モデルアート「艦船模型スペシャル 46: 雲龍型 雲龍 天城 葛城 」

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艦船模型スペシャルNo.46、特集は「悲運の正規空母 航空母艦雲龍型」、太平洋戦争後半に就役した日本海軍最後の正規航空母艦を最新キットで紹介します。

冷静になって考えてみると日本海軍の航空母艦って全部「悲運」なフネじゃなかろーかと気になりますが、それ言いだすと陸海軍銃後国民皆揃って「悲運」だったような気もしますから細かいことは言いっこナシであります。

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WLシリーズの雲龍型としては古くはアオシマのキットがあるのみでしたが、現在ではピットロード、フジミそして満を持してリニューアルされたアオシマの新キットと3社競作の体を成しています。昔日の不遇ぶりが嘘のような興隆で、3社3艦合計9隻が並んだ見開きページはまるで第五次海軍軍備充実計画が当初予定の通り実行されたかのようですね!

……そんなわけないやん(´・ω・`)

当初の計画では十五隻建造されるはずでしたが竣工したのは3隻のみ、戦局にはまったく寄与しないまま2隻戦没とゆー、あまりといえばあまりな存在。太平洋戦争半特有の対航空機・潜水艦用迷彩塗装が施されていることもあって作例ページのカラー写真は一般の艦船模型とはどこか違った、異質な迫力に満ちています。

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その迷彩塗装の再現法が、本特集いちばんの見どころといえるでしょう。デカールをガイドにマスキングテープを切りだしたり(ピットロード)付属の原寸大(モデルの原寸ですよ念のため)「迷彩参考図」を用いたり(フジミ)デカールそのものをコピーしてマスキングシートから切り出したり(アオシマ)と、3社それぞれの製品を3人のモデラーそれぞれの工夫で処理している点が非常に面白い。短期間で3隻づつ同時に製作されるご苦労もさることながらでありますが。

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残された資料の少ない本型も、近年になって様々な詳細が明らかになって来ています。新資料の情報を反映するには新しいキットが相応しくもあり、艦橋や機銃座周囲を中心として3隻個別の相違点はどの作例でも押さえられているポイント。

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しかしながら史実<だけ>を突き詰めると雲龍型ってこんな感じで↑あんまり愉快な話にならないですから、そこは模型的なアレンジや楽しみ方が不可欠だろうと思われます。

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端的な例で言えばそれは艦載機であって、雲龍が飛行甲板上に天山彩雲流星改に烈風まで並べてる姿は夢のまた夢のようです(;゚∀゚)=3 仮想戦記などでも稀に雲龍が活躍するお話が有ったり無かったりするそうですが(どっちだ)、日本海軍その他の空母よりも比較的自由な発想が許される艦ではないか…と。なにしろ史実じゃ搭載機無しで輸送任務についてる際に魚雷を受け、船倉にあった有人飛行爆弾「桜花」が誘爆して沈没という悲運なので模型製作には夢、ロマンも必要であり……

いっそ戦後の海上自衛隊でアベンジャー搭載というのはどうか、やっぱり怒られるだろうか(´・ω・`)

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特集以外の記事からは恒例の巻頭大型モデル、今回は1/350戦艦日向“昭和十二年”が常に変わらずの大迫力。

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フジミの1/350伊勢からの改造作例なのですが、元のキットは航空戦艦。撤去された副砲の再現を始めとした先祖返りモデリングになにやら艦船モデラーの業の深さを感じたりします。

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ニューキットセレクションでは戦艦扶桑と山城をアオシマ・フジミの競作で見せ、また衣島尚一氏の連載「紀元二千六百年特別観艦式を作ろう!」も扶桑・山城そして金剛を製作しているので何気に今回日本戦艦度数が高くなってます。

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同じくニューキットセレクションから、ピットロードのPL型巡視船「はてるま」「ちくぜん」「いず」の三隻。ピットロードの巡視船シリーズはこれまで映画「海猿」シリーズとのタイアップで製品化されて来たんだけれど、「海猿」関連色々とアレでゴニョゴニョな事情があったんで、この先一体どうなるんでしょう……

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ラベール・アーカイブスはガトー級潜水艦。初版当時の箱絵はやはり素晴らしいもので、パッケージの出来不出来で製作意欲も上下しようというものですね。ジャンルは違いますがガンプラでボックスアート人気投票すれば石橋謙一氏のMSVシリーズや開田裕治氏のポケ戦シリーズが上位を占めるような、まあそういう趣か。

以上、今号内容はだいたいこんな感じです。

末尾ながら、艦船モデラー・ライターとして長年艦船模型スペシャルに素晴らしい作例記事を発表されていた鶴岡政之氏のご冥福をお祈りします。

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