ハセガワ「1/48 九七式側車付自動二輪車 & 九五式小型乗用車 くろがね四起 3型」
ハセガワ製、日本軍小型車両のインジェクションキット2両セットです。一応「エアクラフト・イン・アクション」シリーズの名を冠せられていますが、あんまり飛行機の匂いはしません(笑)
九五式小型乗用車関連パーツです。本車は短期間にスケール違い含めて3社からキットリリースがありましたが、こと「細かい」って意味ではハセガワのものが一番だったような、あくまで印象。ハセガワではいくつかの形態で販売されていますが、将校(?)立像はこの九七式側車セットでの新規パーツ。
こちらは完全新規の九七式側車関連パーツ。両車とも同じようなフォーマットのプラモデル、デカールシートは1枚で双方に対応するものとなっています。
陸軍・海軍陸戦隊の記章・ナンバープレートのほか「陸王」エンブレムなども付属する内容です。
各パーツのヌケはディティールのみならず曲面の美しいライン取りまでふくめて気持ち好い位に繊細です。切り出しにはよく切れるニッパーを用意しましょう。長年タミヤの薄刃ニッパーを使用してきましたが、グッスマの匠ニッパーがあればなお良かったかも…
注意点としては両者とも完全に独立してそれぞれにA・BとパーツNoが振られていますので取り違えないようにすることでしょうか。説明書も別々になっていますので組み立て前にきちんと確認しておきましょう。
九五式(以下くろがねと表記)シャーシー部分。エンジンや前後サスペンションも再現されています。パーツの合いはまったくもって良好で、特に気になる程のバリもありませんね。元々「オートバイのエンジンを利用して生産できる小型乗用車」として開発された車両なんで、安直に「日本版ジープ」などと呼ぶもんもでないよなと、ここだけみても解りますね。
ボディは1930年代の自動車らしい外形です。ボンネットも一体化されているのでせっかくのエンジン部分が見えなくなるのがいささか残念…。ところで「正式英語名称」なんてものが存在しないからといって、ハセガワの製品表記通りにこの車両を「SMALL SEDAN」と呼ぶのは若干抵抗があるぞ(w ロードスターとかクーペに属するクルマですよん。
いくつかの箇所でコンパチになってるんですが幌は折り畳み、助手席側はワイパー無しのウインドを開いて九六式軽機関銃を乗せてみました。くろがねにこのような銃架は確かに存在するのですが、果たして実効性がどれほどあったかは疑問。
ですが、やっぱりプラモデルは楽しい方が良いなーと思う。ヨンパチスケールの小さな車体ならばこそ、派手に武装をさせたいもんです。
クリアーパーツになってる展開状態の幌を含めて付属品一覧。運転手/銃手のフィギュアを着座させようと思ったら、ハンドルと機銃は後から接着した方がよいでしょう。また立像の頭部は戦闘帽に帽垂の有無で2種類から選択可能です(生首並べるの忘れた…)
ここから九七式(以下陸王)パート。ハーレー・ダビッドソンの流れをくむ、戦前国産オートバイの代表的な存在です。フレームや排気管、スポークなど成形技術の限界に挑戦するような内容に見てると冬でも素麺食べたくなる(w;
スタンドのパーツも付属するので側車無しの自動二輪で組むこともできます。ハンドルがちゃんと左右に切れるぞ!
側車を構成するユニット群。フレームから伸びたクランクハンドルは動力伝達機構の切り替え装置で、悪路に於いては側車側の車輪も駆動することが可能です。また後継車両として少数配備された「九八式側車」は全輪駆動、すなわちバイク側フロントタイヤも駆動出来たとかで、オートバイ技術にそこまで傾注せざるを得ない時代であると、ふむふむ。
一式重機関銃(スライド金型でマズル開口されてます)装備車両を選んだのは前述くろがねと同じ動機なんですけれど、側車に重機ってあんまりポピュラーじゃないことは留め置いた方が良いでしょう。同車にしては珍しく(w 説明書にシベリア出兵時の状況として側車で重機を運用した話が書かれていますけれど、実はこの話には続きがあって、結局あまり使い勝手がよくなかったんで側車に積むのは軽機関銃が主流になったり。ハセガワが本キットを開発する際に参考にしたと思われる側車+一式重機関銃の写真も光人社NF文庫「小銃・拳銃・機関銃入門」に載ってはいますが、側車は九三式だしそもそも一式重機関銃は全然ポピュラーな重機ではないので、この状態で実戦運用されたかどうかは甚だ疑問である。
まあでも、楽しいほうがいいジャン!とか、そういうノリですツクダニです。
陸王関係では側車のフードの他、ライダーの上半身がコンパチ。あとまたウッカリ撮り忘れましたが側車フィギュアの別ポーズ腕部と交通機動警邏隊用のスピーカーも付属します。ホントは三八式も騎銃であるべきなんだろうなーうーむ。
なお側車にフィギュアを乗せようと思ったら、両足のここから先を切ってとまるでちよ父みたいな加工が必要です。いやーあずまんが大王もすっかり懐かしいネタになっちゃいましたねー
メインとなる車両のみで一枚。特にディフォルメしてなくとも可愛く見えるのは、ある意味日本の自動車工業が稚拙だったことの証かも知れぬぐぬぬ…
そんでやっぱネコワークスのディフォルメカーシリーズ「くろがね」って、とてもディフォルメしてるようには見えないよな(w
全部まとめて並べるとくろがねと陸王ではフィギュアの体格がまるで異なる衝撃の事実が発覚するので、ホントはあんまり、やらんほうがええのです。