ハセガワ「1/24 フォルクスワーゲン ビートル ポリスカー」

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ハセガワの1/24カーモデル、限定アイテムです。以前はHLJセールス品の常連として皆様に親しまれましたが御好評につき目出度く完売、現在は絶版という状況であります。


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2011年発売のアイテムですが、オリジナルとなったのは90年代にHC帯で発売されたフォルクスワーゲン・ビートルです。ボディはフロントボンネット・リアのエンジンフード共に一体成型。

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ハセガワのカーモデルとしてはごく一般的なつくりといえましょうか。パーツ数を抑えて組み立てやすい設計となっています。

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メッキ部分やクリアーパーツの使用箇所もカーモデルとしては通常のものでしょう。考えてみれば90年代は模型メーカー各社でヒストリックカーのプラモデル化がちょっとしたブームだったように思います。ハセガワのコロナスポーツやタミヤのシトロエン2CVなど名キットも多く、いま現在それらの多くが入手難なのはいささか残念なことかも知れません。いちど製品開発をやっておけば後々まで再販は可能というのが(少なくとも、日本の)プラモデルではありますけれど。

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メタルインレットと室内床面用のフェルト素材(?)シール、そしてデカールが付属します。デカールはパッケージ画となっているドイツ連邦警察局はじめ3種類で、なぜだかわかりませんがマイクロエースの1/32オーナーズクラブ「フォルクスワーゲン パトカー 1950」とモロ被りするじゃなかったかしら。

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もとよりエンジン再現などは謳われていないのでメカメカしさとかは少なめですけれど、車体底部のディティールなどにはハセガワらしいつくり込みが垣間見られます。基本となるプラキットをベースにエッチングや透明部品などを使用した「コレクターズハイグレード」シリーズを限定で出すのは一時期ハセガワがよくやってた展開ですけれど、ワーゲンビートルではそれは無かったかな?

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一般的には(ってどこの世界の一般なんだろう)ハセガワのカーモデルはディフォルメを効かせることより実車形状に即した立体化をするといわれています。本キットの楽しみ方もNEWビートル登場以後も未だに通じるキャラクター性の高さ、この“ビートル”のこのカタチを素直に味わうところにあるのでしょうね。

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ナチスドイツ時代の「国民車構想」に基づきフェルディナンド・ポルシェ博士の手で設計されたフォルクスワーゲン・タイプ1、大量生産に向けたシンプルな構造はプラモデル化にも向いたクルマと言えるでしょう。

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シンプルな構造で快適な乗り心地を達成したトーションバー・サスペンションも、可動こそしませんが外観は再現されています。タテ置きしたりしません。

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フロアーにはフェルトというかベルベットというか、起毛素材を貼り込みます。塗装する際はこの箇所を汚さず仕上げることがひとつのポイントになるかと思います。

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そのフロアにタイヤハウスを組み付け……

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前後のシートを乗せ……

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ドアのギミックは無いので壁面を取り付ける。カーモデルにして普通の流れか、組み立てに際してなんの蹉跌を感じさせないのは流石のハセガワ・スタンダードで実に優等生なプラモデルではありますが、堅実な分面白みには若干欠けるかも知れないな。

「どこそこスタンダード」って褒め言葉を受け手の側は便利に使っちゃいますけれど、メーカーの立場としてはどうなんだろうなと今差ながらちょっと気になります。

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タイヤサイズは前後輪とも同じもの、ホイルキャップはメッキパーツです。

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タイヤの取り付けもポリキャップ使用でむだな力を入れることなくスッポリはまります。手間の掛からない良い子ですよほんと。

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警察車両としての追加パーツはパトランプともどもクリアー成型されているのでラウドスピーカーも透明になります。なぜか2セット入りでひとつ余るので、グリップを加工すれば1/12フィギュア用のメガホン的な使い方も出来るなあこのパーツ。

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メッキパーツによる車体外装をひと通り取り付ければ完成です。メッキ部分の接着には削り落としや瞬着の活用が求められるのも依って件の如し、十年一日な話ではあるのでそろそろどこかの化学メーカーが接着可能なメッキ加工素材やプラセメント感覚でメッキパーツを固定できる接着剤とか出してくれないものでしょうかしら。

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取説には外装モール部にはミラーフィニッシュの使用が効果的だと書かれています。その辺はイマドキ風です。どう使うのか具体的な切り出し方、ディティールとの合わせ方は示唆してくれないのですけれども。

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デカールシーと見ればわかる通りにドイツ警察の特徴的なグリーンカラーは塗装で仕上げることとなります。カーモデル、カーモデラーとしてはしごく普通の作業であるのはわかります。けれども埒外な身としては、何かシート的なもので済ませられればハードル下がるのにな、と思ったりもする。

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