バンダイ「1/144 HG ガフラン」
第一世代もそろそろクライマックスの「ガンダムAGE」シリーズからハイグレード・ガフランの紹介です。
※番組内容についてはあまり触れない方向で行きたく思います。
アンノウン・エネミーすなわちUEの主力となる「MS型」兵器です。ガンダムシリーズらしからぬ異形の形態ですが、ゼータガンダムで一番好きなモビルスーツがハンブラビだというひとには親しみやすい形でしょう。
「ゼータガンダムで一番好きなモビルスーツはハンブラビです」って言うとみんなヘンな顔します。なんででしょうね。
我らがガッキーこと石垣純哉氏によるデザインのモビルスーツがガンプラ化されるのもなんだか久しぶり。Vガンダム以来?あー、Xの時はジェニスとドートレスがLMモデルで出てましたな。
そもそもガフランってモビルスーツなの?という疑問もありますがその辺深く考えるのはやめよう。だいたい「ガフラン」って名称でさえ、3カ月たっても誰にも呼ばれないんだからな…
シールは小っさめ、関節可動にはPC-001Aポリキャップを使用。PCの使い方が異なるのでAGE-1の腕をそのままゲイジングするのは無理ぽそうですが、ジェノアスはイケます。脚はダメかなー。UE勢は普通に組み替えられますけれど、それは普通すぎて面白みに欠けるぞ。
これまでのガンプラには無いような組み立て過程を経るので、製作自体は新味に満ちて面白いもんですな。両腕基部は一個のジョイントを左右のボディパーツで挟み込むスタイルです。
さらに大径ボールジョイントを2個組み合わせた引き出し式のブロックを装着します。変形パターンとの兼ね合いがあるので、肩ブロックはかなり大きく引き出す事が可能。
ボディ後方に構造物を取りつけるのはガンプラではいつものことですが、ガフランではこの部分が頭部と尻尾を取りつける基部となります。脊椎動物のような構造で、有機的なデザイン。第一世代UEでは「バクト」がほぼこれに準じる構造ですが「ゼダス」は違うと、ふむふむ。
頭部はヘルメット状の位置に開傘構造を持ち、「下アゴ」部分も可動軸が存在します。劇中、センサー部に命中したペイント弾をビームサーベルでこそぎ落とす様はなかなか面白い演出でした。
…このキットってビームサーベル付属しないんだけどね。
\(^o^)/
…いや、なんとなくね。
完成した頭部を前と横から。サイドアーマーのように見えて翼のように左右に開き、実際翼のように機能する…らしいです。バクトが姿勢制御に使っていました。推進系の機構を防御に使用することの是非はガッキーに聞いてくれ。
手首は握り手と指を開いてビームバルカン砲口が露出した状態とが付属。ご覧の通り「両親指」で左右の区別がありません。この辺りのデザインも面白いところです。ほんでこのビームバルカンが同時にビームサーベルの発振部分なのですが、あいにくと刀身が付属しません…。ちなみにクリアイエローのビームサーベル刀身はHGUCのジムIIに入ってまして、無加工で流用が可能です。既定事実です。
肘は二重関節ですが、可動範囲はあんまり広くは無いかな。画像では解り辛いですが上腕部分に回転軸アリ。
肩関節の引き出し部分と指先のカギ爪形状で「襲いかかる」ようなポーズは取らせやすいですね。
マイケル・ジャクソンの「スリラー」が踊れそうではある。
細めの脚部は膝関節が幅広い可動範囲を持ちますが、足首部分がほとんど動きません。真っ直ぐ立ってるだけなら問題ないのですが、上半身にボリュームの集中するガフランでは若干不利かなー。形状自体はまあ、靴である。
むしろこの靴底部分にシール貼れという無茶な設計は担当者を小一時間ほど(ry いくら一家に一台アクションベースが常備されてるようなご時世でも、こんなところ見せないでショ普通!ジェノアスなんかはどうせ見えないからって靴底スカスカ処置なのに、この温度差は不思議だ…
股関節の可動、前後はまったく干渉物が無いので自由自在に動きます。
その反面左右にはあまり広がりません。足のライン自体はアスリートのような引き締まった形状です。
むしろ問題は「閉じない」ことにあるのかも知れません。細身の足を交錯させて上半身のボリュームを際立たせるのは羽根付きメカでは定番のシルエットなんだけど、中途半端に開いた位置までしか動かせない。
また股関節軸が太い1パーツを肉抜きした構造なので、いささか折れ易いとの話もチラホラ…
長大な尻尾はビームライフルになります。バクトと並んでガンダムAGE第一世代登場機種では大型の火器ですが、あんまりアドバンテージを感じないのは長距離射撃をやらないからかな。
