バンダイ「1/144 ウォーカーマシン センドビードタイプ」

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今年は「戦闘メカザブングル」放送30と1周年という大変記念すべき年でありましてってまあそうな、30周年の方がキリがいいのは百も承知でありながら、ちょっとばっかりズッコケてる方がザブングルらしいよね!

そんな理由からセンドビードタイプです

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SENDVEADの名前の由来はおそらくセンチピード(むかで)からでしょう、特徴的な二本のマニピュレイターはボックスアート下部に機体の線画を載せる1/144ザブングルシリーズのフォーマットでもギリギリまで伸びるサイズ(笑)

この時代のバンダイキットのボックスアートが優れていることは今更言を重ねる必要もないことですが、開田祐治氏によるセンドビードタイプのこの画は躍動感に満ちていてすごく「楽しそう」に見えます。昨今なかなかここまでの画には出会えないものですね。

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さすがに30年以上前のプラモデルですからパーツ構成もシンプルなものです。ウォーカーマシンは機体のカラーリングもシンプルな塗り分けなので、単色成形のランナーでもほぼ劇中同様の塗り分けを再現できるのはよし。

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まだこのサイズ・価格帯のプラモデルにポリキャップが使用されていない時期の製品ですが、マニピュレーター用のリード線とスプリングが同梱されています。ザブングルシリーズでは1/100ダッガータイプも脚部構造にスプリングを用いる設計でありましたし、マルチマテリアル化への指向は随所に伺えます。

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ザブングルと言えば設定画以上のハードディティールを施されたパーツ群、というイメージがありますが、1/144シリーズでも後期に属するこのセンドビードではそれは控えめな印象(このスケールでも初期にリリースされたダッガーやプロメウスなどはパネルライン等をかなりハードにやってた記憶があります)

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この機体に関してはディティールよりも独特で奇抜なフォルムそのものが面白いので、モールドの少ないことがあまり瑕疵にはならないかな…とも思います。本編にたった一度だけ登場したケッタイなゲストメカを、よくもまあラインナップできたもので……初代ガンプラで言うところの「モビルアーマー枠」みたいなものですかしら。

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組み立てはシンプルな貼り合わせ構成です。塗り分けを考えた後ハメとか一切無しでひたすら合わせ目を処理していく作業となります。むかしはみんなこうでした。

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鳥脚メカの多く登場するザブングル世界にあって一、二をあらそうほど美味そうなフトモモ(笑)ポリキャップ未使用なのでガシガシ動かして遊んでいるとどんどん関節がヘタレてくるのはいかんともし難いものですけれど。

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ボディも2パーツ貼り合わせのモナカ構造です。ムカデというよりカエルだよなこのカタチは。ザブングルのメカデザインとしては大河原邦男氏の名前がクレジットされていますが、さてコイツを描いたのは誰なんだろう? 実際のデザイン作業には出渕裕や湖川友謙など多くの人員が関わっているので具体的に誰がどうこうしたとか軽々しくは決められないものですが、

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なんかこーいわゆる「トミノメモ」的な、ものすごく富野由悠季御大の色が見えてきます。どうみても「怪獣」のラインでアッグとかアッグガイとかに非常に近しいものを感じる(笑)

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胴体パーツを合わせる過程で合わせ目付近のモールドがどうしても消えちゃいます。ここはおそらくコックピットへ上がるラッタルをイメージしているかと思われますので、単に彫り直すよりはなにか立体的なハシゴのようなもの(1/700艦船模型のエッチングが使えるでしょう)を付加したほうが宜しいかと。

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自由に回転するターレット部分はちょっと工夫すれば取り外し可能に出来たはずなんですが、この製品では抜けないような設計になってます。ザブングルシリーズの設計にあたっては「ヨンパチ機甲師団」シリーズで蓄積された経験が反映されてるというもっぱらの話ですけれど、ここはも少し戦車よりでも良かったろうなあ。

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コックピットは可動するアームの上にちょこんと乗っとります。ウォーカーマシンで言えばオットリッチタイプと同様の処理か。敢えて調べずうろ覚えの記憶で書くと、頭のおかしなジジイ 自分の縄張りに固執する頑固な老人のロックマンが操る、旧式のWMでしたな確か。

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マニピュレーター先端部分はドリルと作業ハンドの選択式です。どちらも「両手」分が用意されているのは確か劇中同様のはずですが、左右で違えて作るのはまーならわしみたいなものですはい。

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片側24個からなる結節部分は同一形状では無く、4種類のパーツを6個ずつ並べていく形となります。しかしなぜパーツNO.45→46→48→47の順番なのだろう??

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またうろ覚えで書くとセンドビードタイプ本来の装備は先端からダイナマイトを放出可能な掘削用ドリルで、作業ハンドは先住民族(ではないんだが)トラン・トランから譲り受けた電撃兵装ではなかったかしら。ムチとか電撃とか、富野監督も結構、お好きなようで(ゲス顔)

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マニピュレーターを組んでる時はひとつひとつのパーツがまるで安定しなくて閉口したものですが、根元部分にスプリング仕込んでテンション掛けるとぴったり収まるんでビックリ。非常にアナログな、しかし的確な構造で、いかにも「職人」が設計したようなワザです。

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底面のディテールはイモヅケなのでいささか貼り付け位置を特定し辛いものでした。いまどきの設計ならもう少しユーザーフレンドリーになりそうなものですが、いまさらコイツがリメイクされる日は来ないであろうなあ……

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完成させてみてよくわかったのですがセンドビードってすごく撮影し辛いメカですね(汗)マニピュレーター全体を画面に収めると、機体本体に目が届かないんだな。建築重機じみたメカが跋扈するザブングル世界に在っても異色の存在、ですけれども放送から31年経つと現実の建設重機にもこのように丸っこい車両が散見される事態にはなりましたな、マニュピュレーターはともかく。

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マニピュレーター自体はペンタブル可動で良く動きます。自重を支えるのはさすがに難しいものですが、魂STAGEなどが充実している現代ならば、当時では出来なかったようなアグレッシブなディスプレイも可能でありましょう。本体そのものも、宙に浮かしてピョンピョン跳んでるような様を再現できそうだナー。

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なんだか「ものすごいヒヨコ」みたいな印象も受けるユーモラスな外観。人型から外れたメカを演出したくなるのは映像作家としての性なのか、初代ガンダムとゼータの間に作られた一連の富野アニメには奇抜なメカが数多く登場します。それら異形の富野メカはイデオンでの例外的事情をのぞいてあまり立体化には恵まれないことが多いのですが、ウォーカーマシンセンドビードタイプを今でもこうして手に入れられるのはある種奇跡的なことかも知れん。

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「荒廃した惑星ゾラ(=地球)を人類の手で再建するには自らの足で立ち、自らの手を動かすマシンが必要」だったかな、ザブングルの世界は人型機械の存在理由が合理的なものではなく、支配階級イノセントの哲学的な思想をバックボーンに持つというギャグのフリをした異色のハードSFアニメでした。その思想を反映して初めて作られたウォーカーマシンがこのセンドビードタイプだという設定で、やっぱイノセントの指導者アーサー・ランクっていい人だけど頭のネジはゆるんでたと思うの。

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「設定よりも大きめのフィギュアを配置した方がウォーカーマシンは栄えるの法則」に基づき、1/35スケールのフィギュアを並べてみました。このサイズでこのカタチの機械だと見ればまた違った魅力が醸成されます。横山光輝の少年マンガ世界みたいな、なんだかそんな感じでありんす。

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そしてやはりゴールキーパー氏とヘンなメカニクスの親和性の高さは異常である。

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