Month: April 2013

「ニコニコ超会議2の10式戦車」

4月27日・28日に幕張メッセで開催されたニコニコ動画のイベントに出展していた自衛隊/在日米軍合同ブースで展示されていた10式戦車を見てきました。 超会議に10式を持ってくるって話は前から聞いていましたが、当ブログでは以前に朝霞広報センターに展示されている試作車両を見ているので特に新鮮味はないかなーと思っていました。が、土曜の朝にニュースを見たら会場に持ち込まれたのはなんと量産型であった。タミヤからキットも出ますしこりゃ見ておきたい。いつ行くの?今でしょ!ぐらいのイキオイにシフトチェンジですよああ予定のない連休って素敵ですね(死) で、行ってみた。 人大杉。 アッハイ海浜幕張駅で降りてうっかり口に出たひと言が「来るんじゃなかった…」だったのはレポーターとしてあるまじきことである。 でもやけに人だかりがしているのも当然で、ちょうど開発者トークショーがはじまるタイミングだったのでした。ちょっとラッキーであった。 このイベントは公式チャンネルで配信されていたのでご覧になった方も多いでしょう。三菱重工と日本製鋼から現役社員の方がブースに登場し、10式の開発秘話や当事者ならではのお話を直接語ってくれたのです。「10式は車内冷暖房エアコン標準装備」「スラローム射撃は昨年の総火演で見せた以上のことが出来る」などこの会場ではじめてオープンにされた貴重な情報も盛りだくさん、そんな話題を個人が直接発信する機会が設けられるのも、「ニコ動」らしいといえばらしいか。 【勝手な】停止目標だけでなく移動目標に対してのスラローム射撃も可能って、その目標が「地面を移動している」必要はたぶんあるまい【私見】 司会をされてた中村愛さんもステキだ(*´∀`*) よく知らない方だったのですがちょっとぐぐったらすごいニックネームとかすんごい画像とかえっぱい出てきてうひゃあ。アオシマのトイレプラモは購入されてるのでしょうか。 とにかく、戦車である。陸上自衛隊富士学校機甲科所属の10式戦車「95-5433」号車、量産型の初号車として「入魂式」が報道されたまさしくあの個体です。これは推測ですがタミヤのキットにマーキングデカールが付属する確率はかなり高いと思われますので、キット発売後の参考になればと車体周囲を歩きまわって主にクローズアップを撮影してきました。 考えてみればいくら近場の朝霞とはいえ1年近く屋外で静態保存されてる試作車よりは、現在普通に運用されてる「生きた車体」を富士からもってくる方が楽なので、それほど驚くことではないのかも知れません。いやしかし、いかに各地の基地祭で既に展示公開されてるとはいえ民間主催のかなり趣味色の強いイベントに最新鋭の戦車持ってきたのはやっぱり驚きで、搬入や搬出の様子があったら是非見てみたいものですが… 試作型と比べてボアサイトミラーやレーザー発振部が主砲右側に移設された量産型、砲口はゴムカバーで覆われています。 富士学校のマーキング図案は試作型と変わらずですが、車体各所の擬装用タイダウン取り付け基部となるフックの個数や位置は変更されています。 搭乗用の足掛けも変更され、より使いやすい配置となりそしてやはり「顔」っぽくもあり(゚Д゚) またこの車輛の迷彩塗装はボケ足の強い吹き付けで施されていました(どうも展示に併せてリペイントされたようです) 補助電源装置の排気口に下向きのカバーが取り付けられたのも量産型での変更点。 厚みはこんなもんでした。装甲素材なのかなー。それはともかく内側にボルトが見えますね。袖口部分だけ別パーツなのかしら。 この追加装備が成された理由はAPUからの熱を帯びた排気を主機が取り入れないような配慮であろうと言われています。例えば主機を停止して隠見するような場合でも、電子機器を作動させるAPUの排気口は赤外線を放出するでしょうからその低減処置…とか? 車体前部ではホーン周囲の外観が変わっているのですが、この部分に関してはホーンの位置をやや移設したことに併せてボルト止めのカバーが装着されたことで外観が変わった「ように見えた」のが正解みたいで基本構造は同一のようですね。 車体前縁の前下方監視カメラ。泥汚れはどうやって拭うのがちょっと気になる配置であります。レンズ部分まで塗装されてるように見えるのは、ここも含めて各所のカメラ/検知器部分がカバーされているからで… 不思議に思って隊員の方に伺ってみたら、マスキングテープを貼って上から迷彩と同色でペイントしているとのことでした。一般展示に合わせて保護する意味合いでしょうかと重ねて質問したところむしろこれは機密保持の目的だそうで、「あまり関係無いと思うんですけどね」と苦笑交じりのお答えでしたがやはり御苦労あるようです。色味を合わせたというよりも同色でまとめて塗ったように見えるので、多分リペイントしたんだろうなーと思いましたが、あんまりしつこく聞くのも躊躇われますからそれは聞かずに済ませました。またこの砲塔四周のレーザー検知器、移送時には更にこの上からプラ製?カバーを被せていたのはどうやら臨時の処置のようで、駒門駐屯地に部隊配備された車輛では演習時にゴムカバー装着している写真が見られます。 (AM誌2013年1月号記事より浪江俊明氏撮影) キットが出たらディティールアップ(?)のポイントになるかな? キャタピラは錆ひとつ浮いていない美しい状態でやはり新品か塗り立てか、晴れの場にあわせてお化粧した様子が伺えます。ゴムスカートのひらひら具合はちょっとキュートでそうだ戦車って女の子なんだ、アンドじゃなくてガールイズパンツァー、パンツァーイズガールなんだよ!(会場の熱気でテンションがおかしくなってる病) これも量産型で設けられた新しい機構、砲塔側面の雑具入れです。開閉レバーをゴムバンドで止めていることから鍵のかかるものではないと推察されます。 50口径機銃はQCB(クイックチェンジバレル)型が標準装備。幸い一般観客には手の届かない高位置にあるのでどこぞの政治団体が因縁つけてくることもないですw エバキュエイター部分はFRP繊維のモールドが確認できます。屋内だと照明が足りない分コントラストはハッキリと目に見えて、しかしコンデジでそれを撮影するのはなかなかタイヘンなのであった。日本製鋼製のこの戦車砲、なにか「名前」はないんでしょうかね?車内ネームなり形式番号なりあると一般に浸透し易いのですけどね~。 繊維質といえば前から気になる車体後端の謎フラップであります。試作型より目が細かいかな?2枚以上の重ね張りをリベットで留めているのは変わらないようですが。 スコップは車体後部上面で露出固定。これも試作型には無かった配置。 通信アンテナにはなにやらコーションマークが貼られていました。アンテナ2本が直立するスタイルはそれこそ61式戦車の頃からずっと変わっていませんが、特にC4Iを強化した10式のデータ通信量/速度はこれまでの国内外の戦車とは比べものにならないもの。アンテナ自体は何か違ってるんだろうかしら…? 環境センサにも三菱重工の製造銘盤が取り付けられています。ライセンス生産品?開発者トークショーでは「100%純国産」を謳っていましたがはて。どちらにしろ1/35スケールで再現するのは辛そうですからこの部分は深く考えないで放置しまショー。 ワイヤーの取り回しも朝霞の車両とは異なるもの。完全な新品のようで銀色に輝いていました。 固定フックの微妙な面取りに「チクショウ見なきゃよかった」などと心の中で毒づくのは本末転倒である。 ペリスコープに隣のブースのモニタ画像が反射してちょっと面白い絵に。いやなにが面白いって戦車を見ている視界の端をアッガイが歩いていたり戦車の向こうでRC飛行機のスカイフイッシュが飛んでるこの空間はまるでマンガの世界であった…… 全体を通じて非常に綺麗な車両だなとイメージを抱きました。それはリペイントされた(であろう)塗装だけに限らず、溶接痕や表面処理など多岐にわたって職人的な美しい仕上げが施された車体各所から醸成される雰囲気なのです。 参考までにこれだけ試作車両のほぼ同一箇所の画像。やはり随分違ってますねえ。この違いは試作型と量産型で仕上げの質が異なるというよりも試作車両は数々の過酷な試験を実戦さながらにくぐり抜けて来たためのものなんだろうなあと、トークショーでの力強い応答を見た後ではそう思う。日本の国産戦車はどの形式も精巧なつくりであるのが伝統で、ちょっと前にはその手づくり感を揶揄するような物言いもまあ、あったのですけれど、自国の防衛や安全保障を担う存在が美しいことはむしろ誇っていいのではないか、荒々しいことだけがパワーではあるまいと、そんな感想も持ちましたね……。 それはたとえば戦車模型の見せ方、魅せ方にもっと色々な方向性があって良いんではないかと考えることでもありまして。美しい女性フィギュアを作るように美しい戦車模型を作れないものかなーとか思う訳だ。美しい女性フィギュアが決してオモチャじみては見えないように、美しい戦車模型もまた然るべき…なんてね。 ブースでは10式以外にも高機動車(空挺団のマークがあったんで習志野から来たのでしょう)の体験搭乗や陸海空三自衛隊の活動を報じるパネル展示、コスプレや記念写真のゾーンなどなかなか盛況な賑わいでした。こういうお祭な場所でのアメリカ人の明るさは愉快で、在日米軍ゾーンは楽しそうだったな。 ニコニコ超会議2は土日の2日間に渡って開催されたので、深夜の会場内でも24時間の警備体制を敷いていたようです。ご苦労様です。いろんなひとのエネルギーが作ったイベントです。 ニコニコ超会議そのものには思うところ、考えさせられる面も多々あったのですが広い会場内のごく限られた場所しか見られなかったもので感想などは割愛します。ただワンダーフェスティバルやホビーショーって静かで落ち着いたイベントだったんだなーと、それだけは確実に言える(w; ホビーショーまであと半月、タミヤのキット発表が実に待ち遠しくなる10式量産型の一般展示公開でした。 そして10式とは関係ないんですが同じ週末に開催されていた「ガールズ&パンツァー」のイベントで劇場版とOVAの製作が発表されたそうで実に目出度いことであります。劇場版の内容こそ不明ですがOVAは大洗とアンツィオの戦いを描くとかでイタリア軍のえらいひともきっと大喜びでありましょう。 手持ちのカーロアルマートM13/40をカステンのデカールでアンツィオ仕様にしといて本当によかった。タミヤのキットは実車と比べてちょっと不自然な箇所があるんだけれど、フラッパーのコミック版(2巻で大活躍)はタミヤのプラモをモデルに描画してるんでむしろ自然になるのです(笑) アンツィオの校章はあと2枚残ってるんで、こんどセモベンテでも作ろうかな。でも品切れなんだよな今… またイベント当日販売されたパンフレットには「知波単学園」のキャラクターや使用戦車の公式設定が発表されて一部騒然(笑)そのイラストによれば知波単学園のチハは冷却気排出口が変更された新車体に57ミリ旧砲塔を積んだレアな仕様でキットはファインモールドから出ています。みんな作ろー。 なぜ一般的な仕様にしなかったのかってそりゃ軍産複合体のインボウガーに決まってるだろいわせんなよ

