再現、 コックピットはさすがに寄りすぎたのかアラが見える…「プラン9フロムアウタースペース」って映画を連想…… 組みこんじゃうとほとんど見えないんですけどね。ちなみにローター回転ユニットを組み込んだ場合、コックピットブロックは使えませんのでご注意。 単に組み立てるだけなら特に何の問題もなく出来上がります。 後方からのパース。タンデムローターのヘリとしてはほぼ完成形といえるCH-47、今後もしばらくは短~中距離輸送の要として日本各地で目にすることが出来るでしょう。 リアハッチには開閉ギミックがあります。 機体そのものが大型なのですが、輪をかけて大型のローター×2はスタンドに乗せて飛行姿勢を取らせるとなかなかの迫力。 機体の中心線にパーツの分割ラインが走っているので、この部分を埋めて仕上げると迷彩塗装のリペイントが結構な難儀になりそうではあります。 撮影角度でうまくパーツの欠品を誤魔化せたかな?ちょっと自衛隊のヘリコプターを紹介したい気分になったので、いささか無理を承知でやってみました。 ちょうど一年経ちましたしね。 あの頃、日曜日の昼下がりに市ヶ谷の防衛省庁舎ヘリポートにCH-47が降下していくのを新宿あたりから目撃したのがああ今は非常時なんだなと強烈な印象に残っていまして……

ピットロード「1/35 日本陸軍 92式重装甲車 後期型」

ピットロード製、日本陸軍AFVのインジェクションキットです。実車は騎兵の機械化を目的に開発された、軽量で機動的な運用を行う為の小型戦車なのですが、当時「戦車」は歩兵科の範疇に属する装備だったので「重装甲車」の名称が用いられました。てなことを聞くとなんだか日本型タテ割り行政の見本みたいですが、1930年代初頭ではどこの国でもよくあったお話。 九二式重装甲車は生産台数が少ない(167両)わりには個体ごとの差が大きく、残されている資料も少ないので製品化に当たってはメーカー側の苦労が多かったであろうと推察されます。ピットロードは大型転輪4個+車体側に13ミリ機銃装備の本キット「後期型」ともうひとつ小型転輪6個+車体銃7.7ミリの「前期型」の2種類のキットをリリースしていますが、実車においてそのような分類が明確に成されている訳ではないって事は、頭のどこかに置いておきたい。 同車からは以前にレジンキット版もリリースされていました。おそらく設計に当たってはそちらを参考にしたものと思われますが、パーツそのものはもちろん新規の金型です。写真のFランナーは前期・後期で共通のパーツ。 転輪関係を中心にした後期型用のJランナー。九二式車載13ミリ機関砲砲身はスライド金型でマズル開口されています。 キャタピラはベルト式。 複雑な面構成を見せる車体上部はほぼ一体成形で組み立て易いキット内容です。当初から塗装済み完成品の販売も視野に開発されたようで、ほとんどのパーツが頑丈な作りになってるのも特徴か。見て取れるように漢(ヲトコ)らしいダボ穴が開いているので、小さなパーツでもガチムチにハマっていきます 一見すると同型に見える車体上下・砲塔部分のパーツまで前期型・後期型では異なる内容となっています。正直そんなに人気のある車種とは言えないでしょうからここは素直に称賛の言葉を贈りたい。でもデカールぐらいは付けてほしかったですね(w; フィギュア部分にもスライド金型が使用されていますね。軍装は返し襟の九八式…かな? 組み立ては非常に簡単、なんも書くことが無いので途中過程を貼りつつ実車についてちまちまと。 九二式重装甲車は昔から資料が少なく、例えば装甲厚のデータにしても多くの書籍で「主要部6ミリ」とか大雑把な書き方で部位ごとの詳細が不明なのです。戦後初の日本戦車研究書籍となった出版共同社刊「日本の戦車」上下巻の記述でもそのようになっていまして、原乙未生氏もご存じなかったのかと軽く驚いたものです。騎兵科歩兵科の縄張りの関係だったりしたのかな?ともかく長年、その記述が典拠とされて来ました。 車格としては九五式軽戦車に近いものがあるのに車重は九四式軽装甲車とさほど変わらない、よくよくデータを見てみると、実に不思議な車両です。 近年になってようやく「陸軍仮制式兵器図」、昭和十四年作成の資料が発見・公開され、いまでは様々な書籍に掲載されています(ネット上では国本康文氏のHPで閲覧できますね)。そこにあった「断面図」を見たらこれがもうちょっとゾッとするほどに薄い装甲がほぼ車体全体に渡って構造をなしておりまして……ひょっとすると全周6ミリ装甲だったのかも知れません。なんてこった((((;゚Д゚)))) 九二式重装甲車は名前こそ「重装甲車」ですが、実際のところ「九四式軽装甲車」のほうがよっぽど重装甲です、ここテストに出ますよ(笑) 軽量な車体にアメリカ製フランクリン6気筒空冷ガソリンエンジン(のちに国産化)を搭載して最高時速40kmは当時としては破格の性能でしょう。後期型は大型化された転輪と大型化された板バネサスペンションによって高速性能を十分発揮できたと考えられます。 あ、転輪はじめとして機動輪・誘導輪ふくめて車輪関係は合わせ目のガイドが無いのでスポークや軽め穴がきちんと重なるように接着しましょう。このキット唯一の注意点。 そんなこんなで完成です。日本の戦車開発がまだまだ試行錯誤していた時代の車両なので、非常に独特な設計や形状をしている箇所が多いユニークな戦車、もとい装甲車。