ファインモールド「1/500 宇宙防衛連合艦隊 艦隊旗艦」
ファインモールドの新規展開、「松本零士メカニクルユニバースシリーズ」より第一弾の「太陽系連邦軍旧地球連邦宇宙防衛連合艦隊艦隊旗艦」を組み立ててみました。
ボックスサイドにはこのように当シリーズの基本コンセプトが記されています。あくまで松本零士氏のオリジナルメカニクスを立体化したものであり、某大作アニメーションシリーズとは一切合財関係ないものです。
それはそれとして「太陽系連邦軍旧地球連邦宇宙防衛連合艦隊艦隊旗艦」ではなんぼなんでも長すぎるんで、以下当記事に於いては本艦について「沖田艦」と呼称することに致します。
基本となるパーツは1ランナーでまとまっているシンプルな構成です。1/500スケールとのことでバンダイの同スケール宇宙戦艦ヤマトと並べると見栄えがするかと思います。宇宙戦艦ヤマトのシリーズで言うとメカコレに沖田艦がありましたね。古代艦とならんで好きなフネでしたが、結局小さなメカコレだけでラージサイズのプラモが発売されずにいろいろ残念だった思い出が何もかもみな懐かしい…
シンプルな形状の飾り台と砲塔旋回用のポリキャップが付属します。
こちらはデカールシート。宇宙防衛艦隊所属の「愛宕」「スヴェルドルフ」「ヴィンセンズ」「鳥海」「コルベール」計5隻のマーキングがセットされていて設定的には重巡洋艦に相当する艦艇なのかな?「ゆきかぜ」もといミサイル護衛艦のシルエットが目を惹きますが、これは第6護衛艦隊旗艦ヴィンセンズに施された艦影を誤認させる欺瞞塗装のパターンでして、どんな未来でもやっぱり目視照準で砲戦するんだろうかは。
そして 誰ですかこのひとわ?
なんでも解説によると戦功をあげた艦船や艦隊に描くことが許される女神像の意匠なのだそうで、メーテルでも森雪でも有紀螢でもお好きな松本零士ヒロイン像を投影してください。個人的には最萌松本キャラといえば1000年女王の雪野弥生が正体を隠してエプロン巻いてラーメン屋で働いてる姿だと俺は思う。え、まゆ??
設定慨説。艦体編制などが解説されています。意地でも「雪風」を挙げていないのはいろいろひと回りして面白いです(w;
パーツ表面には上品な梨地処理が施され、ファインモールドスタンダードな美しいすじ彫りのパネルラインを一層際立たせるものとなっています。この辺りちょっと潜水艦風味でもある。
松本メカらしさと言えば「松本メーター」が代名詞ですが、翼端の鋭い…するどい…なんだろう、トゲトゲしい翼端もまた松本メカのアイデンティティなのです。
三連装ショックカノンの砲身(?)は別パーツ。左右と中央でそれぞれ異なるパーツなので間違えないよう注意…
と、思いきや、差し込みピンの形状をそれぞれ違えて誤用の生じないようにあらかじめ対策してあります。ちいさな親切に大いに感謝であります。
組み立て自体は実に簡単で、昼メシ食った後の休み時間でも出来上がりそうなイキオイであっという間に完成。どこからどう見ても沖田艦、さすがは3日で火星軌道から冥王星まで航宙出来ちゃうだけのことはありますなー。日本の大抵のマンガやアニメに出てくる宇宙船よりよっぽど高性能なフネなのです。ガンダム世界の艦艇なんて及びもつきませんぜ?
紡錘形もしくは葉巻型な船体形状。このシリーズの塗装例は第二次大戦中の航空機をモチーフにしているようなのですが、現用航空自衛隊の洋上迷彩も似合いそうな外見です。が、まー「雷電」とかがイケそうですがな。
正面からみるとかなり無機質、武骨な印象で軍艦色一色で塗るのも悪くないかなー。それではちと、面白みに欠ける気もしますが。
船体各所のフィンの成形が美しいのでそこを活かしたような仕上げが望ましいかな?昨今のイラストレーターではあまり見ない「色気のある曲線」を主体としたメカデザインを再現している訳で、宮崎駿とか安彦良和とか70年代のアニメーターのラインですね~。
むかしから気になってる沖田艦の艦首に開いてる謎の穴。これってやっぱり波動砲なんでしょうかね?冥王星沖会戦で一発ぐらいガミラス艦隊にぶちかましてもよかとじゃないですかー!と、昔から気になっている…けれど、
残念ながらどうガンバっても「やつらにはこの艦では勝てない」んであります。
だって艦橋の位置が変過ぎるんだもの。
こないなところに座乗してたら砲戦するたびに回ったり傾いだり揺れたりして艦隊指揮どころの話じゃないのだ。
今回のキット化に合わせてこの部分のデザインを変更してもバチあたらないよーな気もしますけれど、これはこれで沖田艦の特徴でもあり…
なお各砲塔は旋回しますがその際に基部がむきだしになるのでちゃんと処理はしておきまショー。モナカ構造の船体内部にうっかり砲塔基部パーツを落としちまわないように注意だ(実は1回やったw)
後ろ姿がイカしているのはこれも松本メカの特徴かも知れません。なんとなく哀愁漂う…
ホビーショーも控えているので「このシリーズ次はなんなんだ?」って声も多いかと思いますが、あまり急がずにファインモールドの持つひとつの製品ラインとして、末長く存続してほしいなと個人的には思います。ヤマト関連だけじゃなく、幅広く展開してくれたら嬉しいんですけどね。
そんでもって「宇宙戦艦ヤマト」といえばテレビや映画や原作マンガやひおあきらやキムタク実写や復活編やらいろいろありますけれど、僕個人としてはソノラマ文庫版が一番だよなと思う訳です。救いの無さがたまりませんのよ。