ホビージャパン「鋼鉄の軍馬 1/1ラコタ&サウロペルタ写真集」

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機動戦士ガンダムシリーズに登場する軽車両の写真集です。


いま普通にさらっと文章打ってから気づいたんですけど、ロボットアニメに登場する軽車両「だけ」をフューチャリングした写真集って冷静に考えたら前代未聞だ(゚Д゚;)

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「プラモデルを1/1で作る会」の手により実物大で製作された、地球連邦軍ラコタ・ジオン公国軍サウロペルタ2種類の車両を余すところなく撮影した貴重な記録です。静岡ホビーショーのモデラーズクラブ展示会で実物を目にした方もいらっしゃることと思いますが、三菱パジェロやアイをベース車体に作られた実車さながらの存在感は屋外撮影によって倍増。

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インパネやヘッドランプなど細部のクローズアップも数多く撮影されています。魂は細部に宿ります。

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オマケアイテムとして製作された対MSミサイル「リジーナ」がこれまた色々芸が細かい格好良さで、小物にちからを入れると人目を惹きつけやすいのはブツの大きさを問わずに共通することですな。

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ギミックがあると面白さが増加するのも同じだ(笑)昨今の実物大○○でボトムズを作成された「鉄のひと」ことkogoro氏以来のことかなと思いますが、とりわけ今回は「クルマ」という実に身近なところで手に届き、性質や存在が周知されているものですから、なんて言うのかな、親しみやすさ?を感じますねー。具体的に言うと「これ乗ってお台場ガンダムに突撃したいナー」とか、妄想が容易だ。

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しかし本書の中核を占めるのは製作過程のドキュメントで、こちらは実に現実的な内容です。妄想の入る余地など無いほど真剣な工程。

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装備品に実際の車両部品が使用できるという利点はつまり、その他の部分も実際の車両同様のグレードに仕上げる必要がある。ということでもあります。TVの特撮ヒーローはちっともこの手の改造車両に乗らなくなっちゃいましたから、ある意味貴重な技術の伝承だと言えるのかも知れないなあ…

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再現度やギミック等では2例目となったラコタの方がクオリティは増しているのですが、読み物としては先に作られたサウロペルタの時の方が楽しいかな?巻末には製作スタッフやサンライズの関係者などによる対談が収録されていて「この歳になって文化祭をやるとは思ってもなかった」って発言になるほどこれはお祭りのノリなのかーと膝を打つ。板金に塗装内装、いろんな人の手が加わって生まれてます。「基本的には、こういう許諾は下りない」というサンライズ側の立場にも首肯させられるのですが。

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付録として同梱されるバンダイ製1/35スケール「M72 1/2tトラック ラコタ」の作例も勿論掲載されています。キットレビューとしてはホビージャパン本誌と同様、初級・上級それぞれに合わせた製作ガイド。さらに山田卓司・町田豊両名によるディオラマ(本誌掲載済みやサウロペルタの作例も含む)でU.C.HARDGRAPHシリーズに準じた本キットの楽しみ方が様々に提示されています。

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設定資料集ではMSイグルーのラコタ/サウロペルタだけにとどまらず、歴代ガンダムシリーズに登場したラコタ(型の連邦軍車両)が掲載されています。ひとつの小物デザインがこれだけ長年色々使われてきたのも長寿シリーズだからこそか。初見は「ポケットの中の戦争」だったかと思いますが、オリジナルは「逆襲のシャア」の本編未使用設定だったという驚きの事実!いちばん最初のデザインが誰の手によるのかは不明なんだそうで、既にガンダム世界ではアノニマスな存在である。すごいぞラコタ。

このオリジナルデザインよーく見るとボンネット周りはジープというより航空機用のトーイングカーみたいな処理になってますね。コアファイターを牽引するのもあながち不自然ではないのか。

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設定資料集では掲載されていませんが安彦良和のコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」にもホワイトベース搭載車両として同タイプの車両が出てきたり(4巻)。アムロくんが難民キャンプにオカンをたずねるシーンで「いつものと違うね」「バカこれは宇宙軍のだぞ」なんて示唆に富んだ台詞があったりもするのだ。

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そしてこれは本書と関係の無いオマケの画像。「作る会」の皆様がはじめてサウロペルタを製作した時には安全性などの面から車体Bピラーを残し、ロールバーとして利用しています。オリジナルデザインとは異なる箇所なのですがその際に参考にされたアーマーモデリング誌掲載の土井雅博氏作例というのがコレなんですな。手元にあったAM誌2007年11月号からのスキャン。ちなみにこの号では陸自のパジェロが取材されたり珍しく現代物のT-90が表紙&巻頭だったりで、UCハードグラフといろいろ親和性が高かったりする(笑)

続いて付録パートなんですが、長くなってきたので一旦記事を分割します。

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