サイファイ&ファンタジーモデラーズUK「バウアーハウス Vol.4」

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英国在住モデラー Martin Bower 氏による大型スクラッチビルドモデルを紹介する第4集。同氏は長年にわたって特撮TV番組の美術製作に関わってきた人物で、手がけた作品としては「サンダーバード」や「スティングレイ」といったジェリー・アンダーソン全盛期のものから「Dr.フー」なんて最近のものまで幅広く挙げられます。

公式サイト(あるんですよ)見てたら「テラホークス」の名前があって急に親近感が湧く(笑)アイテムジャンルとしては番組スタッフが製作する大型モデルすなわち公式なプロップレプリカだと思って良いのでしょうけれど、プロップをそのままトレースしているのかサイズやディティールなどの面でプラスαされたものなのかはちと不明、主として自分の知識不足によります。

A4版の版型に途中経過写真と詳細な解説はともに本人自らによるもので、掲載作品4点とアイテムは少なめでも記事内容は濃いめのものかと。特撮美術に詳しい方ならそちらの観点で発見があるかも知れません。いちプラモデラーの観点でみるとバルサを芯材にした曲面造形や

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分厚いアクリル板をハコ組み面出ししていく過程にちょっと懐かしさを感じたり。

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昔はガンダム系でもこういった大型スクラッチモデルがよく雑誌記事で掲載されていたように思います。1/60サイズや胸像モデルでさえ大変に出来の良いものがマスプロ製品で手に入るってのは、考えてみると良い時代になったものですな、うんうん。

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アメリカでのスターウォーズ関連なんかですと「プロップレプリカモデル」がある程度のリミテッド・エディションとして市場に流通していますが、こちらは完全な一品もので受注製造を行っているようです。ファイアフライと磁力牽引車は「これまでにほとんど多くのサンダーバード関係を製作してきた日本のコレクター」向けに作ったそうでどなたなんでショ?

日本における製作代行業ともちょっと違う、強いて挙げれば船舶模型(「世界の艦船」に広告載ってるあれです)の世界に近いのかなー。世界に一点しか存在しない物を、そこに掛った時間と技術を世界にただ一人評価する者としてのクライアント的な立場を楽しむ市場が、西欧では醸成されてるってことかな。「村上隆氏によるアートモデルがオークションで高価格」みたいな話もそれほど突飛なものではないかも知れませんね。

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面白かったのはこのリバイアサンなる見知らぬメカで、実はこれ映画「エイリアン」に登場した宇宙船ノストロモ号の初期デザインなのですと。エイリアンと言えばギーガーはじめモノトーンの印象が強かったんで、このようにカラフルな機械が想定されていたとは興味深いです。Ron Cobb氏によるラフスケッチはネット検索すればすぐに出て来ます。いやホントに良い時代になったものですな。

ところで「Ron Cobb LEVIATHAN」で検索するとB級海洋SFホラーとして好事家には有名な映画「リバイアサン」がバシバシヒットしてコーヒー噴きそうになったww

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二次元にしか存在しないものを立体化する際にプラモデルから流用パーツを持ってくる、その製作過程はまさにぼくらが知ってる撮影プロップのそれであり、決してレプリカではない「オリジナル」が生まれてくる瞬間に立ち会うような感慨に耽りますねえ。四角い大型ノズルには脱出艇ナルキッソスのパーツを用いて統一感を演出するなんてやってることは洋の東西を問わないんだなと思ったり、ぼくらが本当によく知ってるパーツが使用されているのを見て胸が熱くなったりと共感するところも大です。

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ランナーごと使って配管を表現するのはちょっと新鮮な使い方だなーと、思ったのでした。

最後に公式サイトのアドレスを貼っておきます。雑誌記事内容と重複するところもあるんで紹介してよいものかどうか迷うんだけど、情報量は多くて面白いページです。英国じゃ「トリポッド」がTV化されてるんですねぇ…

http://www.martinbowersmodelworld.com/

物販コーナーもあるんだけど、お金持ちクラブなひとであれば個別な発注もできるのかな??

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