「Toadman’s Tank Pictures M551シェリダン軽戦車 ディティールCD写真集」

Toadman’s Tank Pictures社製、CD-ROM写真集、今回の御題はM551シェリダン軽戦車です。

f:id:HueyAndDewey:20100521195545j:image

この車輌正式には「装甲偵察/空挺突撃車両(AR/AAV)」と呼ばれまして、これ一台で空から降ってきて河川を突破し152ミリガン・ランチャーからシレイラ対戦車ミサイルをぶちかますとゆースゴイ戦車です。バビル二世の「三つのしもべ」を全部一人でしてやんよー、なナイスガイで1965年に制式化されてから、1991年の湾岸戦争に至るまでの長期に渡って実戦配備されていました。なんというベテラン!

すいませんいまちょっとだけうそつきました。

空挺降下を行うために車体には軽量化が求められ、防御力は低いもの。渡渉能力だってスクリーン展開してトロトロやってる程度ですし、それになにより肝心要のシレイラミサイルはこれがまったく役に立たないシロモノだったのです…湾岸戦争に参加したとゆーのも当時第82空挺師団には空輸できるAFVがこれしかないので仕方なく持っていった。程度の話でして…

パナマ侵攻の折に初めてパラシュート投下したら4輌中半数は壊れて使い物にならなかった、そんなお茶目なシェリダンのアメリカ、カリフォルニア州は MFTV (Military Vehicle Technolgy Foundation)に保存されている実車に取材したカラー画像が200枚以上収録されています。

シェリダンは生産数が少ない(それでも1600輌以上も製造されてるんですが)にもかかわらず運用機関は長かったので、ヴァリアントは無くても時期によって細部はいろいろ異なるようです。この車輌は80年代?の砂漠用迷彩塗装が施されてて、当時確か「アリゾナ迷彩」などと呼ばれてた気がする。正式呼称かどうかは知りません(苦笑)

f:id:HueyAndDewey:20100521203918j:image

設計デザインそのものは従来のアメリカ軽戦車とは一線を画した斬新なもので、それは例えば車体後部のエンジンデッキ周辺などにも見て取れます。これに似た車輌はまったく見ませんね。なにしろ米軍軽戦車の歴史はコイツで終わったので、後継車両も無いからなあ…

それでまた、80年代の米軍って基本設計の古い車輌を無理矢理改良して使い続けてるイメージがありまして、

f:id:HueyAndDewey:20100521203509j:image

・・・車長用の暗視装置がM2重機関銃の外付けになってるのはかなり無理矢理で怖いと思います。

f:id:HueyAndDewey:20100521204355j:image

独特の構造を見せるM81 152ミリガンランチャー。これひとつでミサイルも撃てるし大口径HEAT弾も撃てるしでちょーさいこー!になる予定でした。

この画像には映ってませんが砲塔内部には排煙用の高圧エアタンクが鎮座ましましています。そんなのにタマが命中したらものすごく怖いと思います。

でもこの戦車に乗ってて本当に怖いのはドライバーだと思います。一般的に車体全面って装甲が一番厚いもんですから、しばしば弾薬ラックが在ったりします。が、

f:id:HueyAndDewey:20100521204954j:image

だからってこれはあんまりだと思うんだ(´・ω・`)

正面装甲厚ってどれぐらいだったんだろう?おまけにこれアルミ合金で出来てるんだぜ・・・

とまあ、実車の運用を考えるといろいろおっかないものがありますが(笑)本来の刊行目的であるモデリング資料としてみれば、一級品のクローズアップ写真が車体内外痒いところに手が届く、一般書籍ではなかなか見られない一枚です。GP誌やP誌が特集組んでもカラー200枚超とかありえませんぜ?インジェクションキットのディティールアップには是が非でも必要かと。リーズナブルでもありますしね。

シェリダンのインジェクションキットは最近だとアカデミーで二種、タミヤの古~いキットが一種ありますね(ミニスケはちとなしの方向で)。細かなディティールはA社の方が良いのだけれど全体のプロポーションはT社が良い、というのが世間一般の認識でしたかな。プロポーションを変更するかディティールを追加するか、どっちが楽だろうかとそれは色々思案のしどころでしょうけれど、

f:id:HueyAndDewey:20100521210822j:image

サイドパネルを止めてるリベットの、この感動的な雑さ加減を眺めているとディティール追加のコースを所望したくなるw

ちいさな車体にもおおらかなアメ車の魂が宿る!一枚なのであります。

あわせて読みたい