Month: June 2012

ピットロード「1/35 陸上自衛隊87式自走高射機関砲」

陸上自衛隊の対空車両、正式な愛称としては防衛省が一般公募して選ばれた「スカイシューター」ってのがありますが「E電」並みに誰にも使われない87AWのインジェクションキットです。 ピットロードの陸物キットで実車の写真パッケージには驚かされましたが、考えてみればモノクロームブランドの陸自車両と同じフォーマットなんですな。 複雑な形状を持つ砲塔部分はスライド金型使用でパーツ数を抑えた構成です。 車体上下とも基本となるパーツはワンピース成形(と書いておくと「ワンピース」で検索ヒットするかも知れない)。一度シャーシーを設計しておけばそこからいろいろ開発できるのが戦車模型の良い所なんですけど、そっち方面の展開するかどうかは不明… ランナーの一部に保護シートが巻かれていまして、 開けてみるとスライド金型使用で作られた繊細なパーツが現れます。こういう処置は気が効いてますね。 この部分、Bランナーは2枚入りです Aランナーは4枚入り(画像の順番はアルファベットとまったく一致しとりません…) 連結キャタピラ部分のTランナーは17枚も入ってる。 クリアーパーツ、エッチングなど。ポリキャップは車輪関係より砲塔の可動部分に使用する箇所が多いです。 デカールは全て第7師団第7高射特科連隊隷下中隊所属車両のもの。第3中隊のみおまけとして旧部隊マークが含まれます。第2師団や高射学校のマーキングは無いのね。 このキットの特徴としては陸自車両に特有の手すり(全部が全部手すりな訳ではなく、大部分は偽装固定ベルト用のタイダウンです)を全て別パーツで再現している点が上げられます。おかげで砲塔パーツは穴だらけだ(笑) 車体上面もご覧の通りで取り付け穴は綺麗に抜けています。 これまで陸自車両のプラモデルってどうしてもこの部分がネックでしたから、全てインジェクションパーツでやってることの意義は大きいと思います。そしてほぼ同じ形状なのにサイズの違うブツがいくつもあるのは実に日本的な車両設計だ… 主砲方向部分の初速計測器にも素晴らしいディティール。配線部分の抜けがたまらん(;゚∀゚)=3 サスペンションはアーム取り付け角度を選択することで標準車高・低姿勢時の2種類を選べます。射撃時は低姿勢だったかな、ちょっと確信はないんですけど… 標準姿勢で組んでみましたが、画像が逆さまなのでサッパリである…。起動輪はポリキャップ内蔵、他の転輪などはすべて固定ですけどテンションきつめなので無接着でもイケるかな?なお順番に組んで行けばこのあと履帯ですけど、そこは後回しだッ! 予備動力装置が搭載されているので開口部分が多いのも本車の特徴、全てのダクト部にはエッチングパーツによる金網が付属します。ピットロードのキットは従来ですとまず通常版が出てその後エッチング付き限定版みたいな流れが多いものでしたが、本車に関しては最初からクライマックスだぜ。 なお操縦席のペリスコープは通常のプラとクリアーパーツの2種から選択です。 車載工具も当然別パーツなんですけれど、それらも含めて車体上面の取り付け部分はかなりタイト、抜きは綺麗でも結構な箇所をドリルで拡張する必要があります。それとこのキットで不思議なのは細かいパーツよりも大柄なそれにバリが出てるケースが見られることで、処置は簡単ですけどなんだかヘンな感じだなあ。普通逆でね。 エッチングの多様で無塗装でもゴージャスに見える車体部分。 車体後部に2個存在する雑具箱は工程で言うと7-Aで取り付けつけるようになってますが、それより先にA-15パーツ(それぞれ)2個を後部デッキに取り付けた方がスムーズだとは後になって気がついた。 同じような形状の手すりパーツでもA6は取り付け部分が開口されずにケガキによるモールドに従って接着します。また車体前面の滑り止め加工部分は特に処理されていないので、模型各誌で最近のメルカバレビュー記事などを参考にどうぞ。 砲塔部分もハッチ側面のペリスコープは通常/クリアの選択式。ところでこの車両で砲塔内部から側面を視察する状況って結構なピンチだ。 左右で微妙に高さの異なる(なんて日本人的!)な砲塔後部のステップもプラパーツかエッチングを選択できます。しかし昔と違って最近ではエッチングよりもプラの金型で設計クオリティを魅せるキットが増えているので、果たしてエッチング使えばそれで全部OKと言えるのだろうか。 レーダーマストのアクチュエーターは銅パイプ(と記されていますがたぶん真鍮パイプだと思います)により可動します。パイプ内側を前後するB8パーツの切り出し整形は綺麗にやらないと悲惨なことになると思う。幸い無事に、回避されましたが… 捜索・追跡レーダーともポリキャップ内蔵で自在に可動。この戦車の話になると必ず「ゲパルトのレーダー配置にパテントがあったので仕方なく後部にまとめた」みたいなこと言われるけど本当かな?どうも80年代後半~90年代ぐらいの自衛隊車両に対する批判的な記述って明確なソースも無く、無定見に書かれた揶揄が広まってた気配が濃厚なんだよなー、色々。 西側主力対空火器、エリコン35mm機関砲。従来から自衛隊が配備していたL-90高射機関砲と同一の火器で砲弾は共通です。 極小のエッチングパーツPE14を片側5個合計10個貼りつけるのはタイヘン。気がついたら無くなってたりで真っ青になったけれど、予備が2個あったんで事なきを得る…あーあれだ、悪名高い事業仕分けも「自衛隊車両から手すりをなくせばプラモデル化が容易で模型メーカーの開発費用が抑えられます!」とか言ってくれれば支持したかもだ。いやしないけど。 発煙弾発射機は旧型の75ミリ3連装と新型の76ミリ4連装を選べます。新型の方も取り付け台座はエッチングが使えるんだけど、旧型の方が上手くいってコイツを使おうと思ったら急に気力が削がれた。いや、膝に矢を受けてしまってな。 で、完成した砲塔(と、このタイミングでデジカメの修理が終わったんで画質が一変) この部分だけでも並みの戦車プラモ1台分以上の密度がある機構です。 後回しにしていたキャタピラ部分。通常姿勢時の上部はガイドパーツがあるので自然にカーブを作れます。その他の部分についてはバルサ材二本をガイドに流し込み接着剤を流し込み過ぎないように、接着部分が固着しない内に、でもある程度は固まってきた頃合いを見計らって… 結局最後は気合なんだけどな(´・ω・`) 正直に言います、このタイプの連結接着非可動式で全パーツ別体になってるタイプのキャタピラが一番苦手です…よっぽどタミヤの74式からベルト履帯を流用しようかと思ったぐらいで、最近のトラペ製品が軒並みこのタイプになってるのはカンベンして下さい(´;ω;`) ダブルピン形式の一部連結式だとキネティックのM-109の履帯が面白い設計をしていましたが、キネティックのM-109が面白いのは履体だけだっつー話もありで、どこかで何かブレイクスルーが起きないかなあ(他力本願) そんなこんなでともかく形にはなりました、ピットロード製1/3587式自走高射機関砲。ピットロードも最近はずっと組み立て易さを第一に考えたような製品が多かったので、久しぶりの正統派ストロングスタイルに苦戦した気分。 本車に関しては度々「戦闘ヘリの対戦車ミサイルにはアウトレンジされるから無駄で時代遅れ」みたいな話がされますが、それはサッカーチームで言えば「ディフェンスラインが強固だからキーパーイラネ」みたいな極論で、やはり最終的な防空を担う、本車のように一台でシステムが完結している対空砲の重要性は他に変え難いものです。またロシア製の対空車両によく見られるガン/ミサイル複合のコンプレックス車両は一から設計するならまだしも安直に対空車両にミサイル載せれば済むってものではないでしょう(ドイツがゲパルトにスティンガー?積んでたけどどうなったのかナー) 調達数が限られることにより高価格化を招いた(というのも一面的な論で全肯定はしたくないのですが)我が国特有の事情はさておき、80年代に三自衛隊全体で起きていた正面装備のハイテク化、高性能化を象徴するひとつの事例として、戦後初の国産自走対空砲である87式自走高射機関砲には一定の評価と地位があってしかるべきと思われます。 第一、非公式の部隊内ニックネームが「ガンタンク」なんて格好良すぎるじゃありませんかキリッ!(要出典)

