モデルアート「オートモデリング Vol.26」

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モデルアート別冊オートモデリング、今巻Vol.26は「速すぎた孤高の王者 M.シューマッハの時代」と題して2000年代前半のF1マシンを巻頭特集としています。

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2000年から2005年までの時代、21世紀のスタートとなるこの時期はミハエル・シューマッハが「皇帝」の異名を欲しい儘に優勝を続けた時代、フェラーリの黄金時代であります。この当時の歴代チャンピオンマシンを製作すればすなわちフェラーリとシューマッハの記事になる、そんな時代です…

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作例記事はタミヤ、モデルファクトリーヒロ、フジミ各社の1/20キットが並んで同一スケールでフェラーリF1の進化発展を目にすることができます。模型メーカーの違いやマテリアルの差はあっても質の高いモデリングによって素晴らしい完成品が連続、ティフォシなモデラーにはたまらない内容でしょう。各年ごとのグランプリダイジェストやコミカルなイラストによる「シューマッハ×フェラーリの11年間」コラムも当時のF1シーンを知るよい手助けとなります。

この時期は自分自身もTVのF1中継を見ていたギリギリ最後の時代なので、当時の雰囲気や空気といったものはよくわかるんですが…

シューマッハっていくら勝ち星挙げてもあんまり人から好かれないドライバーでしたね。

実に象徴的だなと思うのは今回作例記事の末尾に「2000年―2005年の好きなF1マシンは?」と簡単なアンケートが設けられているのですが、多くのモデラーの皆さんがこの時代のフェラーリマシンもドライバーとしてのシューマッハも、「好きなもの」としてのNo.1には挙げていないという事実でしょう。強いフェラーリは確かに模型市場で人気No.1のはずですが、モータースポーツとしてはどうだったんだろうと、何やら複雑な感慨に囚われなくもない…

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「2000年―2005年のチャンピオンマシン」の最後を飾るのはフェルナンド・アロンソの駆るルノーR25、シルバーライン製1/43メタルモデルの作例です。皇帝の時代はここに終わりを告げます。「チャンピオン」マシンの記事だから仕方ないんですけどだれかひとりぐらいはルーベンス・バリチェロのマシン作ってくれよぅ(´・ω・`)

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「2000年代前半の注目マシン」の章ではシューマッハ最後のフェラーリF1となったF2005などいくつものマシンが採り上げられていますが、個人的にイチオシ、このオートモデリングVol.26全体の中でもピカイチだなーと思うのはマクレーレン・メルセデスMP4-20、1/12スケールでフルスクラッチビルド(!)です。

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複雑な曲面で構成されたボディは資料写真をもとに3Dモデリングソフトでデータ化し、更にMODELAで出力することによって原型製作するというハイテクモデリングです。このような手法も模型誌各誌で採り上げられてはおりますが、ここまで大型のもの、美しく仕上げられたものを目にしたのは寡聞な身の上ながら初めての経験で実にカルチャーショックです。はじめてリン・ミンメイを見たゼントラーディ人もこんなふうに驚いたんだろうか(例えが変過ぎる)

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そんな度肝を抜くような記事もあれば、正統派な徹底ディティールアップも有り。カーモデル本としては十二分に濃い内容となっています。特集とはあまり関係ないニューキットレビューにも、ビーモデルワークス1/20フェラーリ150°イタリアやフランスの新興メーカーシミラー社の1/24フォードGT MATECH

など濃ゆい製品目白押しで、今も昔も変わらぬ堅実なモデルアートの姿勢はどのジャンルに於いても「製作ガイド」として安心して見られますね。

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そして個人的に2000年代前半で最も印象に残るマシン、ウイリアムズFW26が採り上げられているのは嬉しいところです。必ずしも「好き=速い」ってわけじゃない、そんな楽しみ方の余地があるF1グランプリを、今後とも望むものでアリマス。

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