タミヤ「1/35 陸上自衛隊 10式戦車」

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タミヤ・ミリタリーミニチュアシリーズNO.329、陸上自衛隊の最新鋭戦闘車両のキットです。今回のレビューは正式発売前にメーカーより頒布されたサンプル品を使用していますので実際の製品とは異なる可能性があることをあらかじめ申し上げておきます

また今回特に画像が多めの記事となっています。読み込みの際はお気をつけ願うよう、お願い致します。

・車体下部

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一体成形のパーツです。実車ではなかなか見られない裏側の形状を確認できます。

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底面に特に地雷防御用の重装甲が施されていないのは、これは欠陥では無く日本国内での専守防衛を第一義に設計されているからこその特徴でしょう。万が一必要とされる状況があれば、アドオンすればいい訳です。

・Aパーツ

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転輪関係のパーツ、2枚入りです。サスペンションアームに肉抜きが見えるのは、あくまでプラスチック部品成型のためでしょう(実車にはないはずの処置です)

・Bパーツ

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主に砲塔部分を形成します。現代戦車に必須の上面の滑り止めはモールド済みです。

・Cパーツ

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主砲砲身や砲塔後部のラックなど。車長ハッチ部のリングマウントは陸自の戦車開発にあって相当の新機軸、それを良く再現してあります。

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車体各部のフック類はすべて一体成形されています。いささか残念ではありますが、仮にこの部分を別体化していたら価格は高騰するでしょうから、致し方なし。

・Dパーツ

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車体上部を構成する大きなランナーです。本製品は10式戦車の量産型をキット化していますが、試作型に改造したいという方にはこのホーン部分をどうされるかがいちばんのボトルネックになろうかと思われます。

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サイドのゴムスカートは自然な曲線を描いています。タミヤ製品としてはチャレンジャー2で通ってきた道です。

・Fパーツ

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ベルト式の履帯です(当然のことながら)2本入りです。

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試作車および第一期製造車両(C1仕様)が装備していたタイプのキャタピラです。本年度生産分のC2仕様以降の個体、また従来車両でも配備部隊では暫時新型キャタピラに交換が進んでいるようです。

・その他のパーツ類

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デカールやメッシュ、ペリスコープガードの透明プラ板などです。

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デカールは3両分、サンプルには塗装・マーキングガイドがカラー印刷で封入されていました(3両とも同一パターンの2色迷彩)。ペリスコープのプラ板は90式戦車用のパーツが刻印もそのまま入ってましたが、製品版でどのような処置がされるかは不明です。

以下組み立て説明書の手順通り、ステップごとに組んで行きます。実際の製作の参考になれば幸いです。

・1:転輪の組み立て

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組み立て自体にさほど問題はありませんが、アイドラーホイールとロードホイールがほぼ同一形状なので間違えの無いようにご注意。

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キットではアイドラーホイールのみ、裏側にもボルトのディティールが存在します(右側)。実車でどうなっているのかは不明です。

・2:サスペンションの取り付け

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ロードホイールのサスペンションアームは円形の差し込み基部と小さな取り付けピンですが、確実にホールドされます。綺麗に並んだサスアームは見ていて気持ちが良いものですね。

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このパートでの見どころはアイドラーホイールの取り付け基部でしょう。5か所のラチェットからニュートラルな位置を選ぶよう指示がありますが、取り付け位置を変えることで実車に備わる姿勢制御機構を再現できる余地が見られます。先ほどのロードホイール取り付け部分も小さなピンを切り飛ばせば容易にサスペンションフリー、可動化も見越した設計ですね。

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モデラーに向けた応用性を備えているのは実にタミヤ製品らしい構成と言えます。車体サイドのゴムスカート部分をどう料理するかは、識者の妙案を待ちます。

・3:ホイールの取り付け

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ここで注目すべきは片側3個の上部小径転輪でしょう。10式戦車のサイドスカート内側はまだ一般に公開されたことが無い筈ですが、実車もこのような構造になっているものと推察されます。74式戦車のような全輪油気圧独立懸架であっても、全体としては90式戦車のような配置です。考えてみれば90式も前後は油気圧サスペンションでしたからこの配置は自然で、つまりフジミの1/72キットはあっ…(察し)

