モデルファクトリーヒロ「ジョーホンダレーシングピクトリアル #33: グランプリ 1976 」

f:id:HueyAndDewey:20140212091726j:image

ジョー・ホンダ撮影による写真集、レーシングピクトリアルシリーズNo.33は絶賛公開中の映画「RUSH」の舞台ともなった1976年のF1グランプリをテーマにした内容です。

f:id:HueyAndDewey:20140212091727j:image

ニキ・ラウダとジェームズ・ハント、二人のトップドライバーによる激しい争いはフォーミュラ1のレース史上に残り長く語られ続けられるもの、映画をご覧になった方もこれから見に行く予定の方も実際のグランプリの内容や雰囲気、史実を知るための副読本として格好の一冊でしょう

f:id:HueyAndDewey:20140212091728j:image

f:id:HueyAndDewey:20140212091729j:image

ラウダのフェラーリ312T、ハントのマクラーレンM23、70年代を代表する名車を捉えた美しいフォトの数々が目を惹きます。

f:id:HueyAndDewey:20140212091730j:image

f:id:HueyAndDewey:20140212092926j:image

スペインGPから導入されたインダクションポッド制限によって大きくシルエットが変わるのはこの年のグランプリの特徴で、“In the Details”の副題の通りに日々鍛錬され進化していくマシンの姿形は克明に記録され、模型制作の資料としても十分活用され得るものです。

f:id:HueyAndDewey:20140212092927j:image

無論ラウダ vs ハントだけではなく、1976年のF1世界選手権を疾走した全てのマシンが掲載されています。ティレル(やはりこの時代はタイレルの方が通りがよいですね)の六輪車P38やJPSカラーも美しいロータス77など人々の記憶に残る名車の数々や、

f:id:HueyAndDewey:20140212092928j:image

サーティースやペンスキーといった短命に終わったコンストラクターのややマイナーな車種についても漏れなく収録されています。インディカー等では老舗の名門であるペンスキーは別格としても、この時代のF1には小規模のチーム、個人のドライバーや出資者が立ち上げたようなチームがいくつも参戦していて、大規模なワークスチームが割拠する現代のグランプリとは随分異なる様相です。

f:id:HueyAndDewey:20140212094718j:image

そのなかには日本GP(F1世界選手権インジャパン)にスポット参戦したコジマとマキの日本チームの姿もあります。「スポット参戦」が可能であった時代の空気、今で言うところのベンチャー企業的な立場でも世界の最先端と同じ土俵には立てる雰囲気、やはり現代のF1とは違う醍醐味があります。

f:id:HueyAndDewey:20140212094719j:image

圧巻となるのはモノクロながら多くの車種を同一カットで捉えたモナコグランプリでの一連のショットでしょう。多くのチームが独自のスタイルを模索して試行錯誤していた時代の豊かなマシンのシルエットを存分に味わうことが出来ます。グランドカーが導入されるのは翌1977年のこと、いまだ最適解を見出せぬ時代ならばこその試行錯誤と魅力あふれる姿が却って新鮮味を帯びます。

現代のF1も試行錯誤しているとは思いますが。

やはり最適解も見出せぬ時代でもありますが。

なんであんなにかっこ悪いんだ現代F1(言っちゃったよ)。

f:id:HueyAndDewey:20140212094720j:image

というわけで映画「RUSH」関連だけではなく、イマドキのF1はとてもじゃないが見てられないという向きにもピッタリな内容なのです!こんなにカッコイイぞ70年代のF1!!

しかしどうしてブラバムBT45やシャドウDN5Bといった自分が格好良いと思うマシンはどれも大したリザルトを残していないのか。つまり自分には見る目がないと言うことなのか……

f:id:HueyAndDewey:20140212094721j:image

BT45はインダクションポッドの処理に随分悩んだようでいろいろな形を見ることが出来ます。だからってこれはねーだろーと思います(w そのユルさもまた人間味と言うものかな。

f:id:HueyAndDewey:20140212094722j:image

マシンのみならずサーキットとその周囲の光景まで含めての“In the Details”こそが本書の伝えてくれる時代と雰囲気なのかも知れません。

あわせて読みたい