バンダイ「1/144 ターンエーガンダム」

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ハイグレード版が発売されたばかりのターンAガンダムですが、そこを敢えての旧キットレビューです。刻が未来に進むと誰が決めたんだ。


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20世紀も最末期となる1999年発売のキットです。バンダイのガンプラ主力製品がワンコインで購入できた最後の時代の製品ですね(いや消費税もありましたけどね)

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多色成型A1A2ランナーはよく見れば大判の一枚を射出後に切断したものです。多色成型機って小さいランナーには向いてないのかな?あーでもBB戦士とかありますねい。

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Bランナーはホワイト一色、若干クリーム色がかった(というのも微妙な日本語ですが)くすんだ感じの白で成型されています。

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ポリキャップはPC-115プラス、WやX、08小隊のシリーズなどの1/144キットが概ねこのフォーマットだったと記憶しています。拳をポリでワンパーツ化しているのが特徴だけど、08の頃にはすっかり不要パーツと化していたな(苦笑)シールは今回使ってません。いや本当は使うはずだったんだけど……

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低価格なプラモデルながら、シド・ミード独特のパネルラインが綺麗にスジ彫りされています。同時期の他のガンプラと比してもちょっと違った雰囲気がありますね。

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スジ彫りやディティールよりはカタチそのものにインパクトがあったことは今更記すまでもなく。本放送当時は自分もドン引きしたクチでして、実はテレビも映画もちゃんと見てないんですな。いささか勿体無いことをしたなと後悔してその後のガンダムSEEDとディスティニーは全部見ましたよ。ああ見たとも!(逆ギレ)

なにもかもみな懐かしいですな。そりゃヤマトですな。

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気を取り直して製作していきます。いまどきのガンプラとは手順自体も違っていて、まず両足から組み立て始める流れ。膝関節はポリキャップを使用した二重関節になっているのですけど、あんまり曲がりませんね。

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腕もそれほど広くは動きません。一見すると手足ともボディのアウトラインが可動を妨げているように感じますが、しド・ミードのデザイン集「MEAD GUNDAM」に掲載されているスケッチでは単純な構造で幅広く動かせるように設計されていることがわかります。むしろポリキャップの方がアウトラインの持つ可動範囲を殺しちゃってるような具合ですか。

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胴体部分では肩のアーマーが肩関節とは別にボールジョイントで動きます。この部分の解釈としては旧1/100キットなどの方法が正解なのでしょうが、サイズと強度の問題でこうなってるんでしょうね。放送当時に出ていた「ニューマテリアル・ターンAガンダム」は高価な製品にも拘らずこの部分が非常に脆くて、いろいろ泣かされたものです……

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ミサイルハッチは開閉を差し替えで再現。別に牛とかは付いてきません(笑)

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あまり動かないけどスタイルは良いなという印象です。この時代バンダイは既に3DCAD設計導入してたのかな?でもガンプラとしての設計自体は古いままなんだな。

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下半身に関しても同様な印象。コアファイターの展開ギミックはないのですが、このキットが発売されたころはまだコアファイターの存在自体が公表されてなかったように記憶しています。うろ覚えではありますが。

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そしてターンAといえばやはりこの立派なおヒゲこそターンAのアイデンティティ!キットパーツには危険防止のフラップ付いてますが遠慮なく切り飛ばします。ちなみにフェイス部分のシールがものすごく貼り辛かったので、結局シール使用そのものを断念することになった事実は黒歴史なので山に埋めておこう。

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脚長の体形はやはりアメリカンの血がながれているからだろうか。今見ても十分色あせぬ個性を備えたスタイリングを保っていますな。このガンダムの前後でがらりと印象の変わる形状、自然な人体を髣髴とさせる関節可動に対しての、日本側からの直接な回答がアストレイだって言ったら言い過ぎかな?

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武器関係、ライフルのギミックはありませんしビームサーベルも一本のみで若干さびしいものがありますねえ。ガンダムハンマー持たせたい方はG30thガンダムに入ってるのを使うのが一番でしょう。

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銃と盾を構えたいかにもガンダムという姿はあまり本機を印象付けるものではないように思います。ちゃんと見てないヤツが言うのもアレですけれど、ターンAって洗濯物干したり牛運んだりカプルを駅弁(隠語)してるようなちょっと定型から外れた面白さがあって、それらを再現するのはさすがにこのキットでは難しい所業か。

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前述「MEAD GUNDAM」は面白いネタが多く記録されているのですが、とりわけ本機の武装に関してはウェポンベイへの内装に拘るミードとライフルなど「手持ち」を重要視する日本サイドのやりとりが興味深いものです。最新鋭のステルス戦闘機のように収容されるべきだとする考えと、巨大な歩兵であるからライフルを持たせるべきとする意見。日米のロボット観の違いや、日本アニメ独特の「キャラクター性をもつ乗り物」としての巨大ロボの在り方など、いろいろ考えさせられる本なのですよこれ。

最近では決定稿だけであまりラフデザインを表に出さないアニメが多くて、版権管理の面からそういう流れになるのは仕方ないんですけれど、いささか寂しい気もします。

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ビームサーベルはさすがに本編映像のような極細の刀身は再現できません。あれをやるには何か針のような異素材を使うほかないでしょうね。富野由悠季、シド・ミード両巨頭ともプラモデルのことなんかちっとも考えていないのであった……いや、それで正しいことなんですけど。

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シャープペンシルを使ってスミ入れをやってみます。滲みもなくガンダムマーカーよりは無機的な質感で、スターウォーズメカのような雰囲気。

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ネットで見かけて真似したかったワンポイント、膝裏を切り欠きスラスターベーンを可動化させて膝関節の可動範囲を広げます。正座もオッケイ和の心です。

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膝を大きく曲げることにより、腿から脛を通じて爪先まで流れる脚線美が活きて来る。旧キットも個々のアウトラインはよく捉えていますね。

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本製品を含むターンAガンダムのプラモシリーズ、本放送当時の売れ行きは決して大きなものではありませんでした。結果論ではありますがこのシリーズがあったおかげで1/144スケールガンプラがいわば懐古趣味的なHGUCへ大きく舵を切り現在に至る訳でありまして、放送から15年が経てばターンAガンダムもまた「なつかしいもの」のひとつとしてHGキット化される流れなのです。

歴史に黒も白もありませんね、というおはなし。

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