フジミ「1/12 ホンダVFR800P 警視庁白バイ仕様」
フジミの1/12BIKEシリーズ第四弾はMG8月号フロントラインで「思い切りのよい徹底ダイエットぶり」を模型文化ライターあさのまさひこ氏にも絶賛された警視庁の白バイです。(MG10月号では作例記事アリ)
まあ、そうですねえ…近年ようやく復調してきてますが一時期模型業界でバイクモデルの凋落たら無かったですから、変化球的なスタイルとはいえリリース自体は喜ぶべきなんでしょうや。80年代にはタミヤのバイクはそりゃ売れたそうなのですけど、昔からどうもバイクモデルってエンジン周りやパイピングやらが大変そうで、これまで作った事が無かった。1/35ですら自転車しか作ったことが無かった。そんな自分が初めて組むには良いモデルか…
(´-`).。oO(こんなことなら以前ドラグナーが再販されたときにガンドーラを作っておけばよかったなぁ)
てなことを思いつつハコ開けてみますと
うおっ、まぶしっ!
いや~~~~白いですよ?真っ白。白バイだから白いのは当たり前なんですけどなんだろうなこのホワイト加減は。水嶋ヒロの小説「KAGEROU」を本屋で1ページ開いてたじろいだ記憶がフラッシュバックしそうだ…
MGでも指摘されているように各パーツは一体化が進んでいて、見るからに組み立て過程はシンプルそうですな。
フレームやチェーンも一体化された上でホワイト成形ですけれど、白バイ特有のバンパーフレームや前後輪のブレーキディスクはメッキパーツ。見える所は見せる割り切り感。
しかしこのサイズでタイヤがホイールと一体化されてるのを見るとそれなりにヤックデカルチャーな思いがするのも確かです。「複雑な物事にはそれが複雑である為の理由があって、それを考慮せずに単純化してしまうと複雑さの中にある物事の本質をスポイルしかねない」とゆーのは「ルーンクエストナインティーズ」って大昔のゲームの話でバイク模型とは全然まったく何の関係もないですよ。
小パーツ群。赤色灯はクリアーレッド成形ですがウィンカーは無色。前後輪はそれぞれビスと金属シャフトで接続で、デカールとは別にタイヤ塗装用のマスキングシートが付属しています。ちょっと飛行機モデルのキャノピーみたいな対応は面白い。ですが切り取り線は入ってないので使用するにはフリーハンドで真円を切り出すか。無難なカタチでサークルカッター推奨。
一体化されたパーツを接写するとこんな感じで、ディティールそのものはこのスケールなら一般的…なのかな。開発や設計はどっちが楽なんだろう?
スライド金型やアンダーゲート処理などランナーの端々には様々な設計上の工夫が見られます。
基礎となるフレーム部分は接着ピンや「のりしろ」的な部分が多く取られてかなり頑丈な作りです。なお例によって今回も無塗装素組記事なのですが、バイクモデル的には組み立てながら暫時塗装していくのが正しいやり方でしょうか。リアサススプリングはじめ一体化が進んだ部分などは必要に応じてスミ入れ処置していくのがスジ?
説明書には市販モデルのVFR800Pと警視庁仕様の違いが列記され、基本的にはノーマルなVFRにオプションを付けてくような構造。ですけど当然とりつけ穴が開いたりしていますので、これでこのまま市販モデルを出せるような基本設計では無い…と思う…
ところでVFR800のフロントカウルは知る人ぞ知るマイナー特撮ヒーロー「サンダーマスク」にそっくりである。だからなんだ。
とかつまんない冗談をいう時間も無いほどアッという間に完成します。フルカウルと大型ゲベックカステン(違うって)のおかげで確かにエンジンなどの構造は外側からはそれほど見えるものではない、車種選択としては正しいものでしょう。
前記MG8月号では「こうした形態であればマイナーな車種でも…」と書かれていますがむしろ白バイって最近よく見るメジャーなバイクじゃないかと思う。それは趣味として2輪をやる人が減った結果実用車ばかり目にすることになってる事情もあるけれど、大人から子供まで良く目にするものならば、ゲートウェイとしてのイージーアッセンブリーなキットにも十分存在意義があるんじゃないかなと、そんなことを考えましたね。
キットのままでハンドルは可動、スタンドも未接着にしておけば可動させることは可能でいちおうの表情は取れます。800cc大型バイクのキットがリーズナブルな価格で手に入ると思えば悪くないかも。1/12スケールってことで Figma と絡めたりとか、まーそんな用途もアリでしょう。ただし注意点として、車格の大きな車両なので小さな女の子は乗せ難いです。「化物語」の真宵はたぶん乗せられないなー。
そしてもっと大切なことですが
バイクに乗る時はヘルメットを忘れないようにしましょう。
ま、ものがものだけにストレートなものが似合うだろうとは思います。仮面ライダーのシリーズとか、なにかもっと別に完成品があればよかったなあ