新紀元社「第二次大戦日本陸軍中戦車」

芸文社の旧マスターモデラーズの流れをくむスケールモデル作品集、「ミリタリーモデリングBOOK」シリーズから、旧日本軍AFVをまとめた一冊です。 国産第一号の八九式中戦車から太平洋戦争最後の五式中戦車まで、この一冊で日本軍戦車の発達を概観するようなプラモ製作ガイドブックです。(ただし軽戦車や自走砲などの器材は掲載が無いのでその点はご注意ください)特徴としては比較的レジンキット・改造パーツを使った作例記事が多めな印象と言えましょうか、例えば八九式は現在店頭ではあまり見かけないグムカ製のレジンフルキット(後期型)を使用しています。もちろんアーマーモデリング付属のマガジンキット製作の参考にはなりますしこのあたりは版元のしがらみもゴニョゴニョ… インジェクションキットではファインモールドの一連の製品が大活躍で、以前は数少ないモノクロの記録写真でしか判別できなかった増加装甲型チハ車もひとたび一度立体化されればこのような美しいフォトで細部を窺い知ることが出来ます。また新砲塔はともかくとして57ミリ型では未だに古いタミヤの九七式中戦車のキットが十分現役として通用する出来を備えているのは、重ね重ね言われることながら驚異的です。同時代の製品で言えば「ロンメル」こと旧ヤクトパンサーのキットをいまどこで目にすることが出来るか…と、そういうレベルの話。 ファインモールドの新作キットが発売寸前となっている四式中戦車をイエローキャットのレジンモデルで見られるのも、これが最後となるかも知れません。アリマと並んで長い間旧日本軍模型ファンを支えてきたメーカーです。 変わったところではアズムット(本文ではアズィムット表記)製改造パーツによる指揮戦車シキの作例などもあって資料的価値も高い内容です。ほぼ同様の迷彩パターンながらモデラー諸氏による塗装方法の違い、色合いの差などが明確にことなるところは旧日本軍戦車モデリングの面白いところで、やはり海外モデラーの仕上げは日本のそれとはひと味違うもの。 現在も精力的に新製品を発売しているレジンキットメーカー、シタデルの製品もいくつも掲載されています。ふだんなかなか模型雑誌で取り上げられない改造パーツにとって、これらの記事は格好の完成見本と言えるでしょう。 個人的にお気に入りな三式中戦車車台に四式中戦車の鋳造砲塔を載せた試験車両。この車両も古くから想像図で知られてはいましたが、こうして立体でみるとあらためて すげぇヘン ユーモラスな外観が楽しい。コンバットチョロQみたい。ファインモールドの三式中戦車車台とシタデルのレジン砲塔の組み合わせからなるこの作例も、やはりファインモールド四式中戦車発売の暁には…と思いきや、ファインの鋳造砲塔は砲塔リング径が異なってるはずで、そのまま流用できるかどうかちと不明なのです。四式だけにチト不明… 巻末には塗装&マーキングのカラーシート、イラストによる各部ディティールのバリエーション、現存する実車の細部フォトなどこれ一冊で十分様々な方向性を持った実践的なモデリングガイドとなっています。

