リッチモデル「1/35 イギリス要人セット (チャーチル、モントゴメリー他2名)」

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香港の新進模型メーカーリッチモデルの…といってもパッケージデザインを一瞥して想像がつくようにブロンコモデルの関連子会社なんですけれども、ともかくリッチモデルのミリタリーアイテム第一弾となるフィギュアセットです。ちなみに英語の製品名は“ROAD TO VICTORY”となっております。

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記録写真を元に実在の人物を立体化した製品、同梱フィギュア全てが名前持ちというのも懐かしの「ジェネラルセット」を思い出すような。

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メーカーからのサンプル写真では茶系のプラで成形されていましたが、製品版はグレーの成形色です。

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各種記章、肩章に加えて胸の略綬も含まれたデカールが付属。

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略綬はパーツの側にもモールドがありますが、塗り分けるのは至難の業かと思われます。高級将官らしさを示す良い小道具としてデカールが使えるのは嬉しいのですけれど、モンティの方は双眼鏡のストラップが干渉するので何か上手い事工夫が必要になりますね。

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一般の兵士と違って個人装備を携行していない分、被服自体の造型を楽しめます。野戦服姿の女性フィギュアも良いものです。

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実在の人物を立体化するからには当然そこには似せる為の努力が必要となります。トレードマークの葉巻を加えて不敵に笑うチャーチルと、生まれたときからこんな顔してたんじゃないかと思えるほどにいつも気難しげなモントゴメリー。この二人の有名人を見る限りよい造型が成されているようで、個人的には詳しくない他二名の出来についても信頼できようものです。

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サー・ウィンストン・チャーチル、言わずと知れた20世紀を代表する政治家の一人です。マールバラ公を祖先にもつ軍事貴族の家系の出で、若くしてボーア戦争に従軍するなど武勇の伝も多いのですが、やはり戦時体制下の政治家としての優れた手腕が讃えられます。第二次世界大戦中はナチスドイツを打倒するために積極的にスターリンと手を結んだ反面、戦後は一転して「鉄のカーテン」演説で冷戦時代の到来を知らしめる。悪辣な人物に思えるようで、有能な政治家は必ずしも善人とは限らないことを示した例でもある。「人柄」なんてあいまいなアンケート項目で政治家の支持不支持を決めるどこぞの国の人たちに爪の垢でも煎じて飲ませてあーいや、なんでもねーです。

戦後に著した「第二次大戦回顧録」全六巻は名文に溢れた名著で、ペーソスやウイットに富んでいるからこそ、冷徹な行動・意見が支持を得られるのかも知れません。あとこの人第一次大戦の時に海軍の予算で「地上戦艦」を本気でこしらえた張本人だったりする。

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バーナード・モントゴメリーが頭角を現したのは1942年、北アフリカはエル・アラメインの戦いでロンメル元帥を打ち破ってからのことでしょう。事前に徹底した準備を行い、圧倒的な戦力比を以て初めて攻勢を行う戦略眼は「物量」が嫌いな人には好かれない姿勢かも知れませんが、「兵站」重視の観点からは実に自然な発想です。そんなモントゴメリー将軍がなんでまたバクチみたいなマーケット・ガーデン作戦を実行したのかは、ちょいと不思議な歴史の一幕。戦後は西ヨーロッパ軍事同盟の主要ポストを務めて最終階級は元帥、また戦功により初代アラメイン子爵に叙せられました。

アラメイン子爵モントゴメリー家っていまでも続いているのかー。

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ブライアン・ホロックス中将はモントゴメリーの下で陸軍第30軍団を指揮し、悲劇に終わったマーケット・ガーデン作戦の「ガーデン」部分を担った将軍です。モンティ幕下の将官たちの中でも極めて有能な人物でアイゼンハワーも称賛の辞を贈っている程。モントゴメリーとの関係は1939年のフランス戦から始まり、戦争のほぼ全期間を通じて彼に仕える形で従軍しました。戦時中に受けた負傷が元で早くに退役しましたが、著述業やテレビ番組での解説職を得、1985年に亡くなるまで一般層向けの軍事・歴史解説者として幅広く活躍しています。映画「遠すぎた橋」撮影の際にはアドバイザーも務めているので、スタッフロールには彼の名前があるかも知れません。

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パメラ・チャーチル、パメラ・ヘイワード、そしてパメラ・ハリマン。ディグビー男爵家令嬢パメラ・ディグビーは三度結婚してその名を変えることになるのですが、第二次世界大戦中のこの時期はランドルフ・チャーチル夫人として夫の父、舅であるウィンストン・チャーチルを補佐していました。しかしこのランドルフ・チャーチルという人物は相当のボンクラ亭主だったようで戦後はさっさと離婚、男性遍歴の浮名を流しながらハリウッドの敏腕映画プロデューサー、リーランド・ヘイワードと再婚、その後更にユダヤ系の財閥ハリマン家に嫁ぎ結局当主となって民主党(アメリカの民主党じゃよ勿論)に最大の政治献金を行い、ビル・クリントンが大統領選に勝利するスポンサーとなった…と実に派手な人生を歩んだ女性なのですが、広○隆が取り上げた所為でこの人について調べると陰謀論ばっかりドカスカ出てくるのは正直閉口した(;´Д`)

女性の視点で見ると恋愛にそして結婚に、実に精力的に生きた人物のようで、どちらにせよ地味な軍服姿からはちょっと想像がつきませんねー。

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パッケージのイラストよりも、心もち幅を詰めて並べた方が立体としては見栄えが良いようです。実際のところ元になった記録写真がいつ、どこで撮影されたのかは寡聞にして存じ上げないのですが、4体のセットとしてはヒストリカルなアイテムで、個々のフィギュアを見てみれば手を後ろで組んだ高級士官や野戦服を着ながらリラックスして歩む女性など応用の効く素材として、いずれにせよ面白い模型だと思われます。リッチモデルの製品アイデアや造型センスには期待したいところですね。

ですがしかし、

イラストレーターは再考した方がいいと思うんだ(´・ω・`)

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表の方はともかく裏のイラストに描かれたチャーチルはなんだか第三世界の独裁者テイストな顔だし、

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パメラの方も「キューバ革命に身を投じたサザエさん」みたいになってますよ

萌えの神髄がギャップにありといってもこの違いには萌えませぬ。正直なところ早急になんとかすべきだと思います(w;

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