ハセガワ「1/200 日本航空 B777-200 (新マーク)」
ハセガワの定番的な1/200スケールジェット旅客機のプラモデルです。(新マーク)というのは発売当初の状況から発注書などで便宜的に呼ばれていたもので、製品パッケージには特に記載がありませんので念のため。
機体パーツは左右で二分割される構造です。
日航といえば白い機体のイメージが強いのですが、パーツ全体ではグレーの面積が多いですね。
E、Fランナーは各2枚入り。
ウインドはコックピット部分のみですが、飾り台がややスモークがかったクリアーパーツで付属。パーツ全体見るといかにも「定番」で手堅い設計かな?
バラストに使うビスが一本とデカール。機体番号「JA8984」以外にもフリーで設定できる数字や客席窓、そして特徴的な(新マーク)。
本キットは日本航空が尾翼のマークを「鶴丸」から「太陽のアーク」に変更していた2000年代の機体を製品化しています(ファンの間では「5代目塗装】と呼ばれているようです)。2002年のグループ再編に伴う社名ロゴの変更による処置なのですが長年親しまれた鶴丸を惜しむ声は多く、またこの時期から急速に日航の経営は悪化、破たんを招き、会社更生法の適用・企業再生支援機構の傘下に入るなどの紆余曲折の末近年再び鶴丸に戻されたことは報道などでも知られています(よね?)。故にこのデザインを今でも(新マーク)と呼ぶのはモノスゴク抵抗があるのですがうううむ…
パーツの成形は非常によいもので窓の抜け具合や主翼のスジボリも上出来です。良キットなのは疑いのないところなんですが、このスケール・このサイズの旅客機プラモデルとしては完成の域に達しているのか、なんていうかインパクトに欠けるんだな。
機首部分にはこのようにウェイトを取りつけます。
B777のエンジンはカスタマーの要求に応じて3社から選択できるそうですが、日航ではP&WとGEを国内/国際線で使い分けてるんですと。キットではさすがに解りません(^^;
機体本体。長いですね。
主翼。これも長いです。
ランディングギア。このスケールにして十分な表現でしょう。
ああ、なんかもう
書くことがNEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!<( ゚Д゚)>
って感じ。いやホント、なんていうかな、ストイックなまでに出来が良い反面、遊びもゆとりもないと言うか…
主翼の取り付け角度が文字通り「吸いつくように決まる」のも予定調和みたいなもので、なるほどいっとき旅客機モデルが低調になったのも判るような気がします。すごろくで言うところの「あがり」になってたんだな。
無塗装でもデカール貼れば十分見ごたえのあるものになる。これ以上一体どうせよと言うのか。最新の787のキットでは彫刻表現に進歩があるとのことですが、基本構造は既に完成の域に達しているような感じ。
おそらくこのキット自体はいずれ絶版になるだろうし、日本航空の歴史を知る上でもある意味貴重な存在ではありますが。
「斜陽」かはたまた「落日」か、とにかく縁起悪いマークなんだよな…
経営再建に伴って日航は器材・人員共に大規模なリストラを敢行したのですが、機体番号JA8984の本機は現在でも使用されているそうでヨカッタヨカッタ。「エコジェット・ネイチャー」と呼ばれる特別塗装になって本日も日本の空を飛んでいます。
最近は787の就役やLCCの参入など旅客機業界いろいろ話題性もあるので、ここいらで旅客機模型業界にも元気を出してほしいものですハイ。