ソフトバンククリエイティブ「マスターファイル 国際救助隊 サンダーバード2号」

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架空の存在に精密なイラストと硬質なテキストで「リアルな」存在感を与えるソフトバンクのマスターファイル、これまではガンダムやマクロスなどの機体が主な題材でしたが初の海外ものとなるサンダーバード2号です。

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今回の内容は2082年に開催されたファーンボロ航空ショーに初参加した国際救助隊のTB2号の実機を航空雑誌的な視点・観点で取材したものとなっています。現役引退とスミソニアン博物館への寄贈を間近に控えたとはいえ未だ機密に関する事柄も多く、取材制限を受けるのも如何にも航空雑誌風。

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エア・テラニアンの民間旅客機(DC-10か、あえて古臭い3発機の画像を加工)とのツーショットにもニヤニヤさせられますが、迫力のアクロバット飛行のフォトも航空雑誌の雰囲気。むしろ岡○いさく氏のイラストコラムがないのが不自然に思えるほどです。

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サプライズゲストとして飛来したTB1号も飛行展示やエスコート機として活躍する姿が収められています。実景に自然に溶け込んだ姿は「SFメカ」ではなく「航空機」の模型としてサンダーバードの各キットを製作する格好のアイデアやインスピレーションを提示するものでもあります。

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機体運用とメカニズム、特にTB2号の心臓部となるコンテナについても多くのページを使って解説されています。ちょっと「翻訳」調の誌面構成も楽しいもの。

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CG図解によるコンテナ内部構造の解説は本書のなかでも読み応えあるものといえるでしょう。TBメカの内部構造といえば日本ではメディアワークスから邦訳が出ていた「公式」なクロスセクションがありましたが、ご存知の通りTB2号のコンテナは任務に合わせて多くのバリエーションがありますので例え「公式」と違っていても矛盾しないのは上手いところです。

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TVシリーズがイギリス本国で放映されたのは1965年、もう半世紀も前(!)の作品なだけに基本設定や映像表現にはいくつもの「間」があるものです。それらの隙間を埋めるためのいわば副読本として読まれるものですね。このあたりは二次的な書籍のよいところで、仮にオリジナルの設定を今風にあわせた「リアルな」リメイクを映像で作ってしまったら、それはむしろ反発の方が多いのではないか、数年も経ったら忘れ去られるものではないかと……

数年間に何かあったような気がしましたが、全部忘れました。サンダーバードの映画では「サンダーバード6号」が好きです。

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ショートストーリー的な記事があるのも本シリーズ通例なのですが、今回はいつにもましてルポルタージュ的(ジャーナリズム的?)に国際救助隊の謎と秘密を追って行くような記事になっています。TBの機体はいつ、だれが設計しどこで製造されたのか。カンザス州の片田舎に突如出現し忽然と姿を消したベンチャー企業の正体は何か。目撃された救助活動から推測される機体と組織の実態はどんなものなのか。なかなか「リアルで」読ませる内容です。

……しかしどちらの記事も「南の島に住んでる大金持ちの一家が主に道楽でやっている」という真実にはたどり着けないのです(笑)

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ずいぶん昔ですがモデルグラフィックスの別冊扱いでサンダーバードの「小説」が出ていました。残念ながら未読なのですがふとあの本を思い出したりします。マスターファイルシリーズの新しい展開として一連のジェリー・アンダーソンものというのはなかなか面白そうで、「謎の円盤UFO」なんかやってほしいものです。「リアルなエリス中尉」とか見てみたいぞ。

ところで、「リアルなサンダーバードの世界」ではやっぱり東南アジアの秘密アジトからフッドがテレパシー送ってキラノを操ったりするんだろうか? リアルに。

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