勝手に応援!マスターボックスコンテスト。
先日お伝えした通り、現在月刊アーマーモデリング誌上ではマスターボックス製品を対象にした「マスターボックスコンテスト」が開催されています。詳しい応募要項などは上記リンク先もしくはアーマーモデリング8月号をご参照ください(9/10締切)。
マスターボックスといえば近年のフィギュア製品はとりわけユニークなものばかりで広く知られるところ、ただいまホビーリンクジャパンでも多くのアイテムを取り揃えています。これまでにもいくつかの製品は当ブログで記事に取り上げていますが、今回コンテストの開催に併せていろいろと考えてみたい、柘植○義風にいえば「私ならこうする!(キリッ)」という一種の提案みたいな記事ですね今日は。
「私ならこうする!(キリッ)」と言うだけいって特に実行には移さないのがこれまた柘植久○風であります。ってネタは今の人に通じるんだろうか果たして。
さてマスターボックス(以下MBと略す)の、特に1/35スケールフィギュアの大きな特徴と言えばまるで映画の1シーンを切り取ってきたかのように迫力ある大胆な構成でしょう。これまではタミヤのMMシリーズに代表されるように車両のアクセサリー用など「汎用性」の高い製品が評価されてきたようにも思いますが、近年のインジェクションフィギュアは単独で一つのシチュエーションを製作可能な独立性の高いものが増えています。MB製品はそれら近年のモデルの傾向にあってとりわけ最先端なものでしょう。
一つの製品で独立しているということは同時に自己完結しているということでもあり、決まり切った情景を簡単に作れても応用力は低いのではないか……と、もしもそんなふうに考えている人がもしいたら、それは誤解でありますよと申し上げておきたいところ。ポーズ替えや自作など難しい工作抜きでも、ほんのちょっとの工夫でいくらでも応用は効きます。
主にネタ方向ですけど。
この二つは同時期にリリースされたのでたぶんおんなじことを考えた人も多いだろうと思いますが、どうみてもこれ2コマ漫画になってます。「狙撃兵なんて怖くないよ!」「狙撃兵には勝てなかったよ…」の劇的ビフォーアフターである。それぞれは個別の情景ですが、ひとつの台座を共有させれば表裏一体で戦争行為のある側面を表現出来るようなセット。
こちらのセットは一見するとただ単にソ連兵が記念撮影をしているだけの、いかにもありがちな情景のように見えますが、
カメラマン氏の背後にこいつを配置すればあっという間に「志村ー、後ろー!後ろー!!」なことになる。イギリス兵がソ連兵を攻撃するなんて不可解なシチュエーションも、例えばロシア兵の間に(MB製品ではないんですが)サモワール一個並べておくだけで「紅茶をよこせ!」「アフリカから来ました!!」で万人が納得し得るディオラマを作ることが可能でしょう。
最近はハリウッド映画でもなかなかお目に掛らないコテコテの監視塔もインジェクションで容易に作れます。このキットは4体入ってる兵士を2人ずつのセットで監視の雰囲気や状況を変えることが出来るというスグレモノ。なのですが……
このオートバイ兵士のセットから、
特にこの彼を抽出することによって、「監視塔に立ちション」というまったく新しいシチュエーションを構築出来るのです!立ちションしてるおっさんのフィギュアがインジェクションで手に入るなんてこれぐらいじゃなかろうか。
「フランス レジスタンス 1944年 ドイツ将校 1名捕虜」
こちらのセットに入ってる捕虜のドイツ将校氏、
このフィギュアの出来の良さはMB製品の中でも相当のお気に入りで、そこらのレジンキットに全く引けを取らない、いかにも捕虜らしい表情や雰囲気を持っています。これまで当ブログでも様々な辱めに耐えてきた彼ですが、
「欧州民間女性フィギュア 第二次世界大戦期 (女性3体・女児1体)」
非武装の民間女性とょぅじょにとっ捕まるようなシチュエーションはなんかごほうびって感じだ、キモイガールズ的な意味も含めて。
「イギリス 歩兵 4体スコットランド兵 ほふく前進バグパイプ付」
応用性の高さで言えばこのスコットランドバクパイパーが挙げられるでしょう。バグパイプを吹いてることにしか使えませんが、その代わりにどこでもバグパイプを吹かせることが出来ます。スコットランドの男性がどこでも構わず意味もなくスカートはいてバグパイプ吹き鳴らすのはいがらしゆみこの「キャンディ・キャンディ」でも広く知られた伝統で、そうねえ、たとえ隣にいるのが「宇宙の戦士」的パワードスーツ歩兵でも、バグパイパーは変わらずバグパイプを吹き鳴らすのではないでしょうか。前にも書いたけど今回のコンテストはMB製品使っていれば「なんでも」いいんで、「丘の上の王子様」作ったって構わないんですぜたぶん。
