トミーテック「1/144 MSS MZ002 EMZ-26 ハンマーロック」

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トミーテックMSSゾイドシリーズNo.2、帝国軍小型格闘戦型戦闘機械獣ハンマーロックです。バードス島に関係ない方の機械獣です。

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ゾイドの歴史も長い物で電動/ゼンマイによる動力歩行モデルからはじまってブロック的な組み替え製品、「黒歴史」っぽい性格のものまで様々なフォーマットのシリーズがありました。現在トミーテックのブランドで展開している「MSS」すなわち「モデラーズスピリットシリーズ」はこれまでになくプラモデル的性格を持つ製品ですが、ゾイド製品の「血統」はしっかりと受け継がれています。


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小分けにされたランナーで一部塗装済みパーツがあるのは「技MIX」など最近のトミーテック製品らしい仕様。

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各関節部分はポリキャップ内蔵で可動します。この点が従来品とは一線を画すあー、コトブキヤのとか、ありますけれども。

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その他小パーツ類。肩アーマーには型式番号「EMZ-26」がタンポ印刷されています。パイロットはこのサイズで塗装済みなのはイマドキのモデルではよくあるものかもしれませぬが、むかしはゾイドのフィギュアって金ピカのお地蔵様みたないのばっかだった気がする。時代だなあ……

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水転写式のデカールと塗装済みディスプレイベースが付属します。玩具的デザインの立体にスケールモデル的なアプローチをする点では、現在のガンプラよりもよりオーセンティックなものかも知れませんね。

ところで画像は撮ってないけど取説やボックスサイドの注意喚起欄など、パッケージングのビジュアル的な側面がアオシマ製品によく似ているのはなにか関係があるのかしら?

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ともあれ、この鈍く輝く半ツヤ消しのプラスチックの質感こそが、いかにもゾイドらしいなと思う訳なのです。

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コックピットコアは帝国軍小型ゾイドに共通の物です。共和国軍のそれと比べて細面のイケメンスタイル(笑)様々な機体に用いられたいわばアイコン、シンボル的なカタチで、本シリーズでは「シンカー」にも採用されていますな。

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小型の肉食恐竜を模してデザインされたコックピットが、わずか2パーツ加えるだけで立派なゴリラ顔になるのですからこのあたりのデザインセンスは優れた物です。「額」のモールドがそのまま「鼻筋」になる処理など絶品で、オリジナルシリーズで帝国軍小型ゾイドが展開されていた時代は、様々な意味でソイドが熟成されていた時期だったのでしょうね。シーパンツァーとか格好良いぞ!ヤドカリ型だけど。

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オリジナルでは動力部分が大きなスペースを占めていた胴体ブロックは、関節をいくつも備えて自在に可動するようになりました。ここはむしろオリジナルよりよりも更にさかのぼって、デザイン画そのものが持つポテンシャルを引き出していると言うべきか。

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フレームの上に外装を被せるスタイルです。身体各所の「キャップ」部分もまた、昔と変わらぬゾイドらしさを見せるパーツですねえ……

あ、書き忘れてましたけれど本キットはいちおう接着剤不要のスナップフィットスタイル。ですが胸部インテークを始めいくつか細かなところには、ごく少量のセメント塗布はしたほうが宜しいかと。

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胸部装甲は展開してボディ内部をのぞき見ることが出来ます。昭和なノリでいえば「ロリコンを再現したボディ」というヤツできっとこのハンマーロックは雌なんだろうと、そういうことにしておけばその方が楽しいぢゃないか。機械生命体に性別があるのか、どうやって繁殖するのか、却って疑問は尽きないけれど。

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腕部分、関節の構造こそシンプルな単軸あるいはボールジョイント可動ですが、腕部内に動力パイプの「逃げ」を設けて肘関節の動きを阻害しない様に処理してあるのはイイ感じです。

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元々は固定されたままの造型が前提だった(であろう)オリジナルデザインを尊重したまま、且つこの小さなサイズで自在な可動を実現化させているのはなかなかに眼目置くべき箇所かと。

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脚部も腕とほぼ同様の構造、しかしながら碗部ほどのダイナミックさを感じないのは、

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思わず同情したくなるほど足が短いからでしょう。仕方ないよ、オリジナルがそういうデザインなんだから。短足って罪かよ!そんな目で見んなよ!!(逆ギレ)

