バンダイ「HGUC ボール ツインセット」
TVシリーズ/劇場版「機動戦士ガンダム」登場機体としては満を持して最後にHGUC化されたボールのレビューです。ミスター・ボール(ボールさん)と呼んであげれば愛嬌も2倍増し。
本当に「1stシリーズでは最後のHGUC化」と断言して良いのかどうかは不明でありますが、まーこの先モビルアーマー勢が1/144でラインナップされるような可能性もゼロに近いことでしょう。いやむしろ「ゼロに近いのではありません、ゼロです」とか、言われそうな気もする…
キットは3ランナーのツインセットでそれぞれ2枚、計6枚からなる構成です。ポリキャップレスキットで可動部分(主にアーム)を占めるCランナーがABS素材となっていて塗装派にはご注意。珍しくマーキングシールの類が一切入ってないキットで、
…なんだかHGUCのジムより豪勢なプラモデルだよな。
パーツ配置見てると最初から0083版とか出す気満々だったんだなーと、よくわかります。ウェブ限定になるってのは、どの段階で決まったんでしょうね。
組み立て過程はどのモビルスーツとも違う独特なもので、なんだかパズルを組み立てているような感さえ覚えます。コックピットはシートのみの再現なんで気になる向きはどこぞよりフィギュアを調達しまショー。ってどこから調達すればいいんだろう?やっぱ伝統に則ってNゲージの鉄道模型から?から??
ノズル部分は単純な構造ながらディティールそのものはHGUCヅダを思わせる気合の入った作り込みです。「どこそこのなんとかバーニアに変えました」テンプレ阻止るぞ。
ちょいと横倒しにすれば伊東岳彦のマンガに出てくるレトロな宇宙船みたいだってバカやってます、ハイ!
アーム部分は元デザインの素姓の良さから可動範囲も広いです。基部はABSを利用したボールジョイントでぐるぐる動く。あんまり動かすとバカになりそー。しかし先端マニュピュレーターが固定なのは如何にも残念、むかしのキットはここも動いてビームサーベルとか持たせたもんです。HJ誌の投稿イラストだったか、ネタ元は…
如何にもイマドキ風にアレンジされた武器関係。口径だけならガンタンクよりデカいぜ!な180ミリ低反動砲と2連装キャノン砲。後者は08小隊版ボール(K型)が載せてた砲のアレンジで、解説書にある「15(フィフティーン)キャリバーと呼ばれる」のは本編台詞通りで仕方ないんだけれど「ゼロ距離射撃も可能であったとされる」ってのは日本語としてどうなんだ。ツインセットのおかげでどちらも2門づつ付属、余剰パーツはいろいろ便利に使えそうですね。ガンキャノンに載せ換えるとかですねー。
「ゼロ距離射撃」を「銃口を目標に密着させて撃つ」ことだと思ってる方は「黒騎士物語」にダマされっぱなしですよ?
かくて完成であります。ボールはガンプラが大ブームだったあの頃でも比較的手に入り易かったアイテムで、旧キットは人生2~3番目ぐらいには作ったガンプラでしたので感涙もひとしおです。こういう大量生産人命軽視の特攻兵器みたいなものを「良いもん」であるところの地球連邦軍がドカスカ大量使用するところが1stガンダムの醍醐味で、それをなんのイヤミもてらいもなくやってのけるのはスタッフのセンスだろうな…(安彦良和のオリジンでさえ、否定的なカラーを出してました)
2連装キャノンはそれぞれの砲身が個別に動きますけれど、弾幕張ること考えたら連動してるほうが正解なのでしょうなー。08小隊当時はLMモデルってのも有りましたけれど、アレには手を出さずじまいでした。だもんであんまり詳しくないんですけど、いったい弾倉はどこに在るんだろう??
こまけぇこたぁいーんだよ!ってな感じでまずはこのカワユサこそを愛でるべきなのです。いやー、こんなの乗ってソロモン行ってこい言われた日にゃーブラック企業どころの話じゃありませんが「悲しいけどこれ、戦争なのよね」ってことでひとつ。
全然関係ないけど「隕石ミサイル」ってなんでガンダム世界では廃れてしまったんだろうか。コストパフォーマンス高そうですよ?
ボールの立体化でいつも論議を呼ぶのはサイズ問題ですが、今回の立体化はザクと比べてこの通りです。デカいデカいとさんざか言われた旧キットよりは小ぶりですけど、これでも蹴飛ばしたらザク足の方が折れそうなサイズ比。実際のところ公式設定のスペック通り全高12.8mでボールを立体化したら身長比で一般的モビルスーツの2/3ぐらい?とにかく思いのほか巨大で無駄な可動部や開口部も少なく、ジムやザクなどと比べて実にこー、無駄なく構成された戦闘兵器然とした姿でペリーローダン信者に転びそうなほどのショックを受ける。
核融合炉を搭載していないので非力なイメージもありますが、どう考えたって機体内部容積はジムより広い。なぜゼータ以降のガンダム世界がボールの発展を捨ててお笑い人形ばかりの戦争になってしまったのか!?はなはだギモンでありギフンに駆られるところであります!!
…すいませんウソです、無茶言ってます(´・ω・`)
ところでどうせ2つあるんだし、なにか1つくらいはヒネリの利いたアレンジが出来ねーかなーと考えた。Bガンダムするにはメガサイズモデルが必要そうだし陸戦水中脚付きと大抵のアレンジは見てきた気がする。
どうも新しいアイデアが浮かびません。
でもその、むかし作った旧キットで遊んでた頃たしかに思いついたヒネリがひとつありました!
謎の3脚歩行マシン(顔付き)
…旧キットは1/144と1/250、スケール違いのセットだったんでここで止まっていましたが、ブランニュー・HGUC・21世紀模型のボールは同サイズの2体セット。
だから、こんなこともできる。
4脚化してみました。