アオシマ「1/700 未来少年コナン ギガント」

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スタジオジブリの原点ともいえる日本アニメーション製作のTVアニメ「未来少年コナン」から空中要塞ギガントの1/700スケールキットです。

「世界を滅ぼした毒蛾の最後の一匹」のことばに明らかなように作劇上の役割としては「風の谷のナウシカ」の巨神兵と任を同じくするもので、アニメ版のナウシカはコナンとの類似点が多い……なんて話は手垢が付くほど繰り返されてるでしょうなあ。


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TV番組放送当時もバンダイからミニモデルが出ていたのですが、スケール表記の伴った本格的な模型化はこれがはじめて。ギガントといえば茶色なイメージがあったのでダークグレイの成形色には驚きます。照明と画像処理で明るく見せていますが実際にはもっと暗い、イメージとしては「黒」の機体でむかしアオシマが出してた「夢幻のリヴァイアス」を彷彿とさせます。

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一部の銃塔と同スケールのファルコはクリアーパーツで成型。

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スタンドアームはABS素材、台座は六角形です。

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スタンドに使われるビス類、番組ロゴステッカーやネオジム磁石が付属します。

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本編映像のギガントはセルのハーモニー処理で重厚感を演出していましたが、本製品もパーツ表面を梨地加工して普通のプラ素材より重々しい表情を魅せています。

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蓮コラじみたコックピット付近。ギガントを復活させて世界征服を目論んだインダストリアのレプカ局長は「天空の城ラピュタ」のみんな大好きムスカ大佐の原型的人物としてつとに知られておりますが、こうしてみるとギガントは巨神兵のみならず王蟲的要素も備えていたんだなあ……

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オマケのファルコから組み立て開始です。特徴的なキャノピーを表現するためのクリアー成型。こちらの機長モンスリーが残され島にやってくる第一話の展開はのちにトルメキアのクシャナ王女によって再演されましたね。モンスリー、いまどきならば単に「ツンデレ」で済まされそうなキャラですが当時はそんな簡単な言葉が無かった分、人物の魅力は重層的だったように思われます。武装していることを責めるおじいに対して一歩も引かずに却って戦争責任を問うところ、インダストリアの港を麦わら帽子にワンピースで自転車乗ってるところ、負傷を推してパジャマに包帯姿のままファルコを駆ってギガントに立ち向かうところ……。うむ、モンスリー女史は魅力満載である。エヴァのアスカとか「星界の紋章」のラフィールを大幅に引き離して「馬鹿と言われたいキャラNo.1」ですなわはは。結婚式?そんなもんは知らん。

……などとモンスリー女史のミリキを語った後で大きな声では言えませんからこっそり書いてしまいますと、実はプロペラ折りました(泣)クリアーパーツはもろいので切り出しには要注意だ。

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ギガントの機体内部には分離ギミックのためにネオジム磁石を接着します。極性には注意が必要ですが、どちらの箇所もこの段階ではまだ気にしなくてオッケイ。取り付け自体は瞬間接着剤で、C8の取り付け位置はやや窪まった箇所になるので小さなネオジム磁石をピンセットでガチャ

(ノ∀`)アチャー

ホントにそんな顔になった(w 竹のピンセットをお持ちの方はそちらをお使いに、そうでない方は指先でガンバレ。

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主要パーツの合わせはおおむね良好です。このアイテムならば多少の合わせ目は「パネルライン」で納得できるんじゃないかとも思われます。

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機首先端部分は別パーツで分離する交通艇を再現しています。この際A9とB16の2つのパーツを選択可能で両者サイズが違うのですが、そのことが何を意味しているのか説明が全くありません……結局ラインの合致するA9を使ったけれど、もちょっと取説内容親切でもよかないすか?ほぼ同時期に開発していた(であろう)「艦これ」はこの点実に良くなっていたので、他のアイテムも改善されてほしいもんですはい。

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メインエンジンにネオジム磁石取り付ける際は極性に注意しましょう。ここで間違うと取り返しが付きません。

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円錐形のエンジンがずらりと並んだ大迫力の後姿はどこかで見たな。そうガンダム00や最近はビルドファイターズにも出てくる「アルヴァトーレ」の背面と重なる印象があります。このギガントのデザインが後のアニメメカに及ぼした影響も大きいものです。

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着陸脚はコンパチですがC4に開口すれば脚を出したままスタンドに飾ることも可能です。その形態が一番昆虫じみてみえますね。

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機首下面には本編未登場の大口径レーザー砲を設置できますが、アウトラインを大事にしたいのでそちらは使わず。交通艇もそうだけど自前でネオジム磁石を増加させればこのあたりのギミックも分離で再現出来るかと。どーでもいーがこの部分イトマキエイの口元みたいである。

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巨大な垂直尾翼もネオジム磁石で分離可能。クリアーパーツで再現された銃塔に取り残されたダイス船長とジムシーが何故助かったのかは……なんで無事だったんだっけあの二人は??