バンダイ「1/8 MG FIGURE RISE 仮面ライダーオーズ タトバ」

MGフィギュアライズより仮面ライダーオーズ・タトバコンボのレビューです。 大ヒットした前作「仮面ライダーW」の後を受け、設定としては合計129種類の姿にフォームチェンジする多彩なライダーであり、コレクター事業部やボーイズトイ事業部の製品ではいろいろ発売されたものですが、ホビー事業部のこのシリーズでは結局タトバ一種のみだったのはいささか残念…かな。基本的には同型ボディのカラーバリエーション+αでいくつも展開できたWと違って、ライダースーツの形状そのものが大幅に変わるオーズではプラモ展開し辛かったのかも知れません。番組製作予算が増えたため結果の多フォーム化だとしたら、いささか皮肉な影響ではあります。 多色成形・メタリック素材のランナーはそれぞれ一枚。タトバコンボのうち「タカ」と「バッタ」のカラーリングはメタリック表現となります。 「トラ」部分は通常素材。このあたりの違いは実際のスーツの質感の差にもよるとは思いますが。 あとは至って普通。稀にキワモノ(笑)めいたデザインも登場する最近の仮面ライダーとしては、比較的オーソドックスなスタイルです。 変身ベルトのオーズドライバーはグレー…ん~、「フラットなシルバー」の成形色、靴底のソールはゴム素材。 内部のフレーム、関節部はABS素材です。 大判のポリキャップを使用(PCF-1Aランナー) MGフィギュアライズ共通の専用台座が付属。 シールは細く、長いカッティングの物が頻出して結構タイヘンであり… 頭部のデザインは極めてヒーロー然としていて、例年第一印象では悲鳴が流れることの多いライダー業界にあっても、オーズに関してはそんなことは無かったように記憶しています。 胴体上部、鎖骨部分まで含めた「タカヘッド」パート。胸に浮かぶ紋章のオーラングサークルは全面をカバーするシールと成形色を活かして地のブラック部をカバーするタイプの2種類を選択できます。成形色はメタリックで綺麗なんですけれどブラック地を全部カバーできる訳ではないので全面シールを使用。自分で書いてて何だけど、解り辛い説明してるな… イエロー素材はメタリック成形されてないんで全面シールを使った方が何かと良いと思われます。高レベルの仕上げを求めるならばやはり全塗装でしょうか?Wの時にはクリアー吹き付けだけでもなんとかなったものですが、このキットでは使えない手か。 肘の二重関節と上腕部分の盛り上がり機構はMGフィギュアライズの基本仕様、それに加えてトラクローが大きく動きます。手首パーツは通常と武器保持用のガイドがついた2種類の「掌」がありますが指そのものは1セット分だけなことに注意。中指―薬指―小指の三指は一体ながらも加工すれば独立可動できるド一般的なMGの可動指です。 胴体と両碗で構成される「トラアーム」 膝も二重関節、脚首はボールジョイントと軸可動の組み合わせです。あらためて「人体」って良く出来てんなーと思う。設計担当は誰だ(笑) 胴体と両足の「バッタレッグ」。ラング部分は便宜的に乗せただけでこの位置では固定できませんが、このように3パートに分かれて後々の展開と組み換えを考慮した設計になってますのでMGフィギュアライズのオーズ枠で何かもう1つぐらいあっても良かったんではないかな。 3つのパートをコンボさせ、オーズドライバーをセットすれば本体の完成です。キワモノ枠のフォームが山ほど揃っている分、基本となるタトバコンボはオーソドックスにヒーローしているデザインだと思う。 なぜか臀部にだけスーツのシワがモールドされてます。フェティシズム的な配慮!? ベルト側面のオーメダルネストには6枚のメダルを収納可能。メダルの図柄はコアメダル・セルメダル合計10種類の中から選択できます。 付属品色々、歌わないけど気にするな。メダジャリバーは…正直なところを書くとここのシール貼りつけが一番大変だった…そしてあまり上手くイケてないorz 付属のスタンドです。 バッタレッグを交換する際にはこのスタンドを使用せいと記される通り、確かに自立できなくなる。そしてキットの方でもバッタ脚の写真はアップしか無いのはたぶん全身像がマヌケに見えるからだろうと愚考する… ところでこのスタンドですけどビスの締め付けが甘いのか、まったく保持してくれません(´・ω・`)  ライダー本体は飛んだり跳ねたりライダーキックしたりでポージングは自由自在なのですが、それを中空に浮かべてられない。この画像も見切れてるとこで片足は立ってる状態。 上体の可動範囲もそこそこ広いんだけどあまりそれを活かせないんだなーうーむ。ビス止め部分をガッチリ固定すればあるいは… 手に持ってブンドドするにはいいサイズで、それが正しいプレイスタイルなのかな。でも手に持ってるとシール剥がれそうなんだよな… どうもいろいろ消化不良の感があるのは否めませんが、仮面ライダーオーズ・タトバコンボでした。 少し前のキャラクターになってしまいましたが、3DS/PSP用ゲームソフト「ロストヒーローズ」PVではメインの扱いを受けているんで、ここらでもいっちょ再評価されてもいいかなーとか思う。 しかしやはりただの一度も本編を見てないままで組むのは無謀だった気がする(汗)  

バンダイ「LBX シーサーペント」

ダンボール戦機のキットを紹介するのはシリーズ初期のアキレスとハンター以来、「ダンボール戦機W」のシリーズに入ってからの新型モデルを組んでみるのはこれが初めてなシーサーペントの紹介です。いわゆる「水泳部」な機体を作るのも久しぶりだな… プラパーツの構成は従来通り、セクションごとにランナーを分割できるタッチゲート成形です。Bランナー、Cランナーにはスイッチが入っているようで今後バリエーション展開もあるのかな? 付属のシールと関節部分のポリランナー、DJ-04AB。ペルセウスやエルシオンを始めとした最近のLBXキットでは標準のパーツで、別売のカスタムウェポンセットを使用するためのジョイントが当初から含まれています。 頭部はスパロボOGにでも出て来そうなデザイン。ア○トア○ゼンとかビ○トビ○ガーみたいで、敵勢力の雑魚メカらしからぬ格好良さです。 バイザーに隠れてほとんど見えなくなってしまいますが、内部にはモノアイが表現されています。 ボディ部分、襟のスリットはシール処理です。また中央部のクリアパーツは内側にメタリックなシールを貼り込んでいるので見栄えがしますね。この手のシールを貼る時に大活躍する道具は「つまようじ」ですごい便利、これなしで作るのはちょっと考えられない…んだけれど、つまようじが無いお国のモデラー諸氏は一体何を使っているんだろう? 設定的な話をするとこのシーサーペントはLBX「ジェネラル」のバリエーション機となっています。ジェネラルも人気の高い機体ですがいまんところ発売予定は無いので、八神さんスキーな皆さまはシーサーペントとデクーカスタム(監視型)のニコイチをベースにすればそれっぽいのが出来るんじゃあ…ないかな?? 肘関節は約90度可動。 脚部は独特の形状がネックであまり動きません。でも水中をスクリューで推進する機体なので「足なんて飾り」で構わないのだ。 股関節自体はボールジョイントでよく動くのですが、やはり膝下のボリュームが可動範囲を阻害していて、ある程度は開脚させておく必要があります。大型のスカートはドム/ゲルググのような「強さの記号」のひとつで、古参のガンダム好きにヒットしそうな要因がいくつもあるんだな。 付属する武器は「マリンランチャー」、ちゃんとトリガーもあります。必殺ファンクション「「乱れ撃ち」発動時には海より広いあたしの心もー!(そんなことは言わない) ダクト部分などにスミ入れやって完成。大型火器を携えて大きく広げた脚部は結構な重量感、そこが魅力の機体でしょう。レッドカラーVer.も登場したアニメでは特に水中属性もないペルセウス&エルシオンにあっさり倒されてしまうところはさすが主人公チートには定評のあるダン戦です(w 果たして今後活躍の余地はあるんでしょうか?水モノって結構使いどころが難しいんじゃないかなーと、若干どころじゃないほど不安になる… その辺の懸念を補って余りあるのがこの背中周りのデザインでありましょう。往年のMSVやガンダム0083の主要MSを思わせるような、機能性と個性を併せ持った形状をしています。6基のスクリューで水中を高速航行する、ある種の解りやすさがいいんだろうなー。脚部4基のスクリューにはシールが用意されていますが、一番大きくて目立つ肩部のみは塗装してます。下地が濃いのでダークイエロー下塗りのフラットイエロー上掛けで。 ところで本来このような構造だったら体躯の左右でスクリューの回転軸を変えなきゃいけないんでしょうが、そこを突っ込むのは野暮かな? このキットにスタンドは付属しませんが、キューブベースなりアクションベースなりを使用した方が浮遊感(航行感?)が増すのでここは必須としたい。関節の保持力はかなり高く、マリンランチャーもしっかり構えられます。手首パーツ内部にポリキャップを配置して武器を確実にセット出来るのは初期のシリーズと比べると格段な進歩で、武器セットや他のモデルからウェポン流用してもなんら問題は無いでしょう。「ヴァンパイアキャット」の持つトライデント(正式な設定名称は「トリプルヘッドスピアー」)などは海モノ由来の武器で親和性高さそうです。 肩のアーマーはシャチやイルカなどの海棲哺乳類、武器の方は潜水艦がそれぞれデザインのモチーフで、全身至る所が水中用をアピールしているカタチです。これだけストレートな形状をしていると例えばガンダム等の世界観では反発されそう(ゼーズールの足ヒレみたいに)なものですが、シリアスさとコミカルさが適度にブレンドされている「ダンボール戦機」のデザイン・設定では実にアリだと思う。ダンボール戦機のメカデザインについてはデザイナーのコメントなど知りたいものですが、雑誌記事で読んだ覚えが無い…し、そもそもデザイナーって誰なんだろう?スタッフクレジットには出てないんだよな。 ブロウラーフレームの大型で重い本体を推進器のパワー任せで強引に高速機動させているような、06Rザクの海版みたいなモノ…と捉えるのが良いかと思われます。背中にある円盤状のパーツは通信ブイ、取り外しが可能なのでリード線などを繋げば本編に於けるルーターLBXとしての仕様も再現可能です。アニメよりゲームの方が「本編」じゃないかって気もしますけれど、ゲームの方ではこのギミック使われるんだろうか?? 完成品からバイザーだけ取り外すとこんな顔になります。ジェネラル素体として使うにはちょっと奥目がちかな?むしろ両肩アーマーにシャークマウスが欲しくなる構図で、そんなマーキングシールがあっても良いかもしれません。 久しぶりに組んでみたLBXプラモデルはこの1年半での技術・設計的な進歩を十分に感じられる非常に楽しいキットでした。例によってランナータグを用いたダイスとボックスに印刷されたマップを利用したゲームの方も若干ルールが進歩しているようなんだけど、それは割愛。 ところでダイスの表示によるとウェポンのアタックポイントが400でアームのそれが500ってことはつまり殴った方が強いのかこの機体は… 「水泳部はパンチ力だ」とゆーのはズゴック先輩以来の伝統ですね。

