マイルストン「俺たちの1/12 洋式便所」 & 「俺たちの1/12 男子便所」

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さてさて、アオシマのあおこさんも無事にツイッターに戻ってきたことでありますし、アオシマ/マイルストン共同開発1/12スケール水洗便所のプラモデルを2種類同時に紹介です。

そもそも水洗式のトイレという存在も、元をたどれば古代ローマにまでも遡る、人類社会の衛生的な規範を示す文化物品ではありますが、さりとてただいまお食事中であるという方は、なるべくなら本日の記事はお読みにならない方が文化的且つ衛生的でありましょうとあらかじめ申し添えておきます。

なにしろこのキットが生まれるきっかけとなったのはホビーリンクジャパンのプラギョーザだそうでなんという業界の新陳代謝、入れたら出すのが人類で宇都宮のギョーザは美味しいけれど食べたら翌朝大変だよね!

てなことをまず押さえておかねば先に進めないのです。ああ今日は金曜日か。金曜といえばギョーザよりもむしろカレーラ(やめろ)

内容紹介および組み立て、まずは「俺たちの1/12洋式便所」の方から見て行きましょう。

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中心となる洋式便器の成形品は1ランナーで構成されています。白一色の成形色には清潔なイメージが漂います。

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給水管部分は銀メッキパーツ。このアイテムが発表された際には世の中相当驚かされた突飛なアイデア製品であった訳ですが、ひとつの「プラモデル」として見れば非常に手堅い設計が成されています。

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壁は2種類、こちらはタイル壁。

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同じくパーテーション的なボード。照明で飛んでしまいましたが「金具」的なモールドが存在します。どちらの壁面も貼り合わせ2枚構成なのは両面ともにモールドが存在することで次々に連結できる、ブロック玩具的な展開を可能としているからです。おおぅ無限のフロンティア。

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床面はシンプルなペーパー(取説には「ペーパークラフト」と示されていますが特にクラフトする必要はありません)一枚、基本は「学校」をイメージしている製品のようで地味な床面もこれはこれで良いのですが、オリジナリティを発露させたい方はまずここから始めて見るのはいかがでしょうか。ビニール地の床や足元のマットなど、様々な素材を用いて飾り付ければたちまち夢の空間である。また飾り付け用の素材としては各種のポスターがシールで付属します。どれもユーモラスな雰囲気を満たしたものですがピー○ボー○を揶揄したようなのが入ってるのは如何にも最近のアオシマ的です(笑)

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見なれた形の誰もが知っている身近な存在であればこそ、シンプルな形状にも妥協が許されない設計配慮が成されているのでは……と、思わざるを得ない。この絶妙なラインの曲線美は、ひとによっては思わず抱きしめて頬ずりしたくなるような衝動を抱くこともあるでしょう。酒飲み過ぎた時なんか特に。

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完成すると見えなくなる配管のサイホン部分まで再現しているのはさすが「文化教材社」の面目躍如といったところで ここが大事なんです。 流し台やおトイレにこの屈曲部位が無いと下水から臭いや虫がわらわら湧きあがって来てそりゃもう世の中大変なパニックになること請け合いで、例え街の喫茶店からサイホン式コーヒーメーカーが失われても街の喫茶店のお手洗いからサイホン式排水管が消え去ることはないでしょう。

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ああそうか「カットモデル」に出来るかも知れないですね。まあその、頑張れば…ですね。

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便座とカバーはめ込み式で可動します。なお取説には特に記されていませんが行程5番で組んでるのはウォッシュレットの操作パネルなので、ここもディティールアップのポイントとなる箇所でしょう。

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給水管の取り付け方向は左右を選べますので、ご自身のレイアウトに併せて設定してください。

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壁パーツは上述のようにどちらも貼り合わせ、厚みを持たせていることで自立し易くなってます。なるほどね、当初は貼り合わせずに使えば2倍お得!とかになるかなーとも考えたのは、実に浅はかでありましたな。

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サニタリーボックスとトイレットペーパーのロール部分。どちらもキープイットシンプルSSなつくりながら、的確な形状です。トイレットペーパーの切り口が三角に畳まれてるなんてのは都市伝説で実在しませんから、そんなものは再現せんでええです。

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そして全景、おおぅ実にトイレである。例によって無塗装で成形色を活かした方向ですが、便器本体にはコンパウンドで磨きを掛けています。塗装仕上げ、パール光沢なんかも悪くないと思うけれど、色塗りを始めるとウェザリングをどうしようかというその、難しい問題が立ちはだかってですね……

縦横のレイアウトを変更すればより狭い、単身住まいのアパートみたいな風情も出せそうです。タイル壁と目地は塗装で質感を変えた方が効果的かとは思いますが、それにはつや消しの白でスミ入れするとよいのかな?「白でスミ入れ」ってのもヘンな日本語ですが、モデラーなら通じると思う(笑)

