ハセガワ「1/1300 モーレツ宇宙海賊 弁天丸」
ハセガワクリエイターズワークスシリーズよりTVアニメーション「モーレツ宇宙海賊」に登場した私掠船免状持ちの宇宙海賊船弁天丸です。
モーパイ本編は昨今の日常学園もの流行りの中にあって久しぶりの宇宙冒険活劇、笹本祐一原作ならではの硬派なストーリーとキャラの魅力を備えた良質のアニメーションでした。全26話の放送は終了しましたが劇場版の製作が告知されていて、実は今日(12/21)イベントがあるのでこの後何か新しい情報が流れるかもしれません。
ひどいピンボケ……すいません;
キットはアニメ本編のイメージを再現したマルチカラー成形。ここしばらくのハセガワキットって本当にユーザーフレンドリーになりました。ちょっと前までは物が良くても情報を持たない人間には敷居の高い、銀座の寿司屋みたいなイメージがありましたからってなんだそれ。
デカールは大判で美しい印刷です。ちょっと航空機感覚で如何にもハセガワのキットだなって感じ。こういうところは変わらずに続けてほしいものですハイ。
パネルラインもキレの良いモールドがスジ彫りされてます。アニメ映像の表現も3DCGの進歩で線の多いデザインを自由自在に動かせるようになりました。モーパイといい「ヤマト2199」といい、「宇宙船アニメ」の可能性が高まる昨今であります。いや只今この瞬間は「戦車アニメ」の可能性が青天井まっしぐらすけど。
1/12スケールフィギュアのサイズに準拠したミニ弁天丸がオマケで入ってます。本編6話に登場するプラモデルがモチーフなのですが、加藤茉莉香が海賊船長のイロハを勉強するのになんでプラモ作ってたかは謎です(笑)
組み立て説明書の一部がミニ弁天丸のパッケージになってます。このままでは強度が無いので作成される際には別途ボール紙などに貼りつける必要があるでしょう。
ランナーの随所に見られる微妙な空間がわたし、気になります!
組み立てはまずグレーのパーツの主船体を組んで…
赤いパネルを貼っていく流れ。一応接着剤不要のスナップフィットでありますが、流し込み接着剤のひとつも用意しておけば安心して作れます。
ブリッジは画像の通常航行時と船体に下降した戦闘時を選択可能。慣れた人ならちょっとの加工で双方の状態を再現できそう。
大型のサブ可変サイクルエンジンはじめエンジンのコーンはクリアーパーツで再現。サブなのに「REACTOR01」のマーキングは何故だろう(笑)
可動ベーン(?)を備えたメイン可変サイクルエンジン。補機より小型のエンジンを四発束ねたものが主機って不思議ですけれど、老朽船に大改造を施したって設定ならこれでいいのかな?きっと前世は外惑星動乱時にタイタンの軍事工廠が戦時急造で作ったエンジンなんですよ。谷甲州の「巡洋艦サラマンダー」読もうぜ!
このキット作るまで左右で形が違うとはちーとも気づかなかった格納庫。
パイロンで接続された補助可変サイクルエンジン。それぞれ「REACTOR02」「REACTOR03」のマーキングがあるんですけど、弁天丸の主機って阿号吽号の双発じゃなかったかしら……???
こまけーことは気にするな!クヨクヨ悩まず気風良く決断していくのがキャプテン茉莉香と本作の良いところです。
かといって単純な熱血バカでは断じてないのがまたよいとこだ。デザイン原案では弁天丸には「腕」が生えてたらしいのですが、それはあまりにグラップラー過ぎでアウトローだろうと今の形に落ち着いたそうで。もしもこれが科特隊の宇宙ビートルに見えたとしたら、それはもう遺伝子に刻まれたパターン認識みたいなもんだな。
三連装主砲×2と単装副砲×1の兵装関係、そして起倒展開式のアンテナ(キットは展開時で固定)。海賊は決して軍隊ではないのでチカラ押しのストーリー展開はあまりなく、本編では砲填兵装大して活躍してませんね。むしろ電子戦・情報戦の重要な役割を占めるアンテナ大活躍だ(笑)アニメ演出の面でいえば、全天走査やフェーズドアレイの指向性ビームなどのレーダー波を「目に見えるかたちで」表現したのは索敵シーンにも緊張感がみなぎり、さすがの佐藤竜雄監督作品でありました。
専用スタンドは土台が大きくとられているので安定した保持力をもちます。
また取り付け角度を四段階で変更できます。シンプルながら確実な動作はさすがのハセガワ設計プラモデルであります。
ミニ弁天丸とニッパー。ワンパーツながら素晴らしい出来映えのニッパーがなんだかスゲェ(笑)このサイズに見合ったモーパイフィギュア製品はねんどろいどのキャプテンマリカだけしかないですが、ハセガワの「学校の○○」シリーズをはじめとして様々なアイテムと併用すれば可能性はいくらでも広がります。1/12サイズ小物が一般のプラモデルメーカーからも多く出ましたこの一年。
ひととおり組み立て終わってクリアーパーツがふたつも余るのはわたし、非常に気になります。TV本編クライマックスに登場した強化改装型かはたまた映画版で新デザインが上がるのか、なにがしかの展開を当初から予定しているプラモデルではあり。
地味なギミックですが砲塔は可動します。戦闘指揮担当のシュニッツアーも派手な外観の割には地味なキャラだったな……
デカール貼ってみました。ちょっとは派手になったかしら?スタンド角度を最高角にしとくとデカール貼るのに便利です。そんでスタンド上のタイトルロゴが実に目を惹きますが、どこかにキャラクターのバストショットも欲しかったような。
デカール貼付指示は一部で部分塗装とコンパチなので注意が必要です。あと特に指示は無いのですがブリッジ直下の船名デカール3と4はライン縁取りの54と55の後に貼ったほうがいいみたい。先に船名貼ったらラインを貼る余地が無くなってしまった……。
またデカール49と58はそのままでは機体表面ディティールと干渉するので予め切断分割してから貼ったほうが無難でしょう。うん、手遅れになってから気づいた(´・ω・`)
以上、宇宙海賊船弁天丸であります。本編・キットとも良品でもっと評価されていいんじゃないかと思いきや、良品はちゃんと市場が評価しているので実に喜ばしい事でありますな。
それと大事なことを言い忘れてましたが、
チアキちゃんがカワイイ。