「ジョーホンダレーシングピクトリアル #01: ロータス 97T」
毎年のレギュレーション変更によりいくつも枷を受けているにも関わらず、F1マシンが日々最速のレコードを塗り替えているのは衆目一致するところかと思います。最も速いF1は、いまのF1である。
では、最も美しいF1は?
答えは千差万別でしょう。複雑な曲面を構成するいまのF1が最も美しいと思う人もいるでしょうし、葉巻型がいちばんだとする人もいるでしょう。どちらの価値観も、自分は尊重します。自分自身はまた、違うのですけれど・・・
しかし、最も美しいロータスF1は?
と聞かれたら少なくともこれは譲れない。最も美しいロータスF1はJPSロータス時代のマシンである。
モデルファクトリーヒロ初の出版物はジョー・ホンダ氏の長年にわたる活動から生まれたアーカイブから選りすぐられたモノグラフ写真集、第一弾はロータス97Tをフィーチャーし、1985年開催のグランプリからブラジル、ポルトガル、サン・マリノ、モナコ、ベルギー、オーストリア、オーストラリアの計7戦を様子がセレクトされています。ちなみにベルギーGPは路面状況が劣悪で予選のみ強行→延期再戦なんてアクシデントが起きていて、たしか今年の韓国GPがらみで引き合いに出されていた…ような?
アイルトン・セナ初優勝のマシンとしても知られる97T、いわゆるターボF1に属する時代のマシンですね。F1レースとしては残念ながらリアルタイムでは見ていないのですけれど(自分がF1を認識しだしたのはセナがマクラーレン・ホンダに移籍してからです)、この漆黒と金線のカラーリングにはタミヤのプラモデルで親しんでました。本書ではセナ初優勝のポルトガルGPからも多数の写真が収録されています。ウェットコンディションで真っ黒なマシンが高速走行というのは考えてみるとおっかないですw
絶賛発売中のフジミ製ロータス97T製作資料として重宝するのはもちろんで、予選と本選でエンジン乗せ換えてたって初めて知りました。やはり現行とはいろいろレギュレーションも違うものですね。ちかしいろいろ違うと言えば、F1グランプリそのものの空気感が今とは随分違ってるような気がします。写真のセレクトの所為かも知れないのですが良い意味で垢抜けてない、コマーシャリズムよりもエンスージアストな時代のモータースポーツで、チーフスタッフも観客もどこか地味です。レースクイーンとかいません。 ちぇ 考えてみれば1985年ってまだまだバブル景気の足音も聞こえてこなかった時期ですから、世界も日本もそれなりにいい時代だったろうと、思います。
でもモナコGP市街地コースが狭苦しいのは今も昔も変わらないw
F1好きな方々には面白くないグランプリの代表例みたいに言われることも多いモナコですけれど、ブラックビューティの面目躍如するような美しさ。がおかねもちのあしもとでしにそうにがんばるー
やはり個人的にはこの構図こそF1だ!と、思うわけです。異論は認める。
そして黒いボディにブラジリアンカラーのセナのヘルメットがまた栄えること。
いまと違ってドライバーのバストアップがほぼ露出するようなデザインは、確かセナの事故以後変更になったんだよなーと、そんなことを考えてると、いろいろフラッシュがバックすることもありますねえ。
なお本体の営業スケジュールにともない当ブログも年内の更新はここまでとなります。開設以来ほぼ一年間、手さぐり足ぶみ、ご不満な点も多かったかと存じますが、来年以降もご愛顧戴ければ幸いです。
新年もまた痒い所に手を伸ばさない重爆の隅はつつかないをモットーに
それでは、エンジョイ・モデリング!(AMのフィル調)←一度やってみたかった