大日本絵画「スケール アヴィエーション Vol. 086」

スケールアヴィエーション7月号はまさかのスウェーデン空軍特集。どんな美女よりもはるかにセクシーなグリペンが表紙を飾ります! いわゆる北欧三国の中でも武装中立国としての長い歴史を誇るスウェーデン王国。自国の政治的・地理的な事情にあわせて独特な発達を遂げた航空機には昔からファンが多いものです。サーブ社伝統のデルタ翼ジェット戦闘機、ドラケン・ヴィゲン・グリペンの三世代をそれぞれ1/48で紹介する作例はハセガワ・エアフィックス・イタレリの模型メーカー3社ごとの設計のクセやキット開発年代の違いによる品質の差を感じさせないスケビならではのクオリティの高い記事となっています。ドラケンとグリペンの間に挟まれてイマイチ機体人気にもキットにも恵まれないヴィゲン(3世代ものってだいたい2世代目がワリを食うものですね)は自国機キットのディティールアップパーツを積極的に開発しているマエストロモデル製のレジン・エッチングを使用して、古いエアフィックスのキットを現在の目で見ても遜色ないレベルにアップデート。ドラケンはハセガワのF/J型をやはりマエストロモデルのパーツを使用してB型へとグレードダウン(?)させ、最新鋭のグリペンはCMKのパーツを使用した正統派なディティールアップ記事となっています。 やはりスウェーデンの飛行機と言えば真っ先に上がるのはこの3つでしょう。こと日本に於いてはドラケンやグリペンは「エリア88」や「群青の空を越えて」といったエンターテインメント分野から生じた人気も多く、長く続いた航空自衛隊次期主力戦闘機を巡る井戸端論議でもグリペンを強力にプッシュする方々が見受けられたものです。そんな事情も鑑みて、普段は飛行機模型、模型雑誌に手を出さないような方でも今月号は楽しめるものかも知れませんね。 しかしヴィゲンの人気がいまひとつぱっとしないのはなんとかならんものか。いやほらイカ娘デカールとか似合う外観だと思うんですけどどうでしょうか、ダメでしょうか。 この三機種だけ出しておけば大丈夫だなんてことは全然なく、今回はもっと以前、第二次大戦直後からスウェーデンの防空を担った機体も作例記事が掲載されています。 ランセンはこれが初の製品となる新興メーカー、タランガスの1/48キットをレビューする内容、双ブーム式の特異なレシプロ機J21Aはスペシャルホビーのインジェクション、見たまんま「樽」な名を持つトゥンナンはAZモデルの「決定版」が製作され、美しい見開きのフォトが掲載されていますが、ここは敢えてエレール1/72の古式ゆかしい凸モールドもそのままに仕上げられた一品をスキャン。 作例以外にも様々な記事・イラストやページ下端のミニコラムに至るまで、今月号は歴史的背景や現在の社会・文化の風潮等などスウェーデンに関する様々な事柄が満載です。これ一冊読んでおけばWeb上でそこそこマニヤっぽく振る舞える…かどうかは… 滝沢聖峰のコミックスも今月はスウェーデンがらみのお題、ビアフラ紛争に個人的(!)に結成した義勇空軍で参戦していたスウェーデン貴族、カール・グスタフ・フォン・ローゼン伯爵の爆撃行を描いた「伯爵は休暇中」が掲載されています。ロケット弾積んで爆撃する小型練習機もサーブ製ならナイジェリア政府軍の防空火器もボフォースの40ミリで、中立国スウェーデンと国際社会の一筋縄では捉え難い関係が伺える小品。どこにも書いてないけれどこの漫画の語り手(のモデル)はフレデリック・フォーサイスで「ビアフラ」と聞くと色々とムラムラするひとにオススメ。そういえばSF作家のカート・ヴォネガット・Jrが若い頃勤めていたのもサーブのカー・ディーラーだったなぁ… 連載では松本州平「改造しちゃアカン リターンズ!」までもがフィアットCR.42のスウェーデン空軍仕様と実に冊中スウェーデン濃度の高い内容ですが、その他にもバロムの1/72アブロ618テン、ウイングス1製/72スケールバキュームフォームキットのローナーL飛行艇、SF関係ではメビウス1/144「2001年宇宙の旅」スペースクリッパー等が掲載されています。 「ハイブリッドプレーンワークス」もやはりスウェーデン風味の、ドラケン改造架空のレシプロレーサー機です。改めて思うに、ドラケンって「未来の飛行機」然とした外見ですね。それは例えば20年以上前のカラーリングであるレイトンハウスブルーでさえも、単に懐かしいものではなく「20年前に戻って未来を見ている」ような気分にさせてくれるようなスタイルなのです。