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便座とカバー共にパカパカ動くギミックが無意味に楽しい。なるほどここから手なり顔なり出したくなるのもわかりますな(笑)トイレットペーパー部分はある程度レイアウトの自由が効いた方が良いでしょうと両面テープで取り付けています。壁面を塗装した場合は木工ボンドやピットマルチ(はがせるノリというやつです)を使えば塗膜を痛めることもないでしょう。また便器内部に「水」を張っておくのはかなり効果的且つ小綺麗なアクセントとなるでしょう、クリアーカラーとか使って。

ここからはお次のアイテム「俺たちの1/12男子便所」の解説となります。しかし何故にわざわざ「俺たち」と銘打ったのであろうか。女子層にだって引き合いはあるだろうと思いますよ男子便所。いやどんな用途かと聞かれても返答に困るが。

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一般的な縦長の男性用小便器、Wikipedeiaの「便器」項目によれば床置(ストール)型小便器と呼ばれるものが2セット入っています。

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給水バルブがメッキパーツなのは洋式便所と同様のキットフォーマットなのですが、ウォッシュレット内蔵を模していた洋式便所に比べるとちょっと古風なデザインかな?。例えば近年よく公共施設で見かけるような、サニタイザー(便器洗浄溶液)用のディスペンサーがあったりすると今風なんでしょうけれど。

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こちらのキットには洗面台が付属していて、これがなかなかよい感じなのです。やはり洋式と男子の2種セットでいろいろ組み合わせるのが、正しい遊び方なんでしょうな。

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アクセサリー類はまったく同一なので簡単にまとめて紹介。

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洗面台のパーツは単純な構造ながら排水孔も綺麗に抜けてます。毎朝の洗顔・歯磨き・えづきのときにはよくお世話になるこれも生活に密着したデザイン。

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このタイプの便器は排水システムが完全に床下に位置するので、さすがにそれは再現されていません。よって組み立ては簡単…ながらも、手を抜けそうな所で決して抜かないパーツ分割となってます。実際、やろうと思えば1パーツでそれっぽく出来そうな観もあるんだよね。

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気になる人には合わせ目がいささか処理し辛い構成かも知れません。が、むしろここはターゲットマーカーであるとか芳香剤ボールであるとか、プラスアルファを考えた方が何かと健康的ではなかろうか。

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先程ちょっと古風とも書きましたが「学校」ならばこれぐらいが普通なのかなー、イマドキの学校事情もちょいと疎いのですけれど。レイアウトはいささか狭めでこんなに近いと使用時に困りそうですが、「狭いトイレには兄弟も友人もない」って「紅い眼鏡」で言ってました。これも昔の話だね……

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水道蛇口と液体石鹸容器まで備えた洗面台は例えばここに鏡を一枚設定して「洗面所」を作ってみても、そこから多彩な応用と発展が効く舞台となり得るだろう思われます。日々表現者を心がける方ならば、精神の蛇口をひねれば湯水のごとくアイデアが湧いて出ることでありましょう。

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「便所のプラモ」ってだけでも十分インパクトがあるものですが、ここからいろいろ展開させてこそのプラモデル、モデラー気質というものでしょう!関連資料は実際の公共/私用のトイレをはじめとしてジャージャーモリモリ山ほどありますが、妹尾河童の「河童が覗いたトイレまんだら」(新潮社)という名著を薦めておきたいところです。文庫になっててお安く手に入るし、面白い本なのよこれ。

でも考えてみればトイレのプラモデルからトイレを作るってのがそもそも狭い視野の発想であって、例えばこれをベースに三体合体ロボットを作るとか1/12スケールのA-1スカイレイダーを自作するとかやってこそ真のモデラー気質かも知れませんねえうーむ。

自分そこまでのガッツは無いのでフツーにアクションフィギュアなんぞを絡めて遊ぼうと思った訳です。「フィギュアと一緒に遊ぼう!!」と、パッケージにも書いてある。

でも、どのフィギュアで?

人気のキャラクターが数多くラインナップされているfigmaなりS.H.フィギュアーツなりを使うのが一般的でありましょう。でもその、マイルストン/アオシマ以外の他メーカーが著作権保持者から正規に版権使用許可を得て製品化したものを、果たして便所の引き立て役に使って良いものであろうか。無論水洗トイレ自体はあくまで文化的な存在でありますし、そこにキャラクターを絡ませるのも殊更に卑下するような行為ではないのかも知れませんが。

が……

個人であるならそれはもちろん自由な表現の発露であって、なんら規制される云われなどないはずです。ウッディなりヘンリエッタなりもーどんどんやっちゃえむしろ見せて!という気分ではありますが、やはりこの場所はそれなりに多方面に気を使った配慮が必要とされているのでいやホントに、これでも一応。

そこで私は便所プラモの製造元でもあるアオシマの製品にケツを拭いてもらうことにしました(比喩的表現)

かわいいmobipの女の子だと思った?

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ざんねん、アンドロデムスちゃんでした!

