パンツァーレックス「パンツァーレックス11:ノルマンディー2」

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ミリタリーモデラーにはもうすっかりおなじみドイツ軍遺棄車両写真集パンツァーレックス第11号、サブタイトル通りノルマンディー戦域の車両を扱っていて8号の続きとなる体裁です。大判モノクロ写真はとかく美しいものが満載で、ダメージ表現のみならず各ページにモデリングのヒントとなる要素がたっぷり。


発売以来しばらく日時が経っちゃいましたけど、このシリーズの良さは既に皆様ご理解得ているものでありましょうし、正直ドイツ軍ものって余程知識情報持ち合わせていないと迂闊なことを書いて馬脚をあらわす恐れが無きにしも非ずなもので、まあほとぼりが冷めた頃合いでひっそり紹介しようかなーと。

個人的な思いを書いてしまいますと(いつもそうじゃんってツッコミは無しで)戦車模型趣味の冥府魔道に足を踏み入れた頃、大日本絵画の「パンツァーズ・イン・ノルマンディー」と「D-DAYタンクバトルズ」を舐めるように読んでたのでなにか懐かしい気分になります。あのころと比べると写真の解像度・情報量も増えました。アームズ・アンド・アーマーの本なんて記録映画から抜き出したピンボケなのとかネガポジが反転してる写真とか平気で入ってましたからね…

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ドイツ軍では新旧とりまぜいろんな車両が投入されたノルマンディーでしたから、それを反映して様々な車種の写真が収録されています。ティガーIは連続写真でトランスポーターに積載される様子が記録され、ポルシェ砲塔ティーガーIIは被弾と火災によるコーティングの剥がれ具合もよくわかる。どちらもコンテスト向きな光景だよなぁとか変に邪推しそう。決して後世のモデラーのために戦争があったわけじゃないのですけど。

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「Puma Country」と題してパンター戦車とプーマ装甲車が多めのボリュームで取り上げられています。砲塔を6時方向に指向したまま後部を撃ち抜かれて擱座したプーマは、果たして回り込まれた結果なのか戦闘時にエンジンブロックを防御に使っていたのか、「それ以前」を想像するのも遺棄車両写真集を楽しむ方法かも知れません。

泥汚れ、ゴムの焼け落ちた灰、砕けた装甲板の縁などダメージ表現の参考になることこの上なし。それは今更書くまでも無いことですけど、やはり書いてしまうなあ。「パンクしたゴムタイヤ」なんて模型じゃなかなか見かけない表現ですけど、この時代のゴムタイヤは被弾すればまーパンクしますね。

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そしてやっぱりある珍車両の貴重な写真。車両そのものは特に珍しくないですけど、この時期・この場所にあればやっぱり珍しいII号戦車F型とフランス製ユニック・ケグレスP107ハーフトラックに2cm機関砲積んだ対空車両。どちらも「最貧」好きにはたまらない御馳走です(笑)キャプションでは実際にこれらの車両が撮影された事情も記されていて、なかなかにドラマチックです。なかにいたひとはドラマどころじゃねーと思います。

そんな貴重な写真がたっぷりで、挙げていくとキリが無いので、ともかく自信を持ってお勧め出来る内容です。

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いつ見てもゴリアテとアメリカ兵の組み合わせは遊んでるよーにしか見えないのは何故であろうか。

しかしやっぱり、廃墟の瓦礫や遺棄車両の写真を見ると、これまでとは違った種類の感情を持たざるを得ない。16年前にはそれをどうやって乗り越えることが出来たのか、経験者からの知識を得たいものです。

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