イマイ「1/12 ホンダロードパル L パラキートイエロー」

旧イマイの製品はその後いくつかアオシマから発売されているのですが、このキュートなミニバイクの模型は現在絶版となっています。いささか残念ではあります。 箱を開けると中から出てきたのはミニカタログ風のチラシに印刷されたシリーズラインナップ。3社6車種各2色のカラーバリエーションで12種類のスクターが模型化されていました。本キットの正確な発売年月日は残念ながら不明なのですが、実車のロードパルL販売開始は1977年となっていますので70年代末期~80年代極初期といった頃合いでしょうか。時あたかもHY戦争と呼ばれる凄まじい抗争が、二輪業界で繰り広げられていた時期なのですすいませんよく知らないんでちょっとフカしてます… バイク模型だけに(w パイプフレームのスクーターも最近あんまり見かけないもので、却ってどこか新鮮味を感じます。同時代にはヤマハ・タウニーとか色々あったそうですけれど。 小さな車格に少ないパーツではありますが、シートのパーツに見てとれるように1/12スケールのバイク模型としては(当時の)標準的な出来になっています。 ランナーを小枠に収め、それぞれの成形色を変えることで無塗装でもほぼ自然なかたちになる、いわゆる色プラを先取りしたような設計です。 相対的にメッキパーツの占める割合が多くなってお得な気分(笑)カゴのパーツはここだけで別に1枠起こしています。 前後二輪はゴム製タイヤ、デカールは小さなシートですが無論チューブ入り接着剤がマスト付属。 これだけ色々あって定価300円はかなりのお値打ち物だったんじゃないでしょうか?ほぼ同年代である300円の1/144ガンダムだってランナー2枚、単色成形でデカールなぞ無かった時代です。コストパフォーマンスの高い一品ではなかったかと。この辺り「ロボダッチ」で低年齢層向けの低価格・フルカラーなプラモデルをいくつも出していたイマイならではのバックボーンがあったのでしょうねえ。 まずフレームを組んで周辺に補機を取り付けていくような設計です。各所のチューブ・パイプ類こそ付属しないものの、ネイキッドな構造にはちょっとストイックな?魅力があって現在でもファンがいらっしゃるのも納得です。 フレーム接着の際にはスタンド用のストッパーを切り飛ばしてしまわぬよう、注意。 タイヤも細くて「原動機付自転車」という言葉がぴったり。 シート後部のタンクを囲む、バンパーフレーム兼用の荷物ラック。メッキパーツ同士の接着は接着面のメッキを落とすか瞬着使うかとにかく工夫が必要で、当時の低年齢層モデラーには大変だったかも知れないなあと、今も結構大変な目に遭いながら思う(w; ハンドルもフレーム部分からグリップに至るメッキの1パーツにいろいろくっつけていくスタイルでそこそこ大変… が、しかしもっと大変なことが起こった!! 作ってる途中でデジカメに不具合が発生 ガ━━Σ(゚д゚lll)━━ン!! 急遽昔使ってたヤツを引っ張り出して来たんだけど、なんだか画質とかホワイトバランスとかねー、違ってくるのよねい。 うーむ、なんだか見辛くなっちゃいますけど一応これで完成です。デカールはやや変質気味ながら、なんとか無事に貼れました。 発売当時の状況はいざ知らず、現代を生きる身の上の我々としてはこのような使い道を考えるのが自然な成り行きでしょうか。1/12スケールはオートバイキットとしては標準的なものですが、美少女フィギュアに似合った小さなスクーター類はちょいと探すのは難しそう。 完成品を見れば国内メーカーでも可動フィギュア用に出してるところがありますけれど、品揃えとしては大手外資系トイ店などで輸入玩具の枠組で扱われている製品にいろいろあったりします。児童向けの色合いも強くてホビー雑誌ではあまり拾わない類のアイテムですね。 そんな事情もありましてこの旧イマイ製ホンダロードパルL、カタチも面白いし今また再生産されても面白いんではないかなーと、思います。実車も女性向けミニバイクとして開発されたものですし、スポーティなキャラにはよく似合うだろうとスパッツキャラのキュアブロッサム乗せてみた。 ら、アタマが重くて全然ポーズが決まらないorz これが精一杯なのです… おともの妖精はときどきごっちゃになりますが、赤い方がシプレで青い方がコフレです、ちゃんとわかってます。 で、オマケです。 ロードパルと言えば「ラッタッタ~♪」のキャッチコピーでソフィア・ローレンが出てくるCMが有名だったそうで、じゃあ実際はどんなのだったんだろうと検索してみました。すぐに見つかるのはいい時代ですわな 冒頭に流れるのがそれなんですが、なんだかスピリチュアル系の癒し映像みたいでこれが70年代的フラワームーブメントってやつでしょうか、ウッドストック的…なのか? むしろ気になるのは2:06付近、ヤマハベルーガのCMでタンデムの二人組が 「どこいくの?」「どこまでも!」 ってこれゼーガペインじゃんΣΣ(゚Д゚;) #12「目覚める者たち」でのキョウとカミナギのスクーター二人乗りデート、こんな意外なところに元ネタがあっただなんて!しかもそれがオッサン二人組だったなんて…