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スカートの内側に興奮してたらうっかり前方フックA15を上下逆さに接着してしまうヘマを、気づいた時にはがっちり固まってて修正出来兄レベルで…

この箇所は参考にしないでください OTL

・4:ラジエーターグリルの組み立て

・5:リヤパネルの組み立て

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エンジングリル部分です。後部カメラ、尾灯類含めてクリアーパーツが使われていないことには若干の不満が無きにしも非ず。

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APU(補助電源装置)排気口がガッツリ埋まってるのは…コスト削減ってのはわかるんですが……せっかく無茶な姿勢で撮影していたというのに、ううっ(泣)

この辺はエッチングパーツメーカーでのアフターパーツ化が望まれますかしら。

・7:履帯の取り付け

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キャタピラには前後がありますので説明書の指示に従い取り付けましょう。

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いささか不安を覚えるほどゆるい巻きつけになりますが、たぶんこれ意味があります。外観に関してはサイドスカートで完全に隠されるので問題は生じないでしょう。

・8:車体前部の組み立て

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ライトレンズも通常のプラ成形ですが幸い別パーツ化されていますので余所からクリアレンズを持ってくるのは容易に出来ます。ちなみに直径は約3.5ミリほどでした。

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完成すればネットで隠れて見えづらい部分でもありますし、仮にクリアー化しても塗装するのは大変な箇所となりそうなので仕方ないかな?ネットを介して接着されるD19とD22の合わせ目が目立ちますが……

・9:車体前部の取り付け

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フェンダーに隠れるのでまったく気になりません。実に良いことです。

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ホーンは別パーツを裏側からはめ込む、立体感あふれる仕上がりとなります。

・10:車体上部の組み立て

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補助灯類の取り付けですが、

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今の画像、D10の取り付けを前後間違えてました。幸い撮影後でも気づいて修正できました……

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またここではドライバーズハッチの組み立てが入ります。ペリスコープガードは上記のように90式のパーツがまんま入っていたのですが、指示通りに切り出すとぴったりハマる、同一規格の構造なんですね。ですからもしも後日発売される製品版に透明プラ板が90式のものが入ってたとしても、それは問題にならないのです。

・11:ドライバーズハッチの取り付け

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スライド式で動くハッチ、実車では電動式なのでしょうか?インテリアもドライバーも無いんで閉位置で接着しちゃいましたけれど、未接着にしておいた方がいろいろ遊べましたね考えてみればね。

・12:車体工具の取り付け

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OVMは使いやすい位置にまとめて置かれています。斧やハンマーの形状って既に完成の域に達していて、如何なハイテク戦車でもこの部分は不変ですねえ。

・13:サイドスカートの取り付け

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あなたは見られている。

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冗談はともかくサイドスカートは縁も薄く成形されていてなかなか良い雰囲気です。

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後端のフラップは、このスケールならこんなものかな。裏側は押し出しピン跡が目立ちますけれど、完成しちゃえば目に入らない箇所であり。

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歪みがないようしっかりテープで抑えて固定しましょう。

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フェンダー前方にもゴムスカート部を接着し、本来なら工程11で取り付ける筈だったライトガードをあわてて接着。いやー今回妙に気ばかり焦ってミス多いなあ、反省……

・14:車体上部の取り付け

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取り付け自体は実にスムーズな物でした、特に接着しなくても「吸いつくように」ピタリとはまる。

・15:ワイヤーロープの取り付け

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ワイヤーロープは(このキットの構造では)車体の上下を橋渡すような取り付け方をされます。ロープ本体D8にA14のヘッドを接着するのですが、

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あらかじめグリルにD8を接着し、そのあとでA14を取り付けるとうまい具合に角度が決まり易いです。この際、A14を車体上部側に接着しD8とは未接着にしておけば完成後も車体上下を取り外せる可能性が。ゆるいキャタピラの巻き具合と言い、どうもこのキットモーターライズやRC化も視野に入れて設計しているのでは…と、それは勝手な推測ですので念のため。

・16:砲身の組み立て

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シモムラアレックのRボコが威力を発揮しそうです。や、自分は持ってないんでいつものようにアートナイフでカリコリと。

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ボアサイトミラーはなにかひと工夫考えたいところです。ハセガワのフィニッシュシリーズでうまいこと出来ないかなー。ホログラムはちょっと違いますかしら。

