ホビージャパン「3Dプリンタのためのデジタル造形術」

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「フィギュアの作り方」#01となるホビージャパンムック。一冊まるごとを使って1体のフィギュア製作を、現在急速に普及している3DCGによるデジタル造形で行うものです。


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作図用ソフトとしてはテトラフェイスから発売されている「メタセコイア4」を使用し、実際の製作とテキスト執筆を担当するのはコトブキヤ・ウェーブを始めとするメーカー各社からリリースされているフィギュアの原型製作を行ったKneadのスタッフ陣。単にフィギュアの作り方としてだけではなく、広く3Dモデリングソフトを活用するための実践的なガイドブックといったような構成です。

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そもそもポリゴンとはなんぞや? といった基本中の基本のようなところから丁寧に解説されていますので、この本とソフトで初めて造形に接してみることも決して無茶なことではなく、むしろ本当の初心者でも十分ついていけるステップアップ方式の内容です。模型の本というよりマイクロソフト関連などパソコンソフトの教本を読んでいるような気分にはなりますね。

 ※ホントはただ読むだけではなく、実際にソフトを使ってテキスト通りに作画したほうが書評としてもよいのでしょうが、今回そこまではやっていないのであしからず

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単純な図形から初めて徐々に形を変え、複雑な面構成を作っていく流れはプラ素材や造形粘土を用いた「アナログな」作業と基本を同じくするものか知れません。しかしデジタルなこの作業の過程では

・失敗しても簡単にやり直しが効く

・ゴミが出ない

という特徴があって、特に後者はこれまであんまり言われたことないけどもっと喧伝されて良い長所じゃないでしょうか、ニオイとかホコリの問題とかいろいろふくめて。いまこのときゼロから造形やろうって人には良い道のりかも知れませんね。

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それらの基本的な技術を身につけた上で、田中久仁彦キャラクターデザインによる「でんわのクロちゃん」を製作するのが本書の主な内容です。実践的です。

ところでぼくのうちにもむかしは黒電話がありました。なつかしいなあ。

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正面と横からのイラストをPCに取り込んで(テキストにはどこにも書いてないんですけど本文中のイラストをスキャンしちゃっていいのでしょうか?)基本は「盛ったら削る」で形を出していきます。3Dとかポリゴンとか飛び越えて急に親しみを感じる作業で、やってること自体はデジタルもアナログもそんなに変わらないのかな。

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細かな作業には各々ソフト上での専門用語もありますが、綺麗な面取りを作るために電子的なペーパーがけするようなものねと頭で理解していれば飲み込みも早い……かな? あんまり我流に引き寄せ過ぎるのも良くはないのでしょうけれど。

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要所要所で3DCGソフトならではの機能やちょっとしたテクニックが挿入されます。このあたりも実際に造形されている方ならではの内容で、実践的なもの。そしてこれらの内容はフィギュアだけでなく、もっと他の様々な分野に応用可能な技術なのでしょうね。ガンプラの改造でありますとか、ミリタリーモデルの小物とか、覚えて損のないことです。

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元は直方体や球体であったデータがどんどん洗練された形状になっていく様子を見ていくのは楽しいもので、なんとなく自分でも出来そうな気分にはなります。その辺はやっぱりPCソフトの教本のようだな。

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3Dプリンターで出力するためのパーツ分割とサポートの追加、実際の出力とRCベルグさんへの複製依頼(笑)まで含めて、各種イベントでガレージキットとして販売できる程度のクオリティで完成されます。

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複製されたレジンパーツにプロのフィニッシャーの彩色を経て完成したクロちゃんがこちらになります。まあ可愛い。

やはりメインとなるのは3DCGを使ったデジタルデータの製作で、3Dプリンターによる出力以降のプロセスはまだまだ個人で出来る範疇では難しいようですね。資料として3D出力サービスを行っている各社連絡先が掲載されています。リストには載ってませんが執筆を担当したKneadさんでもサービス開始するそうで、一般のところよりフィギュアに精通したサービスを受けられたりはするのでしょうか?

3DCGに何が出来て、3Dプリンターで何が作れるのか、イマドキの風潮のみならずこの先に広く展望のある分野でありますから、この技術に精通しておくのはいろいろ得策かと思われます。テレビのワイドショーや新聞社説、モデラーの周囲の無理解な家族(w が思っているほど3Dプリンターって万能ミラクルマシンじゃないのだな。

だいたいボタンひとつでなんでもつくれるのが3Dプリンターならいますぐ「秘○探検フoム&イー○ー」の続きを作ってほしいもんですねえとHJ×田中久仁彦×ちょっとブラックなネタでオチをつけようとか思うじゃない?

その後の2010年、打ち切りから約10年を経て田中個人のサークルが発行する同人誌上で再始動。続きが掲載された。

(wikipediaより)

・・・マジで!?(AA略)

あ、でもこれ4年前の話か。いまはどうなってるんだろう??

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