アイビス「1/350 アメリカ海軍 SSN-593 スレッシャー級原潜」

ウクライナの模型メーカー、AVIS社製の1/350スケール潜水艦模型です。当該メーカーについては詳しいことを存じ上げないのですが、ブランドとして「MIKR MIR」というシリーズ名が冠せられています。 潜水艦のプラモ模型というのもおよそ模型業界にあって一、二を争うシンプルな物。本製品もパッケージを開封してみると極めて単純なパーツ構成であることが伺えますが、なーに某国内メーカー(特に名を秘す)の1/700スケール潜水艦プラモのあまりのシンプルさに「こんなのアリ得なイ!」と呻いた記憶に比べれば… シンプルな構造ながられっきとしたフルハルモデルとなります。 シンプルな小枠内にセイル関係のパーツが収められています。 シンプルな飾り台が付属します。「シンプル」って言いすぎです。 スクリューその他のエッチングと艦名番号などのデカール。さてようやくシンプルではない話になりますが、本艦SSN-593スレッシャーはスレッシャー級攻撃型原子力潜水艦の1番艦、ネームシップとなる存在です。然しながら本級はのちに2番艦パーミットの名を採って「パーミット級」と改名されました。その辺の事情からか他艦にも融通できるデカールシートの名称は“Permit Class”になっていて、これは別に間違いではありません。けれどそもそもなんでまた、わざわざスレッシャーなんてマイナーな艦をプラモデル化したのでしょう? 使用されているプラスチックの質は決して良い物とはいえないのですが、艦体表面の凸モールドは綺麗なものです。 艦底面にまでモールドが施されているのは好感触ながら、スジボリ、パネルラインの類がどれも浅すぎてほとんどケガキ線のレベルなのは若干いただけません… 艦体の貼り合わせにはピンもガイドも一切無いので何がしかのガイドを自作した方が良いでしょう。しかしあんまりテキトーにやるとあとで苦労しますから、すり合わせなどを慎重に行ってから作業するべきですねてへぺろ(・ω<)←反省の色が見えません どの道を選んでも結局はパテ盛りと削り出しとそれに伴ってモールドを消さないようにする注意に辿り着くことには変わりがないと思われ。 スクリューの羽根を手曲げしていく際には「東芝九軸工作機械!」とか呟くとそれなりに冷戦気分を味わえます。 それ以外のエッチングパーツの貼りつけについては、実はよくわかりません(汗)5箇所あるC22の接着位置はここで良いとして、向きはこれで大丈夫なんだろうか。説明書の図ではこうなってるんだけど、実艦の画像では全然確認できません… C23×2枚をセイル上辺に接着指示があるんだけど、ガイドラインはセイル根元にある不思議が微妙過ぎるので判断保留。なお全部で8個あるセイル上部の潜望鏡など小パーツは す べ て 格 納 状 態 を選択しますた。ヤデスネテヌキジャネェイデスヨ シンプルに完成であります。正直スレッシャーって資料もあんまり無いしキットのボックスアートは印象派ちっくなので細かなところはよくワカランのであります。さてさてなんでまたそんな艦を立体化したのか、おそらくこれが理由だろって記事が手元の「世界の艦船」誌に手短にまとめられていたので引用してみましょう。 1963年4月9日、海上での浅深度テストで各部の安全を確認の後、10日0745、潜水救難艦スカイラークSkylark ASR-20が警戒艦として見守る中、米北東部コッド岬東方約220浬、水深8.400フィートの地点で、乗員104名のほか関係官および民間技術者ら25名を加えた合計129名を乗せ、深々度潜航テストを開始した。  0853試験深度に達した旨の連絡、その後0913「アップの姿勢になった。高圧ブローを行う」の連絡があった。0917「安全潜航深度一杯」の緊急を報じる声を最後に通信途絶。その後警戒艦の水中電話は船体の圧潰音らしいものをキャッチした。 「世界の艦船」2001年6月号 特集・潜水艦衝突事故を追求する より「潜水艦の特性と海難事故」藤木平八郎 新鋭攻撃型原子力潜水艦スレッシャー級はネームシップの1番艦スレッシャーがテスト中の事故による海没、生存者ゼロという事件を経てパーミット級に改名されました。はい、ウクライナ・アイビス社がなんでまたそんな艦をプラモ化したのかと、その理由はたぶんシンプルに言って いやがらせ じゃないかしら( ̄□ ̄;) いや、ほら、ぼくたちだってクルスクが沈没した時それなりにお祭りだったじゃないですかやだー ところでこのキットを組んでみて、というより組む前に既にパーツを見た瞬間にわかってたんだけど、 飾り台に飾れません(´・ω・`) 自力でどっかに開口しなけりゃ使い物になりませんが、潜水艦模型にドリルを突き立てるのはあんまり健康的とは言えない所業である…

大日本絵画「アーマー・モデリング 2012/07 (Vol. 153)」

アーマーモデリング2012年7月号の特集は「IDF Main Battle Tank メルカバ模型列伝[天の巻]」と題した、話題沸騰好評発売中のMENG modelメルカバMk.3Dの組み立て、基本的なディティールアップから仕上げ塗装までを追った完全製作マニュアルです。 「岡プロ」こと岡正信氏による製作過程を通じて明らかになるこのキットの組み立てポイントは、既に入手された方には有益なガイドラインとなりますでしょうし、パーツ数の多さなどから購入をためらっている方にはちょうどよい後押しとなることでしょう。砲身基部のヘタリ止め加工やオールプラ成形によるチェーンカーテンの製作法など、参考になるハウツーが目白押し。そして誰もが気になる(であろう)メルカバ特有の装甲表面滑り止め加工はどこでも簡単に手に入る「重曹」を使用しています。前回(2011年4月号)のメルカバ作例で使用されていた「マイクロバルーン」よりも簡単で荒々しい、より実車に近い表現が可能だとのこと。なるほど記事で書かれている通り重曹を使ってるところは「あの人プラモに塩まいてる」みたいでヘンですけど、ご覧の通りの出来映えとなります。また重曹は実にいい素材で、模型用途としては古くは雪のディオラマに多用されましたし、余ったら余ったでお台所のガスレンジを掃除したりパスタを中華麺に化けさせたりと、家族サービスとしての用途にも大活躍なのです。 ひとつツッコミどころとしては分割式履帯の製作法連続カットにひとつ関係ない写真が紛れ込んでることがありましょうか。普通に読んでりゃわかりますけど、一応ご注意喚起ということで。 また発売直前のホビーボス製メルカバMk.3Dのテストショットがレポートされています。MENGに比べてお値段は張るキットですが、その分金属素材を多用してより実感の高い細部表現、特にチェーンカーテンはのそれはカタチとなってます。見た目は自然でも組み立ては大変だろうというのが一般的な認識だろうと思われますが、高木あずささんによる“あずさ式攻略法”なる方法が実にカンタンそうである。やりかたは「説明書通りにつくる」ことってえっ。 特集以外の作例記事ではトランペッターの12tハーフトラック88ミリ自走砲型「ナーゲルリンク」がすげえカッコイイの。なんでこんなにカッコイイのにドイツ軍負けちゃうんだよってぐらい(関係ねー)。考えてみればこのキットってハーフトラックと高射砲の2in1的なもので、且つそのどちらも非常にクオリティの高い品質を保っている訳で、むしろリーズナブルなプラモデルなんだなー。 その他の作例・キットレビューではパンターG後期型と9体のフィギュアを使用した末期ハンガリー戦域の情景、M7プリースト初期型レビュー、サイバーホビー白箱のIII号潜水戦車(あしか作戦仕様)、モデルグラフィックス本誌のワルシャワ条約機構特集を補完するようなT-62BDD1984年型などが掲載されています。 連載記事はいつも通り、モリナガ・ヨウの私家版戦車入門はサン・シャモン戦車の内部構造を詳しく解説されています。菱形戦車よりは居住性良さそう…かな? 今回に引き続き来月号の特集もメルカバ模型列伝[地の巻]、MENG以外にも様々なメーカーを紹介と予告されていますが単一車種を2カ月で特集しかもそれが現用アイテムだなんて、まるで夢のようなハナシ…。そのむかしT-55特集号の表紙がキングタイガーだったころと比べると隔世の感ですねえ また、詳細は未定ながらも「メルカバコンテスト」の開催も発表されています。もちろんワンメイクレースではないので様々なメーカーの製品が並ぶことでしょうが、それでもMENGのキットとモデルカステンのシナイグレーの定番的な組み合わせでどう抜きん出るかは結構な難儀かも知れませんね。 …誰ぞタミヤのMk.1ベースに「巨神ゴーグ」に出てきた「メルカバ93型」を作る猛者はおらぬか。永野護デザインだからキットアートボックスとも親和性高いしアレならチェーンカーテン無しで済ませられるし! ちなみに海洋堂の「ブラモデル」版WTM第三弾は現用シリーズで今月号はこんなところもメルカバ祭りですね。 だからと言ってここで特集に寄せたようなチーフテンやセンチュリオンを出したりは絶対にしないフィルのマイペース加減は、まったく以て称賛されるべきものと思われます。

