フジミ「1/24 マクラーレン F1」

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リアルスポーツカーシリーズNo.66、マクラーレンF1です。実車はF1グランプリで有名なマクラーレン社が初めて開発する市販モータースポーツカーとして話題を呼びました。年式で言えば1993年式ということになりますか。

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市販車バージョンのインジェクションキット化はあまり聞いたことが無く、本製品が初めてかもしれません。Wikipediaの記述によると生産総数64台とのことですからかなりのレアものだ。実車もキットも市販車よりもレース仕様の“GTR”のほうがよく目にしますね。


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クリアーパーツのランナーは別枠に分けられています。しかし注型そのものは一括されてすべて無色透明での成形となっていますね。マーカーランプ類を着色で成形しないのはこれはもうフジミの伝統だろうか。

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ボディ成形色はホワイトで、ここまで一体化されています。トップ画像に使ったボックスアートはボディに合わせたホワイトカラーの本車がテストコースと思しきオーバル路面を走っている構図ですけれど、いまひとつ味気なさを感じるのも確かで。

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デカールはインパネなど必要最小限。窓枠部分と一体化された大面積のウインドウ・ライドガードのパーツ類にはそれぞれマスクシールが用意されています。

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現在は3D計測技術も進歩しましたから、昔ほど設計者による外形のアレンジが加味されることは少ないのでしょうね。それが良いか悪いかはまた、ともかくとして。

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キットのインプレッションとしてはパーツ総数を抑えて組み立て易さを第一にしたような印象を受けます。手堅い設計の立体化で、あまり「冒険」するような要素は少ないかな。

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ですから組み立てもスムーズに進みます。画像ではとらえきれませんが組み立て説明書の各行程でブレーキやサスペンションなど実車の構造・性能などを細かく解説してくれるのは好印象ですね。

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センターに配されたドライバーシートと内装関連は本車の大きなアイデンティティでしょう。F1マシンからフィードバックされた各種技術のみならず、運転する感覚にもF1のそれを持ちこんだのは、発表当時大きな驚きを持って迎えられました。高速道路乗ったり有料駐車場入ったりするの大変でしょうねプゲラなんて思うのは庶民の発想です!どうせ実際には乗れやしないんだから楽しいことだけ考えるのです!(それは負け犬の発想だ)

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パッセンジャーシートに美女二人侍らせてーとか、そういうことだけ考えましょう。しかし意外と近い距離感で、リアシートって感じじゃないのね。

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シート前には結構なスペースで空間が取られているのでご近所のスーパーでキャベツやカボチャを丸で買っても安心して運搬できます。ポルシェ・カレラなんてラゲッジスペース大してとってないから、クリスマスツリーの一本も車内に乗せられないんだぜ。

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エンジン関係はシンプルなパーツ構成です。実車が開発された1990年代初頭ってF1のハイテク化が盛んだった時期ですから、いろんな技術がフィードバックされたんだろうなーと思いきや本車のエンジンは当時F1未参戦だったBMW製なのね。

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外観上でわかりやすいF1からのフィードバックと言えばこのフラットボトムでしょうか。おおぅ実に90年代初頭のF1マシンらしくあります。

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大きくとられた開口部分とクリアーパーツのフィット感も良いです。「快適さ」は実車開発の際に重視された要素だそうで「雨の日にウチの車に乗るんじゃねえ」とか横柄なマラネロの人たちとはちょっといやだいぶ違うぜ。っていまのフェラーリはどうなんでしょうねーうーん。

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テールグリッド内部バックランプにはデカールも用意されているのですが、それを使用するためには一部のディティールを削り落す必要があります。

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エアスクープを避けてルームミラーがふたつあるのも面白い特徴ですね。実物はなかなか手が届きませんから、プラモでこういう情報を知れるのはやはり良いなあ。

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ワイパーはシングル、ヘッドライトは固定式です。本車がベンチマークとしたホンダNSXや同時期のフェラーリF40などでリトラクタブルライトが流行ってた時期ですけれど、そろそろ下火になってたかな?禁止になったのは何年ぐらいだったかなあ。ちなみにフロントグリルにはナンバープレートパーツを取り付けるための「隠し穴」がありますが、日本国内で私有された個体ってあったのかしら。

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んー、やっぱブレーキランプやウインカーなんかは最初っからクリアーレッド/オレンジ成形されてたほうがいいなあなんて思いますねん。

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OZマグネシウムのホイールは落ち着いた色合いのシルバーメッキで実に良い雰囲気。ここは良い意味で伝統のままでありましょうか。

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ボディとシャーシの合わせも非常に良好です。

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唯一ドア部分のサイドウインドウのみ、位置決めに手間取って接着剤多めにつかっちゃいました。クーペ車体だから仕方ないのか、ちと曇らせてしまいましたが…

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ドアの開閉はコンパチ式ですが、閉じて固定した方が車体の美しいラインを堪能できるかと思います。バタフライタイプのドアをはね上げて特徴的な車内インテリアを見せるというのも、本車ディスプレイのひとつの方法ではありますれど。

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かれこれ20年以上前のロードスポーツですけれど、いま見るとなんだか落ち着く形状です。F1もロードスポーツもどんどんヘンテコリンなカタチになっていく昨今では多少年式落ちしてた方が愛着わきますねなんだかね(笑)

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エンジン部分は組んでしまうとほとんど見えないのでワンパーツ成形でも問題ないのかな? いまどきのカーモデルの在りようも、様々なスタンスがあるかと思いますけれど。

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例によってこの記事では素組みのままなんですけれど、実車は当時の値段でイチオクエンもする高級車ですから、どこぞの会社の社用車みてーに真っ白ではやはり魅力半減、ここは美しく塗装されるべきでしょうね。カスタマーに合わせていろいろ調整してくれたマシンなんだそうですが、カラーリングはどんなのがあったんだろう?個人的には金メッキかってぐらいに派手派手なゴールドのヤツが好きです。いや実に90年代ですねぇ…

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そんなこんなでフジミのマクラーレンF1でした。実車デビュー当時は相当アバンギャルドに見られたものですが、いまの目で見直すとまた違ってくるのかな。また本キットとは直接関連はないんですけれど、模型業界でマクラーレンF1といえば(レース仕様のGTRの方ですけれど)長いことモデラーズのレジンキットが大勢を占めていたことを思い出します。多くの方がご存じの通りその後モデラーズ社の経営母体は様変わりして現在では一部工具や素材関連にブランド名を残すのみ。往年を知る身としてはいささか寂しいものでした。ところが、

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先日のホビーショー、インターアライドのブースには久し振りに「モデラーズ」ブランドのレジン製フルキットが展示されていたのです。いやー、なんか嬉しいですねこれは。車種は実にイマドキのエヴァカラーをまとったカローラ SUPER GT、ここからいろいろ広がってくれたらよいなあ。

ホビーショーレポートで載せそこなった画像を再利用できるのも、良いなあ(w

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