アークモデル「原始人 2体セット #1 」

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メリークリスマス!こころよ原始に戻れ!!

というわけで今夜はそっとアークモデルの原始人セットを紹介します。このサンプル画像と500円ちょいのお値段に

(ひょっとしたらガチャフィギュア並みのサイズなんじゃないか)

などと思ってる方、いらっしゃいませんか?

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実はこれ、結構デカイです。はじめて実物を目にした時にはそれなりに驚いたものです、ロシアにも夜店文化はあるんだ!みたいな意味で。

そもそも旧ソ連時代のプラモデルからしてどいつもこいつも夜店の射的の景品みたいなテイスト満載でしたけどね。

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ジッポライターと比べるとこれぐらいの大きさ。発売元のアークモデルは旧アランホビーやイースタンエクスプレスなどのキットを ゾンビのように甦らせている ノアの箱舟のように救い出しているメーカーとして有名ですが、この二人はなんだかノアの箱舟に乗りそこねた生き物みたいですなァ……

おお、そう言えばこのジッポはファインモールドさんが昔限定で出してた逸品でした。タバコで自○を図っていた頃には随分とお世話になったものです。

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特に識別記号も名称も無い原始人A。ぐるぐるまわしてさつえいするとなんだかせくしーふぃぎゅあみたいには全然ならねえよ。一応棍棒を手にしてはいますが、どっからどうみてもこれは野球のバッターだと思われ。

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こちらは斧を振り回す原始人B。左投げのスリークォータースローのようでいて、実は隠し球を右手に持っているのだ。

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このカモシカのようなツルツルレッグ!!(`・ω・´)

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コルホーズの収穫量並みに貧相な胸毛!!!!(`・ω・´)

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今年の流行語大賞よりもずっとずっとワイルドだぜぇなフェイス!!!!!!!(`・ω・´)

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ちなみにフィギュアの頭部造型はヘッダ用紙の挿画とは似ても似つかぬシロモノですが、特に文句を言う人も無かろうと思います。

…おれクリスマスイヴになにやってんだろうな(´・ω・`)

さて今日はせっかくの特別な日ですからこれまでやって来なかった特別なことをやろうかと思います。

ディオラマです。(アートボックスの刊行物に於いては「ダイオラマ」表記)

いや別にジオラマでも情景模型でも何でもエエですがな。え、ビネットなにそれおいしいの?

およそ模型趣味に於いて単品と情景を分ける最大の違いはなんでしょう?そう、地面ですね。最近ではよく100円ショップのフォトフレームなどが安価な材料として挙げられますが、私にいい考えがある。

(ドラえもんがひみつ道具を出す時の効果音を流して下さい)

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「 か ま ぼ こ 板 。」

近所のスーパーで一個89円でした。ダ○ソーより安いね!しかも栄養になる。この時期お正月を控えて日本中どこのご家庭でも手に入る安価で便利な素材です。むかしはみんなこれで始めたんですよたぶんきっとおそらくひょっとしたら。

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二体乗せるとちょっとはみ出すサイズなんですけどね。う~む一個168円のひとまわり大きなかまぼこを買ってくればよかったが、そんな高級な物を食べると胃が受け付けないのだ。

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木星もとい木製のベースを使用する時は直色と保護のために「オイルステイン」を使うと宜しいです。10年ほど前確かに使った記憶があるのですがどこを探しても出て来なかったので油絵具を直接塗ってみる。「オイル」は共通しているはずだッ!ニス成分は皆無だけれど……

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真鍮線で軸打ちをしチューブが半分ほど死に欠けてる瞬間接着剤を大量投入でガッチリ固定します。どうせ年も押し詰まってることだし、このまま使いきる気持ちで!行けば何とか!!

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そしてディオラマ製作の強い味方「情景テクスチャーペイント」を用意します。これさえありゃバッチリさ。

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塗布する前にベースの周囲はマスキングしておきましょう。塗布そのものはコテあるいはヘラ、もしくは痛んで不用となった筆を使い、表面処理にはアクリル溶剤をスポイトで落とすとよいでしょう。

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あっというまに完成です。いやあやってみるものですね、すこしも難しいことはなかった。さてディオラマ(あるいはジオラマもしくはダイオラマまたの名を情景模型そしてビネット)に於いて最も重要なことは「ストーリーテリング」であるとよく言われます。自画自賛は鬱陶しいものですがこれは完璧なストーリーテリングでありますなわははは。

え、おわかりにならない?

仕方ないなあ、ではもう少しだけ大きめの画像を貼りますから、どうぞ受け取ってください。

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慈悲は無い、クリスマス殺すべし。

コワイ!ムジヒだ!これこそが語るべきストーリーであり、全ての要素がこの情景に凝縮されているのです。ナムサン!!

例えばこの作品を画像のように正面から見ると、登場人物ふたりの視線はまったくこちらを向きません。これは怒りにまかせて暴れる彼らが「衆人環視の目を少しも気にしていない」事を示す、ストーリーテリングのための計算された演出です。

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「色も塗って無いじゃないか」と腹を立てるひとがいるかも知れません。しかしこれはひとが怒ることを「色を無す」という日本語の慣用句で表わした、ストーリーテリングのための計算された演出です。漢字の変換が間違ってることにはどうか寛容であっていただきたい。

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情景テクスチャーペイントの「草 グリーン」を敢えて使わなかったのはもちろん、怒りにまかせてクリスマスを憎むような彼らの行為が「不毛」であることをアイロニカルに表現する、ストーリーテリングのための計算された演出です。ついでに言うとベースからフィギュアの一部がはみ出しているのは彼らが「はみだしもの」だからなのです。このようにひとつひとつの要素にちゃんと意味をこめてこそ真のディオラマビルダー的製作行為と言えるでしょう。ビルドゥングはロマンだ!

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作品全体に逆三角形の構図を持たせることにより、今にもこの二人が画面外へ駈け出して行くかのような「勢い」と、アンバランスな重心からの「不安定さ」をふたつの緊張感として同時に付与させています。レイアウトは常に重要です。アニメーションの作画技法に於いても、また事務所内の人員配置に於いても。

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しかし、ぼくがこの作品で本当に表現したかったことは、この二人がお互いに背を向けていること、憎しみや悪意で集まったグループはそもそも互いを見ることすらせずに「背離している」ということです。ただ文句や不満を戦争(WAR)のように唱えて集うたとしても、実態はただの右往左往(うおうさおう)である。それを批判するこそまさに自分が語るべきだと感じたストーリーであり、昨今やたらとクリスマス撲滅を叫ぶ人の群れや近年の日本の政党政治に対する、ちょっとした風刺。

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憎悪や難癖づけで仲間を求めても空しいことです。そんな生き方はまるでノアの箱舟に乗り損ねた生き物のよう。こんな時代だからこそわけ隔てなく、あらゆる人や生き物や、しょっぱいフィギュアにも愛の手を伸ばしましょう、プリミティブな感じで。

あまねく世界のみなさまに幸多からんことを願い、

メリークリスマス。

今日の格言:「理屈と膏薬はどこにでもくっつく」(折木奉太郎:談)

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