MENG「1/35 フランス戦車 AMX-30B 」

MENGモデルの戦車模型としてはメルカバに次ぐリリースとなったフランス陸軍第2世代型主力戦車、AMX-30のキットです。 いささか気まずいことを先に書いてしまいますと、この戦車については実はあまり詳しいことを知らないのです。しかし幸いにして最近ではどこのご家庭にも普及しているグーグル先生に聞いてみればえーやと検索してみたら、教えてくれたのは以前自分がこのブログで書いたエレールのキットレビューである。 気まずいよね(´・ω・`) 何が気まずいってあの記事エレールのキット開発時期についてどうも勘違いしてたみたいですし、それになにより「新規開発キットは難しいだろう」なんて堂々と書いちまってることである。 出ちゃったよ(´・ω・`) 正直MENGモデルのキット製作方針がよくわからんのです。なんでメルカバの次がこれやねん……と、いうところが魅力なのでしょう。「ズベズダがティーガーを出すそうだが」「MENGもですよ」「バッティングかよ」「しませんよ」なんと素晴らしいことか!その次はブルドーザーだしもうドンドンイケイケって感じであります。すごいぞMENG、でもサイトが激重なのはなんとかならないでしょうか… では例によって順繰りにパーツ見て行きます。転輪関係Aパーツは2枚入り。 キャタピラBパーツは計5枚入りの連結可動式。 この辺はごく普通に「普通のプラモデルです」。最近「普通」という概念がゲシュタルト崩壊を起こしつつあるのは普通の症状です。 が、しかし。今回レビューに使った個体は車体下部先端が破損していました。幸いこの部分個別包装されていたのでビニール袋内にで破片を発見、再生することが出来ました。優れた金型技術による極薄のパーツ成形が却って裏目に出ているようでちょっと心配ですねいろいろと。最も新製品が出るごとに進歩改善されている面が多いのもMENGモデルではありますけれど。 デカールは2種のマーキング。砲塔キャンバスカバーはラバー、マフラーガードはエッチングで入ってます。MENGのキットは「なんでもプラでやっちゃう」印象がありますけれど、考えてみればエッチングもラバーパーツも一番最初のピックアップトラックで既に使われてましたな。 各パーツのディティール、一体化と分割の適度な案配などはトップクラスのものでしょう。ワイヤーの微妙な曲線もインジェクションで抜いちゃうところは「なんでもプラでやっちゃう」印象が広まるわけである。(実は不要パーツの中にワイヤーのヘッド部分だけ独立したのが混じってます、ディティールアップの伸びしろがあらかじめ用意されてるんですね) ユニークなのは連結キャタピラとエッチングの加工に最初から治具を入れてることでしょう。ユーザーへの細かい気配りが伺えます。設計は非常に配慮されたものなので、運搬移送時の保護や養生にも配慮したパッケージングが望ましいなあ、とか。イマドキの戦車模型ってどこの国のメーカーであっても海外市場前提なのですから、優れたキットを開発するのと同じぐらいに大事なことでしょうね。「ファン」ってね、そういうとこから生まれるものでしてね。 では組んで行きます。本キットの一番のセールスポイントは「可動」のようでサスペンションもよく動きます。エレール組んだ時にはいまひとつヨクワカラナカッタ(汗)ボギーとアームの関係もよく理解出来て気分爽快である。 トーションバーはプラの弾性を利用した可動方式で、日本のメーカーではタスカのルクスがこのスタイル取ってましたね。 サスペンションアームとボギーをつなぐ作動ロッド(?)は外れやすいので注意。裏側なんで直してるとそこそこストレス溜まります。結局木工ボンドで仮止めしてしまいましたが……。 車体の上部構造は特に変わったことは無く堅実な設計。この世代の車輛は車体外部に小さな補機類がごっちゃり乗ってるのが丸見えなんで、堅実ながらも大変ではある作業工程が続きます。なお車体部分などペリスコープの一部はクリアー化されて無い箇所もあるので、塗装する際には下地処理が大事です。(説明書にはただクリアブルー塗れって記されてて、さすがにそれはちょっと乱暴) 側面のディティールは別パネル化されていて、この箇所の設計思想はエレールのキットと同様だったりします。念のために言っておくとパクリとかそういう話じゃなく、先行他社の様々な製品を参考にしているんだなーと、そんな印象を受けます。モデラー目線で設計しているというか、そんな感じ。 エンジンデッキが別パーツになっているのは進歩している箇所で、自走砲型などのバリエーション対応とパーツ設計の「解像度」を高めるのと、両方への配慮でしょう。 マフラーで隠れて見えなくなる側面部分にグリルがあるとはこのキット組むまで本当に知らなかった。マフラーで隠れて見えなくなるのにこの精度です。 リアフェンダーは2種から選択。ここに限らずコンパチ部分の多い模型なのですが。残念ながらなぜそこが選択式になってるのか、違いを説明してくれません。製造ロットの違いとか多分そういうことじゃないかと推測しますがううううむどうなんだホントのところは。なんかこの戦車って日本じゃ異様に不人気で、あまりに知られてないことが多いような気がする…… マフラーのフタが開閉コンパチなのは特に説明なぞ無くとも理解できるのですけれど(笑)結局リアフェンダーはあとでキャタピラ入れることを考えて角度の高い方にしました。単純に可動による位置の変化を再現しただけなのかも知れないなあこれ。ちなみに「あとでキャタピラ入れることを考え」たらリアフェンダー接着はあと回しにした方が良かったと、あとでキャタピラ入れるときに考えが及びましたOTL 一部のOVMは小さな部品の小さなピンを小さな穴に取り付ける作業がかなりタイトになります。うっかり曲げちまわないように多少穴のほうをカッターなどで気持ち拡張しといたほうがいいみたい。でもやり過ぎにはご注意です。 エッチングは治具使いましたが、うん、まあ、それ「だけ」では綺麗にはいかないものですねorz しかし前も後ろも異常にごちゃごちゃ物が満載の戦車で、おフランスにしてはあまり芸術性を感じられないセンスである。だいたい敵弾が一発当たったら即座にぶっ飛ばされそうな所に消火器置いとくのはどうかと思われ(笑)また車体前面2枚のパネルはエンジン吸気口の防水パネルで、ここもちゃんと別パーツ化されてますから、マフラーの蓋と併せてちょっとした加工で渡河仕様を再現できそうではあります。カニングタワーとシュノーケルについては…ついては…… スイマセン今の記述は見なかったことにしてください(え 治具を使って製作するキャタピラはモデルカステンやホビーボスのようなピン打ち式では無く、ファインモールドの五式中戦車のような貼り合わせ式です。AMX-30ってシングルピン履帯だったんだな。ほんでその、どの模型雑誌のどの記事でも、連結キャタピラは一気呵成に組んでしまえドンドコドン的なことが書かれていますけど、治具を使ってゆっくり作るのもいいと思います。ライターさんと違って締切あるわけじゃなし、好きな音楽を聴いていろんなことを考えながら組むのも楽しい作業。自分もいろんなことを考えました。ベルト式なら楽でいいなとかベルト式ならバラけないから素敵だなとかベルト式なら夜中に泣いたりしないよなとか。いっそベルト式キャタピラを奉じ奉る宗教を興し法人格を取得して税金を払わず政治政党を設立し政権を獲得し強権弾圧政治を施行し世の戦車模型のキャタピラを!すべてベルト式に!! つまんないこと考えるより手を動かしたほうが早いです(´・ω・`)ネ! Bランナー一枚で36枚、説明書の指示では片側80枚となってますから多少余裕はあります。 取り付けに当たってはポロリフギャー事例が続出したので一枚プラスの片側81枚で行いました。リアフェンダー接着はこの時点まで持ち越すべきでした。 主砲部分は概ね三パート。砲身は下部ディティール再現のため上下で分割、防盾カバーは可動を活かすためにラバーで再現と、この辺の処理はエレールのキットとほぼ同一。 しかし砲尾の再現性はエレールと比べて大幅に進歩してます。なんて言うかな、旧キットをリスペクトしてるような印象を受けます。 砲塔部分ほぼ完成。同じ戦車を同じようにプラモデル化しているのだから似てくるのも当然なのかも知れません。しかし2種類ある同軸機銃の違いを少しも説明しないところまで同じなのはいかがなものだろうか。 とはいえやはり各所の解像度は高いもの。昔エレールのキットを組んだから…という人にこそ作ってみてほしいアイテムかも。また砲塔部分でいくつか、いかにも「何かを取り付けるための基部」を切削するよう指示があるのはB2型の開発も見据えて設計されてるヨカン。湾岸仕様…とか?? 独特なキューポラの形状も一度エレールで見てるから慣れで組めます。しかし慣れで組んだらとサーチライトとペリスコープが白濁してしまった(;´Д`) 細かなドタバタはありましたけれど、基本的には素姓の良い、よくできたプラモデルです。第二世代型は外見がわかりやすくていいよなー。 砲塔側面のラックは左右とも一体成形で労せず組むことが出来ます。個々のパーツは非常に精度が高い設計です。ただいささか細か過ぎるのか、物によっては薄くバリが発生してる箇所があったのも事実で、再生産が続けばそこはちょっと気にした方がいいかな? ポリキャップの可動箇所は若干タイト、またMENGのサイトには完成した車両に手を掛けてブンドドしてるイメージ画像が確かあったんだけど(サイトが開かなくて確認出来ません)さすがにおっかなくてそんなことは出来ない。 キャタピラひとつとってもこれがMENGのスタンダードだと言えるほどにはまだフォーマットが定まってない、その分一作ごとにメーカーとしてのチャレンジ具合がが伺える、実に見ていて楽しいメーカーなんで流れとか流行りとか気にせず好きな物を好きなように製品化して戴きたいところであります。 ああ、今度こそ胸を張って言えますが当分これが決定版、新規キットはそうそう出ないことでしょう(笑)

