ウェーブ「1/20 S.A.F.S. SNAKE-EYE RECONNAISSANCE TYPE シーピッグ」

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ウェーブのマシーネンクリーガーシリーズ、傭兵軍の新世代宇宙用戦闘偵察型スーツ“シーピッグ”です。

キットは設定通りに宇宙用戦闘スーツ“スネークアイ”のバリエーションとして発売されたものです。スネークアイもまたSAFSのバリエーションとして展開された製品なので、このシーピッグはいろんなアイテムからパーツを合わせて出来たような製品構成になってます。

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AランナーおよびBランナーはS.A.F.S.のパーツを使用。近年は「サフス」と呼ばれたりもする機体だけれど、オジサンだから今でも「すーぱーえーえふえす」って言っちゃうよな。そいえば宇宙戦闘用の機体ですが成形色はダークグレーになってますね。塗装のバリエーションが白一色に止まらないためかー。

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ポリパーツはSAFSとスネークアイ/ラプター系列の機体に共通のもの。キット発売順だとスネークアイのほうが先だったか、若干記憶があやふやである(汗)

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Eランナーはスネークアイ用のパーツです。

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J、KそしてLパーツもスネークアイのものが使用されています。

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シーピッグ専用となる新規パーツ、AAランナー。大型シーカー/レーダーアンテナやプロペラントタンクなどの部品。

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クリアーパーツはたいへん小さなパーツですがスネークアイ用Dランナー、シーピッグ新規のTランナーが付属。

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パイロットのフィギュアヘッドはベージュ色のBBランナーがシーピッグ用新規パーツなのですが、なんとスネークアイのOランナーとファイアボールのNランナーが入ってました。特にインストには記載がなかったんで完全なボーナスパーツらしいのですけれど……??

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デカールは「ナス6」ことエッグプラント6中隊他いろいろ。コーションマーキング以外は「お好みに応じてご使用ください」なのはいささか不親切で、本当は昔みたいにデーターカードがあれば限られた情報からでも世界観を想像できてよかったのですけれど、コスト面などから難しいのかなあそれは。

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スライド金型を使用した一体成型のロケットノズルはすんげー良い出来で、旧ニットー製品ではここんところの合わせ目消すのが大変でしてねえ……。ベル型ノズルの外側にはディティール満載でも内側はシンプルな構造で、ガンプラとはちょっと違うんだぜ。

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複雑な曲面の形状もよく捉えて立体化されています。すっかり忘れてましたがもちろんこのキットはウェーブ製インジェクションキットにスタンダードなスナップフィットモデル。これだけ複雑な面構成で特にヒケも無いってすごい技術のプラモです。

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パイロットはアフリカ系の民族的特長を色濃く立体化したもの。これまでもイベント限定のレジンキットなどでは稀に見かけましたが、インジェクションパーツ化は初めてだったかな?気密服を着る設定なのでヘルメットで隠れちゃうのが勿体無いぐらいよく出来てる。

ところでこのキットは2014年新発売なんだけど、シーピッグ新規ランナーのタグには2012年の著作表記が刻印されてる。傭兵軍のヒミツを知った私の命はもう長くないかもしれない。

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それでは手順通りに組み立てていきます。キットパーツにはSAFS時代のものに若干ですがバリが出てるところがありまして、そちらの処理も含めてランナーを分類する必要はあったかなと思われます。

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ボディシェルには隠し穴の開口処置があるので忘れずやっておきましょう。必要なドリル刃は1.0、1.5、2.0mmの三種類でちなみにこの画像では一箇所開け忘れているので注意。組み立て途中で必死にバラしたのはスナップフィットバンザイって感じである。

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モデルグラフィックスの特集記事ではじめてスネークアイを目にしたときは、SF3Dらしからぬいかにも強そうなデザインにいささかなじめなかったものですが、いまではしっかり見慣れたカタチ……

