エデュアルド「1/72 MiG-15bis (プロフィパック) 」

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エデュアルドのインジェクション製エアモデル、MiG-15としてはデュアルパック製品に次ぐものとなるプロフィパックエディションです。デュアルパック版では自国配備のチェコスロヴァキア(当時)空軍機を2機11種から製作することが出来ましたが、単品版となるこちらの方が一層多くのモデラーに訴求する内容かと思われます。


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一機分で見れば小さな機体、パーツ総数も決して多いものではありませんが、バリエーション展開を見据えて細かい分割、選択パーツがいくつも含まれるのはエデュアルド製品の通例です。

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キャノピー用マスクシールに加えてデカールとエッチング。デカールは朝鮮戦争参加のロシア人パイロット搭乗機をはじめ複数の国籍機を選べる大判のもの、そして塗装済みエッチングパーツが付属することが(今後発売されるであろう)ウィークエンドエディションとの違いとなるでしょう。キューバ空軍やエジプト空軍のマーキングがイカす!

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ディティールの冴え具合は当ブログでもいくつか取り上げてきた同社製品と同様に素晴らしいものです。1/72スケールのMiG-15というものもこれまで全世界の様々なメーカーからキット化されてきましたが、これは疑いようも無く当代随一の内容でしょう。

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いまや飛行機模型(に限らずですが)ディティールアップパーツのなかでも必須の塗装済みエッチングパーツ。「塗装」と言うか印刷ですね。技術って発達するものですねえ。

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これらインジェクションパーツとエッチングをつかって組み立てていくコックピット周辺がいちばんの見せ所でしょう。そこそこ難渋するところもありますが、それだけの見栄えがするものです。

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密度の高さからくる圧迫感は実機の特徴を伝えるかのようで、単純なバスタブ式ではこうは行かないでしょう。しかしなぜだかメーカーの公式PVではあたかもコックピットがバスタブであるかのような印象でいったい何を考えているんだもっとやれである。

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主計機盤はエッチング2枚張りあわせで実感あふれる仕上がりです。「おーうまくいったわ」と悦に浸るのもつかの間、機体に組み込んでしまうとあんまり見えなくなっちまうのですけれど。それでもいいの、やった分だけ満足感は得られるんだから。

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コックピットとともにエンジンノズルを挟み込みます。

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コックピット部分は微妙な位置・形状をしているので貼り合せは慎重且つ頑丈に合わせた後で取説に「機首部分にオモリをいれまショー」記述を発見してヤールー川上空のように真っ青になる。幸いウェポンベイ内側に空間があったのでそちらに仕込みましたが……

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インテイクリップと主翼部分は選択パーツがありますので、製作する機体に合わせて適切なパーツで組み立ててください。機首に着陸灯備えてた機体って初期だけなのね。

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士の字状態。主翼のとりつけには若干隙間が見られたのですが、パーツの形状というよりダボがキツくてちゃんと差し込まれてない印象。胴体の開口部を拡張するよりはいっそダボを切り飛ばしたほうが簡単に自然なラインを得られそうです。

ところで、よく知られたように本機の直接の祖先は第二次大戦末期ドイツで設計されていたTa183“フッケバイン”で、その意味ではMiG-15(そして好敵手のF-86)は「凶鳥の末裔」なのであります。幸い西ドイツ政府が朝鮮戦争の参戦機体に著作権を主張することはなかったってすいません、スパロボよく知りません。

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主翼下面の着陸灯や尾部はクリアーパーツを使用。尾部のクリアーパーツはなんだっけこれってMiG-15もよく知りませんまったくすまんことであります。

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機首下部には37ミリ機関砲をはじめとする重武装を備えてB-29をばっさばっさと叩き落とすはずなのですが、なぜだか支持通りのパーツがハマラナイ。あっれぇ~なんかヘンですヨー( ゚∋゚)

機体パーツの「貼り合せは慎重且つ頑丈に合わせた」ときにパネル部分間違えてたしにたいorz

一応不要パーツを使ってカタチにはなりましたけれど、キットの想定とは異なるものとなります……

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主脚部分にもエッチングでディティールアップしタイヤパターンも選択し、

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アクチュエーターやカバーもぴったりはまりまるっと裏返せばあっというまに今にも飛び立ちそうな大迫力に! \(^o^)/

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……なりませんでした /(^o^)\

お、おぅ……どうやらバラストが足りなかったようだぜ……

機首部分先端にあまりスペースはないのだけれど、コンパクトでウェイトのあるオモリを入れておかないとこうなるという悪い例です。「そんなに大事なら最初から製品に入れておけ」と思われる方、こと物流に於いて物品重量というのは重要なファクターでしてなぁ。

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ちょっと変わった形の増槽を装着しようと主翼に穴開け処置をしておいてよかった。これで多少はバランスが変わった。多少しか変わらなかった。「タンク先端にも重しを詰めればいいジャン!」とゆーアイデアはちゃんと前日までに書類をそろえて提出してくれないとあとの祭りである。

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「神はサイコロを振らない」とよく言いますが、宗教は人民のアヘンなのでサイコロを使って完成品を立たせます。確率論などなにするものぞ。

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まんべんなく公正に振舞うよりは限られたポイントに重点を置いてバランス執ったほうがうまくいく。なにかと教訓的なレビューであります(どこがだ)

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やはりコックピットはこのキットのポイントだけに、開けておいた方が良いでしょう。パイロットフィギュアを座らせたり飛行状態でディスプレイする場合にはウィークエンド版が出るのを待った方がいいのかな?

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航空史に名を残す名機に相応しい良く出来たキットなのに自分のヘマのおかげで「ミグあれー?」という感じになってしまったのは重ね重ね申し訳なく……

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