幻冬舎「宮武一貴デザイン集 HIGHLY ORIGINAL WORKS」

日本のSFヴィジュアル界に長く活躍し大きな影響を与えてきた宮武一貴氏によるメカデザインを、コンパクトながら多様な観点でまとめたイラスト集です。 2007年とちょっと前の刊行書籍で収録されているのは「スタジオぬえ」創世記に手掛けたゼロテスターから近年のエウレカセブンまで、アニメーションを中心とした映像作品での仕事が主になります。70年代の東映作品で手掛けたようなスーパーロボットの透視図は貴重で、ここに上げたダイモスとライディーンでは外形以上に全く異なる内部構造を心で思い頭で考え、そうしてデザインされたものを手描きの細密ペン画が美しく提示しています。 このような精密な解説図はもうご本人にも手掛けることが出来ず後継者も存在しないの寂いですが仕方が無いことでしょうね。単純に「CGではこの味は出ない」とか、それだけではないと思いますが…… 本書の大きな特徴としては、限られたページ数の中で「さよならジュピター」や「テクノポリス21c」といったマイナーな作品の画稿を多く収録していることが挙げられるでしょう。どちらも今ではネット上で映像を見ることは不可能ではないにしろ、残された映像がデザインの魅力を伝えるかと言えば甚だ疑問符がつく作品。幸い「テクノポリス21c」はアオシマからキット化されているので稀に見かけますが、スキャニーのバストがパックリ開く所を再現した猛者はおらぬか。プラモの方でこれやっとけばアリイのラーナ少尉みたいに今でも語り継がれる存在となったろうに(w 幻の作品「機甲天使ガブリエル」のカラーイラストが掲載されているのは本書刊行当時の2007年には実に貴重だったことと思われます。直後にラピュータから完全版的な書籍が出てるので、ガブリエルに関しては現在ではそちらを参照するのがベストなんでが、あまり万人に知られていない業績にスポットを当てようとする本書の編集意図は伺えます。 「エウレカセブン」のスカブ層上に立つ巨大なタワーや「舞-HiME」に登場するカグツチなど、メカ以外の分野に於いても揚力構造や空力効果を考慮したデザインが成されているのはさすがの仕事内容といえましょうか、日本のSFメカデザインを代表する重鎮のおひとりならでは。そしてカグツチのデザイン画には「空力的安定性がないと飛べませんので」と注意書きまでされてるのに本編では宇宙に飛んでっちゃうあたり、映像作品とデザイナーの力関係について考えざるを得ない内容だったりもする。「舞-HiME」でカグツチが宇宙に飛んでくシーンはエラくカッチョ良かったんで、映像としては勿論あれで成功なのでしょうけど(苦笑) カバーイラストにも使用されているOVA版「宇宙の戦士」パワードスーツの図版が大量に収録されているのは実に画期的で、個人的にも本書イチオシのページ内容です。こちらも映像はネットに上げられたりしてますが、今でも見ることが出来ますが、ぶっちゃけ黒歴史みたいなもんですからその、ミナイホウガイイデスヨとゆーその、 しかしながらパワードスーツのデザイン自体はハヤカワSF文庫版のオリジナルを当時のアニメのスタイルに落とし込み、関節構造などは現実の大気圧潜水服をモデルに「リアルさ」を目指した意欲的なものです。立体化はOVAリリース当時にBクラブからソフビキットが出たぐらいで現在ではイベントGKでも見かけないのがいささか残念な格好良さで、今なら3DCGで限定された関節の可動範囲を計算して芝居させられそうなものではありますが、前述ラピュータの「ガブリエル」に掲載されてるインタビューを読むと、このデザインが陽の目を見ることはもう二度と無さそうなのである…… オリジナルと比べてハッチの開閉方向が変わっていること、ロケットランチャーが小ぶりの固定式になっていること、様々な変更点はアニメの演出優位に配慮してのことで、パワードスーツが一端ガンダム(いやガンキャノンか)に変化してまた戻ってきた様子が、特に顔の部分などに伺えて面白いカタチなんですよこのOVA版も。ではOVAでそのデザインを活かしたような作劇していたかと言えば…… だめだ記憶をたどってもつのだ☆ひろのOPをバックに砂浜を走るカルメンシータのキモイ笑顔しか思い浮かばねぇOTL 口直しに宮武一貴氏によるミニスカ女子高生とゆー、まことに貴重な画稿を貼ってまとめます。「舞-HiME」の時に鴇羽舞衣も描いてたとは知らなかったなぁこれ。ラフなタッチとはいえちゃんとアホ毛まで作画されてるのは素晴らしいですね!

