バンダイ「BB戦士 真 劉備・関羽・張飛 3体セット」

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去る3月に無事TV放送の終了した「SDガンダム三国伝 Brave Battle Warrios」よりシリーズ原点、主役キャラクター三体をセットにしたホビーリンクジャパン・オリジナルアソート商品です。現在個別にセール中ですが三体セットならばいささかお買い得にはなっております。


ところでいま「無事終了」って書いちゃいましたけどアレはホントに無事終了なんだろうか。赤壁で司馬懿ひとり勝ちしたように…見えたのですけど…周瑜がポックリ死んでたのは、それはどうよと…

その1:真 劉備ガンダム

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と、いうわけで主人公です。主人公だけにしごく真っ当な王道熱血キャラクターだったような気がして、近年にしては珍しい事例か。その分素直すぎて面白みに欠ける人物造形であるのは大抵の三国志もので劉備が陥る罠みたいなもんです。

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キット内容ひと通り。いささかめんどくさい話ですがこの「真○○」製品は、もとはと言えばBB戦士シリーズの一環である「三国伝」シリーズを、映像化に合わせて新パッケージでリニューアルした製品であり、改めてシリーズNo.が001から始まっています。ですからまー厳密に言うと「原点」ではないんですけど気にするな。もっとこー大陸的オオラカ気分でゴーです。

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リニューアル化に併せて付属シールの色味が変わったり新規パーツが起こされたりもしています。 劉備ガンダムの場合は覚醒時の真龍帝剣が付属。

さて史実に於いて 劉備というのはなかなか謎の多い人物でありました。漢王朝の末裔を名乗りつつも実際のところその来歴は不詳であり、特に近年に於ける三国志を題に取ったフィクション作品では劉備の人物像にひとクセ加える行為もよく見受けられます。

本作品「三国伝」もその例に洩れず「三璃紗大陸北部、幽州・楼桑村出身」「決して悪を許さず、正義のためには何者も恐れず立ち向かう若者」「義にあつく頼れる兄貴分」な劉備なる基本設定はまったくのデタラメ、その正体はなんと!

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「ホンタイさん」なる謎の人物でした。時々ドーベンウルフのなかのひとになったりもする、変幻自在の人物だズコー

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あんまり馬鹿なこと言ってると怒られるんでマジメに組んでみます。本シリーズは素体である各キャラクターの軽装状態に鎧パーツを装着させていく設計であり、極めて簡易ではありますがMGやRGへとつながるガンプラ特有のフレーム構造を成している…と言えなくもない。

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兜・肩当て・胴周りからなる鎧を着せての完成です。背部には組み立て指示通りに覚醒前龍帝剣と爪龍刀を背負わせてみる。劉備ガンダムの演者(デザインソース)は主人公らしさを反映してかRX-78ガンダム、そのため良く言えばストレートな、悪く言えば没個性的なデザインなのですけれど、よくよくみれば「後頭部のマゲ」と「限りなく日本刀に近いカタナ」に例え舞台設定が中華様式であっても「武者ガンダム」らしさを色濃く残したユニークな存在ではある。

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中国武術でも両手に刀を持つ型は存在しますが、どうしても「宮本武蔵」的に思えるのは「からくり英雄伝ムサシロード」の呪いでしょうか。

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赤い刃の牙龍刀を持たせることも可。武器類のモールドはひときわ美しく、丁寧な塗装仕上げに応じるポテンシャルを持っています。

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覚醒後の龍帝剣はもはや背中に収まりが効きません。覚醒しただけでは大して役に立たないのもまた確かであって…きっと低血圧なんだね!

ひとつの武器で個人の正統性を主張するのは欧米圏に伝わるアーサー王伝説や日本皇室の三種の神器などによくある話。しかして中国文明ではあんまり聞かないような気もするんだよなー。

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以上ここまで真劉備ガンダムレビューでした。武器に恵まれてる割にはいまひとつ使いこなせてないような印象を受けるのは如何にも劉備ですけれど、頭が重くていまひとつ視点が定まらないところはまさに劉備って感じですな(それ、ポリキャップのせーだろ)

その2:真 張飛ガンダム

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三人義兄弟の中では末弟扱いの張飛さんですが、本シリーズではナンバー2に位置しています。三国志の定石を何故に外したかと言えば演者がゼータガンダムだからだろうなー。

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パーツ内容。色数は劉備と変わらないのに色合いが随分と変わって見えるのは流用を考えない分パーツの配置や多色成型の使いどころが異なっているからだろうか。

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本来の張飛ガンダムは歴戦を現わして傷ついた肩鎧と修復痕が特徴なのですが、アニメ版では無傷の状態の肩鎧が新規に付属。いささか地味w

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軽装状態では確かにゼータガンダムのラインが見て取れます。つま先部分の尖り具合はなんかはまさにゼータの時代の意匠だ。色は百式みたいだけれど…

スネの側面ディティールを再現するために肉抜き穴が内股側に配置されてるのもささやかなポイントです。

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完成するとかなり鋭角的な形状で、そのあたりもゼータ的と言えましょう。背部パーツのアレンジは面白いところでオリジナルではウェーブライダーの主翼であったパーツが、

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専用武器「雷蛇」に合体し「大雷蛇」へとパワーアップする武具にアレンジされています。腕が短過ぎで長柄武器が構え辛いのは仕様です。

さてこの雷のようにまた蛇のように刀身がうねる武器、一般的には「蛇矛」と呼ばれています。「じゃぼう」とルビが振られてますけど大昔のアーケード版「天地を食らう」では「じゃほこ」と呼んでいたような…

三国志物ではよく見る武器ですが、あんまり他では聞かない。実用性もよくわからない。

そこでちょっと調べてみた。

…中国大陸って奥が深いですね(´・ω・`) 何事も無かったかのようにつづきをやる(・∀・)ヨ!!

