大日本絵画「アーマー・モデリング 2014年01月号 (Vol. 171)」 & 「スケール アヴィエーション Vol. 095 」

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ちゃんと調べたわけではないけれど、AMとSA二誌の表紙が同時にロシアネタだったのって初めてじゃないでしょうか?そんな驚きを交えつつ2冊セットでご紹介。



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アーマーモデリングの特集は「古今東西三色迷彩」。迷彩塗装は戦車模型の華というわけで、エアブラシを用いた王道的なWW2ドイツ軍のカラースキームから複雑な車体外装を持つ現用ロシア軍戦車には新素材パンツァーパテを用いた細部マスキングなど、様々な車両に様々な手法で迷彩塗装を施していきます。

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フィンランド軍の直線的なスプリンター迷彩パターンをマスキング無しにフリーハンドで仕上げたり、同じ第二次大戦でもドイツ軍のそれとは異なる色鮮やかなイタリア軍の塗装を一般的な手順とは違ってサンドイエローをベースに立ち上げていくなど、見慣れたカラーリングでも一味違った技法で塗られています。BMP-1とP-40という個別の車両のみならずフィンランド軍やイタリア軍「らしさ」を魅せる手段として、覚えておきたいテクニック。

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表紙にもなっているT-55はアフガニスタンの北部同盟が使用していたと目される、実用性よりも派手な見た目を重視したのではないか…な、一風変わった迷彩(明彩?)塗装です。古くからのAM読者なら横山宏センセがT-62でやってたのを思い出す人がいるかも知れませんね。ドールハウスの背後霊背負ってね……

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MENGのルノーFTは筆塗りによる境界線のはっきりしたパターン。作例は冬戦争のフィンランド軍仕様ですが、ルノーFTに限らずこの先もいろいろリリースされる第一次世界大戦関連車両の手本としても、見ておくべき点の多い記事です。

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特集以外の記事からは三社競作となったオブイェークト279を、パンダモデルの製品を六鹿文彦氏の作例で掲載しています。長年本車の研究とスクラッチを続けてきた同氏ならではのツボを押さえた解説は簡潔ながら読み応えのあるもので、車体外縁のフェアリングってそういう構造だったのかー!と、驚くことしきり。

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巻頭に掲載された高木直哉氏の大型情景作品“For Whom the Bell Tolls”と青木圭一氏のコンパクトながら実感あふれる作品はどちらもマスターボックス製インジェクションフィギュアの魅力を存分に活かしきったものです。特に前者は先に開催された「マスターボックスコンテスト」への応募作品とのことで、大喜利とかギャグネタばかり考えてた身としてはもろ手を挙げて降伏といった感じである(何)

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レベルのカノーネンワーゲンは温故知新というほど古いアイテムだったかなあと思いきや、新発売当時に既に懐かしさを感じさせるような製品内容だったからむしろこれでいいのかしら。堆積して乾いた泥の質感が素晴らしいアダム・ワイルダー氏の作例はミグがAMに初めて登場した「ノックアウト・パンツァー」みたいでこれもひとつの「温故知新」です。しかしこー綺麗にひっくり返ってるとERA装備にする必然はハテ……

ところでT-62の馬蹄型増加装甲ってERAなんですのん?

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すべての記事を紹介しきれないのは残念ではありますが、モリナガ・ヨウ氏の「私家版戦車入門」に掲載されている「戦車回収部隊カンブレー」のエピソードはドラマチックでおもしろいなあ。映画向きというかストーリー志向で、日本で第一次大戦アイテムにあまり人気が無いのはユーザー間で共有できる背景や物語が少ないからかも知れませんね。タイガー1だって最初から大人気だったわけでもないですから、一次大戦モノを波及させるにはまずこういうところから始めるべきなのかも知れませんね業界的に。

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ここからはスケールアヴィエーションの部。スケビはコンスタントにロシア機特集をやってる印象がありますが、今回は「THE RUSSIAN MODERN WARFIGHTERS」と題して現用最新鋭のロシア機モデルと周辺事情を特集します。PAK-FAもベルクートも、近年のロシア機は情報開示もキット化も素早いものですね。

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アカデミーの1/48フランカーはエデュアルドのエッチングなどアフターパーツを大規模投入してのディティールアップ、アナログな計器が多く存在する現用ロシア機のコックピットには非常に効果的なアクセントとなります。

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ミグすきーには希望の星のグレートウォール(ライオンロア)製の1/48MiG-29ファルクラム、実機同様アップデートされたファルクラムC 9.13を紹介しています。記事によると現在ロシア空軍のMiG-29の稼働率は20%台だそうでなんとも寂しいお話ですが、MiG-35が!35が正式採用されればまだワンチャンスあるから!!

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冷静になって考えるとモダンでもなんでもないような気がしますが、日本人とロシア(ソ連)戦闘機といえばやはり外せないMiG-25のベレンコ中尉亡命事件。キティホークの最新キットを函館空港に緊急着陸した当時のヒストリカルな情景スタイルに仕上げています。当時の緊迫した状況とハセガワによる1/72キットの緊急開発のエピソードが設計者山本正義氏へのインタビューを中心に長文で記述され、なかなか読み応えのある内容はちょっとした「プロジェクトX」ノリって例えも古いよな……

初動で40万個という発注数を受け、月に30日間・毎日23時間成型機回し続けたってにわかには信じがたい話ですが、当時それだけの社会現象になっていたというわけですね。あくまでうわさで聞いた話でありますが、その頃新宿のストリップ劇場に

「ベレンコ中尉もこれ見てデレンコ」

などという看板が掲げられていたそうな。冷戦時代ってすごいな……

※あくまで伝聞ですよ伝聞。

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巻末にはJ-20、J-11/15といった中国軍機も紹介されています、広義のロシア機・ロシア系の機体はこの先もアイテム増加しそうで、模型誌に取り上げられる機会が増えるかも知れませんね。J-20はともかくフランカー系列の機体は「ロシア製のコピーである」という認識でキットリリースが成されているように思いますが、ホントはいろいろ違ってるんだろうなあ。

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特集以外の連載記事では「夢見る翼」がアントノフのAn-225、ハイブリッドプレーンワークスはSu-15ベースの架空レーサー機でそれぞれロシア機に寄せた内容です。前者はレベル1/144アントノフAn-124をニコイチ(!)してスクラッチしたそのワザマエには思わず無理やーと書きたくなる衝動を抑えるのが大変で(抑えてねえ)、後者はご覧の通りポルシェやフォードのマシンをイメージしたガルフカラーなのですが、フラゴンの機体外形は70年代ぐらいのF1にどっか共通するような角張り方だナーとか思います。

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