プラッツ「1/72 アメリカ海軍 無人爆撃機 X-47B 」

プラッツ製、アメリカ海軍試作UAVのインジェクションキットです。 UAV、無人航空機は登場当初こそ奇異の目で見られたもののいまでは各国軍隊で広く活用され、プレデターやグロバールホーク等の機体はアメリカ軍の現代戦略には欠かせない存在となっています。概ね空軍主導だった無人機開発のなかで初めて空母運用される艦上無人航空機として開発された機体がX-47シリーズ、本機X-47Bはその2番目のバリエーションでUCAS(Unmanned Combat Air Systems )と呼ばれる機体開発プログラムで製造されたもの…らしいですアッハイうろおぼえとつけやきばで書きました。これ以上の詳しい情報は書物の山に潰されるかネットの海で溺れるか、好きな方を選んでくだされ。 UAVの例に漏れずシンプルな構造なのでパーツ構成もシンプルなものです。いま現在インジェクションのスタンダードな航空機プラモデルとして無人機をラインナップしているのはこのプラッツぐらいだと思いますが、まだまだ主流と言えないのは実機の世界と同様かな?今後普及が進んだり、もしも有人機との立場が逆転する時が来たら、ホビー市場ってどういう反応を示すのだろうとちょっと気になりますね。 デカールはコーションマーク類に加えて所属部隊が3パターン、評価実験部隊の他に第5と第7空母航空団のエンブレムがあるんだけれど、これが実際の試験運用に基づくものか架空の想定なのか、不勉強なものでちょいとわからないのです。あとウィキ見たらこの機体にレーザー積んで対艦弾道弾防御にも…っていやーそれはどうだろうなあ、要出展タグ付いてるし気にしない方がいいか。 ※記事書きながら気がつきましたが、空母航空団のマークは架空のものでしたね。 ディティールに関しては今時の航空機モデルとしては定番のものと言えましょうか、デジタル設計で彫られたモールドが似つかわしい機体だなんて言ったら情緒的すぎるかな。 装備品も概ね平均的な出来映えです。存在自体がユニークな製品なので特に超絶モールドなどなくとも面白い飛行機ではあり。外形はともかく細部のクローズアップって公開されてるのかしら?海軍の公式ページに動画まで載ってる、そんな時代ではありますが。 インテーク組んで上下合わせたらこれで完成です!というのはもちろんウソだが、これで飛ぶと言われても信じてしまいそうな気はします。実際X-47のA型はそんな感じですし。ああなんだか京都で生八ツ橋食べたくなりますよねならないですかそうですか。 搭載兵装としてJDAM誘導爆弾2基が付属。デカールによるとMk83 1000ポンド爆弾ベースなのでGBU-31のどれかってことになるのかな?おしえてグーグル先生! 戦術ステルス機の例に漏れずウェポンベイ搭載なので細かいことは気にするな。むしろこっそりヘンな物を積んで「実はビームライフルがね」とか人をびっくりさせるようなプレイも面白いかもって思いつきで記事を書くのはヤメろ俺。 脚柱類はごくごくノーマルです。実機のこのへんのパーツって既存機体の流用だったりするのかな。人が乗ってないにも拘らず主脚には前照灯が装備されてて、そこがちょっと面白い。勿論この機体を運用する周辺環境を考えれば必須なんだけれど、誰も乗ってないのにヘッドライト点灯ってなんかねw ウェポンベイや脚収納庫の扉がエッジ処理された形状なのもステルス機に必須のチャームポイント。ウェポンベイの扉は妙にデカくて、これ開けたらレーダー反射波増大しそうだナー。気づいた時には既に手遅れか試験機だから大して問題にはならんのか。プラモじゃ爆弾が全然見えなくなるのでちょいと困るのですけれど……。 フラップは一体成形ですがエアブレーキは開閉選択式となります。アレスティングフックが無いのはまだ母艦運用試験やってないからかああ、デカールは架空の想定ですねつまり。 that’s all folksって感じで完成です、わーシンプル。理想的で効率的な航空機設計を考えた時に最も邪魔になるのは人間の搭乗するコックピット部分だって話を聞いたことがありますが、飛行機に限らず世の中大抵の分野で理想と効率を追求したらまず邪魔になるのは ところでトム・クルーズが「戦闘妖精雪風」の映画化権を買ったとか聞きましたが、アメリカ人が雪風撮ったらどんな映画になるんでしょうねえ、楽しみですねえ、人間っていいなあ。 はじめてB-2爆撃機を目にした時に「ゴアの円盤じゃ」とのたまったひとがいましたが、コイツも概ねその眷族です。こんな形のものが自由に空を飛ぶのはホルテン兄弟とジャック・ノースロップの幽霊が下から支えてるからでって非科学的にも程がある認識。 冗談はともかくA-12の幽霊はどこかに宿ってそうである、そんな外観。 今回は使ってませんが主翼はジョイント部分を変えることで折りたたんだ状態も選択可能です。これは艦上機ならではの機構で、ステルス機では初めて…かな? 側面形状も実にシンプル、この機体はあくまで実験機でありこれがこのまま制式採用されるかどうかはまあ、別の話ですし、軍用航空機に課せられる任務が全て無人機化されるかといえばそんなことは無いでしょうけれど、将来的に空軍の分野で無人化が進んだら航空機模型の分野もいろいろとものの考えを変えたりするのだろうか。そもそもヒコーキモケイって飛行機の何に惹かれて作るんだろうか……なんだか妙に厭世的な気分になるのはなんででショ。 本来ひとが居るべきはずのところにポッカリ穴があいていると、なにかと落ち着かないものですようむうむ。

