ファインモールド「1/48 風立ちぬ: 二郎の鳥型飛行機 」

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スタジオジブリ映画「風立ちぬ」にて少年時代の「堀越二郎」が夢の中に見たオリジナル航空機のプラモデルです。今回のレビューはキット正式発売前に頒布されたサンプルを用いていますので、製品版パッケージアートをご覧になりたい方は上記リンク先あるいはツイッター上の画像をご覧くださいばう。



いやーしかし、映画よかったですね感動しましたよ?特に親指立てたジプシー・デンジャーがガミラスの酸の海に沈み行く姿をみながらデスラー総統が「生きねば。」って言うとこなんか号泣もので…

映画についてはそれぐらいしか知らない(´・ω・`) なのでこの先は素直にキットそのものを見て行こうと思います……。

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スケール的には1/48ですがかなり小型のレシプロ単発機。単葉機とはいえ時期的には張線あっても不思議でないように思いますがそこはそれ、夢の中の出来事なのでメンドーくさいことは一切存在しないのだ、多分。

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ランナーごとにカラフルな成形がなされていますので未塗装でも劇中の雰囲気に近づけることが可能です(などと本編見てないヤツが偉そうに語っており、警察では余罪を追及しています)

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デカールシートは小さめで、著作関係の表記面積が結構な幅を取っているぞ(w

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主翼の形状はなんとなーく「風の谷のナウシカ」オープニングのタペストリーに描かれた鳥の人を連想。なぜにそんな想像が喚起されたかと思えば、

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「士」の字に組んで見当がつきました。なるほどこの飛行機は鳥を模した形をしているけれど、むしろ「鳥を模した人の形」を模したような形状なんですな。左右翼端に四つ伸びるのは風切り羽根というより四本の指で、例えば影絵で「鳩」を演じる時の手のはばたきとか、そんなようなものではないかと。

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シンプルな操縦席、座面にはボタン留めの布張り表現に加えてスノコ状の床板がディティールされています。

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計器類のデカールはコックピットの内外にそれぞれ位置しています。この辺の理屈はよくわからない。理屈で考えるようなものではないのかも知れない。

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エンジン排気管の開口はおススメのディティールアップポイントです。やー、開けてませんけどねー。うーん。

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脚柱と車輪はまさに模型飛行機って感じで実にグッドです。和紙とバルサと竹ヒゴとゴムでヒコーキ飛ばしてたころを思い出します……。

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プロペラはシンプルな二枚羽根、機首のラインはWW1のドイツ機にこのようなものがありましたが、映画本編での「堀越二郎」の設定はイタリア萌えなんでしたっけ?

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機体は簡単に形になります。なにしろ夢で出来ているのだ。胴体側面のハンドルがすごく気になるところですが、本編ではなにか仕掛けがあるんだろうなあこれ。

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国籍マークを描いたり軍用塗装に染めたりしたらきっと怒られるんだろうなあと思いつつ、爆装させたい要求もちょっとだけある。だってほら「青島要塞爆撃命令」みたいじゃないですかいありゃむかし映画を見ましたよ、面白かったですよー。

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タイトルロゴのデカールを貼り付けたベースはどうやら本編でこの鳥型飛行機が発進する架台を模しているようです。茶色部分は家屋の建材でありますから、木目塗装なりモールドなりにこだわってみてもよいでしょう。

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こんな感じで乗っかります。どうもこの体勢のままVTOLするみたいでオスプレイよりも断然安全なにしろ夢だ。ま、撃墜されるとかいう、もっぱらのウワサですけれど……。

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もちろんファンタジックな機体なので、この飛行機のアイデンティティを技術や力学的に問うのはナンセンスと言うものでしょう。宮崎駿のアニメでひとが飛ぶのはまさに飛ぶために飛ぶのであって、そこに理由も理屈も不用なことです。ナウシカのメーヴェみたいなものですって最近では本当にメーヴェが空を飛んだとかであ!まだやってるんだこれ。しかし見に行く余裕はない……

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「紅の豚」のときは架空の機体を実機のスケールモデルと見紛うばかりの精度でキット化したファインモールド。しかして今回はもっと自由な、幻想的な、ひとが見る夢をかたちにしたような楽しい乗り物のプラモデルですね。

などとまとめに入っているようだけれど、実はまだ完成ではありません。

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夢の主体は夢を見ているその人自身、この「堀越二郎」少年フィギュアこそがこのキットの肝心要存在で、パイロット抜きでは在り得ない飛行機なのです。

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機体から半身を乗り出したコミカルな搭乗姿勢、取説にはフィギュアの着物の柄も塗装指示があるけれど、かのタミヤ1/35「赤穂浪士」シリーズ並みに大変そうな仕儀ではあり(汗)

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「乗り物」というよりはもっと身体感覚に直接訴えるような存在といえるでしょうか、歴代の宮崎アニメでもっとも楽しく空を飛んでいたのは「となりのトトロ」の大トロで、実は飛行機関係無いのだなこれが(笑) ああでも、実際にこのキットを組んでみたら「風立ちぬ」本編で効果音を人の肉声で入れる演出の意味がなんとなくわかったような気がします。

いや、まー映画は見てないんですけれど、それでもなんとなくね。

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