「ファインモールド 帝国陸軍 九四式 六輪自動貨車箱型(ハードトップ)」

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ファインモールド新製品、日本陸軍主力輸送トラックのキットを発売前にサンプルレビュー…というかもう発売日ですね(汗)

いや戴いたのはもう少し前だったんですけど、どーゆーふーにやろうかなァとか何かよい資料ないかなァなどと考えてるうちに…発売日を勘違いしてたなんてことはあります風雲急を告げる時局に鑑み至極真っ当に組み立ててみることにしました。

ちなみに今回説明書は付属せず、メーカーサイトから直接DLすべしとの指令が。おおぅ電子出版ですね(違うと思うぞ)


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ご承知の通り九四式六輪自動貨車のキットは2種類が同時に発売されます。こちらは共通ランナーで前照灯はクリアーパーツ。

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箱型運転台を構成するEパーツランナーです。

また今回作っていませんが「幌型(キャンバストップ)」の方にはFパーツが入ってます。

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こっちの方が若干部品点数は多いようですね。ちなみに箱型の場合スペアタイヤを運転台ルーフ上に取り付けるようになってますが、幌型はドア横に吊り下げ式。その辺りもふまえてお好みの形式をどうぞです。

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各パーツの成型は安心のFMNクオリティでまったく言うこと無しです。所々にスライド金型も使用されててフロントグリルも美しい抜けで…

実は普段あんまりソフトスキン作らない人なんで、トラック模型の「萌えツボ」がよくわかってなかったりします。ひとはトラックモデルのどの辺りに燃え萌えするのであらうか。

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ハコ組みならぬホネ組みから始まるのは世の常ですね。月並みな表現で申し訳ないのですがも~各部品が吸い付くようにピタピタはまって行くのでノーストレスな組み立てを満喫。某社製品のように「このパーツはどこに接着するんだろう」とか「ホントにこれでいいんだろうか」など説明書の2~3手先まで先読みしなくても平気!タテヨコの垂直はちゃんと揃う!!いやさ感動的ですらあります。

…しかし気になる点がひとつ。

模型的ではなく実車的な意味でこれでいいのか日本陸軍。

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排気管短すぎじゃね?

もろ荷台の真下で終わってるんですけど~、これだとちょっとした河川越えるんでも~、いろいろ…

などと勉強になります。ためになるなあ。でも一体なんの??

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荷台裏側は細かい部品も(比較的)多いのですが、どれもぴったりはまるわ綺麗に合うわで某社のように途中で泣いたりパーツ剥がしたりする破目にはなりません(一体何があったんだ)

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工具類がこんなところに据え付けてあるとはついぞ知りませんでした。やっぱり勉強になりますねぇ。しかしこの配置は絶対に使い勝手が悪いと思うぞ日本軍。

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そしてなんの苦も無く完成です。はじめてソフトスキンでトラック作ってみようってひとには勧めやすいかもしれませんね。

ただ…強いて言えば、ホビーショーで初めて完成品展示された時以来、よく聞くんですが「遊び」が少ないことは難点かも知れません。荷物、あるいはなんでもよいからオマケがひとつでもあれば、随分楽しい模型になるのにな…とはちょっと思う。「素体」として大変優れているだけに。お値段のこととか、事情があるとは承知してるのですが・・・

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車体正面から。何もしなくてもポジティブキャンバーがばっちり決まったんでビックリ。ブリッジを介した上にちょこんと乗ってる前照灯の表情がなんともユーモラスで可愛いトラックです(笑) 中央部の星章は例によって例の如く正規の立体物と戦時省略塗装版とのコンパチ。クリアーパーツを曇らせずに接着するにはメディウム使うと良いなんてよくいいますけど、水溶き木工ボンドでまったく同じ効果が得られますよ。

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なにか載せたくなるのはやはり人情でありましょう。日本軍の荷物や乗車した兵士とか、アイテムをちょっと思いつかないのですけど…ちと反則気味ですが南方の設定で米英の装備品やドラム缶を鹵獲して…とか…

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エンジンは付属してませんがスペースは綺麗に開いていて、ここはレジンパーツ等のお世話になるところか?ガソリン・ディーゼルで甲乙二形式あったそうなのですが。

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牽引フックもしっかり作りこまれているのでなんだかいろいろ引っ張り回したい!光人社NF文庫「軍用自動車入門」を読んでると九四式六輪自動貨車をベースに様々なバリエーションが開発されてて、日本軍の機械化度合いに驚かされます。フィールドキッチンなんて在ったんですね~。

それでもやっぱり日本の軍用トラックが活躍している図というもの、あまり見かけません。決して無いわけではなく出版関係が戦闘車両に偏りすぎなんじゃなかろうかとふと思う。むかし、たしか高校生のころ、近所の図書館に日本陸軍自動車部隊の写真集、私物のアルバムをもとにしたような一冊があって、当時はそれほどでもなかったんですが今見直したらきっと面白かろうと…2~3台のトラック(形式憶えてません)と指揮官乗用車の部隊が中国戦線をいろいろ…とかそんな内容だったな。でもタイトルも版元ももうわからないのです、残念。

仕方が無いのでもっとず~~~~~っと昔に読んだ本から、大陸戦線で活躍中の自動貨車のイラストを貼ってみる。形式は不明である。資料的価値はそれほど高くない。

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…猛犬連隊の機械化比率が低すぎるのは日本軍の実態を反映しているのかそれとも連中足が四本あるから自動車必要ないのかどっちなんだろうな。

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