河合商会「1/25 金魚や」

昨年惜しまれつつ企業活動を停止した老舗の模型メーカー河合商会の「風物詩シリーズ」No.14、夏の風物をイメージさせる製品です。 ところでこのキット、箱絵には「金魚屋」と漢字三文字で表記されているのに取説では「金魚や」とひと文字開かれています。些細な違いだけれどかな交じりの方が「やわらかい」ように感じるのは日本語の妙で、こういうニュアンスの差異をグローバルな世界に発信するのは難しいでしょうね。 同シリーズNo.15の「風鈴屋」と大部分のパーツを共有するリヤカー+屋台のパーツ構成です。 板塀を含めて路地裏の風景を再現するディオラマ風のスタイル。 屋台の売り物である金魚と周辺の小物はクリアーパーツ、リヤカーのタイヤスポークにはメッキ処理が施されています。 台座はシンプルな形状ながらラメ入り樹脂による成形はちょっと「土産物」風にも見えます。 その他の付属品、柳の木は「建物シリーズ」として単独で発売されていたものを同梱するスタイルで、薄緑の「カラーパウダー」は鉄道模型の世界では古くから定番の逸品です。このカラーパウダーの開発事情はむかしモリナガ・ヨウ氏がマンガにしていて面白かったなあ。河合商会を始め「35分の1スケールの迷宮物語」で取材されていたいくつかの事柄や人物は、既になくっなっているのだと思うと急に寂しくなります……。 漠然と「昭和レトロな」なんて言い回しを使ってしまいそうですが、本キットの年代設定っていつごろなのでしょう?さすがにこのスタイルで流しの金魚屋というのは実生活で見たことが無いぞ。Wikipediaの「リヤカー」項目によると 「1921年頃、海外からサイドカーが日本に輸入された時にサイドカーとそれまでの荷車の主流だった大八車の利点を融合して、静岡県富士市青島の望月虎一が発明した」 とありますからって青島!? いや待て、そこは反応するところじゃないぞ。まーともかく、リヤカー自体は大正から存在し広く一般に普及するのは昭和初期ということでよろしいか。思うにこの手の金魚屋を見なくなったのは安価な金魚の供給源として「金魚すくい」が普及したからではないか……というのは本稿とは全く関係が無いので触れませんけれど、やはり昭和史の暗部では流しの金魚屋一門と新興の金魚すくいグループによる血の抗争とかあったんだろうか。無いとは言い切れないのが水商売の恐ろしいところで(えっ) クリアーパーツでワンピース成形の金魚は大中小の三種類。尾びれが垂れ下がっているのが芸の細かいところで、こういう気配りをすることで弁当のしょうゆ入れに成りかねない危機を回避しているのです。蘭鋳やら琉金やらといった高級指向の観賞魚こういった庶民的な場では売って無いでしょうから間違ってもそういう方向でディティールアップとかしちゃいけませんよ? 芸が細かいと言えば街頭の共同ゴミ箱は口が開きます。コンクリート製のものはかろうじて形を見た覚えがありますが(さすがに機能はして無かったな)、これは木製品をイメージしている成形のようですから木目を入れたり実物同様前面の扉をスライド式にするのも良いでしょう。むかしは今ほど家庭ゴミの分別が細かくなかったのだけれど、むかしは今ほど家庭からゴミが出なかったのでしょうねえ。 むかしも今もモデラーの家からはランナーがゴミに出るのは変わりがないか…… この手の板塀は現在では一般的な実用品としてはまず見ないものですが、古民家的なスタイルの建築ファッションや旅館や料亭などの場では健在か。板塀ひとつとってもそれがコンクリートやブロックの塀に変わり国産木材の需要減少を招き結果山林にはスギ林が飽和し花粉症が社会問題となるのです。おおぅプラモデルから見える日本社会の変化と変質。 物干し台が現在と比べて背高なのは二階建て家屋が少なかったからかな?Y字型の長い棒で物干し竿を上げ下げする光景は「よそんちの柿を盗む子供」と共にゼツメツしました(かね?) 物干し竿自体は竹製なのでささやかながら「節」がモールドされています。ちょっと前に「さおだけ屋はなぜつぶれないのか」ってべストセラーがありましたが、最近さおだけ屋を見かけません。あれもやはり無くなってしまったのかなー。 リヤカーは鉄パイプを組み合わせた標準的な構造のものです。また屋台をセットするのが前提なために荷台部分の板材は特に付属していませんが、ハンドル部分をみると風物詩シリーズ「紙芝居」の自転車と結合できそうではあります。 タイヤ部分にトレッドパターンは刻まれていませんがある程度はボウズな方が却ってそれっぽいのかなーとも。スポークの太さが気になる方はアベールやエデュアルドのエッチングがあるわけないので頑張って自作だ。 リヤカー部分はこんな感じです。サイドのフレームはイモ付けでちょっと接着面が弱いので、パテなど使って溶接痕を再現してもよいでしょう。また風物詩シリーズの「石焼いも」などでは屋台と一体構造になった木製のリヤカーもモデル化されていますので、用途に合ったものをお選びください。 こちらは屋台部分、基本は箱組みで合わせは良好。特徴は上部に三本の桁を有することで(この画像では二本しか映ってませんが)、「風鈴屋」のキットではここからいくつも風鈴をぶら下げる重要な箇所となります。 まー金魚やでは行燈ぐらいしか下げるものがないんですけど。説明では「シール」になってますが実際はただの紙に印刷されたシートで、プラパーツには木工ボンドで接着出来ます。木工ボンド最高。でもこれって多分初期ロットではシールだったのがいつのまにかコスト減で単なる刷り物になって…とか、そんなんだろうなあ。 行燈下げてのれんと屋根を乗せれば屋台部分もこの通りに完成です。 ベースのレイアウトは斜め方向に使って空間の広がりを演出してみる。なおカラーパウダーと柳の木は粉気が飛ぶのでちょっと今回は使っていません。その方が土産物テイストなラメ台座を活かせるように思います。 金魚関係は色を乗せてみました。水草はともかく岩までクリアーパーツなのはいささかアレですけれど、パーツ配置と分割考えたらこれで正解です。ここもホントは「水」を張りたかったけれど、水槽や金魚鉢を塗装すると肝心の金魚が見え難くなるアンピバレンツ! 一通りそろえてみると金魚がメインというよりも、やっぱり屋台含めた全景が「風物詩」としてメインを飾るのでしょうね。「物干竿に紙で洗たくものをこしらえて下げると、情景がいっそう引き立ちます」という一文も、今のプラモデルには無い空気感で良し。 アップにするとやはり人間がほしくなりますねー。ホントはここで何かキャラクターフィギュア使って小芝居でもやらせればイマドキなんですが、1/25サイズに合うものが結局思いつかなかった……むしろいま様々なものがプラモ化されてる1/12サイズの小物でなぜリヤカーがないのか不思議です。大抵の学校には備わってる物なのにね。ああタミヤの10式と合わせて1/35スケールで「リヤカー(陸上自衛隊)」なんてのもいいのか。 オチが付かないと落ち着かないので代わりにむかしのホビージャパンから「風鈴屋」の記事をスキャンしてみるテスツ。93年8月号ってもう20年前になるのかこのコレ……。比留間郎氏による作例は各種風鈴ディティールアップのほか洗たくものもちゃんとこしらえて、風物詩シリーズの持つポテンシャルを最大限引き上げたような作例です。これは90年代前半にやってた「AMAZING KIT BOX 模型ビックリ箱」という不定期連載記事でのことで、普段模型雑誌が取り上げないようなプラモデルを本気で作り込んでいくちょっと変わった企画でした。城郭模型ブームに20年先駆けて童友社のノイシュヴァンシュタイン城を実物指向で再現とか東京ドームのプラモデルとか、業界的にも読者層的にも売れ筋メインから外れている製品を極めて趣味的に取り上げる内容が実にユニークで、タミヤのMMが盛り上がりを見せ始めてたこの時期にニチモのキングシャークなんて作ってたんだぜ(遠い目) 編集・ライター含めて一部の限られたメンバーで回してたようでいつの間にか終わっちゃったし単行本にもなってない。むかしの模型雑誌の思い出を語るような場所でもまずお題にならない類のものですけれど、個人的には大好きな連載でありました。しかし90年代ってもうすっかりレトロな位置に落ち着いてるのですねえ。 あ、「極めて趣味的」などと書きましたが、当時水面下でどこかの問屋筋が絡んでいたのかもしれん。そんなことを思いつくのも自分がイヤな大人になった証しというものかー!