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兵装関係もオリジナルと同様の誘導対空ミサイル、連装ビーム砲、バルカン砲パックが付属します。ゾイドと言えば武器セットも豊富にリリースされていたイメージがありますから、このMSSでもそういう方面の展開を期待したいところ。

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頭部と手足、全ての兵装を指示通り取り付けて本体の完成です。どこから見ても立派なゴリラ体型だ。上腕部など未使用のハードポイントもありますので、取説指示以外の搭載や他キットからの流用も可能な拡張性の高さは昔から変わらぬゾイドらしさ。

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ポリキャップ関節を活用して他機種の四肢も流用できるかな?ゼンマイ駆動を考慮せずにパーツ互換できるのは「ブロックス」的でもありです。

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このサイズでコックピットや機体内部が再現されているのはいつにない密度の高さ。子供向けな「玩具」よりもややハイターゲットな層を狙うのは近年複数のメーカーから発売されているゾイドアイテムに共通の戦略でしょう。それだけの歴史とファンの層が積み重なっているコンテンツなのです。

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そしてやはりMSSシリーズの魅力は躍動感溢れるポージングを自由に決められることに尽きます。ユニークな動きながらやはりどこかにぎこちなさを残していたゾイドに、一躍俊敏でパワフルなイメージを付加したのは1999年から放送された一連のTVシリーズで、特に第二期のオープニング映像でダイナミックにドラミングのポーズを魅せてくれたゴリラ型ゾイドの勇姿は忘れられません。そうあの

アイアンコングの姿を。

今ならアイアンコングはアニメのオープニングにも出てたシュバルツ仕様がコトブキから出てますけれどまーその、いまもむかしも小型ゾイドはおこずかいの少ないひとの大きな味方なのです。

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当時TVシリーズのゾイド作品で用いられたCG映像は同時代の他作品(例えば「電脳冒険記ウェブダイバー」とか)を遙かに凌ぎ現在の目でも十分鑑賞に耐える物です。その動きや演出には元デザインの関節を意図的に外して作画する「2次元の嘘」いや3DCGだから3次元なのか?とにかくそういうテクニックが使われているのですが、本キットの引き出し式の関節構造にはなにかそういうエピソードを思い出したりだ。

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彩色済みベース「密林」が付属します。これで密林とは惑星Ziはなんて不毛の荒野だと侮るなかれ、むしろここは「組み立ての主役はあなたです。」のニチモ精神を発揮して、自分なりの密林を作るためのあくまでも基盤と考えましょう。うむ、「ニチモ精神」ってのは良い響きだな。

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ジオラマベースの格納庫整備場など情景指向の高さは周辺からも伺えるものです。おそらくこのMSSゾイドが本当に目指しているのはユーザー各個にオリジナルの「バトスト」ことバトルストーリーを構築させることではないでしょうか?それもまたゾイドの長い伝統のひとつです。みなさん、模型力だけでなく文章力も磨きましょう!人のことは言えない……

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次に控えているのがコマンドウルフとサラマンダーと中型揃いなのも、そこにはもちろん統一スケールで低価格を維持する目的があるのでしょうが、コンパクトに情景を纏められる利点も存在します。なにしろ1/144スケールですからNゲージサイズのアクセサリーがフルに活用でき、そしてトミーテックには現在そのような製品が、それはそれは沢山揃っていますから、お寺を守るコマンドウルフとかバス停を襲撃するサラマンダーとかもーどんどん作れちゃうわけです。スゴイことです。

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例えばガンダムなどは30年以上前の元デザインに様々なディティールやアレンジを追加して長く展開を続けているのですが、ことゾイドに関しては発表当時のオリジナルデザインをそのまま立体化するだけでいまでも十分通用する、あらためてそのことを再認識させてくれる製品です。

そんなこんなでいろいろ魅力のあるキットなんですが、唯一不安を感じるのは箱サイズに比べて完成体が異様に小さな事でして、この点ではユーザーの満足度を損なうものかも知れません。シリーズで箱サイズを統一するのは生産・流通の面では利点の多いことですし、従来よりも見かけ面積を大きく取ってアピールするのも、今どきのプラモデルの流行りではあるか……

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