バンダイ「1/144 HGAC ウイングガンダムゼロ」

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「新機動戦機ガンダムW」より番組後半主人公MS、ウイングガンダムゼロのハイグレードキットです。

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マスターグレードではエンドレスワルツ版の立体化が続いていましたが、純然たるTV版の立体化はHGオールガンダムプロジェクトの流れを受けてのこと。4月以降はターンAといずれはクロスボーンガンダムも通常版が発売されるでしょうから、AGPもこの先続いて行きそうな気配ですか。


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Bランナーはいわゆる新素材の弾性が高いプラパーツです。関節や武装類が含まれます。

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多色成型ランナーを用いずに、単色でもパーツ分割を増やすことで再現度を高める最近のガンプラの、お手本のような構成。

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そのため全体的に色合いが多いにも拘らず、シール使用量は少なめです。ポリキャップは一連のオールガンダムプロジェクトのキットで多用されるPC-002を使用と、近年のHGモデルの標準フォーマット。

この辺のバンダイ製品のクォリティはほぼ安定しているので、安心して組んでしまってよいでしょうね。

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胴体部分、肩関節の受けにはPC2のパーツを使用。ボールジョイントを引き出し関節で用いるのはガンプラの設計としては前からある処置です。AGEのシリーズで見られたような関節構造のほうが幅広く動かせそうに思われますが、オリジナルのデザインを尊重し且つ劇中の印象的なポージングを行うためにはこの方がいいんだろうなあ。

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胸部のセンサーはクリアーパーツとシールを重ねる構造。巨大なウイングを背負うためにバックパック本体はシンプルなデザインですけれど、ウイングガンダムと比べて大型のバーニアノズルが追加されてるのがゼロの特徴です。設定上では「先祖」的な位置づけですが、デザインそのものは「発展」型になってるところがウイングガンダムゼロのユニークな特徴といえましょうか。

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襟横の白いカバーを外すと内側には四銃身のマシンキャノンが再現されています。胴体部分に固定火器を配置するのはこの時期の大河原デザインにはよく見られる処置ですけれど、どこまでオーダーでどこからがアイデアだったんだろう?ガンダムの胴体デザインに前後長を大きく取るようになったのはF91あたりがお初ですか。あれはしかし「大河原デザイン」と呼んでよいものなのだろうか……

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アンテナ本数が増えると年齢対策のフラップも増えます。隠れてよく見えないけれど、アンテナ部分より実は「両耳」のほうがいっそう露骨ではある……そろそろ最初からアンテナの尖っていないガンダムがデザインさかれても良いんじゃないだろうかは。

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肩のアーマーは贅沢にパーツを使用して可動ギミック盛り込んでいます。肘関節は新素材による二重関節。ABSよりは破損に強いんでしたっけ?実は初めて組んだのでよくわかっていないのだ。

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ボリュームもありよく動く、両腕の可動範囲を広く取るのは見栄えするポージングのためにも大切です。

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バーニアノズルとビームサーベルラックの展開をそれぞれ再現する上半身。いかにも大河原デザインなベル型ノズルのシンプルさは野暮ったく感じる向きもありましょうが、理に適った構造であるのも確かです。四角いノズルはゼータの頃から今に至るまでMSのデザイン広く用いられていますけれど、二次元ノズルって本来は大気圏内用の航空機のためのものなんだよなーうーむ。

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スネの後部はヘビーメタルのランダムスレートよろしくガバチョと開きますが、これは飛行形態へ変形するための機構。脚部分ではやはり丸ノズルが、土踏まずの位置にドカンと置かれているのは流石に乱暴な気がします……

ところで本放送当時は気がつかなかったんだけど、ウイングゼロのデザインって河森正治のGP01フルバーニアンを相当意識してるんじゃないかしら。出来の良いキットを組んでいるとそんなことも思わされます。

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下半身部分はほぼ標準的な構成。フロントアーマーは例によって接続軸を切断すれば左右独立可動化が可能です。(飛行形態を考えたらつなげたままの方が良いかもしれません)

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ウイングバーニアの展開ギミックは当然のように再現されます。本機のいちばんの見どころといえましょうか。この部分はウイングというよりも「ブーストポッド」的な形状だナーと感じたものでああこれはフルバーニアンなんだなと、収納時の曲線のラインやそもそもの形状はGP03ステイメンに似通ったものを見出すことも出来そうですけれど。

