エース「1/72 伊 アウトプロテット S.37 装甲車」
ウクライナの模型メーカー、エース(ACE)社の1/72スケールインジェクションキットです。
ちなみにエースの製品一覧はこちらなのですが、実は韓国にも同じ名前の「エース(ACE)」というメーカーがありましてそちらの製品群はこのように。 社名だけでなく1/72ミリタリーと1/144航空機というラインナップまで、被りすぎにも程がある……
こういう場合はメーカーのなかのひとを勝手に想像して一方を「釘宮理恵」、もう片方を「古川登志夫」とそれぞれ関連付けて覚えておくと却ってわけがわからん!アイテム・メーカー間違えないよう地道に努力しましょう……
さてそのウクライナのエース、中身の方はいわゆる簡易インジェクションのキットです。昨今はミニスケールでも精密なインジェクションが増えましたから、ひとむかしまえの東欧モデルの雰囲気がちょっと懐かしい。
TL37砲兵牽引車を装甲化した実車と同様、シャーシーは共通パーツでボディ以上のパーツを新規に造形した内容です。とはいえ「アルマート(装甲)」ではなく「プロテット(防護)」って名称なのは、カテゴリー的には軽装甲車に分類される存在なのかな?ウィキペディアによると装甲厚8.5ミリだそうです。
共用ランナーを用いている関係から不用パーツも結構あります。ランナーの方にはパーツNo.刻印が打たれていないので取説のパーツ一覧を参考にして下さい。
タイヤのモールドはプラパーツより綺麗なもので、デカールは3パターン。イタリア陸軍と武装親衛隊第7義勇山岳師団“プリンツ・オイゲン”、さらにはユーゴスラビアパルチザンの鹵獲車両を製作できます。兵員輸送車というよりは戦線後方で警備視察に使用された車両ですかつまり。
「懐かしい」とは書きましたが決して「出来の良い」ものではなく、組み立てにあたってはそれなりに技術を要求されるものです。このサイズ、このグレードの製品に慣れ親しんだ方なら問題はないでしょうが……
……ごめんおれ慣れてないの(´・ω・`)
そんなわけで製作にあたってはかなりのチカラワザで乗り切ったことを、あらかじめ告解しておきます……
ベンチシートの長さが左右で異なるのはちょっと面白いつくりです。カタログスペックでは兵員8名操縦手1名の定員だけれど、もう一人ぐらいは追加で乗せられそう。
ステアリングホイールはかなり大きめ、その取り付け軸は1ミリ径×4ミリ長で自作するよう指示があります。
いささか長過ぎました(-_-;)人間工学よりも傾斜装甲を優先させた不自然なハンドル角度はドイツのハーフトラックなどと同様の処置で、それを強調するにはよい結果になったか……な?
どっちにせよほとんど見えなくなるんだが。
ドイツのSd.kfz222などに比べると野暮ったい外観ですけれど、そこもまた魅力のひとつといえましょうか。
いちおうこれで完成形である。なんだか建てつけの悪い納屋のように一撃でバラバラになりそうですけど気にしません!(白目)いや、カタチは面白い車両だと思いますよ?
防循の形状にはいくつかバリエーションがあったようですが、キットでは小型のものが4枚装着されているパターン。ちなみに防循未装着ですが現存するレストアされた実車の画像がこちらのサイトにありました。むか~しAMで見たような気もしますねこの車両。リエナクターイベントのレポートだったか、それとも単なる気のせいか……
元が砲兵牽引車なのでタイヤ直径が大きく、なんのディフォルメを経ずともチョロQっぽく見えてくるのはユニークかつユーモラスな本車の特徴でしょう。小柄で気の強いツインテ縦ロール女子高生などが似合いそうですがどうなってるんでしょうかそっち方面の展開は。
そんなことよりどこのメーカーでも良いですからちゃんと組み立てられるP40重戦車のキットをガルパンOVAアンツィオ高校編発売までにリリースしておくべきです。それさえあれば勝つる!