ハッピーミディアムプレス「サイファイ アンド ファンタジー モデラー 第31号」

f:id:HueyAndDewey:20131120090055j:image

今回の表紙となるのは「エイリアン2」に登場した宇宙海兵隊のスラコ号。シド・ミードによるデザインの魅力を十分に伝える全長6フィート(約152cm)の大型キットです。


f:id:HueyAndDewey:20131120090147j:image

完成するとちょっとしたテーブルぐらいのサイズ。

f:id:HueyAndDewey:20131120090148j:image

実はこれペーパークラフト、つまりは紙で出来ています。型紙の全展開図が載ってるページはなんだかこのままでもテキスタイルデザインになりそうな按配で面白いなあ。決して一品ものの自作ではなく「キット」なのでちゃんと販売されているものです。チェコにサイトがあるようですね。スラコ号以外にもドロップシップとか見たことない機体とかいろいろあるのはゲームか何かのコンテンツがベースになってるんでしょうか、動画もあるのでチェコ語がわからなくても楽しめるサイトです。

f:id:HueyAndDewey:20131120090149j:image

素材が紙とはいえこの硬質な感覚はプラ素材以上に実感をもって受け止められそうです。ウェザリング、退色表現を最初から印刷できる利点などペーパークラフトの幅広い可能性を見る思い。平面やエッジを出していくのは大変な作業かも知れませんが、近年は日本でも大型ペーパークラフトモデルを販売・製作されている方々も居られますからそれほど縁遠いものでもないのかな?

f:id:HueyAndDewey:20131120090150j:image

スタートレック関係は相変わらず興隆著しいものです。ポーラライツのNX-01、レベルの「スタートレック イントゥ ダークネス」版エンタープライズなど新作キットのレビューから、

f:id:HueyAndDewey:20131120090151j:image

ポーラライツのオリジナルTVシリーズ版エンタープライズ、TOSでも屈指の人気エピソードに登場する宇宙船ボタニー・ベイ号付属の「宇宙の帝王Ver.」、AMTのキットベースにスクラッチしたUSSケルヴィンなど新旧取り混ぜて様々な記事が掲載されています。特にポーラライツの製品は日本ではこれから年末にかけて流通するものなので、ひと足先にキット内容を知ることができます。

f:id:HueyAndDewey:20131120090152j:image

今回の内容で特に目を引いたのは「KESTROS IV」と呼ばれる宇宙船。なんだかわからないけどカッコイイ!カッコイイけどなんだかよくわからない……そんなときはごーぐーぐるすとぅーぴっどです!はい、キーワードで画像検索してたらこんなの出ました!!

http://www.firstshowing.net/2013/watch-derek-van-gorders-mutiny-sci-fi-short-film-c-299792-kms/

オリジナルのSFショートムービーに登場するミニチュアだったようです。ショートムービーだけあっていかにも低予算ではあるのですが、イギリスのSF映画らしいある種の、ある種のなんだろうなあ「落ち着き」があって面白いなこれは。CGIを一切使用しないミニチュア特撮とかモニター画面のデザインとか20世紀のSFX風で実に味わい深い……

「この『著名な歴史家』はいつ通りすがりの騎士にぶった斬られるんだろう?」なんて思い出したら英国面も相当な重症ですから落ち着いて紅茶を飲め。あるいはココナッツを鳴らそう。

おじさんとおばさんしか出てこないSFってすごいなあ

無ww重ww力www

……はっ、つい見入ってしまったΣ (゚Д゚;)

この短い映画作品の撮影風景がメイキング資料的に取り上げられています。撮影機材には市販のデジカメを使ってるようで、こういう映像を作りやすい時代になってるんでしょうね。「ヤマト2199」などの電飾をたくさん施したプラモで特撮映像作ったら面白いでしょうねえ。

※ところで検索文字を打ち間違えて「kestos iv」で画像検索するとそれはそれは大変な結果が表示されるので、特に職場のPCではするなよ!絶対に検索するなよ!

f:id:HueyAndDewey:20131120090153j:image

この他にも映像作品製作の一環としてミニチュアモデルを製作している人たちの様子を多く取り上げているのは本誌の特色です。実際今でもイギリスの映画製作者にはミニチュア特撮を多用するグループがいるようなのですが、日本にいるだけでは実態がよくわからない。「月に囚われた男」なんか面白かったんですけどね。


D

いくら低予算とはいえ果たして採算取れているのか気になるところではありますが、過剰な宣伝や極端な大作主義に陥ることなく「こじんまりしたSF映画」を作れる環境は魅力的です。やっぱ映画は撮ってナンボの世界でしょうから、日本でもなんとかならんものかなー。

f:id:HueyAndDewey:20131120101131j:image

いまや現代の神話と化して多くの信者がレプリカを製作し続ける「スターウォーズ」も、最初はこじんまりしたSF映画だったはずなのです。なにしろ予算がなくてプラモのつぎはぎでミニチュア作ってたぐらいなのですから。そしてこういったミニチュア特撮の良さ、素晴らしさを広く世界にとりわけアメリカ映画業界に向けて訴えることはいま、とても大事で、ここで間違えると今度の新作SWは甲高い声でしゃべるネズミとガーガーわめくアヒルのCG映画になってしまいますよ棒読み。

f:id:HueyAndDewey:20131120101132j:image

その他今回の記事では「スペース1999」のレーザータンクスクラッチ、メビウスモデルのキットレビューでは「マンスターズ」のハーマン&グランパを2体セットまた「宇宙家族ロビンソン」の1/6フライデーなどがテストショットでいちはやくレビューされています。

あわせて読みたい