フライ「1/72 アブロカナダ VZ-9 アブロカー」

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どういった飛行機なのか詳しいところは知りませんが、見ての通りのシロモノです。メイド・イン・チェコリパブリック。

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この手のトンデモ兵器、以前は渓 由葵夫氏による「奇想天外兵器」シリーズ(新紀元社刊)がいろいろ解説していたものです。いまは別の版元で文庫になったり出版形態を変えて存続しているようですが、ちょっと目を通しておけば小ネタに事欠かない、よい文献でした

とはいえ今時はネットで調べりゃいろいろ出てくるものですけどね。おお、動画もあるのかー。

わかんないのはWW1航空機モデルなどを専門にしているFLY社が、何故に突然こんなケッタイなものをキット化したのかってことでしょうか……。

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開封すると「お、おう…」って思わず声が出ます。いや開封前に予想してしかるべきだと思いますが、実に男らしい分割です(w

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プラスチックパーツはいわゆる簡易インジェクションでしょう。最近はグレードが上がってきてるので通常の金属金型(変な日本語だな)用いたモデルと比べて、パーツの形状やディティーリングにさほどの格差は見えません。

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細かい部分はレジン製。こちらはインジェクションパーツ以上の精密さです。

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アメリカ空軍/陸軍共同のプロジェクトなので両軍のレターが入っている面白いデカールと、やはり簡易インジェクション製の透明キャノピーパーツ。

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パネルラインなど綺麗なもので、ひと昔前の簡易インジェクションキットとは随分と隔世の感があります。機体形状がシンプルなのでパーツの合わせについてもあまり心配にならない(笑)

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操縦席はシートベルトまでモールドされています。エッチング要らずです。

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注意すべきはレジンパーツの繊細さで、洗浄している間に気がついたら折れていたOTL さいわい単純な形状だったんでプラ板による修復が可能でしたが……

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繊細なレジンパーツの切り出しに注意しつつ、組み立てていきます。パーツに比べてゲートは大きめなので、細刃のノコギリなどを使いましょう。

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ボディの曲面とレジンパーツの合わせはぴったり綺麗に決まります。また切り口そのものは完成すれば見えなくなるので、切り出し後の処理は全く気にしなくてもいい…のですが、

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ただしレジンのパーツNo.1、機体左右のグリル部分だけはコックピットと干渉するのでこのままでは機体の上下が合わなくなります。

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そこでこのように一部を切り欠く作業が必要となります。ライン取りはアバウトで十分なのですが、ディティール部分を破損しないように心がけます。説明書に何の記載も無いのは単なる不親切なのか、設計担当者が試作品を組んでなかったのかさあどっちだ(w

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シンプルな分割で合いも良好とはいえ、機体上下の接着はピンもダボも無いイモ付けなので輪ゴムを使ってがっちり固定させましょう。なんだこのプレイ(プレイってゆーな)

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機体前面にはバンパーらしきパーツがつきます。前とか後とか、あまり関係ない気がするが。

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機体底面には異様にシンプルな着陸脚が3本配置されます。実物はどんな具合だったんだろう? ところでこの着陸脚、パーツ自体は4セット分あります。これは単なる親切なのか設計担当者が試作品を組んでなかったのか(略)

ホントに謎なのはタイヤだけは何故かレジンパーツの方にも存在していることで、抜き具合に関してはレジンだろうがプラだろうがさほど変わりはないといううううむなんだこれ。

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で、完成です。コパイシートの方はキャノピー外してカバーされた状態も選択可能。この機体で副操縦士の役割ってバランスウェイト以外に何か有ったんでしょうかしら。

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前から見ようが後ろから見ようが大差ない機体外形。ロシアの砲艦「ノヴコロド」を思い出しますってアレも「奇想天外兵器」では常連のトンデモだったな……

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上から見てもただ丸い。三基のジェットエンジンで中央のファンを駆動させ、そこで発生する推力でVTOLする予定でした。ジェットエンジンの排気を直接噴射してファンを回すのは如何にも乱暴な設計で、結局は推力不足で「燃費の悪いホバークラフト」程度の物にしかならなかったのは以下の動画からも明らかでしょう。


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手作り感満載の製造過程はなんだか映画の大道具みたいなノリではある。試験運転の様子は傍から見てると面白そうではありますが、実際に乗ってる身としてはどうなんだろうな……

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あまり適切な比較対象ではありませんが同スケールの零戦と。本機はあくまで円盤型垂直離着陸機のテストベッドであり、外形寸法も可愛いものです。1950年代の米軍は様々なフライングプラットホームやフライングジープを試作しましたが、結局どれも陽の目を見ることなく消えて行きました。技術よりはそもそもの発想に問題があったんではあるまいかと愚考しますけれども、「車が空を飛ぶような未来予想図」を実現性あるものとして捉えることが出来た時代性は、ちょっと羨ましい……

なおHLJ本体の夏期休暇と併せて当ブログのほうもしばらくお休みします。次回の更新は8/19の予定です。

ってことはつまり、しばらくはこの記事がトップにあり続けるってことぢゃないか Σ(゚Д゚;)

ま、まあ見た目も「お盆」みたいですし(皿だろ)

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