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などと思っていたらこんなところにドクロがあったんでビックリΣ(゚д゚lll) し、知らなかった……。こういう感覚は完成品では味わえない、組み立てるプラモデルならではのものでしょうね。

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ボディシェルが設定の構造通りに分割されるのはウェーブのSAFSシリーズでいちばん楽しいとこです。なんつーか「合体!」とゆー気分に浸れます。(乗降シーンなんかを作り易くする処置ですよホントは)

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ボディシェルの基本形状。昔のファイアボールにあったタマゴらしさはすっかり無くなってしまったなあ。

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そこにシーピッグ特有の追加装備を取り付けていきます。プロペラントタンクが左右非対称なのは“プラウラー”以来の伝統でって今はプラウラーのキットを入手するのは難しいんだろうなあ。

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前後に非常にボリュームのある形状で、この角度からみるとシーピッグ(イルカ)というネーミングも納得。

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ボディに比べると四肢関係はまあ普通だす(w;

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肘関節は引き出し式になっていて外観で受ける印象よりもよく動く。そうそう偵察型でレーザーアーム標準装備は本機が初めてですね。マシーネンの機体群は左腕に火器装備が基本だけれど、それって何か理由があるのでしたっけ?

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で、完成です。このシーピッグやスネークアイ、ラプターが登場した頃のモデルグラフィックス誌マシーネン記事は面白かったなあ。現在ホビージャパンでやってるMAX渡辺氏による記事もキットレビューを中心に作ること、塗装の楽しさを前面に打ち出していてそれはそれで良いのですが、やっぱり新規造形と渋いフォトストーリーあってこそのS.F.3.Dではないかなーと、いまの記事展開はストーリー面がちょっと弱いように思いますのでどうもね。

そうそう、最初にパーツランナー見たときにはひょっとして不要部品が大量に出るのでは……などと危惧しましたが、実際に完成するとほとんどパーツは余らない。ウェーブ開発チームは合理的にパーツ設計したんだなあと舌を巻く思いである。

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先にシーピッグはイルカのことだと書きましたが、やっぱり英語でイルカといえば“Dolphin”で、“Seapig”で辞書を引いても何も出てきません。ある種のイルカを“Sea pig”と呼ぶのは確かなようですが、先に日本語の「海豚」があって、それを訳したんじゃないかってえ気もするのよね。そこで「シーピッグってイルカのことじゃないんですか!?」などと二学期が始まったばかりの英語や理科の先生を困らせても困りますのでズバリ正解を書いてしまいますと

“Seapig”とはこの生き物のことです (※SAN値チェック注意)

和名はセンジュナマコというのか。またひとつ勉強になりました。

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パイロット三人組を並べてみますと設定上はいちばん古い装備のファイアボール氏が非常に出来が宜しい。対してパーツ設計的に最も古参なスネークアイ君は淡白気味ですねい。そしてミスター・シーピッグが実にいい味出してるのであった……

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マシーネンの強化服全般に言えるのですが、未来戦争のSF兵器とはいえちっとも強そうに見えないことが却って魅力かと思います。「強化服」と呼ばれていても宇宙の戦士的に人間を強化するんじゃなくて、無理矢理拷問器具に押し込めて戦争させてるようなこう、ご無体な感覚が好き。中間管理職が爆発四散するようなフォトストーリーではいまの若い衆には受けんかのうばあさんや。最近じゃボインのおねいさんも増えてきたようじゃが……

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可動範囲も人体のそれを正確にトレースするんじゃなくて「歩く」とか「銃撃つ」とか戦争に必要なことだけ出来てりゃおk。みたいなムジヒでマッポーなセンスが良いのですよ。こんだけ大変な目に遭って戦争やっても優秀なのは無人兵器だって設定もまたイマドキである。古くからのファンだけでなくマシーネンもSF3Dもよく知らないよって人にも手にとってほしいプラモデルではあります。

ほんで横山センセの新しいモデリングブックは、こりゃ広くモデラー一般にとってもためになる内容だろうと思います。

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