MENG「1/35 ロシア 主力戦車 T-90A」

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終戦記念日にロシア軍戦車プラモを作ってるって日本人としてどうなのか。そんな葛藤は蒸気ローラーで踏みつぶしつつお盆の休みで組んでたMENGのT-90Aです。「A」が大事、割と。

※例によって今回も画像多めとなっております。盛夏の季節に重いページ構成は避けたいものでありますが。まことにいかんともし難く……。

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パーツ総数が1300強と聞いた時には目の前に数えきれない程の木が生えた幻覚を見る思いでしたが、中核となるパーツ構成はまあ、MENGとしてはいつものレベルであります。これが「いつものレベル」だってあたりからしてスゴいことではあるんですけれど。

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Eパーツ×3、FパーツとGパーツはそれぞれ×2封入。

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微小なマーカーランプを除いたライトやペリスコープ類はすべてクリアーパーツ化されています。

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パーツ総数1300越えの原因の一つ、キャタピラ関係。ゴムパッドを含むキャタピラブロックとセンターガイドはHパーツ、軟質樹脂のキャタピラリンクは「H3」パーツでそれぞれ×8、さらに治具となるJパーツで構成されます。

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開封してパーツ状態を確認した後でも、実際にキャタピラ組み立てるまでは袋にしまっておく方が無難でしょう。

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パーツ総数1300強の原因ふたつめ、MENGの車両関連では初の試みとなるエンジン内蔵です。MとNの2枚のランナーに纏められています。

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車体上下パーツは梱包時にはテープで結合されていました。破損への対応は少なからず配慮されているようです。

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通称を“ウラジーミル”と呼ばれる角型溶接砲塔。ロシア戦車といえば長年鋳造砲塔でしたが、このT-90Aにして初の変革を見せた点であります。だんだんと「西側」よりの設計思想に変わっていくのか、それはそれで面白くないなーというのはマニアの勝手な思い込みであり(笑)

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ポリキャップとワイヤー用の縒り糸に加えて軟質樹脂性の防循カバー、さらにアクセサリーとして戦車兵キャップが2種付属します。遊び心の余裕もあって楽しい製品構成です。

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エッチングはタイヤ用のマスキングガイドも含めて3枚、デカールは別刷のカラー塗装図で解説された6種類のマーキングからの選択となっています。旧ソ連時代の独特なフォントに比べておとなしいタッチの現用ロシア戦車車体番号は面白身には欠けますが、美しいホワイト印刷の数字デカールは重宝するものでもあり。

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取説は単なる組み立て過程の記載だけでなく、本製品の監修作業を行ったロシアの軍事研究家 Alexey khlopotov 氏によるメッセージ・車体の解説や各部機能の図解、ロシア軍戦車中隊の車体番号一覧(所属部隊の違いで表記方法が異なる)など盛り沢山な内容となっています。懇切丁寧な製品パッケージにも毎回新たな進歩がみられるのは成長著しいMENGモデルの素晴らしい特色でしょう。また後述しますが組み立て過程には一点誤記があり、そのことが香港での新製品リリース直後に発覚するやただちにWebサイト上に訂正図アップロードされたのは中華系メーカーとしては極めて異例な対応で、実に驚かされたことです。なんかその、某銅鑼、いや、ゴニョゴニョ……

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パーツの成型状態に関しても常の通りに折り紙つきの素晴らしいものです。全部上げるとキリが無いので赤外線サーチライトの放熱機構に見られる切れのよさと、ロシア戦車特有のプレス構造による柔らかい曲面の、それぞれ表現の違いとメリハリの利いた様をご覧ください。

正直な気持ちを赤裸々に書くとだね、ただパーツ見ているだけで自家発電(隠語)できそうですよええ本当に。

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興奮する気持ちとジョニーを宥めつつ組んでいくわけです。転輪関係なんてどこも皆同じと思うでしょ?

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タイヤのゴム面にはトレッドパターンがモールドされています。

(  Д ) ゚ ゚

いやはや、マジでこんな顔になりましたよ?飛び出した目を拾うのが大変でしたよ??完成するとほとんど見えなくなったり汚されたりする箇所ではあるけれど、なるほど確かに実車には存在するディティールです。こういうところで手を抜かないのは他社バッティングアイテムが氾濫する昨今では特に有効な手法なのかもしれません。組み立て過程の最初の一手でコレだものなあ。

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シャーシー底面はプレスの美しいラインと上品な梨地処理が素敵。