2か所の蛇腹部分が自在に動いて自由に砲門を指向するデザインなのでしょうが、いかんせんこのサイズのプラモデルでそれを再現するのは難しい。難しいデザインを描いちゃうのはどうなんだろうと、些細なことですがデザイナーと開発スタッフ間の疎通がダブルオーの時ほどスムーズではないのかと思わされるトコロ。
尻尾と並んで2枚の大きな主翼がガフランのシルエットを形作るポイントです。このパーツが何らかの作用を成して宇宙空間を推進するのがUEテクノロジーで、特に推進剤を吹きだすようなロケットモーターで加減速してる訳では無いらしい。ハンブラビやキュベレイの頃にデザイナーの(まあ、永野護の)意思とは無関係にバーニアを設定しなければならなかった時代とは雲泥の差で、いやさデザインと世界観は随分進歩を遂げたものですな。
どういう仕組みでそんな動きが出来るのかはサッパリ不明である。アレだきっとほら、GNドライ(ry
外翼部分はボールジョイント基部でよく動きます。この部分MS形態ではフロントスカートの位置に来て防御構造の一角になるのですな。推進系を防御構造に用いることの是非は是非グレメカあたりで解説して干し芋。
全部取り付けて一応完成。正面からみるとちゃんとモビルスーツしているデザインなのは流石だなガッキー!そして真後ろからでは全然ピントが合いません(笑)
装備品無しの人型で素立ちさせるとテッカマンブレードの雑魚と言われて信じてしまいそうな形状なのだが。
このデザイン、初見以来「頭巾と羽織」に思えて更にカラーリングで忍者のように、具体的に言うと「影の軍団」シリーズで服部半蔵を演じる所の千葉真一のように見える!と思うのだけれどまー賛意はそれほど求めません。
若干前のめりになっても尻尾でバランスを取ることが出来る。なんだか翼竜の生態を学んでいるような気分だ!だからなんだと言われれば答えようも無い。
例のポーズはAGE-1ほど自然には出来ません。やらんでもよいとも思いますが。
ビームライフルを劇中同様肩口に担ぐことは可能ですが、やはり劇中で見られる小脇に抱えた状態にするのはかなりの難行で自由なポーズはとれませんのだううううむ。
まーこのキットのいちばんの売りって変形でしょうから、MS形態時のポージングに若干難アリなのも致し方ないのかな。可動範囲が広い部分の関節は、飛行形態への変形機構の為なのです。
現在3種リリースされているUEのMS型では最もシルエットが変化するガフラン、やっぱり敵側の量産機って番組のイメージリーダーのひとつではあろうかと思われ。
だたUE3機種どれもそうなんですが、フレームではなく関節部分だけで変形機構を担わせるデザインなので、「変形」ではなく単に手足がそういう「ポジション」に位置してるだけにも見えるとゆー、なんつーかその、ゼダスとバクトはあれは本当に「変形」なのかガッキー!あ、靴のつま先がカギ爪になる機構はシンプルで印象ががらりと変わる流石の技です。
そして人型の関節部分だけで変形機構を担わせたデザインは、飛行形態でポージングしてるといつのまにかMS形態にもどってるー!という羽目にもなったりだ。
あ、なんかこれデビルマンみたい。ミドリ色に塗ろう。
Vガンダムの時もガンダムXの時もそうなんですけど、石垣純哉氏によるMSデザインってひと目で所属陣営がわかる系統立てのはっきりしたデザイン群になる反面、個別の機体形状はどれも似たり依ったりに成りかねない諸刃の剣でもあるのだなーと、ガンダムAGEの時にもやっぱり思うのであった…
そこでひとつひとつのキャラクター、特徴をアピールするのが番組本編の仕事なのでしょうが、現状はどうもね。
ガンダムAGE-1ノーマルと比較すると大柄な印象です。個人的にハンブラビが好きだっていうのもヤザン・ゲーブルのキャラクター性に依るところが多いから、その点でもガフランって存在感が不利な感じ。日本語がヘン。
一話の戦闘シーン、こんなんだっけ?無料配信されてるんで見直そうかと思ったけど、まあいいかと思い直す。しかしガフランって第二世代以降本編に出てくるんですかね?型落ちの旧式でもたまに出てきて活躍したりすればアピールする余地もあるんだけど、そういうツボを押さえたつくりって期待できるんだろうかなぁ…
ああ、結局気がついたら番組内容について愚痴ってる。いけませんね…
むしろこの画像でも解る通りに腹部の拡散ビーム砲のクリアーパーツがちっとも目立たないことを、愚痴るべきなのかも知れない(苦笑)