……細かいことを考えずに楽しめるのが「コナン」のよいところですね。

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主翼後縁のなにやらカギヅメじみたパーツは起倒選択式なんだけど、これって一体なんだろう? やっぱ「説明」ほしいよな……

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機首部分はいささか難儀なものとなります。特徴的な上下のアンテナ(ま、触角ですな)は一応接着ガイドがあるもののあまり機能を果たしておらず、角度も位置も決まらずほとんどイモ付けになります。楕円形のフェアリングB12は六個接着するのですがなぜか機体側には四個分しか受けが無い(取説のイラストには6個分ちゃんと描かれてます)。アオシマらしいっちゃらしいんですが、機体の顔となる部分だけにねえ。

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大柄の機体を保持するスタンドは三箇所でビス留め、角度を自由に決められます。ステッカーは使わなかったけれど台座部分に小さな三角塔やインダストリア市街地をこさえれば雰囲気上がりますねきっとね。

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ひと通り完成した状態です。悪者が乗り込むデカイ飛行物体がアニメに登場するのもこれが最初ではないでしょうが、航空機とくに「巨人機」としてフェティシズム満載に描かれたのはこのギガントがはじめてのものでしょう。ルパンに登場した「アルバトロス」、ナウシカの「バカガラス」と宮崎駿は自作に巨人機出すのが大好きですね。みんな墜落しますね……

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デカイ物は中に入って内側から壊すのは物語の鉄則(例:侍ジャイアンツ)でギガントも例に漏れません。しかしこのギガントが「三機もあれば世界を支配できる」とかいってたように思いますが、機銃の射界制限がないのは明らかに設計ミスである。機体開発者は死んで詫びるべき(とっくに死んでる)

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上面を見るとまさしく「蛾」で標本みたいだな(笑)航空機の形態としては「全翼機」のカテゴリーに属するもので「無翼機」であるところのラピュタのゴリアテとは好対照です(そーいやあれも落ちましたよな)。大元のデザインとネーミングはナチスドイツ時代の大型輸送機メッサーシュミットMe323にちなむものではありますが、大河原邦男氏がガウ攻撃空母をデザインしたときはどっちを参考にしたんだろう? たぶん両方なんだろうなあ。

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劇中でファルコが激突したのはこの辺でしたっけ。1978年当時でみれば恐ろしく巨大な構造物ではあるけれど、21世紀の目で見れば幕張メッセやビッグサイトの西館が飛んでるようなものですな。ビッグサイトが3つあれば世界を征服できるでしょうか?

出来ると思います (・∀・)ノ

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ある種の層・世代の日本人にとって戦争とは「空から降ってくるもの」であるのでしょう。宮崎駿が卓越した映像作家であったのはこの空から降ってくる戦争を実に恐ろしげに、そして楽しそうに描いたことで、作家性とはつまりフェティシズムにほかならないのです。最近の宮崎アニメにはフェチが足りないんだよな要するにな。

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下から見上げた方がやはり自然か。「未来少年コナン」の最大の謎は原作小説アレクサンダー・ケイの「残された人びと」がキリスト教原理主義者のコロニーが共産主義社会を打ち倒すとかゆーアカいひとたちがいちばん嫌いそうなつまんないお話なのを、よりにもよって何故に宮崎駿が監督してたかっつーことですな。いやほんと、つまんない話なのよ原作は。主人公が「コナン」なのはR.E.ハワードからのまったくの借り物だしね……

ギガントのギの字も出てこないからこの先読もうってひとは要注意ですぜいろいろと。

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そんなギガントですがメインエンジンも垂直尾翼も切り捨てて、結局は本体も部下も見捨てて脱出しようとするレプカごと波間に消えていくのでした。悪漢の最期としては絵に描いたような明朗さである(だって絵だし)

生き残るために尻尾切るような人間は良くないですよという、きわめて教訓的なメカニクスなのでした、まる

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