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旧ソ連時代から受け継がれる伝統の折りたたみ式ドーザープレートは作動アームも別パーツで実感たっぷり。アーマーモデリング2013年9月号の作例記事を読んだ人ならお分かりでしょうが前面下部装甲板D-60パーツのボルト周囲にある溶接痕モールドをバリと間違えて削らないようにしましょう。なおこの画像はバリと間違えて削った場合の例です。ああ、私は社会における「他山の石」そのものでありたい。

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各サスペンションアームの取り付け角度はかなり微妙なものです。取説の解説図を参考にして下さい。

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AMX30と同じくプラの弾性を利用してトーションバーごとサスペンションが可動するので、だいたい何とかなりますけれど。

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キャタピラの作成は本キットの最大のポイントであろうと思われます。この過程については一足先にアップロードした記事をどうぞ。通常の製作記事内に埋没させちゃうのはちょっと惜しいものだったんで、あらかじめ推しておいたのですよー。

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V-92S2ディーゼルエンジン。当初は「見える範囲で立体化」なんて聞いたように思っていたので、シンプルなパーツなのかしらんなどと侮っていたらそんなことはなかった!単品でも成立しそうなディティールと内容です。ちょっと不思議なのは、このキットも海外メーカーによくある「パーツが色んなランナーの枠に分散していて、ひとつの過程でランナーをとっかえひっかえしなければならない」症状を呈してはいるのですが、エンジン関係はMとN、一覧を見ればわかる通り最後の枠内できっちりまとまっています。エッチングもエンジンのパートだけ別に起こされている。これは一体何だろう?

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車体内部の燃料タンクや防火壁もMランナーで、例えば後々バリエーション展開するときこの箇所だけすげ替え、あるいはオミットも出来る構成ではあります。

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不思議に思いつつ作業は続く。T-72とは違って当初からコンタクト-5爆発反応装甲を組み込むことが前提の車体設計なので、ERAを追加した方が車体のライン取りは綺麗になるところがおもしろいもんです。

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右側フェンダー上の燃料タンクから伸びるパイプがプラ成型なのは基本「なんでもプラでやる」MENGならではの製品構成でしょう。ストレートフロムザボックスで完璧な内容となる、ディティールアップパーツ要らずの内容です。

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あれだけ力の入った内容のエンジンも殆どの部分が見えなくなる。見えなくなるところでも力を入れるのはタイヤパターンに通じる本キットの特色なのかもしれません。

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エンジンデッキカバー、N7パーツはヒンジを介して可動します。この際 M22、M23の軸を受ける側のM24、M25パーツはそのままではやや手狭ではめ難いので、いささか削り込みが必要となります。小さなパーツでタイトな作業にはなります。

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取説には何も記されていませんが不用パーツとなるB2が実は固定式のエンジンデッキカバーだったりします。ヒンジも一体化されていてエンジンを組まずにこっちのパーツでフタ締めちゃうのも楽っちゃ楽です。

なんで「B2」なんて若い番号のパーツが何の説明もなく不用となるのか、それもいささか不思議な話で……かなり大胆な推測をするに、ひょっとしてこのキットって設計当初はエンジンレスだったんじゃあるまいか。MENGにしては珍しく第一報から製品化までは時間の掛った製品で、その間にズベズタから先に出ちゃいました(ズベズダのは製品名こそT-90ですが中身は溶接砲塔のT-90A、同一車両なのです)から、あるいは追加で再設計……とか。

もっともT-90の製品化予告自体はズベズダのほうがずっとずっとず~~~~~っと先に出してたんで、そうそう簡単な話でもないのでしょうけれどね。

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サイドスカートの組み立て自体は問題ないのですが、キット説明書の行程22はパーツ指定ミスがありますの。HLトレーディング通しの製品には別刷で訂正リーフレットが封入されていますのでそちらをご参照の上、正しいパーツで製作してください。しかしホント、この箇所のメーカー対応早かったなー。

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後部ドラム缶型燃料タンクのパイピングもプラパーツです。ここの取り回しはかなりタイトで、実はちゃんと接続できてません(恥)取説でいうと行程19で取り付ける支持架F7パーツ×4をその段階では仮留めで済ませ、行程25・26でドラム缶本体とパイプの接続を見ながら固定する。そんな段取りで進めるのが良いみたいです。MENGのキットは成形が良好でどんどん組み立てを進められるプラモデルなのですが、ここぞと言う時にはやはり慎重さが要求されるもの、間違っても「お盆の間に作り上げなきゃ!」などといったキョーハクカンネンで作業することは避けましょうよええ。