ハセガワ「1/48 ゲイツ・リアジェット35/36」

絶版キット紹介シリーズ、今回はハセガワ製ヨンパチ・ビジネスジェットプラモの紹介です。お題はこのクラスの小型旅客機の代名詞ともいえるゲイツ・リアジェット。 シリーズ番号としては「T3」が振られています。調べてみるとこのT帯シリーズ(シリーズ名は発売時期により異同があるようですね)にはリアジェットの他「セスナ500サイテーション1」と「ファルコン10」がラインナップされていた模様。リアジェット自体はレジンパーツを追加した海上自衛隊仕様のU-36が限定品としてリリースされていた時期があり、むしろそちらの方がよく知られているかも? ところで昔から気になっているのですが、なぜハセガワの48飛行機プラモはジェット機のシリーズ帯が「PT」でプロペラ機の方は「JT」なんだろう? 普通逆じゃね?? 風のうわさでは、ハセガワの中の人に聞いてもはっきりした答えが返って来なかったとか… パーツは素直なヒコーキプラモデルです。ハセガワの48機は物によってはのちのバリエーション展開を考えて鬼のように分割されてる機体がありますが、そんな心配はまったく無用。 クリアーパーツはややスモークがかった、ちょっと懐かしさを覚えるものとなってます。昔のハセガワプラモって大体こんなんだった気がする。 デカールは2枚入り。一枚はストライプ柄を中心とした機体マーキングですがもう一枚はアルファベット2文字と4ケタの数字を使って自由に航空機標識記号を製作できるナンバーデカールとなっています。組み立て説明書には日本の登録記号一覧からリアジェットが属するカテゴリーの番号が解説され、仕様が可能なオプションとして別売りのストライプデカールも紹介されています。「あなたの自家用機を作りましょう。」なるキャッチコピーに、いささかばぶるのかほりが。 このキットの正確な開発時期がいつ頃なのかちょっとわからんのですが、このクラスのハセガワプラモとしては古い時代の設計で機体部分のディティールは凸モールドになってます。機首の合わせ目消したらいろんなディティールが消失しそうでううむ。 動翼部分のスジボリは深くて太い。いかにも時代を感じさせるものではありますが、最近ではいろんなものがひと回りして「古いキットはそのまま古さを活かして組めば良い」的な風潮もありますから、これはこれで良い物なのかも知れませんね。気になる人は10年ぐらい前のモデルアートの連載では確かこのリアジェットを使って飛行機モデルのハウツー、凸モールドの彫り直し等をチュートリアルする記事があったので、そちらを探してみるのもよいでしょう(「模型喜楽に作ろ」の初期の回です) 計器盤の彫刻は見事のひと言でさすがは飛行機のハセガワといったところでしょうか。 キャビン内部を再現しているのがこのキット、このシリーズの特徴でしょう。大型旅客機のスタンダードモデルではなかなかこうは行きませんね。キットは一応35/36の2種コンパチを謳ったような商品名なんだけど、乗客数6席はモデル36の仕様となります、多分。←実はよくわかっていない 通路はかなり狭そうに見えて、あまり乗り心地はよくないのかナーとちょいと心配になる。「快適さ」の基準をどこに置くかによっても話は違ってくるのでしょうが、自家用飛行機でエコノミー症候群にはなりたくないなあ。 アナログ時代の空気満載な操縦席。センターコンソールはデカール仕上げとなっています。 そしてここがスッチーとかパーサーとかアテンダントとか呼ばれるロマン主義的乗務員の待機スペースだと思われます!ロマン!!万歳!!! ところで機内を見れば一目瞭然、どこにもトイレが見当たりません。モデル36は大西洋横断も可能だと言うフレコミですが、一体全体生理現象はどうやって処理するんだろう… 見るからにテイルヘビーな機体なんで機首にはおもりを入れてます。テキトーなボルト&ナットを放り込んでおいたけれど、本当は釣りのオモリが良いらしい。余談ですけど「釣り」ってプラモデルと並立化できる、いい趣味だろうと思いますよ。模型業界に流用可能なサプライ用品やツールも多い(最近だとモデルカステンのメタルリギングが元々は釣り具でしたね)し、それになによりアウトドア志向なことです。ともすれば一日中部屋の中でがさごそやってる模型道楽とは対極的な位置にあって、互いに補完し合う関係である。 プラモデルと並立化できない、あまり良くない趣味としては、ともすれば一日中部屋の中で悶々としたり、どんどん部屋が狭まったりホコリまみれになったりする趣味があります。そう、 読書だ(´・ω・`) …自分で自分の首を絞めても物事は先に進まないのでつづきに戻りますね 地上姿勢でも機体内側の脚扉は閉じているのが常態です。 完成状態。言うてもヨンパチ双発ジェットですから結構な大きさにはなりますね。元々はスイスで戦闘機として開発された機体から主翼と尾翼の設計を流用して作られたベストセラービジネスジェット。人員輸送・連絡機として軍事任務にも用いられ、米軍ではC-21の名称でこのリアジェット35を使用していました。 機体と主翼は吸いつくようにぴたりとはまり、少しの隙間もありません。と、いうより実はこの箇所を仮組みしたらホントに綺麗にはまったんで、そのまま接着もしてない状態なんだなこの画像。 搭乗口は開閉選択式。キャビンを丁寧に塗り分けてチラリズムするのが正解かも知れませんね。 エンジンが機体後部にマウントされてるから「リアジェット」なんだろうと思ってたら、実は機体設計者が「リアさん」な人名由来のネーミングだと知ってビックリ。ブリジストンの石橋さんみたい。その後リア社はゲイツ社に買収され、色々あって現在はボンバルディア社の傘下である…と。 現在ではこの手の小型ジェット機のプラモデルはそれほどメジャーな存在ではありません(テスターのキットが現行品として存在します)が、例のホンダジェットが就航すれば話は違ってくるのかな?こういう平和で日常的な飛行機にこそ、アイマスデカールが似合いそうな気もするのでもうちょっと色々あってもいいんじゃないかしら。と、思いますです。 シルエットだけならA-10っぽいんだよな。

