大日本絵画「アーマー・モデリング 2014年05月号(Vol. 175)」 & 「スケール アヴィエーション Vol. 097」

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AMとスケビ最新号、2冊まとめてのレビューです。アーマー・モデリングは「フィギュアの乗せ方合わせ方」、スケールアヴィエーションは「U.S.NAVY CARRIER BASED AIRCRAFT」がそれぞれ巻頭特集となっています。


まずはAMの部。

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表紙にもなっているタミヤのナースホルンはある種の世代にとっては感涙にむせぶほどの重要な製品ですが、今回は3Dスキャン技術を導入して成型された付属のフィギュアを切り口に、車体と人体のより自然な融合をめざしての工作法がメインとなります。ベランダでそれっぽい材質のツナギとプラヘルに掃除道具を構えた編集部員氏の姿は一見すると滑稽に映るやも知れません。しかし実際のモデルに服を着せて自然なポージング、自然なシワの寄り方を見るのはAM編集部が長年いろいろとアプローチしてきたことでもあり、ようやくマスプロ製品が追いついてきたとも言えるのかな?たしかモリナガ・ヨウ氏がI号戦車の車長作るのに自分で写真撮ってみた、というのがはしりだったかと思いますが、ありゃ何年前だったかな……

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現実に勝る自然はありません。ひとつひとつのモールドをシャープにするのもさることながら、実際のモデルが薬莢を抱えて指先までの一層自然な動きをプラのパーツに反映させる。情景製作の分野ではよく「空間を切り取る」なんてことを言いますが、フィギュアに対しては一瞬の「時間を切り取る」ように丁寧な作業が一層優れた完成品を生むコツでしょう。

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特集ページでは既存のフィギュアを既存の車体に(特に異なるメーカー間で)乗せる際のひと手間の微調整から大胆なポーズ換えが初級・中級のステップに分けて解説されます。人間のみならず動物もまた、ひとつ手を加えることでより自然な芝居や演出を付与することが出来ます。

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上級の手法としては一からのフルスクラッチが紹介されます。ポーズ換えやスクラッチにしても大事なことは骨格のバランスと関節の動きで、いかに車体と自然にフィットしているとはいえ人間として不自然なポーズをとらせては宜しくない訳です。

本紙記事とは関係ないけど1/35フィギュアが「ジョジョ立ち」しているようなディオラマもそれはそれで楽しいかもしんない。てなことをふと思った。

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また今回の特集にはモデラーとしても戦史研究家としても名高いスティーブ・ザロガ氏が始めてAMに寄稿しています。作業としては基本的な工作法、ヘッドをホーネットに変えたり袖口を薄く作り直したりといった定番の方法ながら、完成した作品にあふれる躍動感は今回の特集記事の中でも群を抜いたもの。思うに大事なのは何をするかのテクニックよりも何を魅せるかのスタイリングの問題なのかも知れません。動かない車両単品に動きを与えるのがフィギュアの役目であったのは、タミヤのミリタリーミニチュアがドイツ戦車兵セットで始まったときから終始一貫変わらざることです。

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スクラッチの記事はアスカの1/24バンタム偵察車レビューを兼ねた内容でもあり、そこを受けてのアスカモデル取材とインタビューはなかなか読み応えあるものです。先日発表されたホビーショー新製品ではタミヤとのコラボレーションも始まりましたしAM次回号はシャーマン特集のようですし、今後のアスカモデルの動向は要注目です。

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ニューキットレビューでは造形村の「戦場のヴァルキュリア」エーデルワイス号、MENGのM2A3ブラッドレーBUSKIII、タミヤのリニューアルフォードGPAにAFVクラブのチャーチル3インチガンキャリアが掲載されています。いずれも傑作揃いで製作の参考に…と、ところで3インチガンキャリアーを「チャーチル最強の駆逐戦車!」と煽るのはどれほど英国面が重篤であっても如何なものかと思います。チャーチル系列最強の座は280mmペタード臼砲を搭載したAVREのものです。先込めだっていいぢゃないか。

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ガールズ&パンツァーからは設定画稿(3DCGデータ)も発表されたアンツィオ高校所属車両からセモベンテ。マーキング位置のみならずタミヤのM40セモベンテをガルパン仕様のM41セモベンテに改造する変更点をチェック。そしてWorld of Tanksからはこれ実車も存在したんですね!な超長砲身JSU-152-2が製作されています。戦車模型業界ほんと幅広くなったなあと時流の変化を喜ぶところ。

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一方フィルのマイペースぶりは不変なのでした。いまやAM最長期連載となったブラボーブリティッシュタンクス、今回はいわゆるデザートシボレーです。タミヤのこのキットってよく限定再生産されるアイテムですが、いかんせん物が古くてウェブ上にも雑誌記事にも参考になるものが少ないのでこの記事内容は貴重かも知れません。

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スケールアヴィエーションはアメリカ海軍艦上機特集。ひところのカオスぶりにくらべると落ち着いた感はありますが、現在でも多様な航空機が運用される第一線の様相を再現します。アカデミー1/32のC型“レガシーホーネット”はラージスケールに相応しく派手なウェザリングと精密なディティールアップが精悍な印象を与えます。

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ジョリーロジャースもすっかりスーパーホーネットになじむ図柄となりました、こちらはハセガワ1/48です。映画「ファイナルカウントダウン」がテレビの洋画劇場で放送されるようなこともあんまりないでしょうから、いまのひとにはF-14の方が違和感あったりするんだろうか???

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ハセガワのE-2Cホークアイ2000、キネティックのEA-6Bプラウラー、アカデミーのCH-53Eスーパースタリオン、空母運用には欠かせないこれらの機体もすべてヨンパチで製作。ホークアイの八翅プロペラは異様な迫力で自衛隊の機体にも装備してほしいものです主にかっこよさの問題で!

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F-35ライトニングIIのB型とか普天間配備のオスプレイとかあんましネイビー関係ない機体も特集枠で入っているけど細かいことは気にするな。ハセガワスタッフへのオスプレイ開発インタビューは面白いものです。

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今回特集でもっともカッチョエエなあと思わされたのはキネティックのC-2Aグレイハウンド輸送機だったりします。地味な機体ですが重要な存在で、こういう飛行機があればこそ全地球的な空母展開を可能とするのです。それになにより2003年5月にジョージ・ブッシュ大統領(当時)が自ら操縦桿を握って空母エイブラハム・リンカーンへとフライトした、悪名高い「イラク戦争終結演説」の立役者としても有名な機体なんですよ。あのときもしブッシュが着艦シークエンスまでやってりゃその……

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連載記事では「夢見る翼」がスペースシャトル・オービター+ボーイング747、「名機100」がカーチス・ゴスホークと今月スケビは全編に渡ってアメリカナイズな見どころがてんこもり。でもねいちばんの見どころは別にあります。

それはなにかというとバ

あ、ところでヒコーキ模型じゃないですけれどタミヤの新製品「ドゥカティ 1199 パニガーレS」って「バニーガール」に空目しません?

……しませんかそうですか

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