アオシマ「1/72 月周回衛星 かぐや(SELENE)」

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「selenological and engineering explorer」略してSELENE計画の主要部分を占める探査機につけられた愛称は「竹取物語」のヒロインから採られた「かぐや」。開始当初に「せめて3つは続けたい」と担当の方が仰られていたアオシマスペースクラフトシリーズも堂々のNo.5製品です。

ところでGoogleの機械翻訳にただ「selenological and」と打ち込んだだけで即座に「かぐや」と変換されるのは誰の陰謀だ(笑)実機は2007年9月14日に打ち上げられ(HII-Aロケット13号機を使用)日本の衛星探査としてはかつてないほどの成功を収め多大な称賛を受けた後、2009年6月11日に運用を終了。探査機は月面に制御落下しその役目を終えました。かぐや姫は月に帰りました。

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「現代萌衛星図鑑」の表紙を飾った人工衛星としても有名な「かぐや」は、これまでのスペースクラフトシリーズとは一線を画した漆黒の機体が特徴です。シックなおとなのよそおいですねとか軽々に言ってしまってよいのだろうか…

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本来シルバーである部分は実機では鏡面仕上げになってる箇所も多々ありで、綺麗に塗装するのは結構手間が掛りそう。しかし衛星本体の資料ってあんまりないものですね。

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太陽電池パネルがクリアーブルー成形なのは、第二弾HTVからの、スペースクラフトシリーズの基本フォーマットだと言ってよいかと。

そして撮影するのをすっかり忘れていましたが

月レーダサウンダー用の金属線が4本付属します…

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縮尺もHTVと同スケールの1/72モデルです。このシリーズこれまでに「はやぶさ」しか組んだこと無かったのですが、観測機器も多く搭載されている大型衛星はディティールやギミックもいろいろ。

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メインエンジン周辺のトラス構造は面白い形状です。しかし黒一色の部品って撮影し難いものだな…

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太陽電池パネルの表面にもディティールいろいろ。そしてやっぱり撮り辛い。

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例によってカタチそのものは単純なので、プラモデルとしては組み立て易いものです。「はやぶさ」と違ってアンダーゲートもないのだな。実際には「ブラックカプトン」と呼ばれる導電性の高いフィルム素材に覆われたための黒色なのですが、それを上手く再現する方法はちょっと思いつかないな…

ところでなんとなく「棺桶」を連想。黒いからねえ。

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トラス部分は8個のパーツをうまい案配に並べて綺麗な八角形を形作る必要があります。この辺ダボ形状を工夫するとかでもうちょいと「決め打ち」出来たら良いのになーと、思わなくもないです。メインノズル以外のスラスターが省略過多なのは、このスケールでは仕方が無いんでしょうけど。

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2個あるパーツNo.10の取り付け角度がいまひとつ不明だったのでいろいろ調べてみたら、そもそも形状がぜんぜんちががががががが

と、ゆーかですねえ、ここんとこって「スタートラッカ」と呼ばれる天測航法装置なんですけどー、打ち上げ前にJAXAで公開した際の、カバーで覆われた時の状態をそのまま立体化してるっぽいぞーと

…うん、あんまり難しい事を考えるのはやめよう。手軽に組める、よいアイテムです。

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ハイゲインアンテナ支柱パーツNo.24の取り付け穴はいささかタイトなので、若干広げた方がよいです。無理に突っ込むと中でピンが折れてずっとカラカラ鳴ってるとゆー怪談めいた話になるかもしれませんよあくまで仮定のSFてき話題ですよ?

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アンテナ本体はつねに地球に指向されています。本キットで唯一「表情」を持たせられる箇所なので「かぐや」と月、地球の位置関係を考えて自由に設定してください。

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2個搭載されている子衛星はクリアパーツの壁で床と天井を支えるツーバーフォー建築みたいなパーツ構成です。

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リレー衛星の「おきな」、VRAD衛星の「おうな」、放熱板の形状の違いが識別ポイント…で、上部(なのか)に放熱板3つあるのが「おきな」で2つの方が「おうな」である、と。この画像で左がおきなの右おうなですわ。

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「かぐや」本体への取り付けはスナップフィットでも十分イケる、取り外し自由のものです。が…取り付けたままのほうが宜しいかと思われます。

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がらりと印象が変わる月磁場観測装置のマスト。無動力で展開できるすぐれものの構造です。キットでは短縮された状態のパーツも選べますが…伸ばしたままの方が良いかと思います。

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大型の太陽電池パネルを取り付け、

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四方に伸びる月レーダサウンダーを金属線で再現すれば「かぐや」は完成。なんだかアメンボみたいである。

一見して判るように完成した「かぐや」はかなりの空間を占有します。展示スペースにもよるのですが、出来るだけ無駄なく飾ろうと思ったらあんまり展開させない方が良いのですけど…

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飾り台はシンプルなものです。

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本体のこの位置で支えるカタチになります。それで本体の重心よりも太陽電池パネル部分の兼ね合いにもよるのですが、割と落ちやすいです…

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故に本体前方に子衛星を乗せたりアンテナマストを展開してバランスを保っておいた方が、いろいろ安定して良いかなと思われます。いや、飾り台と衛星本体をがっちり接着してしまえば特に問題になるところでもありませんが…

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「かぐや」に要求された観測ミッションは全部で15あり、任務に応じた各種の観測機器によって大きな学術的成果を上げました。その全てを挙げるのは自分の手では負いかねることですが、例えば月内部にトンネル状の大空洞を発見したことは松浦まさふみのガンダムコミック「ムーンクライシス」ファンとしては嬉しいなあ。だれか月面アッグ作ってくれ。

報道見ながらそんなことを思いましたねぇ。ちっとも学術的じゃありませんな(w

でもね、「かぐや」の達成した任務で最も大きな成果を挙げた、もっとも大勢の人に知られたミッションは、学術とは縁遠い所にありました。


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NHKの開発したHDTVカメラによって撮影された多くの映像、美しい光景はテレビに流され出版物に流布し、大勢の人に月と地球とそして宇宙のことを知らしめます。インターネット上のアーカイブに保存されたこれらのデータによって、我々はこの先もずっと「かぐや」の旅路とその功績を忘れ去ることはないでしょう。

嫦娥1号のことは忘れて良いでしょう。

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そのHDカメラですが、キットで言えばこの部分に格納されています。そういう大事な情報は是非取説に記しておいてほしいものですけれど、悪い意味でアオシマスタンダードな、周辺の情報は何にも記載が無い組み立て説明書なのですな。

と、いうわけで本記事執筆にずいぶん参考になったJAXAサイト内の「かぐや」公式ページのURLを貼っておきます。当然、キット製作の参考にもなるかと思われます。

http://www.kaguya.jaxa.jp/index_j.htm

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いろいろありましたけれど、やはり完成してみるとよいものですね。PCモニタ画面に月の画像を映して簡単な特撮(?)。「プラレス三四郎」で唯一プラレスラーを使わなかったディオラマ対決の回がさーとか言い出したらその人は重度の昭和病ですから隔離されるべきです。

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