「REAL SPACE MODELLER VOLUME ONE(リアルスペースモデラー Vol.1)」

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英国Happy medium press刊行の洋書。98ページフルカラーでまるまる一冊実在のロケットや宇宙船などのスペースプレーン、すなわち宇宙機をテーマにしたモデリング本という日本ではなかなかお目にかかれない書籍です

冒頭で紹介されているプラモデルがアオシマのアポロ宇宙船やタミヤのスペースシャトル、エアフィックスやレベルのサターンロケットなどで、最近再販された製品も多いとはいえ基本的には昔のものだというのがこのジャンルの現状でしょうか?バンダイ「大人の超合金」はちと別格な扱いで。

そういうちょっと古めかしいプラモデルを使用した作例記事が多く、例えばレベルの1/48ルナモジュールを超絶ディティールアップしたい!という人には是が非でもオススメ・・・なのですが、さすがにそれだけではない(笑)ヒストリーチャンネルのTVプログラム用に製作されたスクラッチビルドのルナモジュールや映画「ライトスタッフ」(名作!)のメイキング風景など、単に趣味の模型だけではなく、映像美術の範疇に入る立体が同列の記事として扱われているのは興味深いです。マシーネンとか作る方にも、向いているかと思われ…ます。

変わったところだと1947年に計画された英国惑星協会のムーンシップ(良い響きです)のスクラッチビルド作品が如何にもジャイムスン教授チックなレトロSFをそのまま形にしたようなデザインだったり、レベルの架空エアモデル「ゼンガー」は元を辿ればナチスドイツの軌道爆撃機開発計画から派生したNASAの宇宙輸送機案だったりなど、掲載記事の全てが実際に存在した宇宙機ってわけではありません。しかしそういう物を本当に作ろうとした人の思いはたしかに実在したのだと、SFモデリングとはちょっと違う空気の一冊。あーでもゼンガーはカナリノマユツバかも知れない。ダイナソア計画もここまで想定してないだろと苦笑いです。

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本書に掲載されている記事の多くで、様々なモデラーが月ロケットの思い出や宇宙開発への夢を語っています。アメリカの宇宙開発にはそういう科学技術主体の明るいナショナリズム(?)みたいな要素が詰まっていて、それはちょっと羨ましい。

でも大丈夫、我々には「はやぶさ」があります。

http://www.jaxa.jp/press/2010/03/20100327_hayabusa_j.html

もうじき帰ってくるのですねえ。嬉しいような、寂しいような。

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