アオシマアニメスケール「魔境伝説アクロバンチ」シリーズNo.4、ゴブリン一族四天王のひとり赤軍鬼アガイル専用ロボット、1/144スケール「アンドロデムス」ですよむは。

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現在では駿○屋などの中古市場でもないとまずお目に掛りませんが、自分が積んでたのは数年前いやもう10年近く前になるのか、アオシマの倉庫から出たデッドストックでたぶん最後の正規流通品。付属の菱形チューブ入りセメダインは完全に死んでましたが、自分も購入以来ずいぶん積んでましたから今更とやかく言いますまい。ああ「なにかのネタになるかも…」と押さえておいてよかった。「なんのネタにもならねーなあ…」と天を仰いだ日々は無駄じゃなかった!製造されてより幾星霜、ついにこのプラモデルにスポットライトの当たる日が来たのです!!

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「腹部からつき出ているのはパワー・デラ・キャノンといい、すべての物を原子・中性子・陽子に分解してしまう恐るべき武器である」

…電子は何処に行ったのだ。

ボックスサイドの解説文が科学的なものを装いつつ微妙に間違ってるのはあの時代の「リアルな」言質が持つ、ゆる~い雰囲気が満載(w 当時このキットを塗装まで仕上げた子っていたのかなあと記憶を辿ってみたけれど、そもそもアクロバンチのプラモ作ってたヤツなんて身の周りにはひとりも居やしなかったですね……

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でそのパワー・デラー・キャノン(原文二箇所で記述が異なる)、「聖戦士ダンバイン」に登場したオーラバトラー“レプラカーン”にわずかに先駆けるこの位置とこの形は、当時のメカデザイナー達はフロイト心理学を目掛けたチキンレースでもやってたんだろうとか不安になります(笑)模型的には砲身下部に二基懸架されたキンタもとい「火器弾薬庫」のボディへの取り付けがピンもガイドも一切存在しない単なるイモ付けだったのは実に戦慄した((((;゚Д゚))))

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特に関係無いけどこのアンドロデムスのデザイン、「亀の子ボディから直接生えた脚」や「股間の武装」「全体に漂う怪獣テイスト」ってこれバーザムじゃねーか!ゼータガンダムでバーザムのメカデザインを担当した岡本英朗氏はアクロバンチを手掛けた樋口雄一氏の所属するサブマリンに在籍していた経歴があるそうで……

なるほど君の言わんとする意味がだいたい見当がつきました。きみはこう言いたいのでしょう

HGUCバーザムがほしい人はアンドロデムスを青く塗るべきです、トサカもあることだし。

状況から推測しただけで確証はないのですが、こうして「HGUCバーザム」と書いておけばほら、ホビーショーも近いことですし「HGUCバーザム」の検索ワードでやって来た人を「HGUCバーザム」どころかトイレのずんどこに叩きこんでこんなの全然「HGUCバーザム」じゃないよ!と悲鳴を上げさせああもういいですかそうですか。

さて脱線した線路脇に日本ロボットアニメデザイン史の暗部を隠匿したところでアンドロデムスと便所の絡みに立ち戻りますと、

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このキットって腕が前に回りません。

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脚部も脛・腿・基部と分割されてるわりにはちっとも関節部分が動かないので満足に座ることもできない。あれ、これってひょっとして

 企 画 倒 れ だ !

_(:3 」∠ )_

「どんな人間にも人生で15分間はスポットライトを浴びる瞬間がある」って言うけどありゃウソだな……

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仕方ないので気を取り直して「シュレディンガーの便所」というものをこさえてみました。この壁のなかのトイレでは、あなたのお好みのキャラクターフィギュアが、あなたの思うがままのシチュエーションで、あられもない痴態を繰り広げているのです。ああなんと破廉恥なことでしょう。しかしながらそのフィギュアの状態は量子的なままに据え置かれているので、現在のままではポーズの変化や存在の有無を特定することが出来ません(シュレディンガー式殺猫装置に必須の放射性物質と毒ガス発生装置はフィギュアのポージングには全く影響を与えないのでこの実験では割愛することとします)。フィギュアの状態を特定するには主観者による主体的な観測を必要とするためにもちっとこー、そばによって、上から身を乗り出して壁の中をのぞいてみればたちまち 犯罪行為を疑似的に体験 量子演算のゆらぎはコペンハーゲン解釈の壁を自由に飛び越え多世界解釈の果てにはゼーガペインが大人気になっていてカミナギやシズノ先輩やミナト副司令がばんばんヒグマ化されてる夢のようなパラレルワールドが広がる可能性も決してゼロではありません!量子世界バンザイ!!

うん、ないよねそんな世界(´・ω・`)

しかしトイレには夢、ロマンも必要であり、ロマンや夢を充足させるには現実を直視しない努力が大事なのだ……

あーところで現実的にはこの画像ってただ壁を立てかけただけで中にはフィギュアどころか便器も置いてないんだろうなどと世界の真理を解き明かしてはいけませんよ? それは「ゴルディアスの結び目を牛刀で割く」と言って江戸っ子の間では忌避された行為なのです。

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