初めてフルバーニアンを見たときにはサイバーフォーミュラのようにも見え、最初のサイバーフォーミュラ(TV版)のシリーズ構成は1stガンダムをなぞる物でした。アニメの文化って歴史だな。

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全身の形状を前後から。肩のボリュームとくるぶしの太さが実にいい感じです。エンドレスワルツ版からこっち最近のROBOT魂に至るまでずっと細身のプロポーションにアレンジされることが多かったけれど、要所要所はゴツくて太めなバランスこそが、本来ウイングゼロが持っていた個性・アイデンティティでありましょう。

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思いのほか長いスカートアーマーも「翼」っぽい印象を与えるものでしょうか。パッケージの塗装例のようにスミ入れでパネルラインを強調すると当時の作画・描画の雰囲気を出せると思われます(旧キットの1/100はやり過ぎな印象)

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武装類はツインバスターライフルとシールド、ビームサーベルが二本とシンプルなもの。本体外装にパーツを奢っている分手首にシワ寄せが来てるような気がしなくもないですが、ライフルグリップは内部に収納可能な細身のものなので、サーベルもライフルも握り手パーツ一種のみで対応します。実際あまり平手パーツの必要も無さそうな機体ですけどね。

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設定や出自の物騒さを考えるとヒロイックなカラーリングが気になりますが、5体(プラスα)のガンダムが乱舞する中で主人公機としての立場を明確にするにはこの配色も意味あってのことでしょうね。ゼロが活躍したシリーズ後半の展開は「逆襲のシャア」をトレースする面もあるんでνガンダムみたいなストイックな色でも悪くないとは思います。

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唯一問題、というか特に問題でもないのでしょうが、ウイングゼロって大体「決めポーズ」が決まってて、みんな最終回の大気圏突入でリーブラ狙撃かバスターライフルを両腕にもってグルグル斉射かそればっかりやってる印象があります。それじゃどうにもつまらんなーと他の姿勢を考えると、急にいろいろ邪魔になってくるのは仕方がないことなのか。

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もちろんテレビシリーズの印象を素直に再現するには何の問題もありません。「ウイングゼロの翼はオカメインコじゃないんだよぅ」などと長年苦渋を飲まされてきたTVシリーズ原理主義者の皆さんには福音となるキットです。

いやほら、ガンダムWってテロリストのお話ですしお寿司。

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シールドの打突ギミックももちろん再現されています。昔からあまり必要性を感じない兵装ですけれど、このウイングゼロの中核となる“分析・予測した状況の推移に応じた対処法の選択や結末を搭乗者の脳に直接伝達するシステムで、端的に言うと、勝利するために取るべき行動をあらかじめパイロットに見せる機構”(←ウィキのコピペ)であるところのゼロシステムが完全勝利のためには不可欠だとして、この盾の先っぽがちょっと伸びるギミックを盛り込んだのかと思うと胸が熱いな。

ではここから変形プロセスを見ていきます。大河原邦男氏による変形デザインはシンプルな構造でがらりと印象を変える優れたもので、単価数百円の旧キットでも再現が可能でした。変形機構としては派手な形を成していたゼータやダブルゼータのそれが、現在の技術でもコストとギミックを両立させるのが難しいのとは対照的でね。

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頭部と下半身を後方に向けます。

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足首は差し替え式、ただしノズルは使い廻しである。

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膝関節位置を調整しウイングを展開。ゴットバードって偉いよなぁとふと思うのだぜ。

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ライフルとシールドをセットすれば変形終了、ネオバード形態の出来上がりです。番組後半のパワーアップ機体なのでライフル二丁に羽根も四枚となんでも2倍になるのは平成ガンダムではよく見られる、ジェシー高見山的な処置であります。ニバイ!ニバーイ!!

……TV版ガンダムデスサイズヘルのビームサイスが二枚刃になりましたってのはなにがどうパワーアップだったのか未だによくわからない(w

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下から見ちゃらめぇ!なのは変形ガンダムではよくあることだ気にするな。はじめてガンダムを変形させたときには全方向から死角がなかったのだからゼータをデザインした藤田一巳氏エラいっ!と、いうことですかしら。

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ガウォークにもなるぞと聞いたがよくわからない。識者の判断を待ちたい。

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そんなこんなでウイングゼロでありました。キットの素性を素直に楽しむのもよし、自由な発想でビルド○○化するもまたよしで。ビルドファイターズでファニーチェの後継機はキットこのウイングゼロがベースだろうと思ったらまるで予想を裏切られて、それはそれで嬉しいことですね。

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