これに入ってる指さし少年もいろんなものを指させます。こいつに関してはフィギュア本体の造形がいかにも「 m9(^Д^)プゲラ 」って感じに出来ているのが応用性高いのよ。捕虜を嘲笑するもよし、ヘンテコリンなAFVに失笑するもよし。
まだ使ったことが無いんですがこりゃ汎用性高そうだナーと思うのはこちらの突発性PTSDっぽい兵隊。
頭を抱える彼ですね、こりゃ使えますよ間違いなく。「取り返しのつかないことをしてしまった」際には必須でしょう。たとえば台所の流しにペヤングだばぁ!しちゃったときとかVHSビデオデッキのガワを開いた中につい納豆をぶちまけて「と、取り返しのつかないことをー!」などと思わず頭を抱えたくなった時には慌てず騒がずこのフィギュアを脇に添えて写メ撮ってツイッターに流せばフォロワー爆釣まちがいなし、MBのフィギュアにはそんな効用もあります。
まじめな話をすると最後の最後でデカール破いたりウェザリングで大失敗かましたりと「モデラーの心が折れる瞬間」にこのフィギュアを添えておけば、ただそれだけでちょっとは微笑ましくもなる。失敗をギャグで糊塗するためにもモデラー諸氏のご家庭には常時ストックしておきたい一体ですね。
「米・マシンガンクルー 2体 M1917A1ブローニング重機関銃」
ほぼ同様のシチュエーションで3カ国の機関銃チームが揃うのは面白いところです。これは作り比べが出来るでしょう(ちなみに今回のコンテストは一人で複数応募が可です)。応用の点で言うと応用が利くのは機関銃チームではなくイギリス軍のセットに入ってる「撃たれたドイツ兵」で、
ドイツの機関銃チームにドイツ兵が撃たれるってどんな状況だよ!とお思いの方、その時こそ初めてこの
ボックスアートの表情が活きてくるのです。(ノ∀`)( ´゚д゚`)アチャー的な意味で。撃たれたドイツ兵の服装は気にするな。どうせ死体だ(ヒデェ)
とまあ、数あるマスターボックスフィギュア製品から個人的に気になるヤツをピックアップして、個人的に気になるようなシチュエーションで取り上げてみました。基本ギャグでやったのはあくまでこのブログの、不治の病 みたいなもんで決してMBのフィギュアや今回のコンテストがギャグのノリだって話ではありませんのでその点はどうかご注意願います。でも、個々の製品がきっちり決まった特定のシチュエーションを形にしているからこそ、ちょっとピースをずらしてみたり試しにパターンを外してみたりするだけでも大きく意表をついたような効果が発揮できるようには感じますね。
女性フィギュアが多いのもこのメーカーの特徴でいま流行りの女子高生を作る素体としてもいろいろイケそうなんではありますが、流行りに流されるだけでなくもっといろいろ変な作品が出てきてほしいものですね。車両単品派のひとにとってもフィギュア一つを配することでシチュエーションとしての意味性を付加出来るのはひとつの効能であり、そこでの応用力を身につけることはモデリング全般に広がりや深みを与えてくれることでしょう。
こと専門雑誌のフィギュア特集ともなると「匠の技」的な超絶技巧を凝らした作品になりがちで、もちろんそれは有意義な内容ではあるのですけれど、ただ既製品にちょっと違った角度からスポットを当てるだけでもまるで別の状況を生み出すことは出来るんですよと、それはMBに限らず1/35スケールのミリタリーフィギュア全般に対して提示したいことであります。アーマーモデリング誌による今回のコンテストがこれまでのミリタリーフィギュアのコンテストとはまた違ったノリになってくれたらいいなあと、それは少し期待していたり。
同じ製品を組んでも決して同じ物は出来上がらない、それがプラモデルの良いところです。今回のように特定のメーカーでレギュレーションを絞るのは同一アイテムの競作を様々に見ることが出来そうで、その点でもちょっと興味深いものがあります。
いつになく真面目な話で締めるのは、今回記事の本文をずっとギャグのシチュエーションばっかりで考えてたらさあ、気が付いたらオチを担当するアイテムが無くなっちゃったんでハハハハ……
モー、しょうがないなあ。
「投げやりなダジャレで無理矢理まとめるのはやめろォ!」と激しく糾弾されるヒューイさんとデューイさんのイメージ図。
いまの画像はこのセットのです。いやあ、マスターボックス楽しいぞホントに(w