新紀元社「スケールモデルファン Vol.8 」

発売から少し間が開いてしまいましたがスケールモデルファン、今回Vol.8より隔月刊となる第一号です。 特集は「徹底工作!WWII日本機の作り方」、巻頭を飾るのはタミヤの1/32零戦二一型から改造された1/32零式練習戦闘機一一型。かなりの工作量を盛り込んだ迫力の逸品。 二一型のコックピット部分を2セット分使用しての複座化は視覚的にも非常にわかりやすい改造ですが、それに伴う機体各部位の変更点、開口部分やパネルラインの変更、キャノピーの大型化などさまざまな箇所を元キットのディティールと比べて遜色無いレベルで仕上げるには、精度の高い工作が要求されます。 その他の記事は比較的スタンダードな機体を用いてスタンダードな工作・塗装の方法を解説するスタンダードなもの。いわゆる「入門者」よりはちょっと上、ワンステップの向上を目指したような内容…というのもスケールモデル専門誌のHowto特集ではスタンダードなものですか。1/72零戦の製作記事として組まれているのがエアフィックスのキットなのは正規に対応しているビーバーのエッチングを紹介する意味合いがありますが、組み立て易さと価格を考えたらタミヤやファインモールドのキットとはまた違った魅力もあるものです。また第二次大戦日本機の特徴としては他国にあまり例を見ない塗装の退色や剥がれの表現がありますが、今回は特にそのテクニックに重きを置いたような誌面構成です。 様々なマテリアルを用いてウェザリングの具体的例が提示されているのは大変参考になります。いま現在最も一般的に広まってるのはヘアスプレー技法かと思われますが、必ずしも流行に乗る必然はありませんし、自分にとって本当に使いやすいマテリアル、やり易い技法を見つけることが大事です。 この手の技法ってミリタリーではよく見かけますが例えばガンプラ、ガンダムUCのネオジオン残党MSでやってもおもしろいかなーとアッハイいま思いつきで書きましたスイマセン… もちろん基本塗装・ウェザリングまで含めて全て筆塗りで美しく仕上げる伝統的な手法も健在であります。その技法で作っているのがMENGのキ98ってかなーりアヴァンギャルドな機体なのは、実にユーモアとウイットの効いた記事だと思われる(のかなー) どちらかといえばハードな weathering (風化表現)が施された作例が多い中、美しく仕上げられた機体は一層目を引きます。隔月刊となっても国内外を問わずに良質の作例が見られることは変わらず、こうして並べてみるにつけやはり海外モデラーの方の塗装の質感、空気感というのは日本のそれとは違うのかなと思ったりもします。撮影環境が違うので写真だけでは単純に比較できない物ではありますが、スペイン人モデラーダニエル・ザマルビデ・スアレス氏の天山艦攻はやはりちょっと、何かスタンダードが違うように感じますね。むしろ製作記事本文にあった 「天山はP-51マスタング、スピッファイア、Bf109、Fw190のような有名機ではありませんが、これらの機体にはないさまざまな魅力を持っています。ありきたりの機体に飽きたモデラーにはおすすめのキットです」 そんな一文に東西スタンダード感の違いを感じたりだ。天山ってすごく普通な飛行機だと思うのだが。 スケールモデルファン隔月化第一弾、ページ数が若干減り価格が若干お手ごろとなり、従来と比べて1ジャンルに特化したような誌面構成で今回はご覧のようにエアモデル中心の内容でした。4/22ごろ発売予定のVol.9は「世界の最新鋭戦闘車両」特集でミリタリーファン向けな構成となる模様。新規スタートということでか今回は割合落ち着いたスタンダードな記事が多かったのですが、 DC-3キットを小特集して作るのは零式輸送機とDC-2というからめ手の方向性も健在で、そこは流石なのです。

タミヤ「1/35 陸上自衛隊 10式戦車」の発売が決定

すでに上記リンク先にて予約を受け付けています。本日配布された静岡ホビーショーのガイドブックには実車(富士学校配備の量産車輛)の写真のみでキットの詳細については未だ明らかではないのですが、各部のクローズアップフォトに併記されたキャプションを引用してみますので想像と妄想と夢とその他いろいろエネルギー源にしてください。 「国産技術の粋を集めた第4世代戦車。自衛隊の全面協力により徹底した実車取材を実施!!」 「モジュール型装甲を装備する近代的なスタイルの砲塔を忠実に再現」 「リング式ターレットについた車長ハッチM2重機関銃や機銃架もシャープな仕上がり」 「アクセントとなる滑り止め模様、砲手サイトも精密な仕上がリ」 「給弾ハッチやバスケット、環境センサーやアンテナ部品が砲塔後面の実感を演出します」 「車体前面装甲に埋め込まれたライトやカメラ、フェングー上のマーカー類も余すことなく再現」 「後部グリルや排気ダクト、ワイヤーロープも立体感豊かに再現」 「ダブルピン、シングルブロックの履帯はリアルで手軽なベルト式を採用」 「最新鋭の10式戦車がいよいよ1/35MMシリーズに加わります。120mm砲を搭載する近代的なスタイルの砲塔は、モジュール型装甲を装備した状態で忠実に再現。車長と砲手を精惇なポーズの全身像でモデル化。車体上部の繊細な模様やサイドスカートも質感豊かに再現。ダブルピン・シングルブロックの履帯はリアルで手軽なベルト式を採用。3種類のデカールも付属。歴代の主力戦車や他国の新型戦車との作り較べも楽しみです。」 2体のフィギュアは画像が貼付されていました(試作品のため製品版とは異なる可能性があります)。おそらく左が砲手で右が車長か。砲手と思しきフィギュアの左手がまっすぐ伸ばされてるのが特徴的で、狭いハッチにぴったり収める工夫…ではないかと。 なお今回の記事はあくまで暫定的な速報みたいなものなので、読者の皆様におかれましては続報その他、アンテナを高く掲げられますよう、お願い致します。

マスターボックス「独・戦車兵4体 少年1体 & 犬 夏のサッカーゲームシーン 」

戦争の合間にサッカーに興じるドイツ兵とそれを見物する少年と犬、ユニークなフィギュアを次々にリリースしているマスターボックスならではの製品です。 ボックストップのシンボルマークが当時のサッカーボールになってます。米英対抗ボクシングセットに比べてものんびりおだやかなイメージで、通称「サッカーやろうぜ!」セットと称してレベルファイブ好き女子の歓心を買うのはどうであろうか。 「戦車兵」となってはいますが、特にボールを巡って競う二人は軍衣を脱いでるので必ずしも戦車兵である必然性はないかも知れません。(ゴールキーパー役と見物する兵士は戦車兵用トラウザーズ着用ですけれど) 完成見本イラストではランニングシャツに「ワシのマークでおなじみの」国家社会主義ドイツ労働者党のシンボルマークが描かれていますが、製品には特にこのマークのデカールが付属するようなことは例えウクライナ製のプラモといえどもあり得ませんのでその点ご注意のほど、いやこれホントは塗装指示なんだけどさ、濡れないよねさすがにね…… パーツはシンプルな1ランナー。火器や兵装を考慮せずに済む、安価な製品開発が可能なシチュエーションを考慮してるんだろうなあ。 無帽のドイツ兵ヘッドがインジェクションで入っているので応用性は高い…かな? こちらはゴールキーパー。腰を落としてどっしり構えています。 見物する少年はかなり細身。戦時中なんで栄養状態があまり良くないのかも知れませんね。しかし状況としてはここはドイツかフランスか。どこの土地なんであろうか。 というのも彼、毛糸帽(?)外すとスキンヘッドに早変わりィ!でほらあっという間に対独協力者が戦後リンチされてる状況に(危)あーでも細身の身体とシンプルな頭部から、これを芯材に「女子高生」作れたりもするかなーほら流行りのいろいろに。胸が平らなのはそのまま千早に。 ボールを争うドイツ兵その壱。箱絵だとゴール前で激しく絡んでおりますが、単独で立たせるとヘンなポーズになるのは仕方が無い。 ボールを争うドイツ兵その弐。「ふしぎなおどりをおどった!」風でもある。 見物するドイツ兵はパイプが良いアクセントです。戦車に寄りかかって自然にリラックスしている状態で、これひとつ+車輛でもひとつの情景にはなりそう。 アクセサリーとしてはこれが無いと始まらないサッカーボールとゴールポスト×2、そして少年のペットと思しき犬が付属。サッカーボールが現在のような形に落ち着いたのは1960年代のことなのだそうですが、サッカーゴールが現在のような鉄骨フレーム+ネットの形状になったのはいつごろなんだろう。 このキットの使用に関してはパッケージに従ってサッカーやってる情景を作るのが素直な利用法と考えますが、その他にもサッカーをやってるとか、例えばサッカーをやってるとか、さらにはサッカーをやってるなどと、幅広い応用が可能なのです。 (´・ω・`) あんまり奇をてらって超次元な事を考えても寒いだけですから、変なネタに走らず素直に製作するのが一番だと思いますよ? いやまったくもって。

