モデルアート「飛行機模型スペシャル No.002」

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特集は「第2次大戦のドイツ空軍夜間戦闘機」、大型の機体に重武装、特徴的なレーダーアンテナを備えた個性豊かな機体が揃っています。

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目玉となるのは造形村の1/32He219A-0ウーフー、生産機数こそ少ないものの従来機の転用ではない専用機体に高性能を備え、WW2ドイツの夜間戦闘機を代表する存在です。しかし昔からハインケル社の機体解説で枕詞的に使われている「政治的な理由で生産が進まなかった」ってフレーズは、この機体に関してはどうなんだろう……。

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シリンダー内部のピストンまで(!)再現されたDB603Aエンジンや各種武装類など隅々まで再現された造形村のキット、作例記事の内容としてはディティールアップよりも製作ガイドに重きを置いたものといえるでしょうか。大柄で高価格なプラモデルを確実に、そしてワンランク上のものとして完成させるためには、モデルアート本誌よりも別冊で大きくページを取った方が読者のニーズにも製品のポテンシャルにも相応しい内容といえます。

個人的に「ウーフー」というヒコーキの存在をはじめて認識したのが大昔のボークス1/48レジンキットなもので、造形村のこの製品はいろいろ感慨深いものがあります。

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WW2ドイツ空軍夜戦の主力機体となった存在のひとつ、Bf110は各メーカーから近年リリースされたモデルで様々な形式が製作されています。1/48、1/72エデュアルドのオレンジラインで製作されたG-4型とE-1型の、それぞれスケールに応じたマルチマテリアルの表現やほぼすべてをプラパーツで立体化しているサイバーホビーの1/48など、同様の機体でもメーカーごとの個性の差がよく伝わります。

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ユンカースJu-88のパートではズベズダ製1/72のG-6の、そのフィギュアの表現に魅かれます。完成するとほとんど見えなくなるものながら、狭い機体に押し込められた3人の乗員の表情や仕草は1/48以上のスケールでもなかなか見られない逸品ですね。近年ミリタリーフィギュアの分野ではロシア・東欧メーカーに進捗著しいものがありますが、エアモデルにも波及しているということか。

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そしてWW2ドイツ夜戦の末尾を飾るのは当時最新鋭のジェット夜戦、Me262となるわけです。戦時中ドイツ空軍は実に同じような双発機体をモリモリ量産していたような感がありますが、作った分の用途はちゃんと有ったということか。本特集に挙げられた機体を見るだけでも夜間防空が重大な任務だったことは見てとれますね。

ところで今回は対象を「双発夜間戦闘機」に限っているのでFw190夜戦とかヴィル・デ・ザウ戦法とかのドイツ空軍夜間防空任務のマジキチぽいところには踏み込んでないのですね。そこはちょいと残念である……。

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塗装パターンは航空団別に解説されていて、それぞれ部隊の運用についても知ることが出来ます。夜間戦闘機とはいえ闇夜のカラスばかりではないのだ。

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今号から「モデリングJASDF」が新(?)連載、豊富な実機写真とともに飛行教導隊F-15J 912号機を、レベルの1/48E型+ハセガワJ/DJ型のニコイチベースで製作しています。パネルラインのタッチアップやオーダーメイドデカールを用いた機体各所のマーキングも必見です。

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末尾になってしまいましたが巻頭にはニューキットセレクションとしてタミヤの1/32F4U-1コルセア“バードケージ”とキネティックモデルの1/48クフィルC2/C7が紹介されています。製品グレードの安定したタミヤはいざしらず、「新興メーカー」の冠を抱いたままのキネティックのキットレビューは参考になる事例が多いでしょう。

製品とは全然関係ないけどやっぱり日本でクフィルといえば「エリア88」なわけで、オーセンティックスケールモデラー諸氏に置かれましてもマンガやアニメの効能は一概に否定できないものだろうと思われます。それはそれとして、

Q:「エリア88」の舞台であるアスラン王国はれっきとしたイスラム教国であるのに空軍の主力戦闘機はイスラエル製なのは何故ですか?

A:マンガだからです。

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