ファインモールド「1/20 天空の城ラピュタ ロボット兵(戦闘バージョン)」

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ファインモールド初となるSFアニメのロボットプラモデルは宮崎監督作品「天空の城ラピュタ」に登場する「ロボット兵」でした。最近の同社製品にはいつも驚かされっぱなしな印象がありますねー。

なお本製品は好評発売中でありますが、今回レビューに際しては発売前に頒布されたサンプルを使用していますので一部製品版とは異なる個所が在ることを申し添えておきます。

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パーツ構成はHLJサイトの方でも詳しく紹介されていますので軽めに済ませますが、手足部分の外装はスライド金型を駆使した驚異の一体成型に加えて表面にも美しいデコボコがモールドされています。「美しいデコボコ」ってなんだかヘンな日本語でもちっとマシなボキャブラリーはないのかと慨嘆するところですが本当に美しくデコボコしているので仕方が無いぞ。よくある梨地モールドや溶接痕とも違った雰囲気で模型的には正しい日本語だと強弁しておきます…

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小パーツ群。ファインモールド製品でポリキャップが用いられるのはこれがお初かな?戦車模型でポリキャタピラの使用は有りますが、関節構造に使用するのは初めてだろうなー。胸に輝くクリアレッドの宝玉はラピュタの紋章がモールドされたF2パーツか紋章部分はステッカーを貼りつけるF3パーツを選択する指示が出ていますが、今回サンプル品の為にステッカーは付属していませでした。他にもパズーフィギュアの瞳がステッカーで再現される仕様です(2パターン・それぞれ予備あり)

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まさに骨といった感じのフレーム部分。「戦闘バージョン」の名称で発売アナウンスが流れたときに庭園もしくは庭師バージョンなどのバリエーションが出るんだろうか出ない訳がない、などといろいろ噂されましたけれど、この構造なら「ルパン三世」に登場した永田重工の戦闘ロボット「ラムダ」も多少のプロポーションの違いもフレームパーツの追加で対応出来そうなヨカン。

ところでこの部分のハメコミには結構なチカラワザが必要で、このあといささか難儀をしました。製品版では改善されているのだろうか?それとも自分のやり方がなにか間違っていたのだろうか…

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なんだか「標本」を作成しているような楽しみがあります。飛行体勢をとる際には両腕の突起が伸びたり飛行膜(?)が展開されたりと、マンガ映画的ギミックが炸裂して楽しいんですけど、飛行バージョンは出ないと確か五式犬ツイッターで明言されていましたね。

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一応の組み上がり。ポリキャップの差し込みが若干奥まったところにあったりで一部設計がこなれてないような観も無くは無いのですが、この通り完成させれば素晴らしい外見とボリュームです。あらゆるところで指摘済みですがバンダイのフラップターと同スケールなんだよな。劇中シーンを再現するのはなにかとタイヘンかも知れませんが…

劇中では出鱈目な強さを誇り大抵の軍事兵器を圧倒しながら 死んでもロリ少女は守る 献身的にシータに尽くす健気な姿は多くの観客の涙を誘い、まるで宮崎駿の精神を具現化したかのような有様でした。フライシャー作品との類似性はかねがね言われるところですが、どこか「キングコング」とも共通する強弱の対比関係があるんだろうな。サイコガンダムにも見られる美女と野獣の対比というかなんとか。

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表面の美しいデコボコ(笑)この段階では胸部のクリアーパーツにモールドの無いF3を使用してます。頭のレンズ部分はバイザーともども目立つ箇所なので、仕上げる際には格好の視線誘導ポイントとなるでしょう。ホビージャパンの7月号には山田卓司氏によるディオラマ作例と共にアクリルスミ入れの簡単フィニッシュ技法が紹介されていて、参考になります。

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凛々しい造型のパズー君であります。アニメ体形人物ながら実にメリハリの効いたモールドで、たすきに掛けられた布カバンなんか実に良い感じです。パズーが食ってた目玉焼きトーストは美味そうだったなァ…

通常だとここで終わらせるところですが、せっかくの良キットをこれだけで済ますのは面白味に欠ける気がする。前述HJ誌の記事もしごく真っ当な内容で、しかし発売以来ウェブ上ではいろいろ楽しい作例が溢れているのもまた確か。