なんかもう、車体組むだけでカツ丼の2~3杯は食べたぐらいにおなかいっぱいで……

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でも「砲塔は別腹」ってよく言います(言わねー) ERAを始めとした外付けのさまざまな補機類は、巧妙に一体化されたものもあってあまりストレスを感じさせません。むかしどこかのメーカーのミニスケールで、あれはT-80だったかなあ。ちょっと箱を傾けたらなかでジャラジャラと、砂利でも入っているのかそれともERAが全部別パーツだったのか、とにかく恐ろしい音が響いて到底開封できないシロモノがありましたけれど……

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砲塔内部には砲手用のコントロールパネルが存在します。とっくの昔にエクトプラズムまで絞り出されてますから今更何も出てきませんが、とにもかくにも驚いた。またこのキット、砲塔や車体各部のペリスコープがブロックみたいに厚みのあるクリアパーツで再現されているのがちょっと気持ちいい(?)ところです。実物の構造とは異なる物かも知れませんが、透明プラ板切り出すよりずっとずっと楽しい。それって大事なことですよん。

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砲塔前面、シトーラ1防御システム用に2機備えられた赤外線サーチライトはまさしく本車の「顔」と呼べる箇所ですから丁寧に仕上げましょう。その際には軟質樹脂製防循カバーへのドリル開口作業が勝利のカギを握ることでしょう。上手くいかなかったら 政治亡命しましょう 画像撮影をナナメ方向に限ってなるべく歪みが目立たないようにしましょう!たまにそういうタレントさんもいます!!

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IRライト自体は前面の放熱ロッドが板状な物に変更された最新の製造ロットでパーツ化されています。従来の前面まで含めて棒状のスタイルの方が放熱効果は高いのでしょうが、どうも強度的に問題があったようで。この辺の詳細はホビージャパン刊行の写真集が大変参考になります。

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デザートまで濃ゆいものを食べさせられている気分の車長キューポラ。こちらにも操作パネルが存在します。いずれフィギュアも出るのかな?

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最新鋭のKORD重機関銃を搭載しています。ハッチを閉じたまま遠隔操作での対空射撃も可能とする機構は、おそらくは冷戦時代からそのまま連なる設計思想の結果なのでしょうけれど、現代の市街戦・低強度紛争での要求にも合致するものでしょう。弾薬箱の後ろに設置されてる箱状の装置って何に使うものなんだろう??

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なおキューポラ基部が円筒状になっているのは砲塔に差しこんで回転機構を再現するためでありますが、その際円で示したツメ部分は切り飛ばしちまった方が賢明です。こんなに繊細な部品がついたものをグイグイ力押しで差し込むというのはいくらなんでも自殺行為だからです。

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砲塔にキューポラ、そして主砲を取り付けて完成ですよ同志!谷原章介の愛称は?「хорошо!!」だいたいそんな感じである。終盤ちょっと息切れしかけて恥ずかしい面も多々ありながら、どうにかこうにかお盆の間に出来上がりィ!

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大変な箇所も2、3あったりはしますが、落ち着いて取り組めばひとつひとつの作業は難しいことではないでしょう。強いて注意点を上げるとすれば細かいパーツ、細い取り付けステーが数多くあるのでエナメル塗料によるスミ入れは恐ろしい結果を招く可能性があります。最近はやりの「アルコール落とし」は現用ロシア戦車に向いた技法と言えましょうか。

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コンパクトな車体・砲塔に長口径の主砲を備え、全身くまなく追加装甲で身構えたロシア戦車は本当に格好ええなあ。ここ数年どんどん新製品が発表されているのは、ロシアそのものが模型市場として拓けて来ているって事情もあるのでしょうね。

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なんども繰り返しになりますが本キットの一番のポイントはやはりキャタピラでしょう。ダブルピンの連結可動履帯をノーミス・ノーストレスで組み立てられるとはまったくもって驚きである……もう、深夜に枕を濡らさなくていいんだ!

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おまけの戦車帽はともかくワイヤーロープを取り付け忘れたのは泣くというか恥ずかしいというか深夜に複雑なテンションとなるもので(恥)

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やはり正面から見るとライトが歪んでるorz

ロシア陸軍の新型戦車「アルマータ」も漸く形となりそうな気配なのですが、しばらくはこのT-90Aこそが第一線で主力戦車としての任を果たすことでしょう。例の「戦車バイアスロン」にはこのタイプの溶接砲塔装備T-90Aは出てなかったみたいですが、いずれは本車もピンクや水色など、日本のマンガやアニメみたいなカラーリングに……

ロシア軍にも諸事情あるそうなので、この先そういうものが見続けられるかどうかはまた別なのかな?

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