マイルストン「俺たちの1/12 洋式便所」 & 「俺たちの1/12 男子便所」

さてさて、アオシマのあおこさんも無事にツイッターに戻ってきたことでありますし、アオシマ/マイルストン共同開発1/12スケール水洗便所のプラモデルを2種類同時に紹介です。 そもそも水洗式のトイレという存在も、元をたどれば古代ローマにまでも遡る、人類社会の衛生的な規範を示す文化物品ではありますが、さりとてただいまお食事中であるという方は、なるべくなら本日の記事はお読みにならない方が文化的且つ衛生的でありましょうとあらかじめ申し添えておきます。 なにしろこのキットが生まれるきっかけとなったのはホビーリンクジャパンのプラギョーザだそうでなんという業界の新陳代謝、入れたら出すのが人類で宇都宮のギョーザは美味しいけれど食べたら翌朝大変だよね! てなことをまず押さえておかねば先に進めないのです。ああ今日は金曜日か。金曜といえばギョーザよりもむしろカレーラ(やめろ) 内容紹介および組み立て、まずは「俺たちの1/12洋式便所」の方から見て行きましょう。 中心となる洋式便器の成形品は1ランナーで構成されています。白一色の成形色には清潔なイメージが漂います。 給水管部分は銀メッキパーツ。このアイテムが発表された際には世の中相当驚かされた突飛なアイデア製品であった訳ですが、ひとつの「プラモデル」として見れば非常に手堅い設計が成されています。 壁は2種類、こちらはタイル壁。 同じくパーテーション的なボード。照明で飛んでしまいましたが「金具」的なモールドが存在します。どちらの壁面も貼り合わせ2枚構成なのは両面ともにモールドが存在することで次々に連結できる、ブロック玩具的な展開を可能としているからです。おおぅ無限のフロンティア。 床面はシンプルなペーパー(取説には「ペーパークラフト」と示されていますが特にクラフトする必要はありません)一枚、基本は「学校」をイメージしている製品のようで地味な床面もこれはこれで良いのですが、オリジナリティを発露させたい方はまずここから始めて見るのはいかがでしょうか。ビニール地の床や足元のマットなど、様々な素材を用いて飾り付ければたちまち夢の空間である。また飾り付け用の素材としては各種のポスターがシールで付属します。どれもユーモラスな雰囲気を満たしたものですがピー○ボー○を揶揄したようなのが入ってるのは如何にも最近のアオシマ的です(笑) 見なれた形の誰もが知っている身近な存在であればこそ、シンプルな形状にも妥協が許されない設計配慮が成されているのでは……と、思わざるを得ない。この絶妙なラインの曲線美は、ひとによっては思わず抱きしめて頬ずりしたくなるような衝動を抱くこともあるでしょう。酒飲み過ぎた時なんか特に。 完成すると見えなくなる配管のサイホン部分まで再現しているのはさすが「文化教材社」の面目躍如といったところで ここが大事なんです。 流し台やおトイレにこの屈曲部位が無いと下水から臭いや虫がわらわら湧きあがって来てそりゃもう世の中大変なパニックになること請け合いで、例え街の喫茶店からサイホン式コーヒーメーカーが失われても街の喫茶店のお手洗いからサイホン式排水管が消え去ることはないでしょう。 ああそうか「カットモデル」に出来るかも知れないですね。まあその、頑張れば…ですね。 便座とカバーはめ込み式で可動します。なお取説には特に記されていませんが行程5番で組んでるのはウォッシュレットの操作パネルなので、ここもディティールアップのポイントとなる箇所でしょう。 給水管の取り付け方向は左右を選べますので、ご自身のレイアウトに併せて設定してください。 壁パーツは上述のようにどちらも貼り合わせ、厚みを持たせていることで自立し易くなってます。なるほどね、当初は貼り合わせずに使えば2倍お得!とかになるかなーとも考えたのは、実に浅はかでありましたな。 サニタリーボックスとトイレットペーパーのロール部分。どちらもキープイットシンプルSSなつくりながら、的確な形状です。トイレットペーパーの切り口が三角に畳まれてるなんてのは都市伝説で実在しませんから、そんなものは再現せんでええです。 そして全景、おおぅ実にトイレである。例によって無塗装で成形色を活かした方向ですが、便器本体にはコンパウンドで磨きを掛けています。塗装仕上げ、パール光沢なんかも悪くないと思うけれど、色塗りを始めるとウェザリングをどうしようかというその、難しい問題が立ちはだかってですね…… 縦横のレイアウトを変更すればより狭い、単身住まいのアパートみたいな風情も出せそうです。タイル壁と目地は塗装で質感を変えた方が効果的かとは思いますが、それにはつや消しの白でスミ入れするとよいのかな?「白でスミ入れ」ってのもヘンな日本語ですが、モデラーなら通じると思う(笑) 便座とカバー共にパカパカ動くギミックが無意味に楽しい。なるほどここから手なり顔なり出したくなるのもわかりますな(笑)トイレットペーパー部分はある程度レイアウトの自由が効いた方が良いでしょうと両面テープで取り付けています。壁面を塗装した場合は木工ボンドやピットマルチ(はがせるノリというやつです)を使えば塗膜を痛めることもないでしょう。また便器内部に「水」を張っておくのはかなり効果的且つ小綺麗なアクセントとなるでしょう、クリアーカラーとか使って。 ここからはお次のアイテム「俺たちの1/12男子便所」の解説となります。しかし何故にわざわざ「俺たち」と銘打ったのであろうか。女子層にだって引き合いはあるだろうと思いますよ男子便所。いやどんな用途かと聞かれても返答に困るが。 一般的な縦長の男性用小便器、Wikipedeiaの「便器」項目によれば床置(ストール)型小便器と呼ばれるものが2セット入っています。 給水バルブがメッキパーツなのは洋式便所と同様のキットフォーマットなのですが、ウォッシュレット内蔵を模していた洋式便所に比べるとちょっと古風なデザインかな?。例えば近年よく公共施設で見かけるような、サニタイザー(便器洗浄溶液)用のディスペンサーがあったりすると今風なんでしょうけれど。 こちらのキットには洗面台が付属していて、これがなかなかよい感じなのです。やはり洋式と男子の2種セットでいろいろ組み合わせるのが、正しい遊び方なんでしょうな。 アクセサリー類はまったく同一なので簡単にまとめて紹介。 洗面台のパーツは単純な構造ながら排水孔も綺麗に抜けてます。毎朝の洗顔・歯磨き・えづきのときにはよくお世話になるこれも生活に密着したデザイン。 このタイプの便器は排水システムが完全に床下に位置するので、さすがにそれは再現されていません。よって組み立ては簡単…ながらも、手を抜けそうな所で決して抜かないパーツ分割となってます。実際、やろうと思えば1パーツでそれっぽく出来そうな観もあるんだよね。 気になる人には合わせ目がいささか処理し辛い構成かも知れません。が、むしろここはターゲットマーカーであるとか芳香剤ボールであるとか、プラスアルファを考えた方が何かと健康的ではなかろうか。 先程ちょっと古風とも書きましたが「学校」ならばこれぐらいが普通なのかなー、イマドキの学校事情もちょいと疎いのですけれど。レイアウトはいささか狭めでこんなに近いと使用時に困りそうですが、「狭いトイレには兄弟も友人もない」って「紅い眼鏡」で言ってました。これも昔の話だね…… 水道蛇口と液体石鹸容器まで備えた洗面台は例えばここに鏡を一枚設定して「洗面所」を作ってみても、そこから多彩な応用と発展が効く舞台となり得るだろう思われます。日々表現者を心がける方ならば、精神の蛇口をひねれば湯水のごとくアイデアが湧いて出ることでありましょう。 「便所のプラモ」ってだけでも十分インパクトがあるものですが、ここからいろいろ展開させてこそのプラモデル、モデラー気質というものでしょう!関連資料は実際の公共/私用のトイレをはじめとしてジャージャーモリモリ山ほどありますが、妹尾河童の「河童が覗いたトイレまんだら」(新潮社)という名著を薦めておきたいところです。文庫になっててお安く手に入るし、面白い本なのよこれ。 でも考えてみればトイレのプラモデルからトイレを作るってのがそもそも狭い視野の発想であって、例えばこれをベースに三体合体ロボットを作るとか1/12スケールのA-1スカイレイダーを自作するとかやってこそ真のモデラー気質かも知れませんねえうーむ。 自分そこまでのガッツは無いのでフツーにアクションフィギュアなんぞを絡めて遊ぼうと思った訳です。「フィギュアと一緒に遊ぼう!!」と、パッケージにも書いてある。 でも、どのフィギュアで? 人気のキャラクターが数多くラインナップされているfigmaなりS.H.フィギュアーツなりを使うのが一般的でありましょう。でもその、マイルストン/アオシマ以外の他メーカーが著作権保持者から正規に版権使用許可を得て製品化したものを、果たして便所の引き立て役に使って良いものであろうか。無論水洗トイレ自体はあくまで文化的な存在でありますし、そこにキャラクターを絡ませるのも殊更に卑下するような行為ではないのかも知れませんが。 が…… 個人であるならそれはもちろん自由な表現の発露であって、なんら規制される云われなどないはずです。ウッディなりヘンリエッタなりもーどんどんやっちゃえむしろ見せて!という気分ではありますが、やはりこの場所はそれなりに多方面に気を使った配慮が必要とされているのでいやホントに、これでも一応。 そこで私は便所プラモの製造元でもあるアオシマの製品にケツを拭いてもらうことにしました(比喩的表現) かわいいmobipの女の子だと思った? ざんねん、アンドロデムスちゃんでした! アオシマアニメスケール「魔境伝説アクロバンチ」シリーズNo.4、ゴブリン一族四天王のひとり赤軍鬼アガイル専用ロボット、1/144スケール「アンドロデムス」ですよむは。 現在では駿○屋などの中古市場でもないとまずお目に掛りませんが、自分が積んでたのは数年前いやもう10年近く前になるのか、アオシマの倉庫から出たデッドストックでたぶん最後の正規流通品。付属の菱形チューブ入りセメダインは完全に死んでましたが、自分も購入以来ずいぶん積んでましたから今更とやかく言いますまい。ああ「なにかのネタになるかも…」と押さえておいてよかった。「なんのネタにもならねーなあ…」と天を仰いだ日々は無駄じゃなかった!製造されてより幾星霜、ついにこのプラモデルにスポットライトの当たる日が来たのです!! 「腹部からつき出ているのはパワー・デラ・キャノンといい、すべての物を原子・中性子・陽子に分解してしまう恐るべき武器である」 …電子は何処に行ったのだ。 ボックスサイドの解説文が科学的なものを装いつつ微妙に間違ってるのはあの時代の「リアルな」言質が持つ、ゆる~い雰囲気が満載(w 当時このキットを塗装まで仕上げた子っていたのかなあと記憶を辿ってみたけれど、そもそもアクロバンチのプラモ作ってたヤツなんて身の周りにはひとりも居やしなかったですね…… でそのパワー・デラー・キャノン(原文二箇所で記述が異なる)、「聖戦士ダンバイン」に登場したオーラバトラー“レプラカーン”にわずかに先駆けるこの位置とこの形は、当時のメカデザイナー達はフロイト心理学を目掛けたチキンレースでもやってたんだろうとか不安になります(笑)模型的には砲身下部に二基懸架されたキンタもとい「火器弾薬庫」のボディへの取り付けがピンもガイドも一切存在しない単なるイモ付けだったのは実に戦慄した((((;゚Д゚)))) 特に関係無いけどこのアンドロデムスのデザイン、「亀の子ボディから直接生えた脚」や「股間の武装」「全体に漂う怪獣テイスト」ってこれバーザムじゃねーか!ゼータガンダムでバーザムのメカデザインを担当した岡本英朗氏はアクロバンチを手掛けた樋口雄一氏の所属するサブマリンに在籍していた経歴があるそうで…… なるほど君の言わんとする意味がだいたい見当がつきました。きみはこう言いたいのでしょう HGUCバーザムがほしい人はアンドロデムスを青く塗るべきです、トサカもあることだし。 状況から推測しただけで確証はないのですが、こうして「HGUCバーザム」と書いておけばほら、ホビーショーも近いことですし「HGUCバーザム」の検索ワードでやって来た人を「HGUCバーザム」どころかトイレのずんどこに叩きこんでこんなの全然「HGUCバーザム」じゃないよ!と悲鳴を上げさせああもういいですかそうですか。 さて脱線した線路脇に日本ロボットアニメデザイン史の暗部を隠匿したところでアンドロデムスと便所の絡みに立ち戻りますと、 このキットって腕が前に回りません。