・17:防盾の組み立て

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ここは特に書くことが (・ω・)ナイ。

・18:砲塔上面裏の組み立て

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外観はカバー内部に隠れている発煙弾発射筒は独立したパーツでしっかり再現されています。

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それを裏側から接着する算段ですね。スモークキャンドルを隠すのは現用MBTではフランスのルクレールが先鞭付けた機構ですけれど、考えてみればWW2ドイツ軍の戦訓ですよね被弾に弱いからってのはね。別に「オシャレ」とか「見た目スマート」とかそんな理由ではないのです。

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ペリスコープガードは8枚もあって大変ですが、説明書に描かれている実寸のサイズ表示をコピーしてセロテープ(透明なことが大事です)でプラ板に貼りつけて、そのサイズで切り出せばきっちりはまります。ほんと90式と同じ規格で出来てますねこの辺は。いやつまり、実車がってことですよ?

・19:砲塔下部の組み立て

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書くこと無さそうに見えるでしょ?ところがここには結構な謎が控えているのでした。

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フィギュアを立たせるベースを2か所に取り付けるのですが、それとは別に未使用の取り付け部分が2か所存在するのです。位置的には直上に開口部を持たない場所でありますし、ハテこれは一体なんであろうか。

・20:砲塔の組み立て

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書くことはないけれど気分的には相当クライマックスなパートです(笑)

・21:砲塔部品の組み立て

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砲手用サイトと環境センサーの組み立てパート。

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砲手サイトの小扉は開閉選択式、環境センサーは可動します。ちなみに環境センサーのデカールは日本語銘板だけでタレス社のは入って無かったりする。純国産!純国産です!!

・22:車長用サイトの組み立て

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ポリキャップ内蔵で360度自在に旋回します。

・23:砲塔部品の取り付け1

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車長ハッチのリングマウントC39の取り付けは裏側から位置を確認するとやり易いです。

・24:砲塔部品の取り付け2

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砲手ハッチは後方部分のみ可動、前方は選択式。今回は木工ボンドで仮留めしてます。

・25:砲塔バスケットの組み立て

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このパートがいちばんタイヘンでした……例によって切り出して行くんだけれど。びみょーにサイズが合わないのよ。結局現物合わせになったけれど無駄に複雑な構造(いや無駄じゃないのでしょうけれど)してることもあって、ここはエッチングがほしいとこです。タミヤって最近は純正エッチンググリル出さないですね。あれ重宝するんですけどね。

・26:砲塔バスケットの取り付け

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工程25をエエカゲンにするとここで泣きを見ます(経験者は語る)

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機銃架・車長用ハッチともマウントを介してレール上で位置を変化できる構造なのがお解りいただけるでしょうか。以前90式戦車の機銃架を「車長も砲手も使いやすいように」砲塔中央に置いたらどっちにも使い難くなったってエピソードに比べてなんという進歩。そしてこの構造なら車長用ハッチをアップデートして防御力を向上させることも可能ぢゃないか!

ホントのところはわかりませんけれど。

・27:人形の組み立てと塗装

・28:人形の配置

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車長は拳銃ホルスター、砲手は89式小銃用の銃剣を装備しています。いささか被服が古いのはタミヤが取材した車両の乗員がそうだったからだとかで、新型ゴーグルは軽装甲機動車イラク派遣隊員セットなどに入ってます、ご参考までに。

しかしこのサイズで最近の細かいパターンの迷彩服は、やっぱデカールほしいところですね。このパターンで合ってるかな?

・29:12.7mm M2重機関銃の組み立て

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弾倉未装着な状態は珍しいかも知れません。現場ではQCBタイプの使用も進んでいるのでそれを考えてもいいところなんだけど、1/35でM2QCBってあったかしら。

・30:12.7mm M2重機関銃の組み立て

・31:砲塔の取り付け

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完成ですマンセー!

ほんとはここからいろいろ見て行きたかったのですけれど、調子に載って画像貼ってたら激重です。数えてみたら72枚もあるじゃないですか誰だよ72は薄いとか板とかつるぺたとか言ったのは(# ゚Д゚)ムキー

すいません俺です(・ω・)ノ

今日はちょっと表に出ることにして、後日新記事で完成見本的なのを載せようと思います。

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