エレール「1/35 AMX 30/105」

諸般の事情により粗めのパッケージ画像ですが、商品自体はバリバリに現行品なエレール製AMX30MBT。 しかしこのキットも息が長いです。一体いつごろから市場にあるんだろう?文芸春秋の「田宮模型全仕事1」によるとタミヤのAMX30が「ナポレオン」の製品名で発売されたのが1966年、同時期に3社競作でとあるからやっぱりそれぐらいの時期でしょうか。しかし3社目ってどこのメーカー?? 実際に箱を開けて中身をみるのは初めてです。現行品はおそらく砂漠仕様をイメージしたブラウンの成形色だけれど、以前の版(写真パッケージの物がありましたね)では違ってるかも知れません。 なんだかんだ言って古い製品ですからパーツ自体もそれなりに、といったところでしょうか。パーツNoが全部通し番号で振られていて、その配置が必ずしも順番通りではないのは時代だなあ… フィギュアは車長と操縦手の2体が別枠で独立したパーツとして入ってます。どうもこのパーツは初回以降に追加された設計のようで1982年と1994年の装備を選択できる仕様。 古式ゆかしいゴムキャタピラは初回からの物でしょう。一応エレール純正(?)の連結可動式キャタピラも製品としては存在します。 基本設計が古い(ように見える)割にはクリアーパーツは多めに使用されています。デカールは82年と94年の2種類付属ですが所属部隊名がフランス語表記なんでよくワカリマセン>< エッチングは「Made in Czech Republic」で後日アップデートされたものでしょう。 これらに加えてアンテナに用いるための金属線と、カモフラージュネットを自作するためのガーゼが付属しています。 ガーゼってΣ(゚д゚lll) むかしの模型雑誌にはよくガーゼ使ってカモフラージュネット作る記事も載ってたけれど、まっさらのガーゼが入ってるプラモってはじめてみたぞケセラセラ。もろ医療用って感じですけど、消毒過程を経ているとは到底思えないんで医療に使うのはよしたがいいぞ。 ディティールに関してはキット開発時期を考えればよく出来てるものだと思います。シャーシー裏面も再現でそもそもフルディスプレイのこのキット、80年代初期の開発と言われても納得するレベルで… ほんとに80年代のキットだったりしませんよね? キットでは一体成形されているけれど車体前面に2枚装備されているのは河川渡渉時にエンジン吸気口を防ぐためのカバーで、昔のエーカゲンな雑誌記事では増加装甲だとかフカシてたらしいぞ。 フィギュアは胴体部分が貼り合わせのモナカ方式です。頭部が2種類付属でヘッドギアの違いで年式による装備変更を再現。 組み立ては説明書の手順をあっさり無視してまずシャーシーを箱組みしちまいます。ここはしっかり作っておかないと後々困ります。 サスペンション部分は思いのほかパーツの多い設計です。ボギーと作動肢、ホイールの取り付けバーまで別体化…ってことは歪みが出易い弱点もあるのですけれど。 素直に感心していたのはそこまでで、車体上部がもう合わねえのなんの。よくみたら上部パーツそのものがネジ曲がっていましたOTL。結局無理矢理ガチガチに固めていったけれど、これだったらサスペンションもあとで組み付けた方がよかったねえ。 比較的具合の良かった後部に合わせて組んで行ったので歪みはまとめて前縁に来ます。 それを瞬間接着剤と チ カ ラ ワ ザ で強引に合わせる!と、車体は合うのにフックが激しくズレるという恐ろしい結果に。なんでよorz すでにキレキレだったワタクシはギルティ!とひと声吠えるやフックをキリ飛ばしてもうどんどんパテ埋めしちゃうのでした。なあにジャンクボックスから使えそうなパーツ探してくりゃいいのですよ(・ω<)テヘペロ うん、まあ見つからないよね。そうそううまくはね。 サーフェイサーは七難隠すというが本当ですね。でもサフ吹くなら背景用紙変えた方が良かったですね。 車体前縁こんな感じ。けっこう痕が残ってんジャン!とかゆーなかれ、 実車もこの部分は結構なボコボコ具合なのですよぅ。 そんな過程を経てくると砲塔上下が合わないことにも全然驚かない。むしろパテ盛り→削りだけで対応できて安心なぐらいです。 ご自慢のCN-105-F1 105mm 戦車砲も凛々しい砲塔関係基礎パーツ。いやあ両サイドのラック部分はやっぱりチカラワザを要しましたよ? ステイの長さが全然足りないところが出たんでその部分は適度に劣化した瞬着の表面張力だけで無理に固めて、とてもじゃないけどアップには耐えられないよなここから先はな。 ちなみに砲尾部分は組まない方が砲身がちゃんとはまり易いです。説明書を無視した方が良いというのもいかがなものかと思いますけど。 大型の車長用キューポラはクリアーパーツを多く使用して非常によい出来となっています。ハッチ開閉は勿論のことキューポラ上面の回転機構も再現されて、このギミックって大抵の戦車模型じゃオミットされる箇所なんでその点実にイイ感じですね。しかし機銃とスポットライトの取り付け位置はこれであってるんだろうかいまいち自信が持てないんだけど… 完成というより「なんとか形になりました」が正しいところでしょうか。ポリキャップも使わずに主砲の上下動作やすべてのホイールが回転するような設計は結構手が込んでいて、イタレリのカーロ・アルマートM13/40を想起させるような、ある種の好感触は在ります。 日本の74式戦車が登場するまでは冷戦時代の西側戦車でも最も低いシルエットを誇ったAMX-30戦車*1、その低い砲塔と対照的に大型のキューポラが独特なシルエットを形成します。長砲身のCN-105-F1 砲は当初特殊な成形炸薬弾(G弾)のみを対戦車戦闘に用いたり同軸機銃に20ミリ機関砲を装備したりと、戦後第二世代型戦車の中でもとりわけお国柄が出ていて面白い一両ではある。 探照灯ドアも開閉可能で内部はクリアーパーツで再現と意欲的な箇所が多いにもかかわらず予備キャタピラや砲身基部カバーまでゴム素材なのは宜しくない所で、限定版で出てた湾岸戦争時のB2仕様ではこれらの箇所をレジンパーツでなどで置き換えしてたはず。 ご覧のようにシルエットは美しい戦車なので新規開発キット…は、さすがに難しいだろうなあ。戦後第二世代型戦車って得てして60~70年代の模型ブームのころに製品化されていて、キット自体は古臭くても積極的にリメイクするほど人気がないというのが残念ながら21世紀の現状でしょう。センチュリオンを新作で出したAFVクラブはもっと評価されるべきですYO! フィギュアも一応、組んではみました。開閉ギミックのあるキューポラに出入りできる車長はともかく、操縦手の方は車体上下貼り合わせと共に内部に固定しろってキットの指定は難儀過ぎる… 由緒正しい伝統的なフランス料理のお店に入っていささか肩身の狭い思いをしたような、そげなインプレッションでごわす(田舎丸出し) *1:こう書くとすぐに「スウェーデンのSタンクはどうよ?」と言ってくるひとが必ずいます。そんなときは「あれは例外ですね」と微笑んで返すか「スウェーデンって西側じゃねーわよ」と冷たく突き放すか、相手との人間関係を慮って対応しましょう。「フランスって西側かな」と鋭く突っ込まれたら降参しましょう。