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こちらが改修後の肩鎧。腕輪足輪を見ればわかるように本来は左右非対称なデザインなんですな。どっちがよいかと言われても地味な違いかな。

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誰ともからまず単独でいるとさほど面白くないのは張飛の人物像そのままな気がします。前述したように鋭角的なラインでまとめられているところは実にゼータガンダム的で、わけもなく誰かをブン殴らないと気が済まない点では張飛とカミーユ・ビダンは似ている!そっくりだッ!!

その3:真 関羽ガンダム

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そして殿軍に控えし関羽ガンダムであります。三人の中では最強の人物としてダブルゼータをモチーフにしたデザイン。モビルスーツにヒゲが生えててビックリするのはターンエーガンダムの時に通り過ぎた道だッ!!

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パーツ構成はほぼ張飛と同様で、全身に施された鬼面の飾りが特徴的ですね。顔がふたつたぁ生意気などころの話じゃござんせんね。

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追加パーツは関羽の必殺技である「鬼牙百烈撃」を再現したエフェクトパーツがクリアイエローで付属。

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軽装状態でどこからみても既に関羽です。キャラ立ち過ぎでダブルゼータの介在する余地が無い…

足元の鬼面は鎧の一部なんだけど、この状態でロンドンパンクスの怪獣ブーツみたいで◎

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兜の鹿角や吹き返し、鎧の構造などに純和風な意匠も見えますけれども、三国志でヒゲが生えてりゃ有無を言わさずその人が関羽です。「一騎当千」もそうあって然るべきです!

頭部にハイメガ粒子砲の意匠は残っていても、背負い物が無いからダブルゼータらしさに欠けるのかな?

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そもそもフレームに収まらないほどの大刀もってりゃ関羽らしさに事欠きませんな。なにしろこの武器「関羽大刀」と言うぐらいのものでしてな。

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取り付け位置を変えることで簡単に鬼面装着状態を再現出来ます。このギミックではアニメでもしばしば効果的に用いられ、単純ながらも緊張感を孕んだ演出が成されていました。孫家一門もそんな感じだったか…

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エフェクトパーツ装着状態。やはり長柄の武器は構え辛くて、その点では肘関節が自在に動いた袁術ズサはものすげぇ良い出来だったんだなーと今更。

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三人の中では行動も派手でエピソードにも事欠かない、さすが神様になるだけのことはあります関羽。アニメ本編では張遼と肩を並べて呂布と戦った「官渡の戦い」での活躍が印象的でしたねー。何故に官渡の戦いに呂布が出張ってくるかは気にするな。些細なことだ。

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というわけで三人揃い踏むといろいろはみ出して収まらないんだ、これが(笑)

フィクション上で三国志の時代や人物をどう扱うかはそれぞれの作品によって大幅にことなりますが、「蒼天航路」以来からか?曹操が以前ほど悪くは描かれないのが昨今流行のように思われます。かといって「蒼天航路」ほど劉備をエキセントリックに描くのが難しいのも事実でして、結果として「SDガンダム三国伝」、特にTVアニメでの劉備と曹操は正直なんで対立してるんだかよくわからないんだよなー、うーむ。三人で道に迷ったり野良イノシシと戦ったりしてる様子は実に楽しそうであったのだが。

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「我ら三人生まれた時は違えども、死すべき時は同じと誓う」あまりに有名な「桃園の誓い」。それがなぜ桃なのかはおそらく桃太郎が桃から生まれてくることと同根である筈です。史実では三人ともバラバラに死んでしまう彼らを思えば、アニメの冒頭で劉備たちに一刀両断される黄巾賊の張三兄弟と黄天ジ・オの存在は皮肉なものだな。

「SDガンダム三国伝 Brave Battle Warrios」、年少者を主なターゲットにした作品ではありましたが、なかなかに見応えのあるものでした。冷静に考えてみれば有機物を経口摂取して自分自身のアーキテクトを遺伝子的に他者(異性!!)に伝達し体内で複製を製造し更に増えるとゆー、超すげぇハードSFでもある。人間は一人も存在しない社会でイノシシにすらジムの頭がついてるソリッドで無機的な世界観はナノマシンで自己修復どころの話じゃないね!だって畑耕しておむすび食って子ども育ててんですよですよ連中わッ!攻殻機動隊もハダシで逃げ出すエコロジカル・ロボット・サイエンス!!

なぜにこー、ゼロ年代SF評論サブカル畑の人がこの作品を無視してるのか、正直なところ理解に苦しみますねえっへん(ドヤ顔)

三国志の物語が様々に姿形を変えて現代にまで語り継がれるのは、古代中国の歴史を背景としながらもそこにはやはり現代の我々でも首肯し得る人の生き方死に様、多くの教訓が含まれているからでありましょう。本作に於いても現代日本で十分通用する重大なテーゼがアニメーションのフォーマットに載せて語られていたのです。それは――

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ひろったハンコを勝手に使うな。

と、いうことであります。オレ皇帝サギ禁止。あ、上画像の得体の知れない邪神像はあくまでワタクシの私物で本物の玉璽は「真 董卓ザク」に付属しますんで念のため。こちらも絶賛セール中であります。

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