「この体が金属なのか粘土なのか、それすら我々の科学力ではわからないのだ…」

と、組み立て説明書にまで引用されている名台詞を印象付けられる、なにか変った仕上げは出来ないものかなとホームセンターを挙動不審気味に歩いてると(ヤメレ

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ターナーアクリルガッシュのジャパネスクカラーシリーズ、「玉虫色(赤/黄緑)」というものを発見しました。(色見本はこちらに)ちょっとメタリックなブラウンぽい印象を受けましたんでひとつこいつを使ってみようと。金属でも粘土でも無さそうな物が出来ればよいかなー、白と黒の下地によって色合いが変化するのかフムフム。

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早速白と黒に塗り分けてみました。

牛かよ。

思いのほかニューギューでホルスタイン州を感じる有様になってしまいまつた。もうどんどん行こうねブレーキかけないよね。下地塗装に白サフ吹いてアクリルのホワイト塗ってたら「折れたァー!!」とか仮面ライダー龍騎ブランク体みたいな悲鳴を上げたりもしたけれど、わたしは元気です。

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それで件の玉虫色、実際にチューブから出してみると思いのほか真っ白でした。これはヤッチマッタカ…なんて不安に感じながら実際に塗布してみるとああ、これは確かに玉虫の色だ!むかしはよく野原で捕まえたもんだ…

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使用前と使用後です。実際に色彩が変化するのは塗料に含まれるメタリックな色材のようで、塗膜そのものは透明になるのか。いわゆるマジョーラとかパール仕上げとか、それに類するコートに近いのかな。水溶きかつ筆塗りでそれが出来るのはハードルが低くて良いかもです。

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下地の塗り分けをワザと不規則にしたのは迷彩塗装とかではなくて、胴体部分の形状を見てたらなんとなくこー、民芸品というか茶器というかほら、なんだか「へうげもの」っぽいじゃない?とかそんなふうに思いましてな…

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これで完成状態であります。ホワイト部分にもパール光沢はあるんですが、デジカメ撮影すると飛んじゃいますねぇ。バイザー部分だけは成形色のまま…ではなくレッドブラウンをちゃんと塗ってから玉虫色を塗布。しかし成形色のままでも大差無かったかもだ。

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黒地の箇所にはなんとも言われぬ微妙な光沢が広がりまして個人的には実に満足です。オーラバトラーなど、生物感の表現にも使えそう。お手軽なパール塗料と考えればFSSのモーターヘッドでも応用が効くかも知れません。一風変わった仕上げを求めるモデラー諸氏に如何かと。

画像サイズを大きめにして必死のドライブラシを施したラピュタ紋章を見せようと試みたんだけど、あんまし目立ちません…

「玉虫色の解決」なんていうと日本語ではあまり良い意味ではありませんが、玉虫の色自体は奈良平安の昔から珍重されてきた美しいもの。アクリルガッシュで玉虫色の解決はなかなかに面白いものです。

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通常白熱灯でやってる撮影照明を蛍光灯に変えれば赤銅色に一変します。

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白熱灯+蛍光灯で緑銅+赤銅の重なり合った風合に。ちなみにバイザー部分のクリアーパーツは裏側にアルミホイルを挟み込むという原始的な手法で輝度を上げてます。

自然な日光のもとではどうなるか試したかったんですが、どうもここのところ梅雨空の曇天続きでそれは断念。いずれ個人的にも撮影しておきたいものだな。

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パズー君との対比状況。色塗る前にやっとけよと誰もが思うところであろうが…

スイマセン、うっかり忘れてたんですorz

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これもうっかり忘れてた可動範囲の確認ポーズ。

「本製品は各部が可動しますが、これは展示時のポーズを決めるためであり、可動を繰り返し楽しむことを目的としておりません。

 可動を繰り返したり無理な力を加えるとポリキャップがゆるんで外れたり、部品の破損を招く場合がありますのでご注意ください」

と注意書きされておりますのであんまり無茶はするものでないです。ええ、肝に命じておきます…

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たまには色指定を無視して好きに仕上げるのもよいものですが、一応キットの指定ではアニメに準じて全身ウッドブラウンと要部にマホガニーとなってます。またロボット兵と言えばジブリ美術館の屋上モニュメントが有名ですが、そちらは錆びた金属色のようですね。チケットを入手して潜入取材も考えたんですけど、ジブリ美術館訪れた方々が大抵ロボット兵を撮影してブログ等ウェブ上にアップロードされてたので、労せずして詳細が判明しました(笑)

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