ペコパブリッシング「ペコブック #2: III号突撃砲」

ペコブックシリーズ第二弾、ドイツIII号突撃砲の写真集です。本邦初公開となる貴重な画像が満載。 って洋書だから「本邦」とは言わんかw さてIII号突撃砲と言えば「ドイツ軍の軍馬」と呼ばれたIV号戦車よりもっと多く作られてほぼすべての戦域で活躍したWW2ドイツ軍を代表するAFV、昔も今も大人気の車両で多くのメーカーからプラモデルやオプションパーツ、資料集など枚挙に暇がないほどのアイテムがリリースされています。ですから今更「III号突撃砲の写真集」と聞いた時にはあまり新鮮なイメージはわかなかったものですけれど。 しかし実物を手にしいざページをめくって驚かされました。本書に掲載されている大判でクリアーな写真の数々はどれも初めて見るものばかり。初公開画像満載と書きましたがひょっとすると前ページ初公開ものかも知れません。いや、自分のアンテナ感度はそれほど高くないので既出分が含まれていても判別できかねる面はあるのですが…… 構成としては前作T-34と同様、ドイツ軍からの個人的な(?)ショットを集めてほぼ時系列的にまとめたものです。ことIII号突撃砲の場合は初期のA型から後期のG型までの形態変化の違いが大きく、ページの中頃でがらりと印象を変えるのが面白いところ。また前作は基本ソ連戦車のクラッシュシーンばかりであったのに対しこちらはむしろ日常的な光景、おちついた表情の兵士と絡むショットが多いのも特徴でしょう。ちょっと乱暴な例え方をすると前作はミズノシゲユキ氏的で、今回は山田卓司氏的なディオラマみたいな、そんなイメージ。 マーキングもふくめて戦車模型のネタ本として使うのが一番だろうと思われます。ハンガリーの出版物ですが序文キャプションとも英語併記で、高校生程度の英語力があれば十分読解できるかな?高校生当時の自分がもしこの本を読んだら……たぶん英語そっちのけで写真しか見ないでしょうけど(笑) AMよりはMMM向きな、大型ディオラマのアイデア源泉となりそうな写真が数多く収録されています。河に落ち込んだ突撃砲と水着姿のドイツ兵の対比はちょっとユーモラス。踏み抜かれた木橋を作るのはものすごく大変そうではありますが、大変なものを作ってユーモラスにまとめ上げるセンスをお持ちの方ならば、是非にも挑戦いただきたい。焚き付けるだけならタダだ! 無論車輛単品派にもぴったりな、いかにもカッチョエエ写真もいくつも掲載されています。第16SS装甲師団やノルウェーの第14空軍地上師団など良く知られた部隊の有名なカラーリングでも、画像自体は初見なものばかり。 人々の自然な立ち居振る舞いからは、まるでその場の息づかいや現場の音までが聞こえてきそうな感慨を抱きます。てなこと書くと「行ったこともないのにテキトーな空想を書くなよプンスカ」なんて叱られそうなものですが、 ステージは戦場です!ってことでホントに音が聞こえてきそうな写真が載ってるのでありますよ。 これはアルケット社工場におけるセレモニー、1943年夏の42式突撃榴弾砲の生産ライン(?)の情景です。このセレモニーとの絡みか次ページには車体上にドイツ女性を満載した突撃榴弾砲の写真、さらにはカメラ目線でポーズを決めた降下猟兵と突撃砲など様々な人の表情も交えて三突好きにはたまらない萌え画像がほんとに多数。 とりわけ個人的に気に入った一枚は1944~45年の冬季と思しき、所属等は不明ながらもフィンランド地域らしい針葉樹林帯で撮影された突撃榴弾砲の最終生産型マズルブレーキ無し、リモコンと同軸機銃を積んだ個体がフェンダー左右にフィンランド式に丸太を載せ、冬季迷彩と積雪、さらには生木のカモフラージュが入り混じった姿が最高にカッチョエエので是非タ○ヤあたりで製品化してもらいたいところで…… しかしその画像は載せずに置きましょう。全部見せちゃうのはちょいと勿体ない、お代を払ってのお楽しみですw