バンダイ「ビルダーズパーツ: MS エンブレムレリーフ #01 」
バンダイ製ガンプラビルダーズパーツHDシリーズ、ノンスケールのMS用エンブレムです。ノンスケールってところが大事です。
ランナーは2枚封入されていますがまったく同一のものが2枚入りです。一枚の中に連邦・ジオン・ネオジオン3勢力の紋章が大中小3サイズ、製品合計で18個のエンブレムを製作可能です。
対象年齢15歳以上の製品なのでエッジ部分は非常にシャープな作りとなっています。
それぞれのエンブレムは紋章本体+ベースで構成されるので塗装の便もよし、また応用の幅もいろいろと広がるものでしょう。
地球連邦軍章、大中小3サイズ。もはや伝統の図柄ですが、よく言われるのが一体これは何を表わしているのか、そもそも誰がデザインしたのか、いろいろと不明のまま伝統になってることです……
ジオン公国章は1stTVシリーズの頃は丸みを帯びた形状でしたがいまやすっかりこっちが主流の細身のタイプです。むかし「ガンダム0083」でモビルアーマー、ノイエ・ジールを見たガトー少佐が「ジオンの星辰が形となったような~」なんて言ってて、なるほどノイエジールのデザインはジオン公国章の星の光のような形状に通じるものがあるなあ…とか勝手に納得していたら、実は正しい台詞は「ジオンの精神が形となったような」だったのでした。
ネオジオンの紋章は「逆襲のシャア」でサザビーのシールドに描かかれていたマークが初出だと思われます。最近ではシナンジュはじめ袖付きMSに多用されているデザインですが、ゼータやダブルゼータの頃はまだ存在してないハズ。ガンダムUCの新旧ネオジオンMSが混在する情景を製作される際にはその辺の違いを演出しても面白いかもです。
なおランナーの一部が5ミリ径ポリキャップ用の治具になっています。本製品にPCは含まれませんがガンプラ改造作業の一助にはなるでしょう。
サイズ比較に1/144スケールのFGザクとならべてみます。「MSエンブレム」と言うくらいですからMSに付けるエンブレムとして使用するのが普通なんでしょうが…
最も推奨されているような「盾に付ける」と1/144ザクのシールドにはSサイズで限界。より大きな物は1/100スケールやそれ以上のサイズにって普通は思うじゃない?でもなんかその、冷静に考えて、こんなデカい(且つ実用性は無い)装飾品的な構造物を、果たして近代兵器にイモ付けするものだろうか。ペイントやラッピングフィルム、シート類ならまだしもどうもその、ガンダム世界やモビルスーツの持つ空気感とは微妙に相性悪いように感じる…
なんて思うのは多分固定観念に囚われているからであって、もっと自由に発想を飛躍させるべきなのでしょう。ハナから「小さいのは1/144用」って考えてること自体オールドタイプな思考である。むしろ小さな紋章をより大きなモデル(メガサイズとか)に使用すれば、構造物の不自然さは見え難くなるようにも思う訳です。いわば「大きさの概念を捨てるんだ」というアレだな。スケールモデルの“scale”と言う単語はもともと英語の「鱗」から来ているので、ノンスケールであればこそ、目からウロコが落ちるような使用方法を考えてみたいトコロ。メーカー自ら「公式改造パーツ」を謳ってるんですから、どんどん非公式な使い方を模索したいなーと。
試しに大サイズの物を使って考えてみますが、絵的に地味なんで塗装しておきます。しかし色を置いた時点で固定観念と結び付く危惧もあるのだなーうーむ。
ナイトガンダム系のBB戦士プラモなら「盾」に使えます。「騎士」よりは「雑兵」みたいな気もするが。メタルフィギュアを用いたファンタジーRPGやゲームズワークショップ社のアクチュアルゲームをプレイされてる方ならそっち方面の応用を見いだせるかも知れません。
個人的にオススメしたいのは1/35スケールの情景用品として使っちゃうこと。建築物の装飾品として考えれば自然な大きさに収まりそうですし、無人の廃墟にただジオン公国章を転がすだけでもそこが「ガンダム世界」であることを演出できます。
月並みですが展示台の装飾、ネームプレートなどにも使用することが可能でしょう。例えば1/144スケールのMSをコンテストに出品するような場合、全体としてのボリューム感を積み増すためにも展示台や立ち上げ部分に凝るのは効果的かと思われます。ミリタリーやヒストリカルの、フィギュアモデルで多用される技術です。
こうして思い付きを並べてみても、自分が古臭い固定観念に囚われ過ぎなことが再認識されるばかりでその、困りますね……
いっそエンブレムの概念を捨ててみるのはどうだろうか。
ステナイホウガヨサソウダOTL
いま気づきましたがカーモデルのエンブレムには使えそうな感じです。シャア専用オーリスなんてものがあるご時世ですからこっち方面で色々……と、シャア専用オーリスのジオン公国章は旧タイプなんだ。いま気づいた。
紋章本体を単独で使って「ばかめよくみろ、そいつはしんちゅう製のジオン公国章だ」「ほんものはここだ」ごっことか出来ます。なんのことだかわからないひとは「超重要塞戦車ゴッドタイガー」で Go Google するべし。文庫版ならたしか4巻です。
所詮はオールドタイプな発想である。人間なかなか重力のくびきからは逃れられないものですね。