車体銃と足周りの差だけでなく、外部視察装置が回転式のストロボスコープから開閉式のクラッペに変化しているところも重要です。13ミリ砲+大型転輪+ストロボスコープの個体もよく見ます。 大型の砲塔(砲塔リング)が生産できずに車体側に大型火器を装備する例は第二次大戦初頭ぐらいの戦車でしばしば見られる処置です。本車の形状と配置はイタリア軍のM11/39中戦車にソックリ…なのですが生産配備はこっちのほうが7年も早いぞ。「初期型」は車体銃も7.7ミリではないかとお思いでしょうが、設計段階で既に13ミリ砲搭載は決定していて、単に製造が追いついてなかったのですな。だからまー、このプラモデルだけを見て初期型後期型と分類しちゃうのは若干危険な要素もありです。 でね、いろいろ調べていくと回転砲塔(銃塔)を持ち、なお且つ車体側に大型火器を装備する戦闘車両ってこの九二式重装甲車が世界初なんじゃね?と思い至ったのでありますがその辺どうなんでしょー?配備年度より設計開始の年月で比べないと正確なことは言えないのですが。 本キットいちばんのネックはベルト式のキャタピラです。ピットロードの戦車関係ではしばしば指摘されますが、いわゆるトランペッターの瞬着でないとくっつかない、テンションの高い材質のものが入ってます。塗料も乗らない素材なんですけど、ミッチャクロンが効くらしい。 九二式重装甲車でもこのキットのタイプは上部転輪が減少してキャタピラ垂れ下がり幅が大きいもの、このベルト式では不自然に伸びちゃうんですがいかんせん替えが効かない。限定版では連結履帯が同梱されたセットも存在しましたけれど、今現在では別売りもされておらず…と、いったところです。 フィギュアはなかなかの出来かと。背部にまわされた拳銃嚢はボディと一体化されていながら立体感あふれるものです。 砲塔ハッチを開くと「盾」になる工夫は日本軍のAFVでもいくつか見られますが、導入は本車が初でしょう。書き忘れていましたが本車の製造は石川島自動車、社内名称は「TB」と呼ばれて一部では「ロ号」とも言われたとかで、のちの「TK」や「ハ号」へと繋がるリンクです(ロ号車とは九五式重戦車の秘匿名称ではないかという説もあります) 当初から13ミリ機関砲の搭載が決定していたのは偵察車両にも対空射撃能力を付与するためです。キットはこの部分可動で、特徴的な高仰角を取ったスタイルも自在です。九二式車載機関砲はフランス製ホチキス機関砲をベースにしながら独特の砲架、砲尾構造を有し難題な要求に答えました。詳しくはグランドパワー2010年6月号参照って品切れですがな。 でもねえ、 いくら照準器に工夫を凝らしても、そもそも車内からの視察で対空射撃をやろうってえのが無理な話でして。 後期型では砲塔部分に八九式中戦車が使用したものと同型の対空機銃架が設置されます。上下左右の角度以外に円形ハンドルで高低調整もできる凝った作りの銃架でして、展開状態はAMマガジンキット八九式付属のパーツを参考までに並べてみました。基本は砲塔機銃を外して持ってくるものですけど、同時に使用している写真も残ってますね。 本来車体左右の袖部は扉になっています。残念ながらキットでは一体化されていて不可動、ちょっと開口するのも難しいつくりなのですが、普通はドライバーやガンナーの乗り込みに使われそうなこの機構、よくみると取っ手も何もありません。視察孔さえ開いてない。前述の断面図で確認できるのですがこの車体左右の扉は内側にしか開閉機構が備わっておらず、しかも車体袖部は左右とも弾薬ラックが置かれているとゆー、果たしてこの部分をパカパカ開く必要ってあったんでしょうかの謎ギミックなのです。 牽引具にも板バネが組み込まれているのは後の九四式軽装甲車と同様のつくり、対して山形(台形?)を成す機関室外観は本車独特の構造で…と、ふと思ったんだけれどグリル上面に防弾版乗せれば九七式中戦車と相似形にならないかな?内部構造見ないと似てるも似てないも言えないものですけど。 車体各部の結合に大幅に電気溶接を取り入れてリベットが少ないのは構造上の本車の特徴。唯一目立ってる車体前部のこの箇所はおそらくリベットではなくボルト結合で、トランスミッション交換用に取り外せるんじゃないのかな?後の車両(例えば三式中戦車)ではパネルがツライチになってるんですけど、本車では見ての通りに車体構造にパネルを「乗せる」処置になってて若干稚拙な印象です。 ともあれ、実際に組んでみるとそれまであんまり知らなかったこの車両についての知見が増えるものです。ユニークな外観は日本戦車ファンならずともコレクションして損にはならないものかなと、若干の贔屓目を加えつつ。 おもな活躍は日中戦争やノモンハン事件で、対米開戦後の時期には第一線を退いた兵器です。実車が現存してないのはあらかた戦時中に解体されちゃったのかなーと思いきや、中国戦線では1945年まで実戦配備され戦後の国共内戦でも使用されてたそうで、いやはやよくも補修部品が続いたものですね。 なお、いろんな意味で有名な那須の私設軍事博物館には一応本車らしきものが展示されている(パネルには「九二型中戦車」なんて書いてある)のですが、あれは松竹映画「226」の撮影で使用されたハリボテですので誤解など無きように願います。